★東京金のボリンジャーバンド(パラメータ:21、±1σ、±2σ、±3σ)の日足では、±3σが拡張するエクスパンションが継続しているため、上昇基調は継続している。マイナス3σが拡張しているうちは、基調が強いことを示している。基調に鈍化傾向が現れると、マイナス3σが横ばいから内側に向いてくる。それは、上昇の勢いが減速したことになり反落の最初のシグナルとなりやすい。その後、プラス3σが横ばいから内側に向いてきて反転を確認することになる。
ただ、現在一目均衡表の雲の上限がレジスタンスとして意識されており、上値を抑えている。一方で、プラス2σがサポートラインとして意識され下げ止まる展開となっている。このままの値位置を維持するようなら、来週以降雲の上限が低下傾向にあることから、雲の上限を上抜けすることが出来る。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、高水準で横ばいとなっている。モメンタム系のオシレータは、トレンド発生時にはこのように高水準に張りつきオシレータの機能が鈍化しやすい。
現在はマイナス3σが拡張していることもあり、上昇基調は継続している。シナリオ見直しのシグナルとして、プラス2σを下抜けマイナス3σが内側に入ってきたら、反転の兆しとなりやすいので注意が必要となる。
★トルコ中央銀行は、昨晩の金融政策決定会合で、政策金利(1週間レポート)を24.00%に据え置きとすることを発表した。市場予想通りとなったことで、大きな波乱はなかった。
トルコリラ/円の戻り基調も5日SMA(赤線)18.66円や10日SAM(黄線)18.67円を下抜けしており、両線がレジスタントして意識され上値の重い展開となってきた。5日SMAが10日SMAを下抜けるデッドクロスすると、より上値の重い展開となりやすい。
ただ、5月9日を起点として5月23日の安値を結ぶトレンドライン(S1)を上回ったいることから、短期的な下落調整でトレンド展開と判断するには時期尚早となる。
25日SMA(青線)も上向きを維持していることで、中期的には戻り基調が継続している。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、買われ過ぎ水準から%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることから、調整局面が継続している。
上値は重くなってきているが、上昇トレンドは継続している。そのため、再び5日SAMと10日SMAを上抜けしてくるようなら、再び75日SMA(緑線)の19.19円が上値節目となる。一方で、下落調整が続くようなら、25日SMAの18.38円やS1近辺がサポートラインとなるかが注目される。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.379%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・6月11日:▲3.604%⇒12日予想▲3.638%
11日はNYダウは小幅下落し、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.381%から▲0.741%スプレッドがかい離していることや、直近1月3日大底の▲4.226%から▲0.588%スプレッドがかい離している。
NYダウが下落したことで株式益利回りは上昇した。さらに、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは前日比で拡大した。そのため、米国債に対してNYダウが前日比で割安となった。米国債券を買うより米国株式を買った方が良いということになる。今後も、米長期金利の動向が重要ポイント。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.693%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%
・6月11日:▲3.519%⇒12日予想▲3.556%
S&P500のイールドスプレッドも前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.693%から▲0.137%とスプレッドがかい離していることや、1月3日の▲3.869%スプレッドに対して▲0.313%、6月3日の3.881%から▲0.325%とスプレッドがかい離している。S&P500は1月3日や6月3日からイールドスプレッドがかい離していることで、割安感が払しょくされてきている。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.218%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%
・6月11日:▲1.997%⇒12日予想▲2.037%
NASDAQのイールドスプレッドも前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.218%から▲0.181%とスプレッドがかい離している。また、1月3日の▲2.179%スプレッドに対しては▲0.142%、6月3日の▲2.328%スプレッドに対して▲0.291%とスプレッドがかい離している。
NASDAQも下落し、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは前日比で小幅に拡大した。NASDAQは米中貿易摩擦の影響で大幅に下落していたことから、このところの戻りも大きかったが、戻りも一巡している。
三指数のイールドスプレッドは、わずかに拡大した。しかし、このところの連騰後の下落調整により、徐々に拡大傾向となっている。そのため、今後も米長期金利が低下し、米国株が下落調整するようなら、米国株に割安感が出始める。そのため、過熱感のない状態で米国株が上昇しやすい。トランプ大統領がFRBに利下げを強要するのは、米長期金利が低下すると米国株が上昇してもイールドスプレッドの縮小が抑えられるからである。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★6月7日以降の東京金60分足では、じり高となり各SMAを上抜け、さらに一目均衡表の雲の上限も上抜けし、その後はサポートラインとして意識される展開となっている。本日の夜間取引には雲のネジレがありトレンドの反転や加速など節目となりやすい。
NY金先物市場は1329.80-1342.30ドルのレンジ相場となった。香港では『逃亡犯条例』改正案に反対する抗議運動が広がり、香港株式市場はリスク回避ムードが強まった。そのため安全資産の金には資金が向かい、時間外から金先物は堅調に推移した。NY時間に入り、5月米CPIが予想より弱かったことも金相場の支えとなった。その後、為替相場でドルが欧州通貨に対して強含むと、ドル建ての金先物は上げ幅を縮小して引けた。
価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯まで回復しているものの、買い方・売り方共に損益分岐点上に位置している。そのため、もみ合いながら出来高が増加しているこで、上下どちらかに振れると大きな動きとなりやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロライン上方でMACDがシグナルを下抜けしているものの、ほぼ横ばいとなっており、下落トレンドは強まっていない。ただ、ストキャスティクス(パラメータ:14、3、3、20、80)は、価格は高値を抜いたものの、ストキャスティクスは上値を切り下げるダイバージェンスが発生していることから、下落の前兆となりやすいので注意が必要となる。
東京金日足では、5日SMAを一旦下抜けしたものの75日SMAや100日SMAがサポートとなり、早々に5日SMAを回復したことで上昇トレンドが継続している。ただ、夜間取引ではロウソク足が『十字線』となっており、上位で出現するとトレンド転換の暗示となりやすい。NY金はドルインデックス指数が上昇してきていることから、ドル高に伴う売りが入りやすい。ただ、新たに香港の抗議運動がリスク要因となってきており、底堅い展開が予想される。為替市場では、米国の早期利下げ観測あり米長期金利は低下しやすいものの、108円台の前半から半ばで推移しており現段階では底割れのリスクは小さい。為替のレンジが縮小していることから、東京金への影響も軽微となっている。
本日の注目点では、上抜けした5日SMAを維持出来るかにある。
★欧州市場朝方の取引では、株安を背景に米長期金利が低下したことを受け、ドルが軟調地合いとなった。なお、欧州株は軟調に推移、日経先物は20円高に小幅反発した。米長期金利が2.11%台へ低下し、NYダウ先物が70ドル程度下落したことでじり安となった。欧州株の全面安やNYダウ先物は軟調地合いとなったが、米長期金利の下げ渋りやドルの押し目買いで底堅い展開となった。米5月コアCPI(消費者物価指数)が前月比+0.1%(前年比+2.0%)と市場予想の前月比+0.2%(前年比+2.1%)を下回ったことで米景気先行き不透明感からドル売りが強まった。その後、米長期金利が一時2.14%台まで低下幅を縮小するのをながめてドルが持ち直した。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値108.57円を上抜けることが出来ずにドルは失速した。小幅ながらマイナス推移のNYダウをながめて、しばらく上値が重かったがドルが欧州通貨に対して強含んだことで、ドル買いが優勢となった。トランプ大統領が『中国とは通商合意に至るだろう』『米国と北朝鮮は良好な関係』などと発言したが、相場の反応は鈍かった。
★欧米主要経済指標
・米・5月消費者物価指数:前年比+1.8%(予想:+1.9%、4月:+2.0%)
・米・5月消費者物価コア指数:前年比+2.0%(予想:+2.1%、4月:+2.1%)
・米・5月消費者物価指数:前月比+0.1%(予想:+0.1%、4月:+0.3%)
・米・5月消費者物価コア指数:前月比%(予想:+0.2%、4月:+0.1%)
・米・5月財政収支:-2078億ドル(予想:-2025億ドル、18年5月:-1467.96億ドル)
★欧米市場のポイント
・108.19-53円のレンジ相場
・英下院議会の合意なき離脱を防ぐ動議は否決
・ロシアとの天然ガス絡みで米独関係悪化懸念
・米5月CPIは市場予想を下回り一時米長期金利低下
・アジア時間に付けた日通し高値108.57円が上値の重石
・VIX指数は15.99から15.91へ低下
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