★東京白金の日足では、ダブルトップネックラインの3,193円を下抜けした後は加速的な下落基調となり、25日SMA(青線)、75日SMA(緑線)を一気に下抜けした。そして、100日SMA(黒線)の3,051円が一旦サポートラインとして意識されており、もみ合う展開となっている。
100日SMAを下抜けするようなら、10月7-8日の安値3,012円や200日SMA(紫線)3,010円や260日SMA(茶線)2,999円が視界に入ってくる。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっている。また、両線ともかい離幅を広げていることから、下押しのバイアスが強いことを示している。
まとめると、一旦100日SMAで下げ止まる展開となっているが、このまま下げ止まることが出来るかは、ストキャスティクスの下押しの勢いが強いことから、懐疑的な見方である。また、200日SMAを下抜けするようなら、再び2,800円前後近辺までの下落の可能性もあることから、反動を予想した買いは慎重にしたい。一気に下落してきたことから、一旦の反転がある場合は、5日SMAや10日SMAの勢いを見ながら戻り売り目線で見ていきたい。
★NY株式市場では、三指数でNYダウが横ばいでS&P500とNASDAQは上昇したものの、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは三指数とも拡大する結果となった。三指数とも割高なほどは買われているわけではないものの、過去のイールドスプレッドと比較して目に見えて割安感が薄れてきている。
NYダウは、相変わらず5日SMAの27,646ドルがサポートとなり短期的な上昇基調は継続している。10日SMAの27,477ドルが上向きとなっており、短期的な上昇基調は継続している。ただ、ロウソク足の実体が小さくなっていることから、相場に迷いが出始めている可能性がある。そのため、今後も長期金利が上昇するようなら米国株の割高感が意識されるようになる。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。割高になると米国株を売って、安全資産である債券などに資金がシフトされやすくなり、米国株の下落調整しやすい地合いとなる。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.253%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、
19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・11月11日:▲3.350%⇒11月12日予想▲3.362%
11月12日はNYダウは5年7ヵ月ぶりに前日比横ばいとなったものの、長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比で小幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.253%から▲0.891%と平均値よりかい離が縮小している。18年12月3日の天井▲3.069%まで▲0.293%に接近してきた。19年4月25日の天井3.048%まで▲0.314%に接近してきた。
NYダウが横ばいだったことで株式益利回りは横ばいとなった。イールドスプレッドは前日比で拡大しが3.4%台割れとなっている。米国債券に対してNYダウが前日比でわずかに割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。トランプ大統領が欧州製自動車に対する追加関税の方針決定を6か月間先送りするとの報道を受け、買いが先行した。トランプ米大統領のNYでの講演を控えてしばらくは小高い水準でのもみ合いが続いていたが、トランプ米大統領の発言が伝わるとやや売りが優勢となった。ただ、引けにかけては押し目買いが入り持ち直した。なお、NYダウが前日終値と全く同じ値で引けるのは5年7カ月ぶり。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.585%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、
19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%
・11月11日:▲3.303%⇒11月12日予想▲3.307%
S&P500が小幅上昇したものの、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.585%から▲0.278%と平均値より縮小している。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.576%に接近した。19年4月25日の天井となった2.966%まで▲0.341%に接近した。以前からみるとイールドスプレッドが徐々に縮小してきており、割高感に近づいている。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.101%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、
19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%
・11月11日:▲1.764%⇒11月12日予想▲1.766%
NASDAQは上昇したものの、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドが前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.101%から▲0.335%と平均値より縮小した。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲0.568%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.298%に接近した。
NASDAQは割高にはなっていないが、イールドスプレッドが1.80%台割れまで縮小してきており、割安感も払しょくされてきている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。
三指数のイールドスプレッドは、指数上昇・下落とまちまちの動きとなったことで、米長期金利を横ばいとしたことから、NYダウは縮小し、S&P500とNASDAQはわずかに拡大した。米国株は割高感を感じるまでは買われているわけではないが、全般米国株への割安感は薄れてきている。割高・割安感がないということは見方を変えれば、上振れ・下振れしやすいとも言える。米長期金利が引き続き上昇すると、米国株に割高感が出てくるので、今後の米長期金利の動向には注意が必要となる。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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★11月6日以降の東京金60分足では、24時間SMA(緑線)を上抜けしたものの、一目均衡表の雲の下限がレジスタンスとして意識され『十字線』で引けた。もみ合い相場後に下落する展開が続いている。もみ合う相場展開となることから、下げ止まった感が出た後に下落するパターンとなっている。
NY金先物市場は1446.20-1461.30ドルのレンジ相場となった。ナスダック総合や、S&P500が取引時間中の最高値を更新したこともあり、リスクオンにより金先物価格は弱含んだ。またユーロ/ドルが約1カ月ぶりの水準までドル買い・ユーロ売りが進み、ドル高で取引される金先物価格は割高感からも上値が重く推移した。もっとも、引け間際にはNYダウがマイナス圏に入ると金先物価格も下げ幅を徐々に縮小した。
価格帯別出来高では、出来高が多い価格帯が上値にあり、戻り基調では戻りの重石になりやすい。また、歯抜けのような出来高の少ない価格帯では、価格が振れやすいので注意が必要となる。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの下方から緩やかに戻り基調となっている。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も%DがSlow%Dを上抜け両線とも上昇基調となっていることから、短期的には戻り基調が継続している。
東京金の日足では、100日SMAの5,074円がサポートラインとなっており、下げ止まる展開となっている。10月2日の安値5,071円も心理的な節目として意識されている。ただ、下抜けすると200日SMAの4,840円が視界に入ってくる。NY金先物も、心理的な1,450ドルを挟んでの動きとなっており、下抜けするようなら1,400ドルが意識されyすい。外国為替市場では、109.00円を挟んでのもみ合い相場が続いている。今晩のパウエル米FRB議長の議会証言が注目される。やや円高基調となっていることから、東京金の上値を抑える展開となりやすい。
本日の注目点では、100日SMAを維持出来るかにある。また、一目均衡表の日足では雲の下限もサポートとなっており、この二つのサポートラインが重要なポイントとなる。
★欧州市場朝方の取引では、米長期金利が堅調に推移したことを背景に小幅高水準でもみ合い商状となった。なお、欧州株は概ね堅調に取引を開始した。欧州株が伸び悩み、日経先物も50円安に反落するとドルは上げ渋る展開となった。NYダウ先物がマイナス圏に沈んだことや、米長期金利が1.92%台まで再び低下したことで下押しした。トランプ米大統領の講演での発言に注目が集まる中、欧州中盤は109円台前半で動きが鈍い展開となった。
米長期金利の低下に伴う売りが出たほか、小高く始まったNYダウが失速したことが相場の重石となった。ナスダック総合など米国株が取引時間内の史上最高値を更新し、米長期金利も1.94%台まで上昇したことで一時戻り基調となったものの、トランプ大統領の講演を控え、狭いレンジでの方向感のない動きになった。トランプ大統領の講演から新しい情報が得られずに、市場では失望感が広がりリスク選好やドル買いの動きが一段落した。発言内容がこれまで通りに不透明な発言が多かったので、方向感がなくじり安となった。
★欧米主要経済指標
・英・7-9月ILO失業率:3.8%(予想:3.9%、6-8月:3.9%)
・英・7-9月週平均賃金:前年比+3.6%(予想:+3.8%、6-8月:+3.7%←+3.8%)
・英・7-9月雇用者数増減:-5.8万人(予想:-10.2万人、6-8月:-5.6万人)
・英・10月失業率:3.4%(9月:3.3%)
・英・10月失業保険申請件数推移:+3.30万件(9月:+1.35万件←+2.11万件)
・独・11月ZEW景気期待指数:-2.1(予想:-13.0、10月:-22.8)
★欧米市場のポイント
・108.89-109.28円のレンジ相場
・米国とEUの貿易を巡る対立激化への懸念の後退
・ナスダック総合とS&P500が日中の史上最高値を更新
・5年7ヵ月ぶりにNYダウが前日終値と全く同じ値で引ける
・トランプ大統領からマーケットにポジティブな内容の発言は伝わらず
・VIX指数は12.69から12.68へわずかに低下
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★日経225の中期トレンドを示す週足では、1月11日週から200週SMA(紫線)を上抜けたことで、サポートラインとなりレンジ相場の下限として意識されている。また、レンジの上限として4月26日週の高値22,362円がレンジ相場の上限として意識される展開が続いていた。そのレンジ相場の上限を上抜けしたことから、強い相場が継続継続している。
トレンドラインでは、8月30日週の安値20,173円を起点として、10月4日週の安値21,276円を結んだトレンドライン(S1)を上回っており、上昇基調は継続している。
移動平均線では、上からロウソク足、13週SMA(赤線)、26週SMA(青線)、52週SMA(緑線)と上昇基調の順番になっており、各SMAが上向きとなっており、強い上昇基調が続いていることを示している。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%D:95.98、Slow%D:91.87と過熱感は出ているが、明確な上昇トレンドが発生している際は、モメンタム系オシレーター(RSIやROC、RCIなど)であるストキャスは売りシグナルが連続してしまうので注意が必要である。こういう明確なトレンド発生時には、トレンドフォロー系である移動平均線の変化やロウソク足などの変化を見極める必要がある。
まとめると、中期トレンドでの投資判断は『買い』または『保有』となる。現状では、下落する兆しは見られない状態である。そのため、2018年1月26日週高値24,129円や同年10月5日週高値24,448円が上値目標値となる。
一方で、投資判断を変更するシグナルとすれば、日経225は高値圏で小陰線の連続や上ヒゲ中陰線が出たら変化の兆しとなりやすい。現在は利益確定売りを吸収しながら小陽線が連続しながら上昇している。こういう相場は底堅い展開となりやすい。また、再び22,362円のレンジ相場の上限を下回るようなら、下値模索の動きとなりやすい。
こういう相場は逆張りしたくなるが、相場が上昇したがっている中での逆張りは損を大きくしやすい。そのため、相場にブレーキ痕が出るような陰線が出るまでは順張りが正当な戦略となる。ただし、過熱感があり高値圏にあるといことは注意しておく必要がある。急ブレーキが掛かった場合は、黒田日銀総裁のように『躊躇ない投資判断』が必要で、ストップロスは早めに入れる必要があり、事前に想定しておく必要がある。
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