FITS エコノミックレポート

東京金60分足では72時間SMAと雲上限が意識!

2020/01/09/08:36:51

 

★12月27日以降の東京金60分足では、24時間SMA(緑線)を下抜けしたものの72時間SMA(青線)と雲の上限がサポートラインとして一旦下げ止まる展開となっている。ただ、26期間先の先行スパンでは先行スパン1が先行スパン2を下抜けしたことで、下落基調の兆しとなっている。雲の上下限がサポートとなるのか、それとも下抜けするのかが注目される。

 

NY金先物市場は1553.40-1613.30ドルのレンジ相場となった。イランがイラクの米軍駐留基地を攻撃したと伝わると安全資産の金に買いが集まり、時間外のNY金先物は一時1613ドル台まで値を上げて約7年弱ぶりの高値を記録した。しかしながら、戦争を望まないとしたイランにトランプ米大統領も武力行使による報復を否定したことで、リスク回避の巻き戻しが急ピッチで進んだ。為替相場でドル高が進んだことも重しとなり、2月限は一時1560ドルを割り込む場面があった。また、米長期金利の上昇や株高も金先物相場の下落を促した。

 

価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯を下抜けしてきたことから、もう一段の下落となると買い方からの手仕舞い売りが入りやすく、大きな下落調整となりやすい。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを下抜けシグナルとかい離幅を広げながら下向きとなっていることから、下落基調が継続している。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、売られ過ぎ過熱感があるものの、%DがSlow%Dを下抜けしていることから、下落基調は継続している。

 

東京金の日足では、大幅に下落したものの5日SMAの5,445円がサポートとなり下げ止まる展開となっている。本日5日SMAを維持出来るかが焦点となる。下抜けした場合は、10日SMA5,355円が下値目処として意識される。5日SMAと10日SMAはともに上向きを維持していることから、短期的な上昇基調は維持している。両線が下向きになるなどすると、トレンドの反転が確認できる。NY金は地政学リスク後退や約7年ぶりの高値を付けていたことから、売りが殺到する展開となった。中東情勢が安定したわけではなく、今後も軍事衝突のリスクが残っている。為替市場では、再びドル/円は109円台に回復しており、東京金の下支えとなりやすい。

本日の注目点は、5日SMAを維持出来るかにある。また、下抜けした際も10日SMAで下げ止まるかも注目される。金融市場が大きく上下に振れたことから、しばらくは余震的な動きが残りやすく上下に振れやすい。

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向 中東情勢の緊張緩和でドル買い戻し!

2020/01/09/07:32:58

 

★欧州市場朝方の取引では、イラン外相の発言を手掛かりに、ショートカバーで108円前半に値を戻した。なお、欧州株は軟調に取引を開始した。108.40円台でもみ合い商状ながら、米長期金利が持ち直したことにドルが下支えされ、109.45円前後で底堅く推移した。中東情勢の先行き不透明感から、全般的に模様眺めとなった。NYダウ先物は小安い水準で推移し、米長期金利が1.80%台まで低下幅を縮小したことで、ドル/円はじり高となった。イラク首相府が『連合側に負傷者の報告なし』と発表したことから、ドル買いが強まり108.52円を上抜けるとストップロスを誘発し、一時108.76円まで上昇した。

 

12月ADP全米雇用報告で予想を上回ったことでドルはじり高となった。しかし、米国とイランの対立激化への警戒感から上値も限定的となった。その後、トランプ大統領がイランへの軍事力を行使しない方針を示した。また、イランも米国との緊張激化や戦争を望まない意向を表明しており、両国の直接的な武力衝突は回避できるとの見方からドル買いが強まった。中東の地政学リスク後退を背景に米国株堅調推移、米長期金利も上昇したことで109円台で強含みとなった。しかし、バグダッド・グリーンゾーンに数発のロケットとの報道が伝わると、109.00付近まで伸び悩む展開となった。ただ、この攻撃で死傷者はなかったことからすぐに持ち直した。

 

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・12月景況感指数:101.5(予想:101.4、11月:101.2←101.3)

 

・米・12月ADP雇用統計:前月比+20.2万人(予想:+16.0万人、11月:+12.4万人←+6.7万人)
・米・11月消費者信用残高:+125.13億ドル(予想:+160.00億ドル、10月:+189.76億ドル←+189.08億ドル)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円は108.37-109.24円のレンジ相場

・米国とイラン両国の直接的な武力衝突の可能性後退でリスク選好

・イラン・イラクの隣国であるトルコリラに買い戻しの動き

・12月ADP全米雇用報告は予想を上回る良好な結果

・米長期金利が上昇するとドル買いが優勢

・VIX指数は13.79から13.45へ低下

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日経225は75日SMAを意識して下げ止まる!

2020/01/08/16:30:26

 

★日経225の日足では、米軍が駐留するイラク軍事基地へイランがミサイル攻撃したと伝わり中東紛争リスクへの警戒感に加え1ドル=107.65円近辺への約3ヶ月ぶり円高を嫌気して売りが先行した。一時600円超安と約1ヵ月半ぶりに23,000円を割り込んだ。

要するに、23,000円は心理的なサポートにはならなかったということになる。それでは、何がサポートラインとして意識されたかであるが、75日SMA(緑線)の22,913円が下値目処として意識された。

この75日SMAは、直近の昨年10月3日から10月10日までサポートラインとなり、その後の上昇につながった。

明日も75日SMAがサポートとして意識され、下げ止まりの展開になるかが注目される。

しかし、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きを維持していることから、下落基調が継続していることを示している。

75日SMAを下抜けするようなら、100日SMA(黒線)の22,375円が次の下値目処として意識される。

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投機筋のNY金先物の買い持高は過去最高!

2020/01/08/15:47:21

 

★米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した12月31日時点の建玉報告によると、ニューヨーク商品取引所(COMEX)で投機筋(非商業部門)による金先物の買い持高は3週続けて拡大した。そして、前週比2万2273枚多い32万7925枚とデータが開示されている1986年以降で最高となった。

このところの金買いは、米軍がイラクの首都バグダッドでイラン革命防衛隊の精鋭組織の司令官を殺害したと伝わり、中東情勢が緊迫化するとの警戒感が台頭した。投資家がリスク回避姿勢を強め、『安全資産』とされる金に買いが集まったことが要因である。

9月24日付けで買い持高が31万2444枚がピークとなり、その後の買い持高減少と金価格の下落となった。そのため、投機筋による金の買いが限界に近づいていると判断した投資家の売りが出やすいとの見方もある。しかし、中東情勢緊迫化を背景に『安全資産』としての金に対する需要も根強くあり、節目の1600ドル突破の可能性もある。

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イールドスプレッドで1月8日の米国株市場を先取り!

2020/01/08/10:00:36

 

★NY株式市場では、三指数とも下落した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドはNYダウとS&P500指数は前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)したが、NASDAQ総合はわずかに縮小する結果となった。中東情勢の緊迫化が高まってきたことで、地政学リスクによるリスク回避から米国株安・米長期金利低下となりやすく、過熱感が急速に払しょくされる。中東情勢の緊迫化が早々に解決するとは思えず、リスク回避の動きが継続する可能性が高い。そのため、中東情勢による米国株の影響と米長期金利の動向が重要なポイントとなる。やや米国株の過熱感が後退したものの、過熱感は残っていることから、下落調整が継続可能性が高い。

 

NYダウは下落して5日SMAの28,666ドルと10日SMAの28,612ドルを下抜けした。米国とイラン間で軍事衝突が勃発したことで、下値模索の動きになりやすい。当面の下値として意識されるのが、25日SMAの28,252ドル、75日SMAの27,540ドルである。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)でも、%DがSlow%Dを下抜け、両線とも下向きとなってきたことで下押しバイアスが強まっている。しばらくは下値模索の動きになりやすいことから、下値反転するまでは注意が必要となる。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.152%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・1月6日:▲3.150%⇒1月7日予想▲3.157%

 

1月7日のNYダウが下落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.152%から▲0.995%と平均値よりかい離していることで割高になっている。18年12月3日の天井▲3.069%まで▲0.088%に接近してきた。19年4月25日の天井3.048%まで▲0.109%に接近してきた。

 

NYダウが下落したことで株式益利回りは上昇した。また、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。米国とイランの対立激化への警戒感から売りが優勢となり、一時130ドル超下落した。個別ではメルクやJPモルガン・チェース、キャタピラーなどの下げが目立った。半面、ボーイングは堅調だった。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイによる同社株取得観測を背景に買いが集まった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.500%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・1月6日:▲3.133%⇒1月7日予想▲3.134%

 

S&P500が下落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.519%から▲0.385%とかい離していることで割高になっている。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.403%に接近した。19年4月25日の天井となった2.966%まで▲0.168%に接近した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.017%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・1月6日:▲1.596%⇒1月7日予想▲1.584%

 

NASDAQが下落した一方で、米長期金利がそれ以上に上昇したことでイールドスプレッドが前日比でわずかに縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.017%から▲0.433%と平均値より縮小した。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲0.386%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.116%に接近した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。米中貿易交渉の進展期待が高まると買われやすい。一方で、米中関係悪化の報道では、売られやすい展開になりやすい。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数とも下落した一方で米長期金利が上昇したことで、NYダウとS&P500指数は拡大したものの、NASDAQ総合は下落率が小さかったことで、米長期金利の上昇の影響が大きくわずかに縮小した。米長期金利が再び1.80%台に上昇したことから、イールドスプレッドは縮小しやすい。しかし、中東情勢の緊迫化で米国株の上値が重くなることが予想される。また、地政学的リスク回避の動きから、米長期金利が低下すると過熱感も徐々に低下していく。そのため、株価だけではなく今後の米長期金利の動向にも注意が必要となる。一方で、中東情勢の緊迫化で原油価格が上昇しやすい地合いとなっている。原油価格の上昇はインフレ率の上昇を招く要因となり、米長期金利の上昇材料となる。そのため、原油価格の動向にも注意を払う必要がある。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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