FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2018/02/19/15:14:47

日1月貿易収支:赤字幅は予想をやや下回る

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は正月休みに伴う生産や輸出の減少などの季節要因を主因に▲9434億円の赤字となり、市場予想の▲1兆36億円よりも小さくなったが、1月速報で8ヶ月ぶりの赤字となった。輸出は12.2%増の6兆856億円と14ヶ月連続の増加、輸入は7.9%増の7兆290億円と13ヶ月連続の増加となった。

輸出は日本経済の回復を下支えしており、急激な円高は日本経済にとって逆風となる。実質国内総生産(GDP)が28年ぶりに8四半期連続のプラス成長となるなど足もとの経済は堅調だが、為替や株式市場の混乱の実体経済への波及が先行き懸念される。

 

日経平均株価は円高一服と株価の変動率低下を好感

前週末NYダウが続伸したことや、株価の変動率の落ち着きや円高一服を好感して輸出主力株中心にほぼ全面高となった。株価指数先物に小口の買いが入り、値がさの現物株の買いに波及した。ただ、アジアの一部市場と米国が休場のため、売買は低調だった。結局、前週末比429円高の2万2149円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:全般的にドルの買い戻し優勢

ドル/円は、日経平均株価が430円超まで上げ幅を広げるにつれて早朝高値の106.43円を上抜けた。本邦実需などのドル買い・円売りに支えられ、全般ドル買い戻しも進み一時106.51円まで値を上げた。ユーロ/ドルは、全般ドル高が進んだ流れに沿って上値を切り下がった。欧州勢待ちの様相を呈しており、1.24ドル台前半で小幅な値動きに終始した。

 

今週の英経済指標次第ではポンド高に

英ポンドの短期的な方向性は今週発表される経済指標に左右される可能性が高い。21日の雇用統計で賃金インフレの兆しの有無確認、22日は10-12月期第4四半期実質GDP)改定値)が発表される。イングランド銀行(中央銀行)が3ヶ月以内に利上げするかを決定付けかねない。市場では5月までに利上げ実施の確率は78%と織り込み始めている。特に注目されているのは、21日発表の英雇用統計で、賃金インフレが示されればポンドを押し上げる可能性がある。

 

米国保護主義貿易はドル売り材料にも

米商務省が16日にトランプ大統領に安全保障上の理由から鉄鋼とアルミニウム輸入の大幅制限を提言して物議を醸している。 実際、セーフガード(緊急輸入制限)発動や関税率50%超への引き上げ、もしくは中国等の出方を伺うアドバルーン打ち上げか、真偽は定かでないが、かかる『保護主義』通商政策は通貨切り下げ(ドル安)を連想させてドル売り材料になりやすい。

米商務省はすでに『通商拡大法232条』に基づき安全保障上の見直しを実施、大統領は鉄鋼に関し4月11日迄、アルミニウムに関し4月20日までに輸入制限の是非を決定する。
なお、商務省が提示した選択肢は以下の通り。

<鉄鋼>=1)全輸入に24%以上の関税、2)ブラジル、中国等12ヶ国からの輸入に53%以上の関税、3)その他は2017年の米国への輸出水準を上限とする割当制導入。

<アルミニウム>=1)全輸入に7.7%以上の関税、2)中国、香港、ロシア、ベネズエラ、ベトナムからの輸入に23.6%の関税、3)その他は鉄鋼と同様。

 

米国では移民問題で今後も不安定に

米上院が15日、幼少期に親に連れられ米国に入国した不法移民の若者『ドリーマー』180万人への対処を巡り、ホワイトハウスが支持する案と超党派譲歩案の双方を否決したことから、今年、米議会が幅広い移民法案で合意する可能性は極めて小さくなった。この行き詰まりを受け、共和・民主党グループが策定した譲歩案の廃案に全力を尽くすなど、大統領は合法移民の削減を求める立場を変える気配を見せていない。そのため、再び瀬戸際政策や短期的な政府機関閉鎖につながる可能性がある。

 

欧米イベント

○18:00   12月ユーロ圏経常収支(季節調整済み)
○19:00   12月ユーロ圏建設支出
○20日02:45   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
○米国(プレジデンツデー)、カナダ(ファミリーデー)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2018/02/16/15:19:59

2月4-10日の対外及び対内証券売買契約等の状況

国内投資家は対外中長期債は9732億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続となった。対外株式は448億円の売り越しとなり、売り越しは38週ぶりとなった。海外投資家は対内株式は4295億円の売り越しとなり、売り越しは4週連続となった。対内中長期債は417億円の買い越しとなり、買い越しは4週間ぶりとなった。また、対内短期債は8073億円の買い越しとなり、買い越しは2週連続となった。

 

国内投資家の対外債券売りは、2月は米国債の償還月となることが要因と思われる。また、米国では利上げ観測が強まっており長期金利が上昇していることで、償還分の資金を新たに債券購入せず様子見している可能性が高い。海外投資家は日本株を4週連続売り越していることから、米国株は早い戻り基調となっているが日本株の上値が重くなっている。今年は2月が中国などの春節(旧正月)だったことも、休みを控えて売りが強まった可能性が高い。

 

日経平均株価:VIX指数の低下を好感した買い優勢

米国株式市場では連日で大幅高となったほか、株価変動率を示すVIX指数が日米で低下していることもあり、投資家の間で買い安心感が広がったほか、売り方の買戻しや見直し買いが入り上げ幅を拡大し一時402円に広げた。午後になると1ドル=105.54円への円高が嫌気されて上げ幅を縮めた。結局、前日比255円だかの2万1720円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円はストップロス巻き込み105円台へ

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅続伸に支えられ、106.35円付近まで上昇した。しかし、その後は、このところの急激な米長期金利の上昇で、米国の財政赤字が拡大するとの思惑からドル売りが強まった。節目の106.00円を下抜けて目先のストップロスを継続的に巻き込んだ。市場では『海外短期勢の売りが目立った』との指摘があり、2016年11月以来の105.55円まで下落した。ただ、本邦長期資金や本邦実需勢の買いも入り下げ渋った。『財務省・金融庁・日銀が3者会合を16時30分に開催する』と伝わると一時105.84まで反発した。ユーロ/ドルは、米国の財政赤字を巡る懸念で1.25ドル台前半から1.2555ドル程度まで上申し、およそ3年2ヵ月ぶりの高値を付けた。

 

米国ではスタグフレーションの兆候も

米国では、物価の圧力や弱い成長がスタグフレーションの兆候となった1970年の脅威が市場に浮上した。米1月の雇用統計で雇用や賃金の伸びが予想を上回ったことがインフレ上昇の兆候となった。特に前年比+2.9%の賃金の伸びはインフレ環境であることを示唆しているとの見方が大半となった。続いて発表された米1月消費者物価指数(CPI)や1月生産者物価指数(PPI)も予想を上回り、インフレが上昇している新たな証拠となった。 一方で、1月小売売上高や1月鉱工業生産が予想外のマイナスに落ち込んだことから、スタグフレーション(高いインフレ、成長が弱まる)が連想されると指摘されている。アトランタ連銀は14日の結果を受けて、1-3月期国内総生産(GDP)の成長率見通しを1日に良好なISMを受けて5.4%まで引き上げたのち、3.2%まで大幅に引き下げた。同銀の見通しは米商務省と類似したモデルを使用していることから度々注目されている。

 

米国市場では1月の住宅着工件数が公表

参考となる12月実績は前月比▲8.2%の大幅減となり、2016年11月以来の大幅なマイナスとなった。その分だけ1月については、テクニカル反動増加が注目される。米国では1月に賃金や雇用が改善したほか、米議会での減税法案の進展で減税内容に対する不透明感も払拭された。一方で、1月は米長期金利の上昇や寒波が直撃した。いずれも住宅着工には悪材料となりやすい。また、米国では建設資材の価格上昇や、建築労務者の人手不足などで、住宅関連コストの上昇や供給制約も懸念されている。

 

欧米イベント

○16:00   1月独卸売物価指数(WPI)
○17:20   クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○18:30   1月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比0.5%/前年比2.5%)
○22:30   12月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.3%)
○22:30   12月対カナダ証券投資
○22:30   1月米住宅着工件数(予想:123万5000件、前月比3.6%)
建設許可件数(予想:130万件、前月比横ばい)
○22:30   1月米輸入物価指数(予想:前月比0.6%)
○24:00   2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:95.4)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2018/02/15/15:06:05

日経平均株価:戻り売りに押され上げ幅縮小

米国株のVIX指数(恐怖指数)低下に米国株が続伸し、幅広い銘柄に買いが先行したことを受け、1ドル=106円台前半への円高にも輸出関連株も総じて上昇し上げ幅を広げ、一時400円超に上げ幅を広げた。ただ、上値では戻り待ち売りに押された。結局、前日比310円高の2万1464円と4日ぶり反発して終了した。

 

東京外国為替市場:麻生副総理発言で円買い加速

ドル/円は、日経平均株価が360円超高まで上げたことをながめ、一時106.97円付近まで買い戻されたものの、一巡後は再び売りに押された。麻生副総理兼財務・金融相が『(為替について)今の段階でただちに何かうを考えているわけではない』『今の状況は特別に介入が必要なほどの急激な円高ではない』などの見解を示したことでドル売りが強まり一時106.30円まで値を下げた。ユーロ/ドルは、1.2460円前後で方向感のない展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

黒田日銀総裁続投の解釈の違いから円高か?

日銀の黒田総裁が続投との報道については、国内投資家のほとんどは想定内の報道であった。しかし、海外投資家の反応は全く異なり、驚いた可能性がある。何故なら、先週は海外投資家の間で、黒田総裁の続投はなしとのウワサが広がっていた。さらに、海外投資家は、黒田総裁が続投を固辞しているとの情報を重視し、黒田総裁の続投はないと解釈した可能性が高い。国内市場では黒田総裁の再任がコンセンサスということから副総裁人事でサプライズがなければ緩和期待は高まらないとみらえていたが、ウワサの真偽はともかく、黒田総裁の続投なしという前提を持っていた海外投資家が多かったのなら、今週に入って円高・ドル安が進んだのも理解できそうだ。

 

米ハイイールド債から資金逃避

米ハイイールド債を投資対象とする『SPDRバークレイズ・ハイイールド債券ETF』の運用残高が急減している。ピーク時の137億ドル(1月9日)から85億ドル(2月14日)へとわずか1ヶ月あまりで52億ドル減少し、2013年のバーナンキショックの水準(90億ドル)を割り込んだ。バーナンキショックとは2013年5月から6月にかけて、当時のバーナンキFRB議長が量的緩和の縮小の可能性を言及したことで、新興国の通貨・株式から資金が流出、世界的な流動性懸念が生じたことを示す。

 

米消費者物価指数結果でFRB利上げの根拠が揃いつつある

米労働省が発表した消費者物価指数(CPI)の1月分は前月比+0.5%で、12月の+0.2%から上昇し昨年9月末で最高となった。前年比では前年比+2.1%と低下予想に反して12月水準を維持した。食品とエネルギーを覗いた1月コアCPIは前月比+0.3%と、市場予想+0.2%を上回り1年ぶり高水準となった。前年比では+1.8%と低下予想に反して、12月と同水準にとどまった。1月雇用統計での賃金の上昇とともに、本年に入りインフレが上昇している証拠がそろいつつある。FRBの副議長候補で、超タカ派とみられているメスター・クリーブランド連銀総裁が候補のひとりと伝えられており、メンスター総裁が副議長となると、利上げペースが加速される可能性も出てくる。

 

米国市場では2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が公表

市場予想は21.0となっており、1月実績の22.2を下回る見込みとなっている。景気の良し悪しの境目であるゼロを大幅に上回っているものの、市場予想を下回った場合、製造業の業況悪化に対する警戒感が高まり、ドル売り要因となりやすい。

 

欧米イベント

○17:15   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19:00   12月ユーロ圏貿易収支(季節調整前、予想:270億ユーロの黒字)
○19:45   プラートECB専務理事、講演
○21:00   ラウテンシュレーガーECB専務理事、講演
○22:30   1月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%)
食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%)
○22:30   2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:18.0)
○22:30   2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:21.6)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:22万8000件)
○23:15   1月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
設備稼働率(予想:78.0%)
○24:00   2月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:72)
○16日06:00   12月対米証券投資動向
○米財務省2年、5年、7年債入札条件

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2018/02/14/15:06:39

東京外国為替市場:ドル急落後107円台持ち直す

ドル/円は、日経平均株価の300円近い下落を嫌気して106.82円と2016年11月以来の安値を更新した。その後、日経平均株価が一時プラス圏を回復すると107.20円台まで買い戻された。ユーロ/ドルは、ドル/円の下落や米長期金利低下を支えに1.2392ドルまで上げたが、一巡後すると伸び悩んだ。

14日はシカゴオプション取引所でVIX指数の2月限オプションが満期を迎える。データトレック・リサーチによれば、過去1年のVIXオプションの満期日には平均13%程度VIXが大きく動いた。オプションの何期の影響が相場のアク抜けにつながるか注目される。

 

日経平均株価は円高を嫌気した売りが優勢に

前日の米国株高を受けて買いが先行し一時上げ幅を127円に広げたが1ドル=107円割れへの円高を嫌気して輸出関連株中心に売られ下げ幅を294円に広げ2万0950円と年初来安値を更新した。結局、前日比90円安の2万1154円と3日続落して終了した。

 

ブリッジウォーターのレイ・ダリオ氏は金ETF買い増す

金連動型ETFの資産残高は10-12月に四半期連続で増加し、2012年以降で最長の伸びとなった。金閣は10-12月に1.8%上昇した。昨年は米金融当局が3回にわたって利上げを実施したにもかかわらず、ドル相場の軟化などにより金価格は年間ベースで14%上昇した。利上げが実施されると通常、利子が付かない金などの資産の魅力は低下する。著名投資家のレイ・ダリオ氏は昨年8月に投資家に対し、政治的・経済的リスクを理由に資産の5-10%を金に配分するよう検討することを推奨していた。届出によると、ブリッジウォーターは12月末までにSPDRゴールド・シェアーズの持分を1万4091万口買い増し391万口とした。iシェアーズ・ゴールドの持ち分は3万4792口増やし113万口とした。

 

米家計の債務残高は過去最大を更新

NY連銀が発表したデータによると、米国の家計の債務残高は2017年10-12月(第4四半期)に合計13兆1000億ドル(約1410兆円)となり、4四半期連続で過去最大を更新した。クレジットカードが3.2%増え、2007年以降で2番目の大きさとなったほか、自動車ローンは過去最大を記録した。それと同時に、90日以上の返済が滞ったローンの比率は、クレジットカードが7.55%と2016年1-3月(第1四半期)以来の高水準、自動車ローンは4.05%と12年以来の高水準となった。

 

欧州市場ではユーロ圏10-12月期域内総生産改定値が公表

速報値は前年比+2.7%のやや高い伸びとなった。需要項目別の寄与度については、個人消費と純輸出の寄与度が相対的に高いとみられている。参考となるのは、12月のユーロ圏総合PMI改定値は58.1と上昇基調にあることから、10-12月期のGDP改定値は速報値と同じ伸びになると予想される。

 

米国市場では1月消費者物価コア指数が公表

12月の実績は前年比+1.8%となった。賃貸家賃は、帰属家賃の伸びが寄与した。1月については、医療サービスや賃貸家賃が12月と同等の伸びを記録したとみられており、コア物価上昇率は12月実績と同水準の前年比+1.8%に上昇する可能性もある。

 

米国市場では1月小売売上高が公表

12月実績は前月比+0.4%で順調な伸びとなった。商務省によると、建材・園芸の分野が前月比+1.2%で特に好調となった。また、自動車は+0.2%だった。税制改革法が個人消費に与える影響が注目されており、外食、服装、運動・娯楽用品などの売上増が予想されている。

 

欧米イベント

○16:00   10-12月期独GDP速報値(予想:前期比0.6%/前年同期比3.0%)
○16:00   1月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.7%)
○17:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○17:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:▲0.50%で据え置き)
○19:00   12月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.1%)
○19:00   10-12月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比0.6%/前年比2.7%)
○19:20   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○20:00   12月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比4.9%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   1月米CPI(予想:前月比0.3%)
エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%)
○22:30   1月米小売売上高(予想:前月比0.2%/自動車を除く前月比0.5%)
○24:00   12月米企業在庫(予想:前月比0.3%)
○15日00:30   EIA週間在庫統計

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2018/02/13/15:17:40

日経平均株価:新規材料の乏しく午後から下げ幅拡大

東京市場休場だった12日のNYダウが400ドル超続伸し投資家心理が改善して値がさ株に買いが先行し、前週2000円近く下げた反動による値ごろ買いやボラティリティ低下による買いに上げ幅を広げた。午後になると、新規材料に乏しく先週の株式相場の乱高下で損失を被った投資家の買い手控えや戻り待ちの売りに押され引けにかけて下げ幅を広げた。結局、137円安の2万1244円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買い

ドル/円は、一時300円近く上昇した日経平均株価が170円超安まで一転下落し、リスク回避のドル売り・円買いが活発化した。市場では『春節を控えてアジア系ファンドの円買い・日経平均売りが観測された』との指摘もあり、108.21円まで下げ足を速めた。ユーロ/ドルは、ドル/円の下落や米長期金利の低下などを支えに1.2319ドルまで上げた。

 

豪州金融業界のスキャンダルが豪ドルの重しに

豪州シドニー市場の株価指数は下落した。不正が発覚した銀行業界の販売手法に関する政府主導の調査が始まったことを受け、金融株が下落を主導している。銀行業界を調査する政府の特別調査委員会『王立委員会』は、1年間の調査開始にあたって特にもうかる商品である住宅ローンの販売手法を詳しく調べると表明した。金利の不正操作やマネーロンダリング容疑などのスキャンダルが銀行業界を揺るがしている。豪銀各行は過去最高益を記録した数年間の後で収益の縮小に直面しているが、王立委員会の最終勧告は刑事訴追または民事訴追や規制強化につながる可能性がある。

 

VIX指数(恐怖指数)インバースの破壊力(ETF,ETN投資)

NEXT NOTE S&P500 VIXインバース(2049)の値段が一晩でマイナス96%になったことである。具体的には2月5日の終値が29500円であったのが、2月6日には値段がつかず、売買不能となった。2月7日にようやくついたと思ったら値段は1145円となり、その差額は▲28255円(マイナス96%)となった。しかも早期償還と言って、商品としての設定も打ち切りになってしまう。要するに戻り待ちも出来ずに、損失確定となってしまう。これと似た商品の運用リターンは平均して昨年1年間で180%に上がったこともあり、ゴルディロックス相場では有益な投資と見られていた。

 

WTI原油の買いポジションの減少と売りポジション増加

株式や商品など市場全般に下落調整となり、ヘッジファンドによるWTI原油価格上昇を見込む買越残高は、昨年8月以降で最大の落ち込みを示した。これにより、原油需要は拡大する供給を吸収するには十分ではないとの懸念が強まり、原油価格が週間ベースとしては2016年以降で最大の下落を示すきっかけとなった。原油先物価格は週間で6ドルあまり下げ、今年に入って初めて1バレル当たり60ドルを割り込んだ。米商品先物取引委員会(CFTC)によれば、ヘッジファンドによるWTIの先物とオプションの買越残高は、6日終了週に4.7%減少し47万2792枚となった。買いポジションが4.1%減少する一方、売りポジションは4週連続で増えた。ポジションの総計はここ3ヶ月で最大の落ち込みを示した。

 

海外投資資金が日本国債に向かう可能性も

ソシエテ・ジェネラルのレポートでは、『金利市場の弱気相場が始まった。クレジット市場も巻き込まれ、いずれは新興市場も同様に圧迫されるはずだ』とのリポートを顧客に配布した。『市場ではレジームシフトが起きている。つまり利回りがさらに上昇することを意味する』と説明している。さらに、金利正常化の動きで出遅れている中央銀行に支えられている短期の債券やインフレ連動債、日本国債で『ディフェンシブ』なポジションを取るよう推奨している。リスク回避に転じることで当面の利益を犠牲にするとしても、長期的には価値があるだろうと指摘している。

 

欧米イベント

○17:15   1月スイス生産者輸入価格
○18:30   1月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.6%/前年比2.9%)
小売物価指数(RPI、予想:前月比▲0.7%/前年比4.0%)
○18:30   1月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.3%)
○22:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○ブラジル(カーニバル)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ