FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで1月10日の米国株市場を先取り!

2020/01/10/09:18:10

 

★NY株式市場では、三指数とも上昇した一方で、米長期金利は小幅低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。中東情勢の緊迫化が後退したことから、米国株高・米長期金利上昇となりやすく、過熱感が急速に高まる可能性がある。昨日は米国30年債入札が好調だったことから米10年国債も買われ金利は低下した。ただ、中東情勢の緊迫化が早々に解決するとは思えず、再びリスク回避の動きが強まることも予想される。そのため、中東情勢による米国株の影響と米長期金利の動向が重要なポイントとなる。再び米国株への過熱感が高まってきたことから、十分注意する必要がありそうだ。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。NYダウは18年12月3日の天井となったイールドスプレッドを下回ってきたことから、過熱感が強まっている。

 

NYダウは下落して5日SMAの28,725ドルと10日SMAの28,676ドルを明確に上抜けした。米国とイラン間で軍事衝突回避の思惑が強まったことで、短期的な上昇基調を回復する展開となった。ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%DがSlow%Dを下抜け、両線とも下向きとなっており、下押しバイアスが残っている。しばらくは上下に振れる展開が予想される。NYダウは過熱感が出ており、いつ下振れしても不思議ではない状況となっている。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.123%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・1月8日:▲3.091%⇒1月9日予想▲3.068%

 

1月9日のNYダウが上昇した一方で、米長期金利は小幅に低下したもののイールドスプレッドは前日比小幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.123%から▲1.055%と平均値よりかい離していることで割高になっている。18年12月3日の天井▲3.069%を+0.001%上回った。19年4月25日の天井3.048%まで▲0.020%に接近してきた。NYダウにかなり過熱感が出てきた。

 

NYダウ上昇したことで株式益利回りは低下した。一方、米長期金利は小幅に低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小した。米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。米イラン対立への警戒感が後退したほか、アップルやボーイングなど個別で好材料が出た銘柄が買われ相場を押し上げた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズやユナイテッドヘルスなどが売られ、相場の重石となった。また、中国の劉首相が13日からワシントンを訪れ、15日に米中貿易交渉の第一段階目の合意について両国が署名する予定が報じられたことも好感された。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.463%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・1月8日:▲3.059%⇒1月9日予想▲3.042%

 

S&P500が上昇した一方で、米長期金利は小幅低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.463%から▲0.421%とかい離していることで割高になっている。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.311%に接近した。19年4月25日の天井となった2.966%まで▲0.076%に接近した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.975%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・1月8日:▲1.512%⇒1月9日予想▲1.499%

 

NASDAQが上昇した一方で、米長期金利は小幅低下したもののイールドスプレッドが前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.975%から▲0.476%と平均値より縮小した。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲0.301%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.031%に接近した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。米中貿易交渉の進展期待が高まると買われやすい。一方で、米中関係悪化の報道では、売られやすい展開になりやすい。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数とも上昇した一方で、米長期金利は小幅低下したものの縮小した。米長期金利はわずかに低下したものの、1.80%台半ばに上昇していることから、イールドスプレッドは縮小しやすい。中東情勢の緊迫化後退で債券売り(金利は上昇)と米国株高になりやすく、米国株に割高感がでやすい。そのため、株価だけではなく今後の米長期金利の動向にも注意が必要となる。また、中東情勢の緊迫化で原油価格が上昇しやすい地合いとなっている。原油価格の上昇はインフレ率の上昇を招く要因となり、米長期金利の上昇材料となる。そのため、原油価格の動向にも注意を払う必要がある。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

カテゴリー: ホットニュース

東京金60分足では緩やかに戻り基調!

2020/01/10/08:30:13

 

★12月30日以降の東京金60分足では、一旦雲の下限を下抜けしたものの下落基調は続かず、緩やかに戻り基調となった。寄り付き直後に一目均衡表の雲のネジレがあり、トレンドは反転や加速など相場の節目になりやすい。120時間SMA(赤線)240時間SMA(茶線)は緩やかに上向きとなっていることで、下落調整したものの上昇基調は継続している。

 

NY金先物市場は1541.00∸1562.40ドルのレンジ相場となった。米国とイランが全面戦争をひとまず回避し、中東地域への過度な警戒感の後退を受けて、安全資産の金は売りが先行した。また、為替相場でドルがユーロに対して堅調となった場面では、ドル建ての金先物も1550ドル割れで弱含んだ。もっとも、イラクの米軍基地近くにロケット弾が着弾と報じられ、地政学リスクが意識されると金も下げ幅を縮小して引けた。

 

価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯前後で辛うじて下げ止まる展開となっている。出来高の多い価格帯から下押しすると、買い方からの手仕舞い売りが出やすく下げを加速させやすいので注意が必要となる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの下方でシグナルとゴールデンクロスしていることから戻り基調となっている。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も%DがSlow%Dを上抜け両線ともかい離幅を広げながら上向きとなっていることから戻り基調が継続している。

 

東京金の日足では、一旦5日SMAの5,477円を下抜けしたことから、一転してレジスタンスとして意識される。早々に5日SMAを上抜け出来るようなら、5日SMAと10日SMAが上向きを維持しているため、再び上昇基調戻る。ただ、再び下押しするようなら、10日SMAの5,381円がサポートとして意識される。NY金は、過度な中東情勢緊迫化は後退したものの、なお米国とイランとの関係悪化の状態は変わっていない。そのため、NY金の大幅下落は予想しにくい展開となっている。為替市場では、再び109円台半ばまでドル高・円安に戻しており、東京金の下支えとなりやすい。

 

本日の注目点は、5日SMAを再び上抜けできるのか、それとも5日SMAがレジスタンスとなり下押しするのかが焦点となる。60分足では寄り付き直後に雲のネジレがあることから、トレンドの転換や加速など相場の節目的な動きになりやすいので、寄り付き後の値動きには注意が必要となる。

カテゴリー: ホットニュース

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 過度な中東情勢緊迫化の後退でドル底堅い展開!

2020/01/10/07:28:14

 

★欧州市場朝方の取引では、日経先物が続伸するなど前日からの株高が持続する中、リスク選好改善によるドル安・円安の流れが進展した。なお、欧州株は全面高で取引を開始した。米国とイランとの緊張緩和に思惑が広がる中、リスク選好的な円売りが強まった。欧州市場では、米長期金利が上昇地合いを維持したことで、全般的にドルが底堅く推移した。英国ではEU離脱関連法案の採決を控える中、まとまったポンド売りが出て、ドル買い圧力が高まった影響からじり高となった。ペンス米副大統領がイランに対して強硬な態度を示したことがドルの重石となったが、下押しは限定的となった。

 

上昇傾向の米長期金利や堅調な米国株をながめながら、ドル買いが進行した。その後、ウクライナ航空機がイランを離陸直後に墜落した件で、米当局者はイランが撃墜したと確信していると報じられると、ドル売りがじわりと強まった。また、好調な米30年債入札を受けて米長期金利が低下するとドルは下押しした。ただ、強いドルの地合いを変えるほどではなく、売り一服後は買い戻しが入った。

 

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・11月失業率:7.5%(予想:7.5%、10月:7.5%)

・米・先週分新規失業保険申請件数:21.4万件(予想:22.0万件、前回:22.3万件←22.2万件)
・米・失業保険継続受給者数:180.3万人(予想:172.0万人、前回:172.8万人)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円は109.24∸58円のレンジ相場

・中東情勢の緊迫化に対する懸念の後退でリスク選好

・欧州各国の株式相場は軒並み上昇

・米副大統領がイランに対して強硬な態度も影響は軽微

・ウクライナ航空機をイランが撃墜との報道でも影響は軽微

・米国株は史上最高値を更新

・VIX指数は13.45から12.54へ低下

カテゴリー: ホットニュース

トルコリラ/円のEMAとMACD動向!

2020/01/09/11:47:07

 

★トルコリラ/円の日足では、MACD(パラメータ:12、26、9)がゼロラインの下方からシグナルを上抜けるゴールデンクロスしている。

MACDは12日指数平滑線(EMA:赤線)26日EMA(青線)の差をMACDとして、シグナルはその差の9日間のEMAとなっている。

基本的には、ゼロラインの下方でMACDとシグナルがゴールデンクソルすると買いシグナルとなる。

実際の12EMAと26EMAを見ると、12日EMAが上向きとなり戻り基調となっているものの、26日EMAがレジスタンスとなり上値を抑えている。そのため、明確に上抜き出来ればMACDのゴールデンクロスが正しかったことになる。しかし、26日EMAに上値を抑えられ再び下押しするとMACDのゴールデンクロスはダマシだっということになる。

そのため、オシレータとしてMACDを使用する場合は、12日EMAと26日EMAと共に分析した方がダマシに合いにくい。26日EMAを明確に上抜けしてくると、MACDも買いシグナルが出ているので上昇基調が継続しやすい。

カテゴリー: ホットニュース

イールドスプレッドで1月9日の米国株市場を先取り!

2020/01/09/10:02:18

 

★NY株式市場では、三指数とも上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。中東情勢の緊迫化が後退したことから、米国株高・米長期金利上昇となりやすく、過熱感が急速に高まる可能性がある。ただ、中東情勢の緊迫化が早々に解決するとは思えず、再びリスク回避の動きが強まることも予想される。そのため、中東情勢による米国株の影響と米長期金利の動向が重要なポイントとなる。再び米国株への過熱感が高まってきたことから、十分注意する必要がある。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。

 

NYダウは下落して5日SMAの28,707ドルと10日SMAの28,631ドルを再び上抜けした。米国とイラン間で軍事衝突回避の思惑が強まったことで、短期的な上昇基調を回復する展開となった。ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%DがSlow%Dを下抜け、両線とも下向きとなってきたことで下押しバイアスが強まっていることには注意が必要となる。しばらくは上下に振れる展開が予想される。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.166%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・1月7日:▲3.177%⇒1月8日予想▲3.098%

 

1月8日のNYダウが上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比大幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.166%から▲1.068%と平均値よりかい離していることで割高になっている。18年12月3日の天井▲3.069%まで▲0.029%に接近してきた。19年4月25日の天井3.048%まで▲0.050%に接近してきた。

 

NYダウ上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅に縮小した。米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。イランは7日夜にイラク国内の米軍基地を攻撃したが、米国との緊張激化や戦争を望まない意向を示した。トランプ米大統領もイランに対する軍事力行使を「望まない」と表明したことから、両国が一段の武力行使には動かないとの見方が広がった。ユナイテッドヘルスやアップル、ホーム・デポなどに買いが集まり、上げ幅は一時280ドルを超えた。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.501%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・1月7日:▲3.134%⇒1月8日予想▲3.059%

 

S&P500が上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.501%から▲0.442%とかい離していることで割高になっている。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.328%に接近した。19年4月25日の天井となった2.966%まで▲0.093%に接近した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.013%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・1月7日:▲1.587%⇒1月8日予想▲1.513%

 

NASDAQが上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドが前日比で大幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.013%から▲0.500%と平均値より縮小した。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲0.315%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.045%に接近した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。米中貿易交渉の進展期待が高まると買われやすい。一方で、米中関係悪化の報道では、売られやすい展開になりやすい。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数とも上昇したうえ、米長期金利も上昇したことで大幅に縮小した。米長期金利が再び1.80%台に上昇したことから、イールドスプレッドは縮小しやすい。中東情勢の緊迫化後退で債券売り(切り上昇)と米国株高になりやすく、米国株に割高感がでやすい。そのため、株価だけではなく今後の米長期金利の動向にも注意が必要となる。また、中東情勢の緊迫化で原油価格が上昇しやすい地合いとなっている。原油価格の上昇はインフレ率の上昇を招く要因となり、米長期金利の上昇材料となる。そのため、原油価格の動向にも注意を払う必要がある。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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