FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/11/24/07:42:26

米国株式市場はまちまち:好調な企業決算受け買い優勢

NYダウは194.55ドル高の35813.80ドル、ナスダックは79.62ポイント安の15775.14ポイントで取引を終了した。好調な企業決算を受けて、寄り付き後は上昇した。同時に、コストの上昇が利益率を圧迫しているとの指摘が多く警戒感が広がった。また、11月サービス業PMI速報値が予想外に低下すると一時下落に転じたが、引けにかけては再び上昇して、上げ幅を拡大した。金利の上昇を嫌いハイテク株は売られ、ナスダック総合指数は下落した。米長期金利が一段と上昇すると、利ざや改善期待からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が買われた。原油高を背景に石油株も堅調だった。VIX指数は19.17から19.38へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が上昇するとドル買い戻し優勢に

ドル/円は、日本時間夕刻に米中関係悪化を警戒して一時114.47円まで売られたあとはじり高の展開となった。前日にバイデン米大統領がパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長を再任する方針を発表したことを受けて、米金融緩和の縮小が進むとの見方から円売り・ドル買いが進行した。米長期金利の指標である米10年債利回りが約1カ月ぶりに1.68%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時115.19円と2017年3月以来約4年8カ月ぶりの高値を更新した。

 

ユーロ/ドルは、明日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月2-3日分)などの重要指標を控えているうえ、25日の感謝祭の祝日を前に1.12ドル台半ばで大きな方向感は出なかった。

 

産油国通貨は堅調だった。WTI原油先物価格の上昇を背景に、カナダドルやノルウェークローネに買いが入った。カナダドルは対米ドルで1.2660カナダドル、対円では90.95円と日通し高値を付けた。ノルウェークローネは対ユーロで10.0063クローネ、対円では12.94円まで値を上げた。米ホワイトハウスはこの日、石油価格の抑制に向け、戦略石油備蓄から5000万バレル放出すると表明。中国やインド、日本なども協調して国家備蓄を放出すると伝わった。ただ、この報道後に原油価格は上昇に転じ買い圧力は徐々に強まった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国など主要産油国が増産計画を見直すとの見方が根強いことや、『石油備蓄放出による需給緩和への効果は限られる』との観測が買いを後押しした。

 

トルコリラは暴落した。対ドルでは一時13.4539リラと前日比で18%超急落し、史上最安値を更新した。対円でも一時8.54円と15%を超す暴落となった。エルドアン大統領は前日、『高金利で通貨安が進む悪循環ではなく、投資や生産、雇用に着目した経済政策が必要』と語り、インフレが高進する中での利下げは正当であると改めて主張した。中銀による追加利下げが適切との考えを示した。トルコ中銀の金融緩和スタンスが継続するとの見方が広がる中、この日もリラ売りが継続した。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。市場では『一種のセリングクライマックスだった可能性がある』との声も聞かれ、ドルリラは12.26リラ、リラ円は9.36円台まで急速に下げ幅を縮めた。『エルドアン大統領は通貨リラの下落を巡り、カブジュオール・トルコ中銀総裁と会談した』との報道も買い戻しを誘った。もっとも、トルコ中銀が『極端なボラティリティの時にのみ介入可能』『為替レートの水準についてコメントせず』との声明を発表すると買い戻しの勢いは後退した。

 

NY原油先物市場は続伸:押し目買い根強く反発

NY原油先物市場は75.30ドル-78.86ドルのレンジ相場となった。日米中などの石油備蓄の放出決定を受けて一時2%安と10月上旬以来の水準まで下落したが、押し目買い意欲も強く反発した。石油備蓄放出を受けて、石油輸出国機構(OPEC)加盟国など主要産油国が増産計画を見直すとの見方が根強いことや、世界的にエネルギー需要が増加する中、石油備蓄放出が需給緩和への効果は限られるとの観測が原油の買い戻しを後押した。ニューヨーク市場の序盤で75.30ドルまで下げたが、まもなく反転し、78.86ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では78ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4日続落:米長期金利上昇を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1781.70-1812.50ドルのレンジ相場となった。昨日にバイデン米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の再任方針を示したことを受けて上昇した米長期金利はこの日も一段と上昇基調を強め、金利を生まない金はさえない動きとなった。アジア市場で1812.50ドルまで買われた後は伸び悩み、ニューヨーク市場の中盤にかけて1781.70ドルまで下落した。ただ、通常取引終了後の時間外取引で1792.20ドルまで戻した。

 

米国債券市場は下落:パウエル米FRB続投で金融緩和縮小が継続との見方

米港債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.61%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い1.67%で終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が続投する見通しとなったことを受けて、米金融緩和の縮小が進むとの見方から債券売り(利回りは上昇)が進んだ。利回りは一時1.6824%前後と約1カ月ぶりの高水準を付けた。 

 

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

朝の市場コメント!

2021/11/22/03:01:26

米国株式市場はまちまち:コロナ再流行で経済回復を遅らせるとの懸念

NYダウは268.97ドル安の35601.98ドル、ナスダックは63.73ポイント高の16057.44ポイントで取引を終了した。オーストリアが再び全土ロックダウン入りするなど欧州で新型コロナが再流行、米国でも一部地域で感染件数の増加が見られ世界経済の回復を遅らせるとの懸念が根強く、寄り付き後は下落した。連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長が12月連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング加速協議が適切となる可能性を示唆し早期利上げへの懸念も更なる重石となり、NYダウは終日軟調に推移した。『ボーイングは中型機787ドリームライナーの生産ペースを一段と落としている』との報道を受けて、同社株が5.7%下落した。1銘柄でダウ平均を81ドル程度押し下げた。 一方、長期金利の低下でハイテク株は好調で、ナスダック総合指数は連日で史上最高値を更新し終了した。VIX指数は17.59から17.91へ上昇した。

 

NY外国為替市場:欧州景気の回復が遅れるとの懸念からユーロ売り

ユーロ/ドルは、新型コロナウイルス再拡大による経済活動の抑制で、欧州景気の回復が遅れるとの懸念が強まりユーロ売りが先行した。シュパーン独保健相が『国内の新型コロナウイルス感染状況が極めて深刻なため、ワクチンを接種した人も含めてロックダウンを排除できない』などと発言したことで、独ロックダウン入りへの警戒感も高まり、一時1.1250ドルと昨年7月以来の安値を更新した。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。『マース独外相は独全土のロックダウンの可能性について否定した』との報道が伝わると、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退しユーロを買い戻す動きが広がり、1.1322ドル付近まで下げ幅を縮めた。なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁はこの日、『物価上昇への懸念をECBは非常に深刻に受け止めている』と述べたうえで、『来年の利上げは想定していない』との考えを改めて表明した。 

 

ドル/円は、新型コロナ感染再拡大で欧州経済の回復が遅れるとの懸念が強まる中、欧州株相場や時間外のダウ先物が下落すると、リスク回避の円買いが先行した。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りも入り、一時113.59円と日通し安値を更新した。日経平均先物が軟調に推移したことも相場の重石となった。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。独ロックダウン入りへの警戒感が和らいだほか、米下院が1兆7500億ドル規模の気候変動・社会保障関連歳出法案を可決したことなどが相場を下支えした。また、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が『持続的な高インフレや堅調な雇用の伸びを踏まえて、FRBはテーパリングペースを加速させ、予想よりも早期に利上げを実施する用意を整える必要がある』との見解を示すと、米利上げ前倒し観測が高まりドル買い戻しを誘った。クラリダFRB副議長が「12月FOMCでテーパリングの加速について議論することが適切となる可能性』と発言したことも相場の支援材料となり、114.07円付近まで強含んだ。 

 

NY原油先物市場は反落:コロナ感染再拡大を嫌気した売り

NY原油先物市場は75.09ドル-79.33ドルのレンジ相場となった。オーストリアでロックダウンが実施されるなど欧州におけるコロナ感染の再拡大が、エネルギー需要を圧迫するとの不安が高まった。ドル相場の底堅い動きも、ドル建て原油価格の圧迫要因となった。アジア市場で79.33ドルまで買われたが、ユーロ安ドル高は続いていることや、欧州諸国における新型コロナウイルスの感染再拡大を嫌気してリスク回避的な売りが優勢となった。需給ひっ迫の状態は年内に解消されるとの見方が一段と広がっており、75.09ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では75ドル台で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比7基増加の461基になった。

 

NY金先物市場は続落:ドル高を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1844.20-1868.10ドルのレンジ相場となった。欧州のコロナ感染再拡大によるロックダウンなど行動規制の強化を嫌気してユーロが売られた。ユーロなど主要通貨に対するドル上昇により、ドル建て金価格に割高感が生じた。ドル高は、ドルの代替資産とみなされることもある金の相対的な価値低下も意識させた。ロンドン市場の序盤で1853.00ドルまで下げた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1868.10ドルまで戻したが、欧州諸国の都市封鎖を警戒した換金売りが増えたことで1844.20ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引ではおおむね1850ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:欧州景気の下振れ懸念から買い優勢

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.51%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.55%で終了した。欧州景気の下振れ懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。 

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

朝の市場コメント!

2021/11/19/07:38:45

米国株式市場はまちまち:シスコシステムズがNYダウを押し下げ


NYダウは60.10ドル安の35870.95ドル、ナスダックは72.14ポイント高の159993.71ポイントで取引を終了した。昨日引け後に発表された決算に失望したシスコシステムズ(CSCO)の下落がダウを押し下げ、寄り付き後は下落した。世界で新型コロナ感染が再流行しているため景気回復懸念が広がったほか、連邦準備制度理事(FRB)のパウエル議長再任の行方もいまだ不透明で警戒感が台頭し終日軟調に推移した。ただ、押し目では、小売り企業の強い決算を好感した買いも散見され、引けにかけて下げ幅を縮小した。ナスダックは好決算を発表した半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)の上昇がけん引し上昇、史上最高値を更新し終了した。VIX指数は17.11から17.59へ上昇した。

 

NY外国為替市場:NYダウ下げ幅縮小でドル売り圧力は後退

ユーロ/ドルは、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.57%台に低下したタイミングでユーロ買い・ドル売りが進行した。ユーロ/豪ドルやユーロ/ポンドなどユーロクロスの上昇につれた買いも入り、一時1.1374ドルと日通し高値を更新した。市場では『1.1340ドルには23日期限のオプションが観測されており、しばらくは同水準を挟んでの値動きとなったが、米金利低下に伴うユーロ買い・ドル売りで1.1350ドル超えにあったストップロスの買いを付ける動きとなった』との声が聞かれた。

 

ドル/円は、11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や10月米景気先行指標総合指数が予想を上回ったことで円売り・ドル買いが先行し、一時114.48円と日通し高値を更新した。ただ、NYダウが一時270ドル超下落し、米長期金利が低下に転じるとドル円にも売りが出て114.16円付近まで押し戻された。もっとも、NYダウが下げ幅を縮小し、ナスダック総合がプラス圏を回復するとドル円への売り圧力は後退した。引けにかけては114.20円台まで持ち直した。

南アフリカランドは対ドルで一時15.7657ランドと昨年11月以来約1年ぶりの安値を付けたほか、対円では7.25円と8月24日以来約3カ月ぶりの安値を更新した。南アフリカ準備銀行(SARB)が政策金利を現行の3.50%から3.75%に引き上げたと伝わると、買い戻しが先行したものの、反応は一時的だった。クガニャゴSARB総裁は会見で『総合インフレ率の軌道と上方リスクを踏まえて、インフレ期待を抑制し、主要政策金利の将来的な道筋を緩やかなものにするためには、緩やかな利上げで十分と判断した』などと発言した。『金融政策の引き締めペースは市場が織り込むペースよりも大幅に緩やかなものになる可能性がある』との見方が浮上した。市場では『トルコリラの急落を受けて新興国通貨に売りが波及した』との指摘もあった。リラは対ドルで11.3118リラ、対円で10.10円まで急落し、史上最安値を更新した。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:良好な経済指標受け需要回復期待

NY原油先物市場は76.44ドル-78.80ドルのレンジ相場となった。ユーロなど主要通貨に対してドルが伸び悩み、ドル建て原油相場を下支えした。11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や10月米景気先行指標総合指数など、米景況指数の好結果も需要回復への期待を後押しし、原油の買いを促した。しかし先日、戦略石油備蓄(SPR)追加放出を検討するとした米国が、日本など同盟国や中国にも戦略備蓄の放出を検討するよう要請したとのニュースが重しとなった。需給緩和が意識され、原油価格の上伸を抑制した。アジア市場で76.44ドルまで下げた後、ユーロ安ドル高が一服したことから、ニューヨーク市場にかけて78ドル台まで反発した。需給ひっ迫の状態は年内に解消されるとの見方が広がっており、78ドル台では戻り売りも観測されたが、一時78.80ドルまで買われており、通常取引終了後の時間外取引でも78ドル台を維持した。

 

NY金先物市場は反落:米国株が持ち直すと売り優勢に

NY金先物市場は1856.60-1873.30ドルのレンジ相場となった。米主要株価3指数が軒並みマイナスとなるなか、安産資産とされる金が買われる場面もあった。しかし、ナスダック総合指数がプラス圏を回復し、S&P500も小幅高になった。また、NYダウも下落幅を縮小いsた。リスク回避姿勢の後退から、昨日3営業日ぶりに反発した金相場は売り優位に転じて、マイナス圏へ沈んだ。アジア市場の序盤で1873.30ドルまで買われたが、戻り売りが増えことで金先物の上値は次第に重くなり、ニューヨーク市場の序盤にかけて1856.60ドルまで下落した。ユーロ安が一服したことから、一時1867.50ドルまで戻したが、買いは続かず、通常取引終了後の時間外取引で1860ドルを再び下回った。

 

米国債券市場はまちまち:売買が交錯してもみ合い相場

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.50%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日と同じ1.58%で終了した。予想を上回る米経済指標を受けて売りが出た半面、10年物価連動国債(TIPS)入札が堅調な需要を集めたことで買いが入り相場はもみ合いとなった。 

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

朝の市場コメント!

2021/11/18/07:37:46

米国株式市場は下落:世界のインフレ高進やコロナ流行を嫌気

NYダウは211.17ドル安の35931.05ドル、ナスダックは52.29ポイント安の15921.57ポイントで取引を終了した。世界のインフレ高進や新型コロナ再流行を受け経済の回復が損なわれるとの懸念に寄り付き後は下落した。ハイテク株も売られたほか、アマゾン・ドット・コムが来年から英国のサイトでビザのクレジットカードの利用を停止すると伝わり、同社株が4.7%下落した。1銘柄でNYダウを63ドル程度押し下げた。米長期金利の低下で、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株も売られた。VIX指数は16.37から17.11へ上昇した。

 

NY外国為替市場:本邦実需売りや米長期金利低下でドルは失速

ドル/円は、アジア市場では一時114.97円まで上昇し、2017年3月以来の高値を付けたものの、NY市場では軟調に推移した。まとまった規模のオプションが観測されている節目の115.00円や本邦実需の売りが意識される中、ポジション調整目的の売りが先行した。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.58%台まで低下したことも相場の重石となり、前日の安値114.10円を下抜けて一時113.90円まで値を下げた。米国株相場や日経平均先物の下落に伴うリスク回避的な円買いも入った。 

 

ユーロ/ドルは、ユーロ円などクロス円の下落につれた売りが出た半面、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったため相場は方向感が出なかった。なお、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事は『インフレ高進は来年には緩和する』『来年利上げ条件が満たされる可能性は極めて低い』と述べながらも、『インフレが予想よりも長期化した場合、ECBは対応する用意を整えておく必要がある』との考えを示した。 

 

トルコリラは対ドルで一時10.6848リラ、対円で10.71円と史上最安値を付けた。明日18日のトルコ中銀の金融政策委員会(MPC)で追加利下げ観測が高まる中、リラ売りが継続した。エルドアン大統領が『金利とインフレとの戦いを最後まで続ける』『人々が金利に押しつぶされることは許さない』と述べ、利下げを求める姿勢を改めて表明したこともリラ売りを誘った。

 

NY原油先物市場は続落:需給ひっ迫は12月中に解消との見方

NY原油先物市場は76.93ドル-79.71ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(11/12時点)は、原油在庫が-210.1万バレル(前週 +100.2万バレル)と取り崩しに転じたものの、原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの在庫は+21.6万バレル(前週 -3.4万バレル)と積み増しへ転じるなど強弱まちまちの内容となった。相場を押し上げる力にならなかった。一時77.69ドルと、中心限月として10月7日以来の安値まで売りが進んだ。アジア市場の序盤で79.71ドルまで買われた後、ドル高を意識した売りが入ったことで上げ渋った。ニューヨーク市場の中盤にかけて79ドルを挟んだ水準で推移したが、欧州諸国で新型コロナウイルス感染状況が悪化していることや、需給ひっ迫の状態は12月中に解消するとの見方が広がったことから、一時77ドルを下回った。通常取引終了後の時間外取引では77ドル台で推移している。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反発:ドル安と米長期金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1851.10-1870.60ドルのレンジ相場となった。米金利低下によるドル安が、ドル建て金相場の割高感につながった。金利低下は、金利を生まない資産である金の相対的な価値の押し上げにもつながった。ドル安は、ドルの代替資産とみなされることもある金の魅力を高める面もある。軟調な米国株の動向をにらんだリスク回避資産としての需要も意識された。アジア市場の序盤に1851.10ドルまで下げたが、押し目買いが入ったことで反転し、ロンドン市場の序盤で1860ドル台を回復した。その後も金先物は底堅い動きを維持してニューヨーク市場の中盤にかけて1870.60ドルまで買われた。ただ、通常取引終了後の時間外取引で金先物は伸び悩み、おおむね1865ドルから1868ドル近辺で推移した。 

 

米国債券市場は反発:米国株安でリスク回避の買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)0.49%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い1.58%で終了した。米国株相場が下落すると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。20年債入札が低調だったことが伝わると、売りが出る場面もあったが反応は一時的だった。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

朝の市場コメント!

2021/11/17/07:36:46

米国株式市場は上昇:景気の先行き安心感から買い優勢

NYダウは54.77ドル高の36142.22ドル、ナスダックは120.01ポイント高の15973.86ポイントで取引を終了した。10月米小売売上高が予想を上回る伸びとなり、堅調な消費動向が確認されると、米景気の先行きに安心感が広がった。ホーム・デポが発表した四半期決算の内容も好感されて、指数は一時220ドル超上昇する場面があった。ただ、そのあとは利食い売りなどが出たため、引けにかけては伸び悩んだ。 VIX指数は16.49から16.37へ低下した。

 

NY外国為替市場:良好な米経済指標受け全般ドル買い優勢

ドル/円は、10月米小売売上高が予想を上回る伸びとなり、堅調な消費動向が確認されると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。10月米鉱工業生産指数や11月NAHB住宅市場指数など、他の経済指標も良好な結果となりドル買いを促した。レジスタンスとして意識されていた10月20日の高値114.70円を上抜けて、一時114.85円と2017年3月以来約4年8カ月ぶりの高値まで上値を伸ばした。なお、ブラード米セントルイス連銀総裁は『来年は2回の利上げが必要になる』との考えを改めて示したほか、『テーパリング(量的緩和の縮小)のペースを毎月150億ドルから300億ドルに増加すると、来年第1四半期末に利上げへの扉が開かれる』などと述べた。 

 

ユーロ/ドルは、この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったことでドル全面高の様相が強まり一時1.1309ドルと昨年7月以来の安値を更新した。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.64%台まで上昇したことも相場の重石となった。

 

トルコリラは急落した。18日のトルコ中銀の金融政策委員会(MPC)で追加利下げ観測が高まる一方、米国では利上げ前倒し観測が高まっているためリラ売り・ドル買いが優勢になった。対ドルでは一時10.4426リラと史上最安値を更新した。リラ円も節目の11.00円を下抜けて一時10.93円と過去最安値を更新した。

 

NY原油先物市場は小幅に反落:ドル高やIEA月報を受け売り優勢に

NY原油先物市場は80.03ドル-81.81ドルのレンジ相場となった。国際エネルギー機関(IEA)月報で、石油価格の上昇が落ち着く可能性が示された。バルキンド石油輸出国機構(OPEC)事務局長が、原油需給は12月にも供給過剰となり、年明け以降もその状態が続くとの見方を示したことも重石となり、原油相場の戻りを鈍らせた。アジア市場の序盤で81.81ドルまで買われた後、ドル高を意識した売りが優勢となり、ニューヨーク市場の中盤にかけて80.03ドルまで下落する場面があった。需給ひっ迫を想定した押し目買いも入っており、81.40ドルまで戻したが、通常取引終了後の時間外取引で80.65ドルまで下げている。 

 

NY金先物市場は続落:ドル高や米国株高を嫌気した売り

NY金先物市場は1851.00-1879.50ドルのレンジ相場となった。予想を上回る米経済指標を受けた米金利の上昇がドル高を誘い、ドル建て金価格の割高感につながった。金利を生まない資産である金の相対的な価値低下も意識されたほか、底堅い米国株の動きがリスク回避資産とされる金を買う意欲を鈍らせた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1879.50ドルまで買われたが、主要通貨に対するドル買いが優勢となったことや、米長期金利の下げ渋りを意識して1851.00ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引でも金先物は伸び悩み、1853.80ドルまで戻した後、再び1851.00ドルまで下げる展開となった。 

 

米国債券市場は下落:良好な米経済指標受け売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.52%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い1.63%で終了した。良好な米経済指標が相次いだことで債券売りが優勢となった。米国株相場の上昇も相場の重石となった。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ