★ドル/円の日足では、260日線(茶線)110.40円が上値抵抗ラインと上ヒゲを残して下落基調となった。200日線(紫線)110.22円をあっさり下抜けたことで、5日線(赤線)110.05円、10日線(黄線)109.92円、25日線(青線)109.88円が下値支持ラインとして意識されている。
今晩10日線や25日線を下抜けしてしまうと、6月8日安値109.17円のダブルトップネックラインが意識されやすい。現在は直近高値・安値を上抜けしていることから、上昇トレンドは継続している。しかし、ダブルトップネックラインうぃ下抜けしてしまうと、下値切り下げとなりトレンドが反転した可能性も出てくる。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%Kが横ばいとなってきていることから、円安への勢いは鈍化してきている。
今晩の定例理事会で量的緩和策の年内終了するか討議する公算となっているが、結論が出なかった場合はユーロ売りが活発化する可能性が高い。ユーロに対してドル高、円高になりやすく、ドル/円においては円高・ドル安になりやすい。
★ECBのプラート専務理事は6日に『ECBはインフレが目標に向けて上昇してくことへの自信を深めており、理事会で債券買い入れ策を年内に終了させるかどうか討議する』と述べた。また、クノック・オランダ中銀総裁も『近いうちに試算買い入れの終了は合理的』と発言しており、急速にフォワード・ガイダンスの変更など、出口戦略が討議されるとの思惑が高まっている。
また、イタリアでは大衆迎合型の連立政権が『財政バラマキ』の公約実行を打ち出しており、ECBとしては『財政の規律の緩み』と『ECBによる債券買い入れへの甘え』をけん制する必要がある。そのため、ユーロ加盟国の国債の買い入れを早期に縮小させる必要性に迫られている。
それでは、ユーロ圏の経済・景気が出口戦略に耐えられるほどの、内容なのかどうかが重要ポイントとなる。
ユーロ圏におけるマークイット製造業PMIは昨年12月31日の60.6がピークとなり、今年に入ってから下落基調が継続しており、5月31日では55.5まで低下している。ただ、50の節目を上回っていることから、成長は継続している。重要なことは下げ止まらずに下落基調が継続していることにある。今年に入ってECBが早期に出口戦略に向かうとの見方からユーロ高が続いていた。そのため、景気減速が出始めている。本日のECB定例理事会で出口戦略に向けた動きが明らかになると、再びユーロ高になりやすくユーロ圏内の景気鈍化が強まる可能性が高い。
また、シティグループが算出しているエコノミック・サプライズ指数(びっくり指数)は、各種経済指標と事前予想との食い違い(かい離幅)を指数化し、ゼロ(予想通り)を挟んで、上下(プラス・マイナス)で示した指数である。雇用や生産などの各種経済指標が事前の市場予想と比べてどうだったかを指数化したもので、実績が予想を上回れば指数は上昇、逆に下回れば下落する仕組みとなっている。6月13日現在のユーロ圏のエコノミック指数はマイナス100.30まで低下しており、ほとんどの経済指標で市場予想を下回る結果となっている。ピークは昨年11月24日のプラス92.90だった。
★日経225日足では、前日ロウソク足は前週末ロウソク足に対して上値・下値を切り下げる『はらみ線』となっていた。高値圏での『はらみ線』は相場の転換となりやすいと言われ、本日のロウソク足が重要ポイントとなっていた。しかし、前日ロウソク足に対して窓を空けて寄り付いたことにより、下落調整となる可能性が高くなるので注意が必要となる。本日は一旦下抜けした5日線(赤線)22,832円を回復して終了するかが焦点となる。
下値サポートでは、10日線(黄線)22,681円と25日線(青線)22,653円重要なポイントとなる。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%Kと%Dは買われ過ぎ過熱感域から、%Kが下向きとなってきたことから、下落調整の様相となってきている。
米中貿易摩擦が高まるようなら、株価への影響も大きくなる可能性があり注意が必要となる。ただ、トランプ政権は、今までも土壇場で条件緩和や落としところを探ることが繰り返されてきた。そのため、報道されている米中間の貿易摩擦が高まるかは分からない。
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