FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2018/05/11/15:11:36

日経平均株価:好業績銘柄に買いが集まり指数を押し上げ

前日の米国株が6日続伸で大幅上昇したことから投資家がリスク選好の動きとなり買いが先行した。特に18年3月期好業績銘柄が買われたほか、市場では『株価指数先物にCTA(商品投資顧問)から買いが入った』との指摘もあり上げ幅を広げた。結局、前日比261円高2万2758円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台半ばでもみ合い相場

ドル/円は、特段材料がない中、一時またまったドル売り・円買いフローが持ち込まれて109円台半ばから109.20円台まで急落した。ただ、週末を控えて下値追いの動きは出なかった。その後は、国内輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価が大幅上昇したことに支えられ109.40円台まで持ち直した。午後は株価にらみの展開となりつつも、109円台半ばでもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.19ドル台前半で方向感の欠いた展開となった。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

米国でのインフレ高騰は見られず:行き過ぎたインフレ懸念

米FOMCが注視している食品やエネルギーを除いたコア消費者物価指数(CPI)は前月比+0.1%と、予想外に3月+0.2%から低下した。前年比では+2.1%と、上昇予想に反して3月の水準を維持し落ち着いた動きとなった。また、4月生産者物価指数(PPI)も3月から予想以上に低下した。現状恐れられていたようなインフレの高騰は見られない。ただ、トランプ大統領がイラン核合意を離脱した。対イラン制裁強化を公約し、イランと取引する諸国、企業、銀行などにも制裁を科す方針を表明したため、今後の原油価格が供給ひっ迫により100ドル近く上昇するとの予想もある。そのため、原油高がインフレ高騰につながる可能性は残る。ただし、現在は年初からインフレ高騰への警戒感が行き過ぎであったと言える。インフレ急騰のリスク後退は、株式相場を支援しやすい。

 

イラン核合意存続のための協議を開催

イランと米欧などが2015年に結んだ核合意から離脱するとトランプ米大統領が表明したことを受け、イランと英仏独、EUが核合意存続の危機を打開するため、ベルギーの首都ブリュッセルで15日に外相会合を開くことが決まった。イランが経済制裁をの解除と引き換えに核開発制限に合意を巡り、当事国が米国の離脱表明後に打開策を集中討議する恥円手の場になる見通し。合意崩壊は国際的な核不拡散体制の危機につながりかねず、今後の協議に道筋をつけられるかが注目される。

 

米国市場では5月のミシガン大学消費者信頼感指数が公表

米国では5月にかけて、原油などの資源価格が上昇した。ガソリン価格も連動上昇の圧力がかかっていて、家計にはマイナス要因となりやすい。さらに米長期金利の上昇や貿易戦争と輸入関税引き上げなどによる物価上昇懸念も、消費マインドを冷やす要因となる。一方で、米国では緩やかながらも雇用や賃金の改善が維持されている。米国株は不安定ながら、5月3日から6連騰と持ち直しの傾向が見られる。米国ではトランプ政権の支持率に下げ止まる調査もあり、消費者心理が底堅さを維持している可能性もある。

 

欧米イベント

○17:30   1-3月期香港域内総生産(GDP、予想:前期比0.8%)
○21:00   3月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比5.5%)
○21:00   3月インド鉱工業生産(予想:前年同月比6.1%)
○21:30   4月米輸入物価指数(予想:前月比0.5%)
○21:30   4月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2万人/失業率5.8%)
○21:30   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○22:15   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23:00   5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:98.3)

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/05/10/15:12:38

中国4月CPIとPPIの物価指数:ほぼ市場予想通りの結果

中国の4月CPI(消費者物価指数)は前年比+1.8%となり、市場予想の前年比+1.9%を下回った。また、4月PPI(生産者物価指数)は前年比+3.4%となり、市場予想通りとなった。

物価が安定していることから、金融引き締める必要もない状況。

 

4月29-5月5日分の対外及び対内証券売買契約等の状況

国内投資家は対外中長期債は3637億円の売り越しとなり、売り越しは4週間ぶりとなった。対外株式は238億円の買い越しとなり、買い越しは6週連続となった。海外投資家は対内株式は3億円の売り越しとなり、売り越しは6週間ぶりとなった。対内中長期債も154億円の売り越しとなり、売り越しは6週間ぶりの売り越しとなった。

 

国内投資家は、GW真っ只中に利益確定の債券売りを進めた可能性が高い。日本市場がGWに入っていたことから、海外投資家もほとんど動きのない展開だった。

 

日経平均株価:円安進行を好感した買い優勢

米国株の上昇や外国為替市場での円安進行を背景に、前日好決算を発表したトヨタ自動車など輸出関連株中心に買いが先行した。ただ、市場では『株価指数先物に海外勢から売りが持ち込まれた』との指摘もあり、一時前日終値手前まで上げ幅を縮めた。結局、前日比88円高の2万2497円と反発して取引を終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は110円を目前に足踏み状態

ドル/円は、心理的な節目の110.00円に接近したことで、利食い売りなどに押されて109.63円まで軟化した。米長期金利が2.98%台まで低下したことや日経平均株価が朝方のあと伸び悩んだことを受けドル売り・円買いにつながった。ただ、前日の海外市場でつけた安値109.57円がサポートとして意識されたことで買戻しが入った。午後は、米4月消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードが広がり109円台後半でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1860ドル台を中心とした狭いレンジ相場となり、欧州勢待ちの様相となっている。

 

新債券王のガンドラック氏は米国経済のピークアウトの可能性を指摘

新債券王の異名を持つ米ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラッグCEOはウエブキャストで、米国経済の勢いがピークをつけた可能性を指摘した。また、コア消費者物価指数(CPI)が明白に2.25%を上回った場合、インフレやFRBの金融政策、市場のシナリオが変わる可能性を警告した。同氏は長期的にドル安、短期的な調整でドル高を予想している。金利の上昇や債務拡大は米国経済にとり、かなり危険なカクテルと警告している。

 

米国市場では4月CPI(消費者物価指数)が公表

米国では4月にかけて、原油などの資源相場が上昇した。また、昨年からのドル安の累積効果や、米トランプ政権による輸入関税増強政策の余波などもあり、緩やかな物価の上昇が注目される。前年に物価を押し下げた携帯電話や医療品関連などの『前年比下落』も一服となってきた。しかし、4月の平均時給は伸び悩みが示されている。現在は欧州や新興国などで、景気の減速警戒感が強まっている。そのため、4月はドルが上昇に転じて物価抑制要因となっており、CPIが予想ほど上昇しない可能性も残っている。

 

欧米イベント

○17:00   4月欧州中央銀行(ECB)月報
○17:30   3月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
         製造業生産高(予想:前月比▲0.2%)
○17:30   3月英貿易収支(予想:113億ポンドの赤字)
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.50%に据え置き、資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
○20:00   英中銀イングランド銀行、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)
○20:30   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、記者会見
○21:00   4月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.28%)
○21:30   3月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万9000件)
○21:30   4月米CPI(予想:前月比0.3%)
      エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%)
○11日02:00   米財務省、30年債(170億ドル)入札
○11日03:00   4月米月次財政収支(予想:2120億ドルの黒字)
○スイス、オーストリア(キリスト昇天祭)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/05/09/15:11:58

日経平均株価:中東情勢緊張を嫌気して売り優勢

米国のイラン核合意離脱表明を受けた中東情勢緊張を警戒した海外投資家からのリスク回避の売りが優勢となった。また、医薬品株が軒並み安となったことで、株価全体を押し下げた。結局、前日比99円安の2万2408円と反落して取引を終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は109円台半ばのもみ合い相場

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りや米長期金利が上昇したことに支えられ、じり高が継続した。その後も、複数のメディアが『リクルートHD,米オンライン求人サービス会社グラスドアを12億ドルで買収すると発表』と報じられると、さらにドル買い・円売りが進んだ。午後は、株価をにらみながら109円台半ばで取引された。ユーロ/ドルは、1.18ドル半ばで方向悪寒に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

注目されていたトヨタ自動車決算は警戒感を払拭

トヨタが発表した業績は、かなり好感のできる内容となった。2019年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が2兆3000億円となり、市場予想の2兆2122億円を上回った。4月27日に同業のホンダが市場予想を大きく下回る営業利益予想を出していたため、トヨタについても事前の警戒感が高まっていたが、払拭される展開となった。19年3月期の想定為替レートを1ドル=105円と、現在の市場実勢の109円台よりも保守的に見積もっているにも関わらず、これだけの数字を出してきたことは好材料となった。

 

日本株は需給相場で上値重い

衆院解散の観測が浮上し『アベノミクス』継続への期待から相場が上昇基調に乗った17年9月から、今年5月8日までの日経平均先物の累積売買高は価格帯別(250円刻み)でみると22,250~22,500円の価格帯が約108万枚と突出して多い。同期間の累積売買高の13%を占め、金額換算では約24兆円になる。相場がこの水準に入ってくると戻り待ち売り圧力が高まる。また、海外投資家は今年1月から3月にかけ先物を約6兆円売り越した。3ヵ月の日経平均先物の売買加重平均価格は約22,300円となる。先物を売った海外投資家にとっては『平均売りコスト』になる一方、国内金融機関や個人などの押し目買いを入れた主体にとっては『平均買いコスト』になる。そのため、相場の下落局面では押し目買い、上昇局面では戻り売りの要因となる。

 

新興国通貨の選別色が強まる

アルゼンチンを巡る混乱をきっかけに経済基盤の脆弱な国を敬遠する傾向が強まってきた。アルゼンチンと同様に経常赤字と高いインフレ率に悩むトルコのリラにも先安感が再燃している。アルゼンチンでは米長期金利上昇をきっかけに対ドルでのペソ安が進み、中銀は通過防衛のための連続利上げを迫られた。政策金利は5月4日にはついに年40%に達したが、それでも通貨安は収まらず、8日には国際通貨基金(IMF)に支援を求めた。ペソの下アク圧力はひとまずおさまったものの、今ペン的な原因であるアルゼンチン経済の脆弱が変わるわけではない。

 

NY市場の原油価格はフェイクニュースで乱高下

NY市場では、トランプ大統領が『イラン核合意』の離脱を正式に表明した。そのイラン合意を巡っては、CNNが『離脱しない可能性』を報じたかと思えば、NYタイムズが『トランプ大統領がマクロン仏だ何時お良に離脱の意向を伝えた』とのヘッドラインが出た。市場では『本当にフェイクニュースはどっち?』と色めきだったが、結果的に元祖フェイクニュースのCNNに軍配が上がった。このニュースに直線影響を受けたのは、WTI原油先物市場だった。CNNニュースを受けて一時67.63ドルまで急落した。ただ、NYタイムズの報道をきっかけに急速に70ドル台を回復するなど、かなり乱高下した。アジア伊時間に入っても、『変に売り込んでしまった』向きが多かったこともあり、70.72ドルまで高値を更新した。

 

欧米イベント

○15:45   3月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.4%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   3月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比2.0%)
○21:30   4月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%)
○23:00   3月米卸売在庫(予想:前月比0.5%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○10日02:00   米財務省、10年債(250億ドル)入札
○10日02:15   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○10日06:00   ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)
○英中銀金融政策委員会(MPC、10日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/05/08/15:14:21

中国4月貿易収支:人民元高でドルベースでは予想上回る

4月の中国貿易収支は1828億人民元(287.8億ドル)の黒字となり、市場予想の1891.5億人民元(277.5億ドル)の黒字を下回った。3月は297.8億人民元(49.8億ドル)の赤字だった。

ドルベースの輸入が前年同月比21.5%増となり、市場予想の16.0%増を上回った。また、輸出が前年同月比12.9%増となり、市場予想の8.0%増を上回った。

 

日経平均株価は上昇:海外投資家からの買い

寄り付きは40円超下げて始まったものの、NYダウが3日続伸を受け投資余力が増した海外投資家の買いがが持ち込まれたとの指摘があり100円近い上昇となった。ただ、円安が一服したことで輸出関連株への利益確定売りが重石となった。結局、前日比41円段かの2万2508円と小幅反発して取引が終了した。

 

東京外国為替市場:中東情勢に対する警戒感からドル売り優勢に

ドル/円は、NY市場でトランプ大統領がイラン核合意に関する判断を発表すると表明したことで、中東情勢に対する警戒感からドル売り・円買いが先行し、109円割れとなった。しかし、前日安値108.76円が下値節目として意識されると、ドルの下げも一服した。午後は実需筋などがドル買い・円売りを持ち込み、109.10円近辺までじり高となった。しかし、休場明けとなるロンドン勢の動向を見極めたいとの雰囲気から上値を追う動きは限られた。ユーロ/ドルは、このところの低調なユーロ圏の経済指標が相次いでいるため、持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り1.1910ドル付近へ軟化した。

 

本邦大手生命保険4社の2018年度の資産運用計画が出揃う

日銀による金融緩和で国内の金利低水準で推移していることを踏まえ、より利回りが高い外国債券への投資を増やす方針を維持する。生保各社は、国内は低金利であることから、厳しい運用環境が継続する。そのため、保険各社は米国を中心に投資対象国を広げるとして運用収入の拡大とリスク分散を図る。ただ、世界経済の先行きは、米中貿易摩擦を巡る不確実性の高まりや北朝鮮を巡る地政学リスクの再燃などが懸念される。また、ヘッジ外債関連のコストが上がっていることを受け、ユーロ建ての投資を増やすとした。

 

中東情勢の悪化によるリスク上昇に注意

トランプ大統領は、イラン核合意に関する米国の方針をワシントン時間8日午後2時に発表することを明らかにした。トランプ大統領は選挙中から度々、前オバマ大統領のレガシーとも言えるイラン核合意(米国、英国、ロシア、フランス、中国、ドイツ)の内容がひどく、『ないほうがましだ』と訴えてきたが、放棄する方向にあると、ニューヨークタイムス紙が報じている。フランスのマクロン大統領は4月にワシントンを訪問し、イラン核合意にとどまるよう説得し、撤廃よりも修正を提案した。ドイツのメルケル首相や英国のボリス・ジョンソン外相も米国を訪問し、合意にとどまるよう説得に努めた。しかし、米国の決定にかかわらず、輸出が大幅に伸び、経済が潤った。市場では8割がた、米国が合意を放棄すると見ている。対イラン制裁の実施は2014年11月来初めてとなる。そのため、中東の地政学リスクが上昇する可能性が警戒されている。

 

米国債入札今晩から始まる:入札次第で為替への影響も

米国債市場では8-10日、米財務省が3年債、10年債、30年債で合計730億ドル(約8兆円)の国債入札を実施する。拡大する財政赤字の穴埋めに向け、前四半期の同時期より70億ドルの増額となる。米債券価格の下落を受けた割安感や前週末の米賃金低迷などにより、根強い入札需要が示されると米長期金利の一段の低下へと寄与する。ドル/えではドルの下押しリスクが懸念される。ただし、米長期金利の低下は米国株や新興国株にはpラスとなる。その一方で、原油高によるインフレ懸念や先行きの米財政赤字懸念などにより、米債入札が低調となる可能性も残る。その場合は米長期金利の緩やかな再上昇とドル下値を支える要因となる。今週米国では、物価指標が公表されるが、緩やかな物価上昇が再確認されると米長期金の上昇とドル安の歯止めとなりやすい。

 

欧米イベント

○14:45   4月スイス失業率(季節調整前、予想:2.9%)
○15:00   3月独貿易収支(予想:225億ユーロの黒字)
○15:00   3月独経常収支(予想:270億ユーロの黒字)
○15:00   3月独鉱工業生産(予想:前月比0.8%)
○16:15   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、チューリッヒで講演
○21:15   4月カナダ住宅着工件数(予想:22万件)
○23:00   リーカネン・フィンランド中銀総裁、講演
○9日02:00   米財務省、3年債(310億ドル)入札
○9日03:00   トランプ米大統領、イラン核合意に関する判断を発表

 

 

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/05/07/15:15:43

日経平均株価:米雇用統計を受けた円高を嫌気した売り優勢

前週末の米国株高を好感して40円超で始まったが、連休中に1ドル=108円台後半への円高に輸出採算改善期待が後退し自動車等輸出関連株への売りや米中「貿易摩擦」の不透明感から景気敏感株にも売りが出で、一時下げ幅を122円まで広げた。しかし、日銀の株ETF買い観測に下げ幅を縮めた。結局、前週末比5円安の2万2467円と小幅続落で取引を終了した。

 

東京外国為替市場:株価下げ止まりドル/円は109円台を回復

ドル/円は、日経平均株価が一時120円超下落したことで、リスク回避のドル売り・円買いが進み、一時108.75円まで下げた。また、4日に開催された米中通商協議が物別れに終わり、貿易摩擦を巡る懸念が強まったこともドルの重石となった。しかし、下値追いの動きにはつながらず、本邦実需筋などからのドル買いも持ち込まれ下げ止まった。午後になると、日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、109.20円台まで値を戻した。ユーロ/ドルは、このところの低調なユーロ圏の経済指標が相次いでいることから、持ち高調整によるユーロ売り・ドル買いが入り1.1940ドル台へ軟化した。

 

時間外米原油先物では70ドル台に上昇:12日のイラン核合意を警戒

2014年11月以来3年5ヵ月ぶり1バレル70ドルを超えた。トランプ大統領が12日までに『イラン核合意』(15年に欧米など6カ国で締結)により解除されたイランへの経済制裁再開の是非を判断するが、米国による生産が再開されれば産油国であるイランからの原油供給が減少すると警戒されている。トランプ氏はかねて『イラン核合意』に批判的で、合意離脱と判断すれば精彩が再開されイラン産原油輸出が減少するとの懸念が買い材料となっている。

一方で、イランのロウハニ大統領は実施した演説で、イラン核合意について、『米国が離脱すれば、史上類を見ないほど後悔することになる』と警告した。また、米国の決定を見越して原子力庁などに『必要な命令』を出したと述べている。

 

8-10日にかけての米国債市場の大型入札に注目

四半期定例・大型入札が8日3年債、9日10年債、10日30年債が実施される。米財務省による国債発行計画で、事前計画ほど目先は国債が増発されない見通しとなったことや、先週末に公表された米4月雇用統計での平均時給の伸び悩みなどにより、米長期金利の上昇が一服となった。そのため、GW明けの外国為替市場ではドル安・円高の圧力になっている。米国債の入札で、債券価格の割安感などによる一定の応札需要が確認されると、改めて米長期金利の調整低下へと寄与し、ドルの上値の重石となりやすい。反対に原油高などから先行きインフレ懸念や米国の財政赤字拡大(潜在的な国債増発余地)への警戒感などから、米国債入札が低調となると米長期金利の再上昇が後押しされる。その場合、日米金利差拡大からドルの下支えとなるが、米長期金利上昇を嫌気して米国株が大幅下落するとリスク回避のドル売りにつながる可能性もある。

 

5月1日付シカゴIMM投機筋の対米ドルでの差し引き持ち高

 

     (4月24日)   ⇒   (5月1日)

・円     : +583   ⇒   ▲1,405

・ユーロ   :+130,594   ⇒  ▲120,568

・ポンド   :+37,365   ⇒   +26,382

・豪ドル   : ▲3,396   ⇒   ▲5,672

 

ドル/円のポジションは6週間ぶりに円ロング(円買い)から円ショート(円売り)へとポジションの逆転となった。ただ、円ポジションについては、ほぼニュートラルのため、再びポジションの逆転が発生する可能性がある。短期筋も円に関しての方向性に不透明感が強いと思われ、ポジションを傾け難い展開となっている。ユーロに関しては、ECBの早期利上げや出口戦略による引き締めが早期に実施されるとの思惑から、高水準まで買われていた。しかし、このところのECB要人発言では、やや金融引き締めが後退してきたこともあり、ユーロロングのポジションの手仕舞いが2週連続となっている。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月独製造業新規受注(予想:前月比0.5%)
○16:15   4月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%)
○21:25   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○8日03:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○8日04:00   3月米消費者信用残高(予想:160億ドル)
○8日04:30   カプラン米ダラス連銀総裁、エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○英国(アーリーメイバンクホリデー)、休場

 

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