★12月25日以降の東京金60分足では、大きく窓を開けて上昇後したことで売り方からの手仕舞いの買い戻しと、買い方からの利益確定売りが錯綜するもみ合い相場の様相となっている。24時間SMA(緑線)がサポートラインとして意識されるかが注目される。
NY金先物市場は1562.30∸1590.90ドルのレンジ相場となった。先週末から急速に高まった米イラン間の緊張は週明けの金融市場でも強く意識され、安全資産の金に資金が向かった。時間外から上昇した金先物はNY勢が本格参入すると利益確定売りに押されたが、下値は堅いままだった。ただ、米国株(主要3指数)が揃って反発したこともあり、金先物の上げ幅も前週末と比べると限定的となった。
価格帯別出来高では、高値圏で出来高を膨らませてもみ合いが継続している。売り方の手仕舞いの買い戻しが終了すると、買い方からの利益確定売りが強まる可能性があるので、新規の買いが入ってくるかが焦点となる。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの上方でシグナルを下抜け両線とも下向きとなっていることから、下押しバイアスが強まっている。一方で、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、低位から%DがSlow%Dを上抜け両線とも上向きとなっていることから、戻り基調を示している。寄り付き後の動きがポイントとなる。
東京金の日足では、夜間取引においてロウソク足がほぼ『十字線』のような様相となった。そのため、相場への迷いが生じていることを示している。要するに売り方からの手仕舞い売りが一巡し、相場への勢いが鈍化したことから買い方からの利益確定売りに上値を抑えられていると思われる。そのため、一旦の調整下落しやすい地合いにある。NY金も、米国とイランとの緊迫化による過度なリスク回避が後退していることから、利益確定売りに押されやすい展開となっている。為替市場でも、過度なリスク回避の円買いも後退しており、108円台を回復しており東京金にとっての下支えとなる。
過度なリスク回避の動きが後退していることから、本日は利食い売りに押されやすい展開となりそう。ただ、米国やイラン政府から発信されるコメント次第では、再びリスク回避の動きが強まる可能性もある。しばらくは相場全体が神経質な展開となりやすい。
★欧州市場朝方の取引では、過度なリスク回避の動きは後退し、108.10円付近でもみ合い商状となった。なお、欧州株は全面安で取引を開始した。欧州主要株が大幅続落となる中、リスク回避による円買いが再び優勢となり108.00円前後まで下落した。しかし、先週末に進行したリスク回避のドル高に対する調整の動きが進行、対欧州通貨を中心にドル売りの動きが広がった結果、クロス円が反発に転じたことを受け108.00円前後で下げ渋る展開となった。米長期金利が小幅に上昇したことでドルが小反発した。
米国・イラン間の対立を警戒したリスク回避の流れが継続する中、108円台前半でのもみ合いに終始した。その後、下げ幅を縮小したNYダウやプラスに転じたナスダック総合などの動きを受けて、為替相場もリスク回避の巻き戻しで円売りが強まった。買い戻し優勢の米国株や前日比プラス圏で推移する米長期金利などを受けて、ドルの下押しも限定的となった。米国株主要三指数が下値を切り上げると円売りがじわりと強まった。
★欧米主要経済指標
・独・12月サービス業PMI改定値:52.9(予想:52.0、速報値:52.0)
・独・12月総合PMI改定値:50.2(予想:49.5、速報値:49.4)
・ユーロ圏・12月サービス業PMI改定値:52.8(予想:52.4、速報値:52.4)
・ユーロ圏・12月総合PMI改定値:50.9(予想:50.6、速報値:50.6)
・英・12月サービス業PMI改定値:50.0(予想:49.1、速報値:49.0)
・英・12月総合PMI改定値:49.3(予想:48.5、速報値:48.5)
・ユーロ圏・11月生産者物価指数:前年比-1.4%(予想:-1.5%、10月:-1.9%)
・米・12月サービス業PMI改定値:52.8(予想52.2.速報値:52.2)
・米・12月総合PMI速報値:52.7(速報値:52.2)
★欧米市場のポイント
・ドル/円は107.91∸108.50円のレンジ相場
・107円台では本邦実需勢のドル買いが継続的に入った
・欧州株は中東情勢の緊迫化が警戒され全面安
・NYダウは一時210ドル超下落するもプラス圏に回復でドル買い
・12月米サービス部門PMI改定値と12月米総合PMI改定値が予想上回る
・米長期金利が一時1.75%台まで低下後1.81%台まで上昇でドル買い
・VIX指数は14.02から13.85へ低下
★米国軍によるイラン革命防衛隊司令官の殺害を受け、両国の対立が激化するとの懸念から金融市場ではリスク回避の動きが強まっている。
そのため、日経225日足の大発会では、大納会の終値23,657円から窓開けとなり25日SMA(青線)23,611円を一気に下抜ける23,320円のスタートとなった。
また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%DがSlow%Dを下抜け両線ともかい離幅を広げながら下向きとなっていることから、下押しバイアスが強まっている。
下値目処では、12月4日の直近安値23,045円や75日SMA(緑線)22,867円下値目処として意識される。
日経225は、12月中旬以降は緩やかに下落基調だったことや、12月25日に5日SMA(赤線)が10日SMA(黄線)を下抜けるデッドクロスしていたことで、下落調整場面が続いていた。そのため、中東情勢悪化が切っ掛けとなり下げの勢いが強まった。
一旦下げ止まるまでは慎重姿勢で静観が良さそうだ。米国とイランとの関係悪化の行方も警戒される。イランが米国人を殺害するような攻撃をすると、大統領選を控えて米国民のための聖戦という口実から中東での戦火勃発の可能性もあるので注意が必要となる。
★ドル/円のボリンジャーバンド(パラメータ:21、±1σ、±2σ、±3σ)の日足では、バンド幅が縮小するわけでもなく、概ね一定のバンド幅を保ちながら横ばいとなっていた。ただ、直近では±3σのバンド幅が拡大するエクスパンションの動きとなってきた。そのため、現状は下押しバイアスが強まっている。
一目均衡表の雲の上限で推移し、雲の下限がサポートラインとして意識されていた。しかし、朝方から雲の下限を下抜けたことで、一転雲の下限がレジスタンスとなりやすい。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DとSlow%Dがかい離幅を拡大して、両線とも下向きとなっていることから下押しバイアスが強いことを示している。
まとめると、週明けのドル/円相場は現在下押しバイアスが強いことを示している。ただ、12月後半では109円台半ばで推移していたことから、108円台割れでは押し目買いも入りやすい。本日はリスク回避の動きが強まりやすく、ドル/円の下値を確認するまでは注意が必要となる。
特にアジア市場がリスク回避の動きが強まると、欧米市場でも伝播しやすくもう一段の円高・ドル安が進行する可能性があるので注意が必要である。米国とイランの対立激化が始まったばかりなので、ここは慎重姿勢が重要となる。
★NY金価格と米国10年債金利の相関では、概ね逆相関の関係にある。そのため、債券金利が低下するとNY金価格は上昇しやすく、債券金利が上昇するとNY金価格は下落しやすい。
米国10年債金利は2019年9月3日の1.459%がボトムとなり、年末にかけて上下はあるものの上昇基調となっていた。一方、NY金価格は同年9月4日の1,560.4ドルが高値となり、年末にかけて緩やかに低下基調にあった。
ただ、米国10年債金利は年末にかけて上昇したにもかかわらず、NY金価格も上昇する展開となった。そして、年明けに米国軍がイラン革命防衛隊司令官を殺害したことで、米国とイランの威嚇の応酬が激化している。そのため、リスク回避の動きが強まり、米国株安を受けて米国10年債金利が低下する一方で、リスク回避の金買いにより上昇の勢いが強まる展開となっている。
米国とイランとの対立状況がより悪化するようなら、リスク回避の動きが今後も強まる可能性が高い。そして、米国株安を受けて安全資産となる米国10年債券やNY金に買いが集まる展開となりやすい。そのため、金は高水準に推移しているものの、値ごろ感だけでの金売りとはなり難いので注意が必要となる。
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