★欧州市場朝方の取引では、NYダウ先物が反落となったことを受け、リスク回避の動きが優勢となった。なお、欧州株は高安まちまちで取引を開始した。ロイター通信の報道で『複数の関係筋によると、トランプ米大統領は、国内企業に対し中国のファーウェイとZTEが製造した通信機器の利用を禁止する大統領令は来年にも発令することを検討している』などがリスク回避の背景となった。欧州序盤、米長期金利低下となったことを背景に、ドルが軟調取引となった。NYダウ先物と米長期金利反落となったことを背景に、リスク回避の流れが持続した。その後、110.80円を挟んだ水準でNY勢の本格参入待ちの動きとなった。
米新規失業保険申請件数は、市場予想通りとなり影響は限定的だった。米12月消費信頼感指数が128.1と予想の133.7を下回ったことが相場の重石となった。米株式の売り圧力が弱まり、米長期金利の低下も一服したことでドル売りの勢いは鈍化した。しかし、その後NYダウが550ドルを超える下げとなり、米長期金利は2.73%付近へ低下するのをながめドル売りが優勢となった。しかし、NYダウが大きく下落幅を縮小する動きを受けて、ドルが急速に持ち直した。市場では『年金の買いが断続的に入った』との声が聞かれ、取引終了までの約2時間でこの日の安値からおよそ870ドル近く上昇した。
★欧米主要経済指標
・米・10月FHFA住宅価格指数:前月比+0.3%(予想:+0.2%、9月:+0.2%)
・米・先週分新規失業保険申請件数:21.6万件(予想:21.6万件、前回:21.7万件←21.4万件)
・米・失業保険継続受給者数:170.1万人(予想:167.3万人、前回:170.5万人←168.8万人)
・米・12月消費者信頼感指数:128.1(予想:133.5、11月:136.4←135.7)
★欧米市場のポイント
・110.42-111.09円のレンジ相場
・中国を始め世界景気の先行きを警戒
・米12月消費者信頼感指数は予想下回る
・NYダウは引けにかけ急速に買い戻し強まる
・VIX指数は30.41から29.91へ低下
★日経225ドル建ての一目均衡表週足では、雲の下限を下抜けたあと雲の下限がレジスタンスとして意識され戻りきれなかったことから下押しした。週足の折れ線では、下落基調が継続している。また転換線(赤線)や相場の方向を示す基準線(青線)も下向きが継続していることから、外国人目線では売り目線となっている。
26期間先の先行スパンでは、先行スパン2が先行スパン1を上抜けしており下落トレンドを示している。また、先行スパン1が緩やかに低下傾向にあることから、上向きになるまでは下落リスクが高い。
26期間遅行する遅行線(緑線)も折れ線を下抜け、雲の下限も下抜けていることから下落基調が継続している。
一方で、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%K:8.09、%D:10.84とかなり売られ過ぎ過熱感が出ているものの、%Kと%Dが下向きとなっていることから、下押し圧力が残っている。
外国人目線でドル建て日経225をみても、売られ過ぎ過熱感が出ているものの、中期的な下落トレンドに変化がない。そのため、戻り場面では戻り売り圧力も残っていることを示している。戻りの兆しが出てくるまでは慎重姿勢で臨む必要がある。
★12月26日(水)の米国3市場は、NYダウ:1,086.25ドル高の22,878.45ドル、S&P500:116.60ポイント高の2,467.70ポイント、NASDAQ:361.44ポイント高の6,554.36と、3株価指数とも大幅上昇となった。また、米長期金利は前日比上昇し2.806%と2.80%台を回復した。『24日付けPERと株価から逆算』して26日付け予想PER計算すると、NYダウ:14.80倍、S&P500:15.58倍、NASDAQ:21.46倍と3株価指数ともに大きく上昇した。このPERを基に26日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.951%、S&P500:▲3.612%、NASDAQ:▲1.854%とイールドスプレッドは前日比で大きく縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)となった。連日株価指数が大幅上昇しうえ、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドが大幅に縮小した。
NYダウの年初来底値時のイールドスプレッドを参考にする。4月2日に付けた年初来安値時のNYダウ:▲3.579%、S&P500:▲3.145%、NASDAQ:▲1.640%や、2月9日の反転時となったNYダウ:▲3.300%、S&P500:▲2.756%、NASDAQ:▲1.313%だった。
26日(水)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲4.352%⇒▲3.951%となり、大幅に縮小した。NYダウは連日の大幅下落となっていたことから、その反動での買い戻しも大きな値動きとなった。イールドスプレッドは大きく縮小したが、4月2日や2月9日の安値圏でのイールドスプレッドと比較すると、まだ大きく拡大している。
S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.999%⇒▲3.612%となり、連日4月2日及び2月9日のイールドスプレッドを上回っていることから、S&P500もまだ相当割安感が出ている。
NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲2.191%⇒▲1.854%となり、連日2月9日と4月2日のイールドスプレッドを上回っていることから、NASDAQもまだ相当割安感が出ている。
3株価指数とも昨日の上昇によりイールドスプレッドが縮小したものの、米10年物国債金利に対して株価に割安感は残っている。そのため、悲観的な連日の株価安は落ち着きを取り戻せるかが注目される。しかし、世界的な景気減速懸念が根強く、NY市場では、政府機関閉鎖が長期化する可能性が強まっていることも警戒されている。そのため、割安感だけで一旦下げ止まったとしても、戻り売りに押されやすい地合いが続きやすい。VIX指数が36.70から30.41まで低下したが、未だに30を上回っていることから再びボラティリティが高まる可能性も残る。また、ボラティリティの高止まりからファンド筋のポジション調整売りも入りやすい地合いは継続している。
2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.754%、S&P500:3.933%、ナスダック:2.315%に徐々に近づいており、一旦は下げ止まりの節目となりやすい。
※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
« 1月 | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 |