★6月11日以降の東京金60分足では、トレンドライン(S1)を下抜け雲の下限をも下抜けする展開となった。ただ、下値では120時間SMA(赤線)がサポートラインとして意識されている。雲の下限がレジスタンスとして意識されており、上抜け出来るかが注目される。本日夜間取引では雲のネジレがあり、トレンドの加速や反転など相場の節目となりやすい。
NY金先物市場は1336.60-1347.10ドルのレンジ相場となった。米企業景況感の悪化を意識した買いが入ったが、ユーロの伸び悩みを嫌気して安全逃避の買いはやや縮小した。米国株式がプラス圏で推移したことも、金先物の上昇を抑制する一因となったようだ。また、先週末に取引の中心限月として2018年4月以来、1年2カ月ぶりの高値をつけた後を受け、利益確定の売りが優勢だった。
価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯を徐々に下抜けしてきていることから、戻り基調では上値の重石となりやすい。大きくかい離してくると徐々に買い方からの手仕舞い売りを助長する。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを下抜けしたことで12EMAと26EMAがデッドクロスしたことを示している。ただ、再びMACDが戻り基調にあることから、デッドクロス後に両線が再び接近しており下落の勢いは鈍化傾向にある。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%DとSlow%Dが横ばいとなっており、方向感を欠いた展開となっている。
東京金の日足では、10日SMAがサポートラインとなり、再び5日SMAを回復したことで上昇基調は継続している。また、5日SMAと10日SMAも上向きを維持していることで、短期的には上向きバイアスが強いことを示している。NY金は1年2ヵ月ぶりの高値を付けた後だけに利益確定売りが入りやすい展開となった。米FRBによる早期利下げ期待が残っていることから、大崩する展開にはなり難い。為替市場でも米FOMCや日銀政策決定会合を控え、一方的にポジションを傾ける動きは抑制されやすい。そのため、結果が出るまでは、108円台での狭いレンジ内で推移しそうである。
東京金の日足では、10日SMAがサポートとして意識され、5日SMAを回復する展開となっており、上昇基調は継続している。本日も下値では、5日SMAの4,661円や10日SMAの4,641円が意識される一方で、上値では17日直近高値4,707円が意識される。
★欧州市場朝方の取引では、ドルの動意は乏しい展開となった。なお、欧州株は高安まちまち、日経先物も20円安で推移した。欧州勢本格参入後、米長期金利がやや上昇したが、108.56円前後でこう着商状となった。米FOMCの結果に注目が集まる中、持ち高調整の動きとなった。欧州市場中盤の取引では、ドルの押し目買いに支えられ底堅く推移した。NYダウ先物が伸び悩む一方、米長期金利が2.11%付近で底堅さを維持した。米6月NY連銀製造業景気指数が-8.6%と市場予想11.0から大きく下振れし、16年10月以来の水準まで低下した。結果を受けてドル売りが強まった。
6月全米ホームビルダー協会住宅市場指数が64と市場予想の67を下回ったものの、米国株が上昇して始まると円売り・ドル買いがじわりと強まった。その後、特段目立った動きではなかったが、米長期金利が2.07%台まで低下したことに連動したドル売りが優勢となった。今週予定されているFOMCや日銀金融政策決定会合を前に様子見ムードが強まり、その後は大きな方向感は出ず、NY時間の値幅も概ね20銭程度と小幅となった。
★欧米主要経済指標
・米・6月NY連銀製造業景気指数:-8.6(予想:11.0、5月:17.8)
・米・6月NAHB住宅市場指数:64(予想:67、5月:66)
・米・4月対米証券投資・長期有価証券(株式スワップ等除く):+469億ドル(予想+310憶ドル、3月:ネット長期有価証券:-259憶ドル←-284億ドル)
・米・4月対米証券投資全体:-78億ドル(3月:-56憶ドル←-81億ドル)
★欧米市場のポイント
・108.47-72円のレンジ相場
・英国の合意なき離脱の可能性を警戒
・米6月NY連銀製造業景気指数予想下回る
・6月NAHB住宅市場指数予想を下回る
・FOMCと日銀金融政策決定会合を前に様子見
・VIX指数は15.28から15.36へ上昇
★先週末取引終了前に格付け会社ムーディーズが昨年8月以来、約10カ月ぶりにトルコの格付けを引き下げた。また、ロシア製S400地対空ミサイルについて、エルドアン・トルコ大統領は先週末にも『すでに納入済み、7月前半には届くだろう』『これはもう完了済みであり、後ろ向きなことは論外』と頑なな姿勢を維持している。また、米国側から届いた書簡についても『今週中には回答書簡が米側に届くだろう。米側との意見の食い違いについてはトランプ大統領と話し合う』と述べた。
格付け会社からの格下げや米国との関係悪化懸念がトルコリラの上値を重くする。
トルコリラ/円の日足では、5月9日安値17.50円を起点として5月23日安値17.83円を結んだトレンドライン(S1)の攻防となっている。確り下抜けするようなら上昇トレンドの終了と下落トレンドの兆候となる。
また、5日SMA(赤線)がレジスタンスとして意識される中、下向きとなり下落基調となってきている。現在25日SMA(青線)の18.39円の攻防となっており、下抜けると5日SAMや10日SMA(黄線)がレジスタンスとして意識されながら下落基調が継続する可能性がある。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜け両線とも過熱感なく下向きとなっている。そのため、下押しバイアスが掛かっている。
まとめると、S1と25日SMAを下抜けすると、5月23日の直近安値が次の下目節目となる。ただ、下抜けたところ安値切り下げとなり、上昇トレンドは消滅することになるため、5月9日の安値17.50円が次の下値目処となりやすい。一方で、S1や25日SMAを早々に回復し、5日SMAや10日SMAを上抜けするようなら再び上昇基調に戻る可能性が高まる。
ただ、トルコリラに対する悪材料が多いことから、急落する可能性もあるので、十分気を付ける必要がある。
★今年に入ってから毎回ではないが、『新月』・『満月』でドル/円相場の転換になりやすい。
今日の『満月』を通過しても2-3日はその影響を受けるので、トレンドの加速やトレンドの反転には注意が必要となる。
特に満月はドル安・円高になりやすいので留意しておく必要がある。
★東京金の一目均衡表日足では、雲の上限がレジスタンスとして意識され上抜け出来ずにいたが、6月14日に雲の上限を上抜けるとストップロスを巻き込み騰勢を強めた。週末夜間では、勢いそのままに始値は高く始まったものの、利益確定売りなどから下落基調となった。しかし、雲の上限や転換線5日(茶線:オリジナル線)がサポートラインとして意識され下ヒゲを伴って終了した。
転換線9日(赤線)は基準線(青線)を上抜けており、さらに相場の方向性を示す基準線が上向きとなっていることから、上昇トレンドは継続している。
26期間遅行する遅行線(緑線)は雲の上限を上抜けしてきており、さらに26期間先行する先行スパンでは、先行スパン1が先行スパン2を上抜け両線とも上向きをとなっていることも上昇基調の強さを示している。
52期間の高低の中心値となる先行スパン2の当日線(灰線)が上を向いていることから、中期的なトレンドも上向きとなり、今までの売り方からのポジションの手仕舞いが入りやすい地合いとなっている。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%D:87.71、Slow%D:85.62とやや過熱感が出てきているが、モメンタム系のオシレータはトレンド発生時には上限に張り付くようなダマシが頻発しやすいので、注意が必要となる。そのため、5月31日安値と6月12日安値を結んだトレンドライン(S1)を下抜けするまでは安易な売りには注意が必要となる。
まとめると、現在は上昇基調は継続しており投資判断は『買い』または『継続』となる。投資判断を変更するシグナルは、S1を下抜けしてくるようなら注意が必要となる。また、雲の上限は今後低下基調にあることから、転換線5日が転換線9日を下抜けるかが注視される。
上値目処では、3月20日高値4,685円を一時上抜けしたものの、再び下回る展開となっていることで、この高値を確り上抜け出来るかにある。このラインを上抜けすると年初来高値を付けた2月20日の4,789円が視界に入ってくる。
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