★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.336%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・5月14日:▲3.513%⇒15日予想▲3.527%
14日はNYダウが上昇した一方で米長期金利が大幅に低下したことから、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.336%から▲0.809%スプレッドがかい離していることや、直近1月3日大底のスプレッドとも▲0.699%のスプレッドかい離がある。
NYダウが上昇してもそれ以上に米長期金利が低下すると、前日比でどちらが割安かとなるイールドスプレッドから見ると、前日比では米長期債の方が割高となる。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.621%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%
・5月14日:▲3.376%⇒14日予想▲3.381%
S&P500のイールドスプレッドも前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.645%から▲0.264%スプレッドがかい離していることや、1月3日のスプレッドに対しても▲0.488%のスプレッドかい離がある。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.099%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%
・5月14日:▲1.759%⇒14日予想▲1.751%
NASDAQのイールドスプレッドは前日比縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.119%から▲0.368%スプレッドがかい離していることや、そのため、1月3日のスプレッドに対しても▲0.428%ある。
NASDAQは、昨日上昇率が1.13%に反発したことから、米長期金利の低下率を上回ったことからスプレッドが縮小した。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★5月9日以降の東京金60分足では、上値を24時間SMA(緑線)と240時間SMA(茶線)がレジスタントして意識され上値を抑える展開となっている。一方、下値では雲の上限がサポートなり下値を抑える展開となっている。そのため、もみ合い相場が継続している。寄付き後には、雲の上限が上昇することから、レジスタンスを上抜けするのか、それとも雲の中での値動きになるかが注目される。
NY金先物市場は1293.60-1301.70ドルのレンジ相場となった。米中の経済指標がさえない結果となり、買いが優勢となったが、トランプ米大統領が『自動車関税の発動を延期する計画』との報道を受けて米株がプラス圏に浮上するなどリスクオフムードが緩み、金先物は上げ幅を縮小して取引を終えた。しかしながら、米中貿易摩擦の早期解消への期待は広がっていないことから、押し目買い興味も散見された。
価格帯別出来高では、もみ合いから下抜けすると出来高が少ない価格帯のため、ボラティリティが高まりやすい。また、上値が重くなっていることから、下値で買った買い方からの利益確定売りが入りやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロライン上で横ばいとなっており、トレンドレス状態となっている。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)でも、ダマシが頻発しており方向感を欠いた動きとなっている。
東京金日足では、5日SMAの4,545円と10日SMAの4,552円を上抜け維持しており、5日SMAも上向きとなってきたことで、戻り基調は継続している。ただ、上値では25日SMAの4,586円、100日SMAの4,590円、75日SMAの4,619円がレジスタンスとして意識されやすい。2月20日が高値となり上値・下値を切り下げる押し⇒戻り⇒押しが続いていることから、下落トレンドは継続している。米長期金利が低下する中、NY金は1,300ドル前後での動きとなっている。米国を中心とした貿易摩擦が悪化していることや、中東での地政学リスクも高まっていることから、大幅な下落基調にはなりにくい。為替市場では、日米金利差縮小が止まらないことから、ドル/円においては円安になりにくい展開となっている。そのため、リスク回避の動きになると、円高基調が高まりやい。
本日も下値では5日SMAと10日SMAを維持出来るかにある。また、上値では25日SMAと100日SMAがレジスタンスとして意識されるかも注目される。
★欧州市場朝方の取引では、欧州株が軟調に推移、日経先物も100円安に反落する中、米長期金利が低下したことで109.50円近辺で軟調推移となった。米長期金利の低下や日米株価指数先物の下落などを手掛かりにしたドル売りが優勢となった。欧州市場中盤の取引では、株価が下落、米長期金利も2.37%台に低下となる中、リスク回避による円全面高が継続した。
米4月小売売上高が予想より弱い結果となり米長期金利が低下幅を拡大したことも重石となり、ドル売りで反応した。ただ、米5月NY連銀製造業景気指数が予想を上回ったことで売りも一服した。その後、トランプ大統領が自動車輸入に対する関税発動を延期する計画との報道が伝わると一転ドル買い戻しが優勢となった。また、ライトハイザーUSTR代表が鉄やアルミの関税を解除する計画を提示すると報じられると、貿易への悲観的な見方が後退した。さらに、ムニューシン米財務長官が『中国との貿易改善に向け真剣に協議している』と述べたことも相場の支えとなった。ただ、報道を背景としたドル買い戻しが一巡した後は、109円台半ばでの小動きが継続した。
★欧米主要経済指標
・ユーロ圏・1-3月期GDP改定値:前年比+1.2%(予想:+1.2%、速報値:+1.2%)
・米・3月企業在庫:前月比0%(予想:0.0%、2月:+0.3%)
・米・5月NAHB住宅市場指数:66(予想:64、4月:63)
・米・4月設備稼働率:77.9%(予想:78.7%、3月:78.5%←78.8%)
・米・4月鉱工業生産:前月比-0.5%(予想:0.0%、3月:+0.2%←-0.1%)
・米・4月小売売上高:前月比-0.2%(予想:+0.2%、3月:+1.7%←+1.6%)
・米・4月小売売上高(自動車除く):前月比+0.1%(予想:+0.7%、3月:+1.3%←+1.2%)
・米・5月NY連銀製造業景気指数:17.8(予想:8.0、4月:10.1)
・米・3月対米証券投資・長期有価証券(株式スワップ等除く):-284億ドル(2月:ネット長期有価証券+519億ドル)
・米・3月対米証券投資全体:-81億ドル(2月:-215億ドル←-216億ドル)
★欧米市場のポイント
・109.12-68円のレンジ相場
・メイ首相と野党・労働党の協議は難航
・ユーロ圏景気減速やイタリア財政問題懸念でユーロ売り
・自動車勢発動の延期で欧米間の対立の激化懸念後退
・トランプ政権の要人発言が相次ぎリスク回避後退
・VIX指数は18.06から16.44へ低下
★日経225の日足では、上値下値の抵抗ラインとして意識される100日SMA(黒線)21,189円が、明日日経225の上値の壁となりそうだ。
5日SMA(赤線)の21,238円が下向きとなっており、やはりレジスタンスとして意識されやすい。さらに上値では75日SMA(緑線)の21,394円も意識される。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%D:16.03、Slow%D:14.37とかなり売られ過ぎ過熱感があり、%DがSlow%Dをわずかに上抜けしてきたことから、戻り基調の兆しが出てきている。
米中通商協議懸念が和らいただものの、完全に払拭できていないことから、上値追いの局面にはなりにくい。4月26日から5月14日までの終値で1,240円程度下落していることから、下落幅に対しての半値戻しとなる21,687円前後が戻りの節目となりやすい。
★東京白金の日足では、4月23日の直近高値と5月7日の高値を結んだトレンドライン(R1)を下回っており、トレンドラインからは下落基調が継続している。
ただ、75日SMA(緑線)3,008円や260日SMA(茶線)3,007円がサポートとなり、一旦下げ止まっている。一旦5日SAM(赤線)3,029円を上抜けしたものの、レジスタンスとして意識され結局下押しする展開となっている。
出来高では5月10日がピークとなり、出来高は減少傾向にあることから、反発するにはパワー不足となっており、買い方が増加してこないと上値追いは難しい。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%D:10.24、Slow%D:8.96とかなり売られ過ぎ過熱感はあるものの、下落トレンドが続いていることから、底這いする可能性もあり、トレンド発生時はモメンタム系のオシレーターに頼ると大きな損失につながることから注意が必要となる。
現状は一旦下げ止まっているものの、出来高が減少傾向にあることから反発には至りにくい状況である。そのため、上値の重さに75日SMAと260日SMAを下抜けすると100日SMA(黒線)2,969円や200日SMA(紫線)2,962円が視界に入ってくる。
一方、ダブルトップからの下落となっていることで、4月23日高値と4月17日ネックラインとの差額124円をネックラインからの下落幅に当てはめると3,031円となる。このライン近辺で相場の節目となりやすいことから、3,031円を上抜けしてくるかも重要なポイントとなる。
そのため、現状は今後の行方を注視しながら、様子見姿勢となる。
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