★日経平均株価指数は値ガサハイテク株の値動きの影響を受けやすく、これらの銘柄が上昇すれば、他の大多数が上昇しなくても日経平均は上昇するが、騰落レシオは過半数の銘柄が上昇しないと100を超えない。
通常は120%(過熱権)、~70%が(底値圏)程度で推移し、稀に150%(天井圏)、~50%(大底圏)に達することもある。
騰落レシオは株価指数よりも小型株の動きを反映しやすい。一般に、小型株は主力株に先行して動くとされており、強いトレンドが発生している時には株価指数と騰落レシオは概ね連動する。一方で、天井圏や大底圏では両者はかい離しやすいくなる。つまり、両者が連動していればトレンド継続、かい離すれば変化の兆しとなる。
このところ騰落レシオは、日経平均株価とかい離してきていることから、反転の前兆となっている可能性もある。
★トレンドラインでは、2月15日安値を起点として3月11日安値を結んだトレンドライン(S1)を5月8日に下抜けると下落基調が加速した。4月23日の高値を起点として5月7日高値を結んだトレンドライン(R1)や同起点から5月15日高値を結んだトレンドライン(R2)を上抜けることなく下落基調が継続しており、下げ止まる気配がなく売り継続となっている。
SMAでは、5日SMA(赤線)がレジスタンスとして意識され上抜け出来ずに下落基調が強まっている。また、10日SMA(黄線)や25日SMA(青線)も下向きとなっていることから、短中期的には下落基調が継続している。また、200日SMA(紫線)がレジスタンスとならず下抜けしたことから、下押しバイアスが強まる可能性もある。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%D:3.83、Slow%D:5.57とかなり過熱感が出ているものの、下落基調が継続しており持ち直しの兆候は出ていない。今回の下落では、4月9日高値を4月23日高値が上回ったが、ストキャスティクスは上値を切り下げるダイバージェンス後の下落となった。また、モメンタム系オシレーターは、明確にトレンドが発生している時は、まったく機能しなくなる。そのため、ストキャスティクスに従ってトレードすると大きな損失を招くことが多い。
まとめると、現在明確な下落トレンドが継続していることから、売り継続と戻り売りでの対応となる。12月から2月下旬まで続いたボックス相場の上限を下抜けしたことから、下値模索の様相となっている。下値目処とすればレンジ下限となる2,775円前後までこれと言った下目節目がない。ただ、昨年12月7-11日に一旦下げ止まったことから2820円台で下げ止まるが注目点となる。一方戻り上値では、5日SMAの2,946円や200日SMAの2,962円近辺となる。ロウソク足と5日SMAのかい離幅が大きいことから、下げの勢いが強い。落ちるナイフになっていることから、5日SMAを上抜けするなど、戻り基調が出てくるまでは買い方は注意が必要となる。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.308%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・5月17日:▲3.461%⇒20日予想▲3.455%
20日はNYダウが下落したものの、米長期金利の上昇率の方が大きかったことで、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.308%から▲0.853%スプレッドがかい離していることや、直近1月3日大底の▲4.226%から▲0.771%スプレッドがかい離している。
NYダウが下落したものの、米長期金利の上昇率が上回ったことで、イールドスプレッドは前日比縮小し米国債に対して米国株が前日比でNYダウが割高となった。米長期金利が上昇傾向を強めると、米国株を買うより米国債を買った方が良いということになる。そのため、米長期金利の動向が重要ポイント。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.600%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%
・5月17日:▲3.334%⇒20日予想▲3.347%
S&P500のイールドスプレッドも前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.600%から▲0.253%スプレッドがかい離していることや、1月3日の▲3.869%スプレッドに対しても▲0.522%のスプレッドかい離している。
S&P500の下落率が米長期金利上昇率を上回ったことで、イールドスプレッドは前日比で拡大した。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.077%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%
・5月17日:▲1.715%⇒20日予想▲1.750%
NASDAQのイールドスプレッドは前日比拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.077%から▲0.327%スプレッドがかい離していることや、1月3日の▲2.179%スプレッドに対しても▲0.429%のスプレッドかい離している。
NASDAQの下落率が米長期金利上昇率を上回ったことで、イールドスプレッドは前日比で拡大した。
三指数のイールドスプレッドは拡大・縮小まちまちとなった。再び米長期金利が上昇するようなら、米国株に過熱感が出やすい。トランプ大統領がFRBに利下げを強要するのは、米長期金利が低下すると米国株が上昇してもイールドスプレッドの縮小が抑えられるからである。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★5月14日以降の東京金60分足では、一見ダブルボトムからの緩やかな戻りに見える。しかし、安値を切り下げていることから、戻りも限定的となる可能性が高い。現在上値・下値を切り下げる下落基調が継続している。直近高値の4,524円を上抜けするとトレンドの反転となるが、その手前に雲の下限がありレジスタンスとして意識される。
NY金先物市場は、1274.80ドルから1278.80ドルのレンジ相場となった。米グーグルが中国ファーウェイとの一部ビジネスを停止との報道を受けて欧米株安となり、安全志向的な買い需要がみられた。また、イランを巡る中東の地政学リスクの高まりなども意識された。一方で、英国のEU離脱問題の先行き不透明感や、欧州議会選に向けてEU懐疑派躍進への懸念から、ユーロ安・ドル高傾向になっており、割高感による売り圧力も継続し、上昇幅は限定的になった。
価格帯別出来高では、4,500円の節目近辺では押し目買いも入っており、短時間に出来高が増えている。ただ、4,550円からの上値では出来高が多く上値の重石となりやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、緩やかにゼロラインに向かって上昇している。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も%DとSlow%Dは上昇基調を維持していることから短期的には上昇基調は継続している。
東京金の日足では、5月15日以降上値・下値を切り下げる流れが続いており、下落基調が継続している。一方で、下値では260日SMAの4,492円や200日SMAの4,478円が位置しており、サポートラインとして意識される。また、ロウソク足は5日SMAと10日SMAの下に位置しており、両線とも下向きとなっている。NY金は、米中貿易摩擦激化懸念から買われやすい一方で、ドルがユーロやポンドに対して強含みとなっていることが重石となっている。また、リスク回避の動きにも関わらず、米長期金利が底堅い展開となっていることも上値を抑える。為替市場では、リスク回避の円買いでも過度な円買いにはつながっていないことが、東京金の下支えとなっている。
本日の注目点も、昨日同様に260日SMAと200日SMA近辺で反発するのか、それとも下抜けしてしまうのかが焦点となる。戻り場面では5日SMAと10日SMAが下向きとなっていることからレジスタンスとして意識される。
★欧州市場朝方の取引では、欧州株が軟調に取引を開始したが、豪ドル/ドルを中心にドルが弱含み、戻り売りに押されて一時110.00円台に下押しした。中国政府はファーウェイに対する供給を見送ることに同意した海外企業との取引を停止する可能性があるなどと伝わったこともあり、株価が再下落に連れ、ドルが再軟化した。欧州株は全面安となり、NYダウ先物もマイナスに転じたことで、株安を意識したドル売りの流れが継続した。米中貿易対立の長期化懸念や世界減速警戒、今週の欧州議会選挙への警戒感などから、根強いリスク回避の動きとなった。
ドルが一旦下げ渋るも、NYダウ先物の下げ幅拡大の動きが重石となり戻りの鈍い展開となった。米長期金利が上昇に転じたことも相場の下支えとなり、ドル売り一巡後は徐々に下値を切り上げた。米長期金利が2.41%台を回復したことで、ドルはじり高となったが、米中通商摩擦への警戒感は依然と強く上値の重い展開となった。米長期金利が2.41%台を維持していたことで下値を限定的だったが、下げ幅を縮小していたNYダウが再び3桁安になる動きに上値が抑えられた。
★欧米主要経済指標
・ユーロ圏・3月経常収支:+247億ユーロ(2月:+279億ユーロ←+268億ユーロ)
・米・4月シカゴ連銀全米活動指数:-0.45(予想:-0.20、3月:0.05←-0.15)
★欧米市場のポイント
・109.78-110.16円のレンジ相場
・英国のEU離脱問題を巡る先行き不透明感続く
・米中貿易摩擦の激化懸念でリスク回避
・米長期金利が上昇に転じ2.41%台乗せ
・VIX指数は15.96から16.31へ上昇
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