FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/10/25/03:00:03

米国株式市場はまちまち:好決算を受けた買い再燃

NYダウは73.94ドル高の35677.02ドル、ナスダックは125.50ポイント安の15090.20ポイントで取引を終了した。中国恒大のドル建て債利払い実施で短期的な破たんリスク後退で安心感が広がり、寄り付き後は上昇した。10月PMIの上昇も手伝いNYダウは日中取引で一時史上最高値を更新した。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が討論会でインフレのリスクに言及すると早期の利上げ観測が強まりNYダウは下落に転じた。引けにかけては好決算を受けた買いが再燃し、再び上昇して終了した。ハイテク株は売られナスダック総合指数は下落した。VIX指数は15.01から15.43へ上昇した。

 

NY外国為替市場:パウエル米FRB議長の発言に上下に振れる展開

ドル/円は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がオンライン会合で、米経済の懸案となっている物価高や供給制約について『予想よりも長く、来年にかけて続く可能性が高い』と述べ、インフレ圧力の長期化に対する警戒感を示すと、米長期金利の上昇とともにドル買いが入り、一時113.85円付近まで値を戻した。ただ、同議長が『我々の見解では高インフレは緩和する可能性が高い』『利上げは時期尚早』と発言し、早期利上げを否定すると一転ドル売りが優勢になり、一時113.34円と日通し安値を更新した。週末を控えたポジション調整目的の売りも出た。なお、米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した10月19日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は10万2734枚の売り越しと2018年12月以来の水準となった。市場では『過熱感』を指摘する声も出ている。 

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。パウエルFRB議長の発言を受けた米長期金利の動向に一喜一憂する展開。24時過ぎに1.1656ドルと日通し高値を付けたものの、すぐに失速し1.1622ドル付近まで押し戻された。引けにかけては1.1646ドル付近まで強含んだ。

 

トルコリラは大幅安になった。前日のトルコ中銀による大幅利下げをきっかけとしたリラ売りの流れがこの日も続いた。対ドルでは一時9.6625リラ、対円で11.79円といずれも史上最安値を更新した。格付け会社フィッチ・レーティングスは大幅利下げについて『時期尚早』とし、『不確実性を高める政策上のミスステップ』と批判した。『中銀のリラ防衛余地もほとんどないだろう』との見解を示した。

 

NY原油先物市場は反発:根強く残る需給ひっ迫への懸念

NY原油先物市場は81.76ドル-84.22ドルのレンジ相場となった。昨日の引けにかけて買い戻し優勢となった流れが継続した。根強く残る需給ひっ迫への懸念が依然として支えとなり、83ドル台で堅調なまま引けた。週引けの水準としても約7年ぶりの高値を更新した。アジア市場で81.76ドルまで売られたが、まもなく反転し、ロンドン市場で83ドル台を回復した。ニューヨーク市場の中盤にかけて82.54ドルまで売られたが、需給ひっ迫の思惑は後退せず、通常取引終了後の時間外取引で2014年10月以来の高値となる84.22ドルまで上昇した。米国の石油掘削装置稼働数(リグ)は前週末比2基減少の443基になった。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利の低下を意識した買い戻し

NY金先物市場は1783.40-1815.50ドルのレンジ相場となった。サプライチェーンの混乱が懸念されるなか9月米製造業PMI速報値が予想を下回ったことで、安全資産とされる金に資金が向かい一時1815ドル台まで大きく上値を伸ばした。もっともその後、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がテーパリングの開始に言及すると金先物は一転売り優勢になった。為替が対ユーロでドル高に振れたこともドル建て金の圧迫要因となり、1800ドル割れまで上昇幅を縮めた。ニューヨーク市場の中盤にかけて1815.50ドルまで買われたが、米長期金利の動向を意識して1783.40ドルまで急反落する場面があった。ただ、米長期金利の低下を意識して1800.40ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に1795ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:長期ゾーンに持ち高調整目的の買い優勢

米国債券市場で中期ゾーンは横ばいだった。米2年物国債利回りは前営業日比と同じ0.45%で終了した。また、長期ゾーンは6日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)1.63%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに持ち高調整目的の買いが入った。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がオンライン会合でインフレリスクを指摘すると、金融政策の正常化が早まるとの懸念から債券売りが強まる場面もあったが、反応は一時的だった。 

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2021/10/22/07:35:33

米国株式市場はまちまち:決算の良好な企業が下支え

NYダウは6.26ドル安の35603.08ドル、ナスダックは94.02ポイント高の15215.70ポイントで取引を終了した。史上最高値付近から利益確定売りに押され、寄り付き後は下落した。中国の不動産会社の破たん懸念や高インフレの長期化への脅威も良好な企業決算が相殺し、引けにかけてNYダウは下げ幅を縮小した。ハイテク株は買いが続きナスダック総合指数は上昇した。VIX指数は15.49から15.01へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利に振れる展開が継続

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが低下に転じたタイミングで円買い・ドル売りが先行した。NYダウや日経平均先物の下落に伴う円買いも入り、一時113.62円と日通し安値を更新した。ただ、米10年債利回りが1.7029%前後と約5カ月ぶりの高水準を付けると、ドル買いの様相が強まり114.05円付近まで下げ渋った。

 

ユーロ/ドルは、NY時間に入り、しばらくは1.16ドル台半ばでのもみ合いが続いていたが、米長期金利が上昇傾向を強めると全般ドル買いが活発化し、一時1.1620ドルと日通し安値を更新した。

 

トルコリラは急落した。NY市場に入っても、トルコ中銀による大幅利下げをきっかけとしたリラ売りの流れが続いた。トルコ中銀はこの日、政策金利を現行の18.00%から16.00%へ引き下げると発表した。市場では17.50%、もしくは17.00%への利下げが予想されていただけに、リラを売る動きが活発化した。対ドルで一時9.5333リラ、対円で11.94円といずれも史上最安値を更新した。市場では『トルコの実質利回りは大幅なマイナスとなっていることから、今回の利下げは無謀。リラ安によって実体経済が深刻な打撃を受けるリスクがある』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は反落:リスク選好地合いの後退と利食い売り優勢

NY原油先物市場は80.79ドル-83.96ドルのレンジ相場となった。昨日の取引時間中に史上最高値を更新したNYダウだが、本日は売りが先行した。リスク選好地合いの後退とともに原油もロングを手仕舞う動きが強まり、83ドル台から一時80ドル後半まで大きく下値を広げた。ただ、需給ひっ迫への懸念が根強く残るなかで下げたところでは買いたい向きも多く、下落一巡後は急速に下げ幅を縮めた。アジア市場で83.96ドルまで買われたが、利食い売りが増えたことで反落し、ニューヨーク市場の中盤にかけて80.79ドルまで売られた。ただ、81ドル以下では押し目買いも観測されており、通常取引終了後の時間外取引で82.72ドルまで戻している。 

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:米長期金利が反転したことで売り優勢

NY金先物市場は1776.80-1790.30ドルのレンジ相場となった。中国・恒大集団のデフォルト懸念から時間外では買いが先行した。もっとも米国の中・長期金利が上昇傾向を維持するなか金利が付かない金への売り圧力が徐々に強まり、NY勢の本格参入後は上値の重い展開が続いた。アジア市場で1790.30ドルまで買われたが、その後は伸び悩み、ニューヨーク市場の序盤にかけて1776.80ドルまで下げる展開となった。1780ドル以下では押し目買いの興味が確認されており、下げ渋ったが、米長期金利の反転を意識して、通常取引終了後の時間外取引では主に1785ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は下落:好調な米経済指標を受け売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.07%高い(価格は下落)0.45%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い1.70%で終了した。前週分の米新規失業保険申請件数や9月米中古住宅販売件数など予想より強い内容となった米経済指標が材料視されて、債券売りが出た。米株式市場で、多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が史上最高値を更新したことも債券売りを促し、利回りは一時1.7029%前後と約5カ月ぶりの高水準を付けた。 

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2021/10/21/07:30:39

米国株式市場はまちまち:好業績銘柄を中心に買い継続

NYダウは152.03ドル高の35609.34ドル、ナスダックは7.41ポイント安の15121.68ポイントで取引を終了した。米主要企業の決算発表が本格化する中、好業績銘柄を中心に買いが集まり、相場全体を押し上げた。指数は一時210ドル超上昇し、取引時間中の史上最高値を更新する場面があった。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落した。前日までに5日続伸し約1カ月ぶりの高値を付けていただけに利益確定の売りが出た。VIX指数は15.70から15.49へ低下した。

 

NY外国為替市場:低調な米20年債入札受けドル買戻し

ドル/円は、アジア時間に一時114.70円と約3年11カ月ぶりの高値を付けた反動でポジション調整目的の売りが優勢となった。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.61%台まで低下すると、ドル売りの様相が強まり一時114.05円と日通し安値を更新した。ただ、低調な米20年債入札を受けて米長期金利が上昇に転じるとドル円にも買い戻しが入り、114.36円付近まで下げ幅を縮めた。なお、クオールズ米連邦準備理事会(FRB)理事は『11月にテーパリング開始を決定し、2022年半ばまでに終了することを支持する』と明言した一方、『一時的に中断された供給に合わせて、いま需要を抑制することは時期尚早』と述べ、利上げを急ぐ必要はないとの考えを示した。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.1659ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時93.54と日通し安値を付けた。FRBが公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では『米経済は控えめから緩やかな成長率で推移した』との認識が示されたが、目立った反応は見られなかった。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは堅調だった。対ドルで一時6万6976ドル付近、対円で765万円台といずれも史上最高値を更新した。ビットコインの先物をベースとしたプロシェアーズのETF(上場投資信託)の取引が19日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で開始した。市場では『ETF化により、仮想通貨投資の裾野が拡大するという期待から買いが入っている』との声が聞かれた。米国のインフレが加速し、保有資産の目減りを防ぐための投資先としても注目されている。

 

NY原油先物市場は5日続伸:供給ひっ迫への懸念高まり買い優勢

NY原油先物市場は80.78ドル-83.48ドルのレンジ相場となった。NY序盤は売りが先行したものの、米エネルギー省(EIA)週間在庫統計の結果を受けて買いが一気に強まった。一部で5週連続の積み増しが予想されていた原油在庫は、43.1万バレルの取り崩した。また、原油受け渡し地点のオクラホマ州クッシング在庫が約3年ぶりの低水準となり、供給ひっ迫への懸念を一層高まらせた。引けにかけて上値を伸ばし、一時84ドル台に乗せて7年ぶりの高値を更新した。また、通常取引終了後の時間外取引で83.48ドルまで買われており、株高などを意識して上げ幅は拡大した。 

 

NY金先物市場は続伸:為替がドル安に傾いたことで買い優勢

NY金先物市場は1767.10-1789.60ドルのレンジ相場となった。米長期金利が上昇した場面では伸び悩んだが、為替がドル安に傾いたことでドル建て金に割安感が生じて買いが強まった。銀先物が一時3%高まで上げ幅を広げたことにつられた面もあった。アジア市場の序盤に1767.10ドルまで売られたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の序盤にかけて1789.60ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では1785ドルを挟んだ水準で底堅い動きを見せた。

 

米国債券市場はまちまち:原油高を嫌気した売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.38%で終了した。一方、長期ゾーンは4日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.65%で終了した。WTI原油先物価格が約7年ぶりの高値を付けたことで、インフレ懸念による債券売りが出た。低調な米20年債入札も相場の重石になった。 

 

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2021/10/20/07:33:55

米国株式市場は上昇:決算発表で好業績銘柄中心に買い優勢

NYダウは198.70ドル高の35457.31ドル、ナスダックは107.28ポイント高の15129.09ポイントで取引を終了した。米主要企業の決算発表が本格化する中、好業績銘柄を中心に買いが集まり、相場全体を押し上げた。また、ドルや原油価格の上昇が一段落したことも手伝い、NYダウは一時200ドル超上昇し、終値ベースの史上最高値35625ドルに近付いた。VIX指数は16.31から15.70へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル堅調推移

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.6443%前後と5月20日以来約5カ月ぶりの高水準を付けると円売り・ドル買いが優勢になった。NYダウが200ドル超上昇したことも相場の支援材料となり、アジア時間の高値114.35円を上抜けて一時114.39円まで値を上げた。

 

ユーロ/ドルは、欧州序盤に一時1.1669ドルと9月29日以来の高値を付けた影響が残ったものの、NY市場に限れば上値の重さが目立った。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たほか、ユーロ/ポンドやユーロ/豪ドルなどユーロクロスの下落につれた売りが出て1.1630ドル付近まで下押しした。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは対ドルで一時6万4342ドル台と4月14日以来約半年ぶりの高値を付けたほか、対円では735万円台と過去最高値を更新した。ビットコインの先物をベースとしたプロシェアーズのETF(上場投資信託)の取引が正式にニューヨーク証券取引所(NYSE)で開始されたことが好感された。

 

NY原油先物市場は4日続伸:根強い需給のひっ迫感への警戒感

NY原油先物市場は81.08ドル-82.99ドルのレンジ相場となった。NY勢の参入後は利益確定売りが先行し、一時81ドル後半まで値を下げた。もっとも北半休の冬場を控え、今後は暖房用の原油需要が拡大するとの思惑が相場の支えとなった。需給ひっ迫への警戒感は高いまま、売り一巡後は再び上値を試す展開となった。ロンドン市場で82ドル台後半まで買われた後、ニューヨーク市場の序盤で81.08ドルまで反落したが、まもなく反転し、82.99ドルまで買われた。ただ、通常取引終了後の時間外取引では利食い売りが増えたことで82.19ドルまで売られており、上げ幅は縮小している。 

 

NY金先物市場は3日ぶりに反発:米株高と米長期金利上昇で上げ渋る

NY先物市場は1763.40-1786.00ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル安が進むと割安感が生じたドル建ての金は買いが強まり、NY序盤には1786ドル付近まで上げ幅を拡大した。もっともその後に米長期金利が上昇し、金利の付かない金の魅力が相対的に低下したことで上げ幅を縮小して終えた。アジア市場の序盤に1763.40ドルまで売られたが、まもなく反転し、ロンドン市場で1780ドルを回復した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1786.00ドルまで一段高となったが、株高を意識して上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では1770ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:欧州債券売りに連れた売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)0.39%で終了した。一方、長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.63%で終了した。欧州債券相場が下落したことで、米国債にも売りが波及したほか、インフレ懸念による債券売りも根強かった。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が『高水準のインフレが続くなら、早期利上げを支持する』と述べたことも相場の重石となり、利回りは一時1.6443%前後と5月20日以来約5カ月ぶりの高水準を付けた。 

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2021/10/19/07:27:26

米国株式市場はまちまち:インフレ懸念や米長期金利の上昇を嫌気

NYダウは36.15ドル安の35258.61ドル、ナスダックは124.47ポイント高の15021.81ポイントで終了した。中国の経済成長の鈍化や鉱工業生産が予想を下回ったため、寄り付き後は大きく下落し一時250ドル超下落した。NY原油が7年ぶり高値を更新し、根強いインフレや米長期金利の上昇も警戒され、NYダウは終日軟調に推移した。ハイテク株は強く、ナスダック総合値数は上昇した。VIX指数は16.30から16.31へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:ドルは米長期金利の動向に振れる展開

ドル/円は、アジア時間と欧州時間に114.44円まで買われ上値を試したものの、前週末に付けた約3年ぶりの高値114.46円を上抜けることは出来なかった。2018年10月4日の高値114.55円や17年1月6日の高値114.73円が重要なレジスタンスとして意識されたこともあり、一時114.11円付近まで押し戻された。米10年債利回りが1.57%台まで上昇幅を縮めたことも相場の重石になった。ただ、市場では『いったん短期筋による売りが出たが、米金融政策正常化と金利の先高観が意識されており、円安・ドル高の流れは続いている』との指摘があり、下値は限定的だった。

 

 ユーロ/ドルは、ユーロ豪ドルやユーロポンドなどユーロクロスの上昇をきっかけに買いが先行した。米長期金利が上昇幅を縮めたこともユーロ買い・ドル売りを促し、前週末の高値1.1619ドルを上抜けて一時1.1622ドルまで上値を伸ばした。なお、9月米鉱工業生産指数は予想を下回った一方、10月NAHB住宅市場指数は予想を上回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。 

 

トルコリラは下げ止まらず。対ドルでは一時9.3457リラと史上最安値を更新したほか、対円でも年初来安値となる12.22円まで値を下げた。トルコのエルドアン大統領は前週、トルコ中銀金融政策委員会(MPC)の3委員(2名の副総裁と1名の政策委員)を解任。トルコ中銀の独立性が失われる中、投資家のリラ離れが止まらない状況となっている。なお、21日のトルコ中銀MPCでは、前回と同じ利下げ幅(100ベーシスポイント)を予想する向きが増えている。

 

NY原油先物市場は3日続伸:エネルギー需給ひっ迫への懸念

NY原油先物市場は81.21ドル-83.18ドルのレンジ相場となった。一部の石油輸出国機構(OPEC)プラス参加国が増産に苦戦していることが報じられると、エネルギー需給ひっ迫への懸念が更に高まった。買い基調を強めた原油先物は、NY早朝に83ドル後半まで上昇して7年ぶりの高値を再び更新した。もっとも、高値警戒感から一巡後は利益確定売りが優勢になった。そして、引け前には82ドル割れまで上値を切り下げる場面もあった。ロンドン市場の中盤にかけて83.18ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では利食い目的の売りが増えたことで伸び悩んだ。通常取引終了後の時間外取引で81.21ドルまで下げる場面があったが、その後81.76ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は小幅続落:米金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1760.30-1772.50ドルのレンジ相場となった。米金利の上昇や為替のドル高を受け、金先物は時間外から売り優勢になった。NY序盤に発表された9月米鉱工業生産指数(前月比)がマイナス振れとなり、安全資産とされる金に買い戻しは入ったものの戻り幅は限定された。アジア市場で1772.50ドルまで買われた後、ロンドン市場で1760.30ドルまで反落した。ニューヨーク市場の序盤にかけてドル高一服を期待して1771.70ドルまで戻したが、上値の重さは払しょくされず、通常取引終了後の時間外取引では1765ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場は続落:原油高によるインフレ懸念による売り

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.42%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い1.60%で終了した。英中銀(BOE)が近く利上げに踏み切るとの観測が高まる中、英国債相場が下落。米国債にも売りが波及した。WTI原油先物価格が約7年ぶりの高値で推移していることも、インフレ懸念による債券売りを誘った。 

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