FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/10/18/03:01:13

米国株式市場は上昇:景気期待が高まり買い優勢

NYダウは382.20ドル高の35294.76、ナスダックは73.91ポイント高の14897.34ポイントで取引を終了した。サプライチェーンの混乱による悪影響が懸念されていた9月小売売上高が、予想外に2カ月連続の増加となったため景気回復期待が強まり寄り付き後は上昇した。強い企業決算がインフレ懸念を相殺し、引けにかけて上げ幅を拡大した好調な四半期決算を発表した。ゴールドマン・サックスが4%近く上昇し、1銘柄でダウ平均を100ドル程度押し上げた。VIX指数は16.86から16.30へ低下した。

 

NY外国為替市場:ロンドンフィキシング後はドル買戻し

ドル/円は、アジアや欧州市場で強まった円安の流れがNY市場に入っても継続した。9月米小売売上高が予想より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いが活発化し、一時114.46円と2018年10月4日以来約3年ぶりの高値を付けた。ただ、同日の高値114.55円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。市場では『17年1月6日の高値114.73円もかなり重要なレジスタンスレベル』との声が聞かれた。10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が予想を下回ったことも相場の重石となり、一時113.98円付近まで下押しした。もっとも、売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過したあとは買い戻しが優勢となり、114.33円付近まで持ち直している。そのあとは114.20円台での取引が続いた。

 

ユーロ/ドルは、日本時間夕刻に一時1.1619ドルと日通し高値を付ける場面もあったが、前日の高値1.1624ドルが目先レジスタンスとして意識されると次第に弱含んだ。ポンドや資源国通貨に対してユーロ安が進んだ影響を受けたほか、良好な米小売指標が相場の重しとなり一時1.1589ドル付近まで下押しした。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは大幅に上昇した。対ドルでは一時6万2875ドル台と4月16日以来約半年ぶりの高値を付けたほか、対円では714万円台と過去最高値を更新した。市場では『米証券取引委員会(SEC)がビットコインで運用する初の上場投資信託(ETF)を許可する』との観測が強まっている。

 

NY原油先物市場は続伸:需給ひっ迫懸念を背景に買い優勢

NY原油先物市場は81.39ドル-82.49ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の有力産油国で構成する『OPECプラス』が大幅の増産を見送っている中、国際エネルギー機関(IEA)は2021年22年の石油需要見通しを上方修正し、世界的なエネルギー需給ひっ迫懸念を背景とした原油の買い基調が継続した。米国株が大幅高になるなど投資家のリスク選好志向も、リスク資産とされる原油の買いを後押しした。ニューヨーク市場の序盤にかけて81.63ドルまで一時反落したが、株高が好感されたことや、需給ひっ迫の状態は改善されていないことから、押し目買いが入った。通常取引終了後の時間外取引では、主に82ドル台前半で推移した。米国の石油掘削装置稼働数(リグ)は前週末比12基増加の445基となった。

 

NY金先物市場は4日ぶりに反落:米長期金利高や米国株高を嫌気

NY金先物市場は1765.10-1797.70ドルのレンジ相場となった。米長期金利が再び上昇基調を強め、金利を生まない金に売りが入った。また、米国株の大幅高も、安全資産とされる金の売りを後押しした。アジア市場における取引開始後に1797.90ドルまで買われたが、米国株高を意識した売りが入ったことで伸び悩んだ。ニューヨーク市場の序盤にかけて1765.10ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1770ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は下落:良好な9月米小売売上高を受け売り優勢

米国債券市場では、中長期ゾーンはともに下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)0.39%で終了した。また、米10年物国債利回りは4日ぶりに反落し前営業日比0.06%高い1.57%で終了した。9月米小売売上高が予想より強い内容だったことから、相対的に安全資産とされる米国債に売り(利回りは上昇)が出た。米国株相場の上昇も相場の重石となった。 

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2021/10/15/07:32:35

米国株式市場は上昇:企業の好決算を好感した買い強まる

NYダウは、534.75ドル高の34912.56ドル、ナスダックは251.80ポイント高の14823.43ポイントで取引を終了した。先週分新規失業保険申請件数がパンデミック以降で最小となったため労働市場の回復期待に寄り付き後は上昇した。9月生産者物価指数(PPI)の伸びが予想を下回りインフレ警戒感も後退した。さらに、企業の好決算を好感した買いも強まり、引けにかけて上げ幅を拡大。長期金利の低下でハイテク株も上昇した。VIX指数は18.64から16.86へ低下した。

 

NY外国為替市場:主要国の金融政策の方向性の違いから円売り優勢

ドル/円は、米国株の大幅上昇を受けて円売り・ドル買いが先行した。米連邦準備理事会(FRB)によるテーパリングの年内着手や2022年中の利上げ開始の可能性が意識される一方、日銀の金融政策正常化は見込めないため、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いも出やすく、一時113.72円と日通し高値を更新した。前日に付けた2018年12月以来約2年10カ月ぶりの高値113.80円がレジスタンスとして意識されるといったんは伸び悩む場面もあったが、下押しは113.47円付近にとどまった。
なお、9月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことで、過度なインフレへの懸念が後退したこともドル買い安心感につながった。

 

ユーロ/ドルは、欧州序盤に一時1.1624ドルと日通し高値を付ける場面もあったが、1.16ドル台では戻りを売りたい向きが多く次第に弱含んだ。ユーロ/豪ドルなどユーロクロスの下落につれた売りも出て、一時1.1584ドルと日通し安値を更新した。市場では『独長期金利がこの2日間で急低下していることも意識された可能性がある』との指摘があった。なお、バーキン米リッチモンド連銀総裁は『FRBはテーパリングを円滑に開始するための道筋を確保したが、利上げが適切かどうかを判断するにはまだ時間がかかる』と述べたほか、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁も『テーパリング着手に十分なほどの進展が見られたが、利上げを検討するのは時期尚早』との認識を示したが、相場の反応は限られた。 

 

トルコリラは対ドルで一時9.2025リラと史上最安値を更新した。トルコのエルドアン大統領は日本時間14日早朝、トルコ中銀金融政策委員会(MPC)の3委員(2名の副総裁と1名の政策委員)を解任したと発表。欧米市場に入ってもリラ売りが継続した。市場では『中銀の独立性は危うく、リラ相場の混乱も必至の状況だ』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は反発:需給引き締まり思惑を背景にした買い優勢

NY原油先物は80.38ドル-81.68ドルのレンジ相場となった。石炭や天然ガス価格の高騰を背景に国際エネルギー機関(IEA)は2021年22年の石油需要見通しを上方修正した。一方で、サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は迅速な増産には応じない方針を表明した。米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で原油在庫が予想を大幅に上回る608.8万バレルの積み増しとなり、原油に売りが入る場面もあったが、根強い需給引き締まり思惑を背景に原油相場は堅調な動きとなった。ニューヨーク市場の序盤にかけて81.68ドルまで買われた後、80.38ドルまで下げたが、株高が好感されたことや、需給ひっ迫の状態は改善されていないことから、押し目買いが入った。通常取引終了後の時間外取引では、主に81ドル台前半で推移した。

 

NY金先物は3日続伸:米長期金利低下とインフレ懸念から買い優勢

NY金先物市場は1787.60-1801.90ドルのレンジ相場となった。米長期金利が低下し、金利がつかない金に買いが入った。世界的に燃料価格の急上昇でインフレ高への懸念が強まっていることも、逃避資産としての金の買いを後押しした。アジア市場で1787.60ドルまで下げたが、ドル高は一服したことから、押し目買いが観測されており、ロンドン市場で1801.90ドルまで買われた。ニューヨーク市場では株高を意識して上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では1800ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:過度なインフレ懸念の後退で買い優勢

米国債券市場では、中期ゾーンは横ばだった。米2年物国債利回りは前営業日比と同じ0.35%で終了した。また、長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.51%で終了した。9月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことで、過度なインフレへの懸念が後退し債券に買いが入った。欧州債相場が上昇した影響も受けた。 

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2021/10/07/07:32:02

米国株式市場は上昇:米国のデフォルト懸念の後退で買い戻し

NYダウは102.32ドル高の34416.99ドル、ナスダックは68.08ポイント高の14501.91ポイントで終了した。日本や香港、欧州市場の株安が波及したほか、インフレ懸念や債務不履行への警戒感に寄り付き後は、下落し一時450ドル超下げた。金融アナリストによる企業の見通し引き下げが相次いだことも失望感に繋がり、下げ幅を拡大した。膠着状態だった債務上限協議において、共和党が妥協案を提示したとの報道で警戒感が後退し、引けにかけて、上昇に転じた。VIX指数は21.3から21.0へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国のデフォルト懸念後退でややドル買い戻し

ドル/円は、インフレ懸念や米債務上限問題などを巡る不透明感が重しとなり、欧州株相場が軟調に推移したほか、現物のNYダウが一時450ドル超下落した。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが先行した。9月ADP全米雇用報告は予想を上回ったものの、ドル買いでの反応は鈍く、一時111.17円と日通し安値を更新した。ただ、『マコネル米上院院内総務(共和党)は債務不履行(デフォルト)を回避するため12月までの債務上限の停止を提案した』との報道が伝わると、米国のデフォルト懸念が後退し米株式主要3指数が全てプラス圏に浮上した。投資家のリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いがじわりと強まり111.50円付近まで持ち直した。 

 

ユーロ/ドルは、欧州市場ではリスク回避のドル買いが優勢となり、一時1.1529ドルと昨年7月22日以来の安値を付けたものの、NY市場ではじりじりと下値を切り上げた。大幅安で始まった米国株が持ち直したことで、リスク回避のドル買いが後退し、1.1560ドル付近まで下げ幅を縮めた。 

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインはしっかりだった。対ドルでは一時5万5422ドル台と5月12日以来約5カ月ぶりの高値を付けたほか、対円でも615万円台と5月上旬以来の高値を更新した。高インフレと低成長で足もと株式など従来型資産のパフォーマンスがさえず、仮想通貨への資金流入が目立つ展開となった。市場関係者からは『ビットコイン以外の仮想通貨も上昇する中、4月中旬に付けた過去最高値6万4869ドルが視野に入る』との声が聞かれた。著名投資家のジョージ・ソロス氏が率いるソロス・ファンド・マネジメントがビットコインを保有しているとのニュースも話題だった。

 

NY原油先物市場は5日ぶりに反落:米国は戦略的石油備蓄の放出を検討

NY原油先物市場は76.83ドル-79.78ドルのレンジ相場となった。一昨日の石油輸出国機構と非加盟国(OPECプラス)による増産維持発表後は大幅に上昇し、約7年ぶりの水準まで上昇したこともあり、原油先物価格は利益確定の売りで上値が重く始まった。また、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油が積み増しとなったほか、英ファイナンシャルタイムス(FT)紙が『米国はエネルギー価格の高騰を抑えるため戦略的石油備蓄(SPR)を放出することを検討』という報道も流れたことで、下げ幅を拡大した。 通常取引終了後の時間外取引で76.83ドルまで下げている。

 

NY金先物市場は小反発:米長期金利が低下したことをやや好感

NY金先物市場は1745.40-1765.90ドルのレンジ相場となった。米金利が上昇する中、ユーロを中心にドルが買われていたことで、ドルで取引される金先物は割高感から弱含んでいた。しかしながら、米金利が低下し、ドル高が一服したことで徐々に金先物も買い戻され、前日比では僅かに反発して引けた。 アジア市場の終盤にかけて1745.40ドルまで下げたが、54に1771.10ドルまで買われたが、ニューヨーク市場で反転し、1760ドル台を回復した。通常取引終了後の時間外取引で1765.90ドルまで買われている。

 

米国債券市場はまちまち:原油先物相場が一転下落で買い戻しも

米国債券市場では、中期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.29%で終了した。また、長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日と同じ1.52%で終了した。原油高などを受けたインフレ懸念の高まりで時間外取引では売りが優勢となったが、原油先物相場が一転下落すると買い戻しが入り持ち直した。市場では『8日の9月米雇用統計を前に持ち高調整の買いが入った』との指摘があった。

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2021/10/06/07:36:24

米国株式市場は上昇:景気回復期待が再燃して買い優勢

NYダウは311.75ドル高の34314.67ドル、ナスダックは178.35ポイント高の14433.83ポイントで取引を終了した。好調な9月ISM非製造業景況指数の結果を受け、景気回復期待が再燃し寄り付き後は上昇した。その後、バイデン大統領の経済政策課題の多くを盛り込む税制・支出法案を巡り反対姿勢を示していた民主党穏健派のマンチン上院議員が規模で妥協する姿勢を示すと、上昇幅が拡大した。ハイテク株の買いも再開した。VIX指数は22.96から21.30へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で全般ドル買い優勢

ドル/円は、9月米サービス部門PMI改定値が54.9と予想の54.4を上回ったほか、同月の米ISM非製造業指数が61.9と予想の60.0より強い内容となったことを受けて、全般ドル買いが先行した。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.53%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時111.56円と日通し高値を更新した。NYダウが480ドル超上昇したことで、投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが出た面もあった。その後の下押しも111.35円付近にとどまった。なお、エリザベス・ウォーレン米上院議員(民主党)はこの日、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長について『金融システムを効果的に規制できなかっただけでなく、FRB当局者の倫理的な失態に対応することもできなかった』と批判した。ウォーレン氏は先週、パウエル氏がFRBを率いるには『危険な人物』と厳しい言葉を浴びせ、『同氏の再選に反対票を投じる』と表明している。 

 

ユーロ/ドルは、予想を上回る米ISM非製造業指数をきっかけにドル買いが優勢となり一時1.1581ドルと日通し安値を付けた。ただ、米国株の上昇を背景にリスク選好のドル売りが強まると1.1613ドル付近まで持ち直した。原油高を背景に、対産油国通貨を中心にドル安が進んだ影響も受けた。もっとも、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出たため、上値は限定的だった。イエレン米財務長官はこの日、『18日前後に債務は上限に達する見通し』『連邦債務が上限に達すればリセッション(景気後退)を引き起こす恐れがある』と警告した。

 

産油国通貨は堅調だった。WTI原油先物価格が一時79ドル台半ばまで上昇し、2014年以来の高値を更新すると、カナダドルやノルウェークローネに買いが入った。カナダドルは対米ドルで1.2546カナダドルと9月7日以来の高値を付けたほか、対円では88.83円と7月7日以来の高値を付けた。ノルウェークローネは対ユーロで年初来高値を更新し、昨年1月以来となる9.8780クローネまで上昇し、対円では13.09円と6月16日以来の高値まで値を上げた。 

 

NY原油先物市場は4日続伸:エネルギー供給不足懸念から買い継続

NY原油先物市場は77.47ドル-79.48ドルのレンジ相場となった。昨日、石油輸出国機構と非加盟国(OPECプラス)による閣僚級会合で、11月も日量40万バレルのペースで増産維持が決定された流れを受け4日続伸した。世界的なエネルギー供給不足が懸念されていることで、一時79ドル半ばまで上値を広げた。アジア市場で77.47ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて79.48ドルまで一段高となった。ただ、米長期金利の高止まりやドル高を意識して、通常取引終了後の時間外取引では、79ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は4日ぶり反落:リスク選好の動きから売り優勢

NY金先物市場は1748.60-1771.10ドルのレンジ相場となった。債券が売られ、株が買われるなどリスク選好に市場が動いたことで、安全資産とされる金先物価格は4日ぶりに反落した。ドルが強含んだことも、ドルで取引される金先物に割高感が生じて重しになった。 アジア市場の序盤に1771.10ドルまで買われたが、ニューヨーク市場において米長期金利の高止まりや米国株式の反発を意識して、1748.60ドルまで売られた。通常取引終了後の時間外取引では、1760ドルをやや上回る水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:インフレ圧力の高まりが意識され売り優勢

米国債券市場は中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比+0.01%高い(価格は下落)0.28%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い1.52%で終了した。原油価格の上昇を受けて、インフレ圧力の高まりが改めて意識されると債券売りが広がった。9月米ISM非製造業指数が予想を上回ったことも相場の重石になった。

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2021/10/05/07:37:17

米国株式市場は下落:リスク回避材料が広がり売り優勢に

NYダウは323.54ドルyすの34002.92ドル、ナスダックは311.22ポイント安の14255.48ポイントで取引を終了した。中国の不動産開発大手、中国恒大集団と傘下の不動産サービス部門の株式取引が香港市場で停止との報道が嫌気され、寄り付き後は下落した。石油輸出国機構(OPEC)プラス会合で、大幅増産が回避されNY原油先物がほぼ7年ぶり高値を更新したほか、セントルイス連銀のブラード総裁も高インフレが2022年まで続く可能性を示唆し、インフレ警戒感も売り材料となった。また、与野党の対立で、バイデン大統領が債務上限突破のリスクを警告したことも嫌気され、大幅下落となった。VIX指数は21.15から22.96へ上昇した。

 

NY外国為替市場:原油高から対産油国通貨中心にドル売り

ドル/円は、欧州時間に一時111.30円と日通し高値を付けたものの、NY市場に入ると一転下落した。原油先物相場の上昇を背景に、対産油国通貨中心にドル売りが強まると円に対してもドル売りが先行した。米国株相場の下落に伴うリスク回避の円買いも入り、一時110.79円と日通し安値を更新した。なお、NYダウは一時500ドル超下げたほか、ナスダック総合は2.6%超急落した。日経平均先物は大証終値比590円安の2万7640円まで下落する場面があった。米議会での債務上限問題や大型経済対策法案の協議難航などが投資家心理を圧迫したほか、中国恒大集団の巨額の債務問題やエネルギー価格急騰によるインフレ懸念、サプライチェーン(供給網)混乱に対する警戒感が株価を押し下げた。バイデン米大統領はこの日、『債務上限はインフラ法案とは関係がない』『共和党が民主党と協力して債務上限引き上げに賛成票を投じない限り、米国が債務不履行(デフォルト)に陥らないと保証することはできない』などと述べた。

 

ユーロ/ドルは、対産油国通貨中心にドル売りが進んだ流れに沿って、一時1.1640ドルと日通し高値を付けたものの、ユーロクロスが失速するとユーロドルにも売りが出て1.1615ドル付近まで伸び悩んだ。NY午後に入ると、1.16ドル台前半で次第に値動きが鈍った。市場では8日の9月米雇用統計に注目が集まっており、様子見ムードも広がった。 

 

米ドルカナダドルは一時1.2558カナダドルまで下落した。OPECプラス閣僚級会合で、協調減産を11月も日量40万バレル縮小することで合意したと伝わると、一段の減産縮小に対する警戒感が後退。WTI原油先物価格が約7年ぶりの高値を更新し、産油国通貨とされるカナダドルに買いが集まった。

 

NY原油先物市場は3日続伸:OPECプラスで大幅増産見送りで買い優勢

NY原油先物市場は75.32d労-78.38ドルのレンジ相場となった。この日行われた石油輸出国機構と非加盟国(OPECプラス)による閣僚級会合で、11月も現行の日量40万バレルのペースで増産を維持することが発表された。増産期待が見送られたことで、原油ひっ迫懸念で原油先物価格は急騰した。一時78ドル前半まで上値を広げるなど、2014年以来の水準まで急騰した。アジア市場の序盤に75.32ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて78.38ドルまで一段高となった。ニューヨーク市場の中盤以降は米国株安を意識した利食い売りが入ったことで上げ幅は縮小した。通常取引終了後の時間外取引では主に77ドル台後半で推移した。

 

NY金先物市場は3日続伸:リスク回避の動きから買い優勢

NY金先物市場は1747.70-1771.50ドルのレンジ相場となった。米国の債務上限問題や中国恒大集団などのリスク要因が燻る中で株売り、債券買いとなり市場がリスク回避に動き、安全資産とされる金先物価格は堅調に推移した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1747.70ドルまで下げたが、ドル安を意識して1771.50ドルまで買われた。ただ、米国株安を意識して換金目的の売りが増えたことで金先物は上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では、1770ドルをやや下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は下落:インフレ圧力の高まりから売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.27%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い1.48%で終了した。原油先物相場の急騰を受けて、インフレ圧力の高まりが改めて意識されると債券売りが広がった。

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