FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2021/10/18/15:15:19

日経平均株価は利益確定売りと戻り待ち売りが優勢

前週末の米国株式上昇を手がかりに優勢となる場面があったものの、NYダウ先物が軟化したほか、中国の国内総生産(GDP)の伸び鈍化などが重石となった。物色面では為替市場でドル/円が114円台まで円安に振れたことから自動車株が堅調となったほか原油上昇を背景にエネルギー関連株が買われた。ただ、最近の東京市場の相場の戻りが急だったため、利益確定や戻り待ち売りが優勢になった。内需・ディフェンシブ株を中心に売りが目立ち、下げ幅は一時100円を超えた。しかし、2万9000円を下回る水準では買いも入り、下値は堅かった。結局、前営業日比43円安の2万9025円と3営業日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇がドルの下支え

ドル/円は、急ピッチの上昇に対する警戒感から利益確定やポジション調整のドル売り・円買いが持ち込まれ、114.02円付近まで下落した。7-9月期中国国内総生産(GDP)が予想を下回ったことも、リスク回避の円買いを誘った。ただ、下値では日米金融政策スタンスの違いを意識したドルの押し目買いが入り、114.15円付近へ値を切り返した。午後に入ると、米長期金利上昇に支えられてドル買い・円売りが進み、114.45円付近までじり高となった。だが、15日の海外市場でつけたおよそ3年ぶりの高値114.47円に接近すると上げは一服した。その後は、日経平均株価やアジア主要株価指数を眺めながら、小幅に値を下げて114.30円台を中心に取引された。ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇を眺めたドル買いが優勢になり、一時1.1578ドル付近まで値を下げた。

 

中国恒大集団は元建て社債の利払い実施へ:国内債権者の優先鮮明

経営危機に陥っている中国不動産開発大手・中国恒大集団は15日、19日に期日を迎える人民元建て社債の利払いを実施すると発表した。同社は資金繰り難が深刻化した先月下旬にも元建て社債の利払いを行っており、国内債権者を優先する姿勢が鮮明になった。一方、恒大は先月下旬以降にドル建て社債の利払いを3回にわたって見送っており、未払い額は計2億7900万ドル(約320億円)に達する。期日から30日以内に利払いができなければデフォルト(債務不履行)となる。

 

次の中国規制当局はネット証券会社への規制か

中国規制当局による締め付け強化は、中国版ロビンフッドのようなネット証券会社が扱う株式売買をすでに鈍らせている。ここにきて、さらにデータセキュリティーという新たな問題が立ちはだかってきた。ただでさえ厳しい状況に置かれている中で、クロスボーダー投資に関して既存規定の執行がさらに厳格化されれば、これらネット証券会社にとっては事業存続の危機に陥りかねない。

 

英国では高まるインフレリスク:20日の9月の消費者物価指数に注目

前年同月比で3.2%の上昇と、9年5カ月ぶりの高い伸び率となった前月に続き、欧州連合(EU)離脱によるサプライチェーン(供給網)のボトルネックがインフレを加速させるリスクに関心が集まっている。英イングランド銀行(中央銀行)はインフレの伸び率が10~12月期に前年同期比で4%を上回るとの見通しを示している。政策目標(2%)の2倍の伸びとなる中で、英中銀が政策金利(現在は0.1%)の引き上げに向け、11月4日の金融政策会合で何らかの手を打つとの見方が市場で広がっている。

 

トルコ中銀の金融政策決定会合の結果待ち:どの程度利下げするか注目

今週は市場が注目するトルコ中銀・金融政策決定会合が21日に開かれるため、リラ/円は、週半ばまでは会合結果への思惑で上下することになる。金利の敵と自らを呼ぶエルドアン大統領の息のかかったメンバーが金融政策委員会(MPC)の多数を占めるなか、市場の注目は『利下げするかどうか』ではなく、『どの程度まで政策金利を引き下げるか』にシフトしている。先月のサプライズ利下げ(政策金利19%から18%に)からリラ売りが強まったにもかかわらず、カブジュオール中銀総裁は金利変更とリラ下落は無関係と言い続け、緩和の正当性を訴え続けている。そういったなかエルドアン・トルコ大統領は先週、2人の中銀副総裁を含む3人のMPC委員を解任し、新たに副総裁とMPC委員を1人ずつ任命した。あまりにも強引と言える人事介入に市場参加者の不安は一気に広まり、リラは対ドルで過去最安値を更新し続け、対円でも昨年11月につけた最安値が完全に視野に入ってきた。一方、リラの支えとなりそうなのは8月トルコ鉱工業生産が前月比で予想のプラス幅を上回るなど、足もとでは良好な経済指標も見られる。国際通貨基金(IMF)は先週、今年のトルコ成長率見込みを9%とし、7月予測5.8%から大幅に上方修正した。

 

8月の落ち込み南ア経済の深刻さを示している

先週発表された8月の小売売上高が7月に続き前年比でマイナスとなった。7月は暴動の影響でマイナスとなったが、8月の落ち込みは南ア経済の深刻さを示している。今週は20日に発表される9月消費者物価指数(CPI)に注目したい。再び南ア準備銀行(SARB)の目標中心値4.5%を上回る可能性もある。上述のように小売りが落ち込んでいる状況下で、原油高騰などもありインフレが更に上伸すれば、インフレ下の経済停滞=スタグフレーションの道を辿る可能性を高める。

 

米財務省の『為替報告書』の見解に注目

毎年10月中旬に議会へ提出される米財務省の『為替報告書』では、米国と中国や日本との貿易不均衡が拡大していることで、財務省の見解に要注目となる。4月の為替報告書では、制裁対象となる『為替操作国』の認定はゼロだったが、中国や日本など11カ国を通貨政策への警戒が必要な『監視国』としている。1-8月期の対中貿易赤字は2189億ドルで昨年同時期の1926億ドルから拡大した。対日貿易赤字も428億ドルで昨年同時期の320億ドルから拡大している。中国の1-9月の対米貿易黒字は2800億ドルに拡大している。

 

米FRB正副議長の人事に注目

発表時期は未定だが、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利予測分布図で、2022年の利上げを予想したタカ派は18名中9名だった。しかし、タカ派のローゼングレン米ボストン連銀総裁とカプラン米ダラス連銀総裁は、倫理規定違反で辞任を表明した。クラリダFRB副議長も倫理規定違反が取り沙汰されている。タカ派のクォールズFRB副議長も13日に任期満了を迎えた。パウエルFRB議長は、監督責任により2期目の上院での承認が危ぶまれている。バイデン米大統領が2期目続投を容認するのか、それとも、ハト派の急先鋒であるブレイナードFRB理事が指名されるのか注目されている。

 

欧米市場イベント

○18:30   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)理事、討議に参加
○21:15   9月カナダ住宅着工件数(予想:25.50万件)
○21:30   8月対カナダ証券投資
○22:15   9月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
         設備稼働率(予想:76.5%)
○23:00   10月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:76)
○23:30   カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○19日03:15   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○19日05:00   8月対米証券投資動向

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/10/15/15:12:23

日経平均株価:テクニカル面の改善で買い戻す動きが活発化

前日の米国株式市場が大幅上昇したことを好感、幅広く物色され戻り相場に弾みを加えている。テクニカル面では、日経平均が前日に終値で75日移動平均線を上回ったほか、前引け段階で強力な戻りの節目となっている200日移動平均線を超え、テクニカル面の改善が顕著になったことで、買い戻す動きが活発化した。また、TSMCの工場建設に政府が支援する方向となったことが、岸田政権による成長につながる具体的な施策として市場で認知され、政権が分配政策に傾斜するとの不安を後退させたことも好感された。結局、前営業日比517円高の2万9068円で終了した。9月30日以来、約2週間ぶりの高値となった。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売り強まる

ドル/円は、本日が週末を控えての五・十日にあたることで、本邦輸入勢などのドル買い需要が旺盛だったこともあり、本邦勢もオセアニア市場の時間帯からドルを買い進む動きが見られ、113.93円付近まで上昇した。日経平均株価が堅調推移したことも、ドル買い・売りを誘った。仲値発表後は、本邦輸入企業などのドル買い需要が一巡したことで、ポジション調整などのドル売り・円買いに押され113.80円台へ上げ幅を縮める場面も見られた。しかし、日経平均株価が400円を超える上げ幅となったことで再びドル買い・円売りとなり113.95円まで上値を伸ばした。午後も堅調地合いが続いた。日経平均株価の上げ幅が500円を超えたことに加え、NY原油先物が堅調なこと、NYダウ先物も大幅高となっていることなどがドルを下支えし114円台の大台を突破し、114.16円と2018年11月以来の高値を更新した。ユーロ/ドルは、1.16ドル台前半で小動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ中銀が独立性を失ったことでリラの下値への警戒感が強い

トルコ中銀が来週の金融政策決定会合で大幅な追加利下げをするとの思惑が高まるなか、本日のリラ/円も下値への警戒感が強まったままとなる。エルドアン大統領に解任された2名の中銀副総裁を含む3名のMPC委員は金融政策に精通しているとされ、緩和に反対していたとも報じられている。新たに任命された副総裁とMPC委員の力量は定かではないが、金利引き下げを望む大統領に従順であることは確かである。 エルドアン大統領との二者会談で首が繋がったカブジュオール中銀総裁は、9月の利下げの正当性を訴え続けており、またリラ安は金融緩和と関係ないとも述べている。政治圧力に完全に屈したトルコ中銀は独立性を失ったと言え、その国の通貨を保持し続けることへの懸念は益々広がってしまう。

 

プラチナ価格の上昇が南アランドの下支え

コモディティ相場が全般に強含むなか、昨日は南アが世界一の産出量を誇るプラチナの価格も上昇してランドの支えとなった。このコモディティの上昇トレンドが当面続くようであればランドの下値も限られ、当面は南アのネガティブ材料に対する反応は鈍いままとなる。なお、国営電力会社・エスコムによる電力負荷制限が昨日でいったんは終了したが、新たな計画停電が再び予定されていると報じられている。

 

メキシコ大統領は憲法改正案に伴う詳細を発表:内外から批判必至か

メキシコ政府が電力市場や資源開発で国家の権限を強化する憲法改正案を議会に提出した。ロペスオブラドール大統領は11日に憲法改正案に伴う詳細を発表した。大統領が提示した計画詳細によると、憲法改正によって34の民間発電所が電力を販売する契約を取り消されて閉鎖されるほか、企業向けに電力を販売する239の民間プラントが『違法』扱いになるとのこと。また、民間企業が現在結んでいるクリーンエネルギー優先の長期供給契約なども多くがキャンセルされるとしている。
ロシオ・ナーレ・エネルギー相は憲法改正案によって民間企業が電力事業の46%を保障されることを殊更強調していたが(54%は国営メキシコ電力公社が担当)、計画の詳細が明らかになったことで内外からの批判が強まることは必至である。米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の関係などもあり、米国の反応も注目される。

 

米国の雇用のさらなる改善はFRBの金融緩和解除を正当化

米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比3.6万件減の29.3万件となった。前週から予想以上に減少し、パンデミックにより経済が封鎖した昨年3月来の30万件割れとなった。失業保険継続受給者数も259.3万人と、前回272.7万人から予想以上に減少しやはり昨年3月来で最小となった。 政府のパンデミック救済策の一環の失業者特別支援策が全州で9月6日付で終了したため、多くが労働市場に復帰したと考えられる。政府の失業者優遇措置の総受給者数は前年同月の2500万人から400万人以下まで減少した。同時に、430万人が退任、離職した。長期失業者が引き続き減少しないことはリスクになる。労働市場参加者が増えれば、雇用環境が一段と改善した。経済が米連邦準備制度理事会(FRB)の目標である最大雇用に向けて一段と前進することになる。同時にパンデミック対応の緊急金融刺激策解消の環境も整う。

 

利上げ判断には時間が必要:米リッチモンド連銀総裁

米リッチモンド地区連銀のパーキン総裁は14日、米連邦準備理事会(FRB)はテーパリングを『円滑に』開始するための道筋を確保したが、利上げが適切かどうかを判断するにはまだ時間がかかるとの認識を示した。講演で、足元のインフレ水準が持続されるかどうかや最大雇用を達成するまでに労働市場にどれだけの雇用が必要なのかなどについて多くの情報が必要だとした上で、『新型コロナウイルスの感染が期待通りに緩和すれば、これらの質問に対する答えが明確になる』と述べた。

 

米国市場では9月小売売上高が公表:予想は前月比-0.2%

8月実績は、前月比+0.7%で予想に反して増加した。オンライン販売が増加したことや、家具類の売上が大きく伸びたことが要因だった。政府から児童税額控除の支給が売上増加につながった可能性がある。9月については、オンライン販売は8月に増加した反動で9月は伸び悩む可能性があること、自動車販売は引き続きさえない状態が続いていることから、前月比マイナスとなる可能性がある。

 

米国市場では10月ミシガン大学消費者信頼感指数が公表:予想は73.5

9月実績は72.8で速報値71.0から上方修正された。ただし、消費者の多くはインフレ率の高止まりを警戒しており、景気の先行きについて慎重な見方を持っていることが確認された。10月については、9月時点の期待指数が上昇していることから、9月実績を上回る可能性があるが、大幅な改善は期待できない。

 

欧米イベント

○15:45   9月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.2%/前年比2.1%)
○18:00   8月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前161億ユーロの黒字/季節調整済142億ユーロの黒字)
○21:30   8月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.5%)
○21:30   10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:27.0)
○21:30   9月米小売売上高(予想:前月比▲0.2%/自動車を除く前月比0.5%)
○21:30   9月米輸入物価指数(予想:前月比0.6%)
○23:00   8月米企業在庫(予想:前月比0.6%)
○23:00   10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:73.1)
○16日00:45   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○16日01:20   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ハイブリッド形式、ワシントンDC、17日まで)
○インド(ヒンドゥー教ダシェラ祭)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/10/07/15:16:54

日経平均株価:上昇後は戻り売りに押される展開

米民主・共和両党が連邦債務上限引き上げで合意して米国のデフォルト(債務不履行)が回避されるとの楽観的な見方が広がり、米国株式市場で、主要3株価指数が上昇した。日経平均株価は自立反発狙いの買いが先行したほか、米国株高を好感した買いが入った。前日までの8日間で2700円超下げていたこともあり、一時上げ幅は450円を超える場面があった。しかし、2万8000円を上回った後は戻り売りに押され、午後は伸び悩む展開だった。結局、前営業日比149円高の2万7678円と9日ぶりに反発して終了した。9月5週(27日~1日)の投資部門別株式売買動向で、海外投資家は4889億円売り越しととなり、売り越しは3週連続となった。一方、個人投資家は5516億円の買い越しで、買い越しは6週間ぶりとなった。また、信託銀行は3475億円の売り越しとなり、売り越しは5週連続だった。

 

東京外国為替市場:本邦輸入勢のドル買いで持ち直し

ドル/円は、短期筋などのドル売り・円買いが先行し、111.32円付近まで下落した。しかし、前日の海外市場でつけた安値111.17円が視界に入ると下げは一服した。その後は本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、111.50円付近へじり高となった。米長期金利が小幅に上昇したことも、ドル買いにつながった。午後は、日経平均株価の下げ幅縮小を睨みながら、111.40円台を中心とした狭いレンジで取引された。今夜の米国株買い動向や米経済指標を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、欧米タイムで予定されているECB当局者の講演やECB理事会議事要旨の公表を控えて上下に動きにくく、1.15ドル台半ばでもみ合い相場となった。

 

中国不動産会社が花様年がデフォルト:ドル建て債返済できず

中国不動産大手の花様年控股集団(ファンタジア・ホールディングス・グループ)が4日に返済期限を迎えたドル建て社債を償還できず、格付け会社から債務不履行(デフォルト)と認定された。中国恒大集団以外の不動産会社にも信用不安が波及してきた。花様年は広東省深圳市を拠点に、中国の主要都市で住宅や商業施設などの不動産開発を手掛ける。香港メディアによると、江沢民(ジアン・ズォーミン)元国家主席の最側近である曽慶紅元国家副主席の親族が創業した。香港市場に上場する中国恒大と傘下の不動産管理会社、恒大物業集団の株式は6日も取引停止が続いた。同業の合生創展集団が恒大物業を買収すると報じられたが、正式には発表されていない。恒大は9月23日と29日に米ドル債の利払いを見送り、30日間の猶予期間に入った。恒大は保証するドル建て社債を償還できなかったとの報道もあり、デフォルトの懸念が高まっている。

 

トルコのコロナウイルスの新規感染者が再拡大

トルコ中銀が金融緩和に舵を切ったなかで積極的なリラ買い戻しとはなり難いが、若干の調整があるかもしれない。ただ、懸念材料の1つは、トルコで新型コロナウイルスの感染が拡大していることである。保健当局はワクチン接種の良好な進捗状況を声高に叫んでいるが、1日あたりの新規感染者数は約6カ月ぶりの水準となる3万人に迫っている。今のところトルコ政府は、行動制限を再び強化するつもりはないとしている。しかし今後、感染の広がりが加速するようであれば、年末にかけて経済活動が停滞する可能性は捨てきれない。

 

南アでは本日ストライキを実施:デモから暴動への発展リスクに注意

南ア国内情勢として注目したいのは、本日南アフリカ労働組合連合(Cosatu)がストライキを行うことである。Cosatuは労働者に対して、出勤をせず家に留まるように呼び掛けている。南アでは4カ月続けて南ア準備銀行(SARB)の目標水準中心値を上回るインフレ水準を記録しているが、原油価格が高騰していることで、今後もインフレが懸念されている。その状況下でも高失業率ということもあり、賃金が上昇していないことが問題視されている。以前のように労働組合による賃上げを求める行進などは行われないことで、7月のようなデモから暴動へ発展することはないと思われるが、念のため注意を払っておきたい。

 

米債務上限の2ヵ月間延長案を共和党が提示:民主党が受け入れるか

米共和党の上院トップ、マコネル院内総務は6日、12月まで連邦政府の債務上限を一時延長する案を表明した。12月までの支出を賄える範囲で債務上限を暫定的に延ばす内容である。共和党は約2カ月の猶予を許す一方、その間に与党民主党の単独で債務上限を本格的に引き上げる措置を講じるべきだと主張した。マコネル氏は6日の声明で 『民主党が通常の手続きで12月まで現行の支出レベルをカバーするための固定金額での債務上限延長を可決することを認める』と述べた。
民主党からみれば単純な上限凍結ではなく、一時的な延長分とその後の本格的な措置で2回、債務上限を単独で引き上げる責任が生じかねない。受け入れに前向きな声も漏れるが、決着まで予断を許さない。民主党が受け入れれば、18日にも政府資金が尽きて米国債がデフォルト(債務不履行)に陥る危機はひとまず回避できる見通しとなる。

 

週末の米9月雇用統計:11月FOMCでのテーパリング開始織り込む

米国の労働省はワシントンで8日に最新9月雇用統計を発表する。先行指標の中で雇用統計と相関関係が最も強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の9月分は前月比56.8万人増となった。伸びが8月34万人増から拡大し6月来で最大となった。このため、強い結果が期待される。また製造業の雇用も改善した。全米の製造業活動の状況を示すISM製造業景況指数9月分の雇用は50.2と、8月に活動の縮小となる50割れとなったのち、再び活動拡大を示す50を回復した。ISM非製造業景況指数の雇用は8月から小幅低下も、50台を維持した。新型コロナウィルスの変異株流行がピークを付け、経済活動の再開が進んだこと、さらに政府が実施していたパンデミック救済策の一環、失業保険特別支給が失効したことで労働参加者も増えたことが要因と見られる。また、9月に入り、学校が再開したことも奏功した。ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーは平均予想を上回る60万人近くの伸びを予想している。

◇市場エコノミスト予想失業率:5.1%(8月5.2%)非農業部門雇用者数:前月比+50万人(+23.5万人)民間部門雇用者数:前月比+45万人(+24,3万人)平均時給:予想:前月比+0.4%、前年比+4.6%(+0.6%、+4.3%)

 

欧米市場イベント

○14:45   9月スイス失業率(季節調整前、予想:2.7%)
○15:00   8月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.4%/前年同月比5.0%)
○15:45   8月仏貿易収支
○15:45   8月仏経常収支
○17:30   エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30   レーンECB専務理事兼主任エコノミスト、講演
○20:00   9月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.60%)
○20:30   ECB理事会議事要旨(9月9日分)
○20:30   9月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:34.8万件/278.0万人)
○22:00   シュナーベルECB専務理事、講演
○23:00   9月カナダIvey購買部協会景気指数
○8日00:45   メスター米クリーブランド連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○8日01:00   マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○8日04:00   8月米消費者信用残高(予想:175億ドル)
○中国(国慶節)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/10/06/14:16:12

欧米市場では8月ユーロ圏小売売上高が公表:予想は前月比+0.7%

7月実績は前月比-2.3%で市場予想を下回った。ただし、6月実績は上方修正さている。オンライン販売の減少が要因。8月については、オンライン販売がやや持ち直すこと、自動車燃料の販売増加が予想されており、前月比プラスとなる見込み。

 

トルコリラはネガティブ要因多く上値の重い展開継続

先月のトルコ中銀による予想外の利下げ、エルドアン大統領が米国との関係性の冷え込みに言及し、加えてロシアにすり寄る姿勢を見せたこと、トルコの9月インフレが再加速、米長期金利の上昇や原油価格の高騰など、リラにとってネガティブな要因は多く見受けられる。昨日は、9月インフレ指標の結果についてトルコ中銀が『コアインフレは依然として高いことを示唆』との見解を示した。しかしながら、政治的な圧力を背景に中銀の金融緩和は依然として継続するとの見方が多数派であり、積極的なリラの上値追いも難しいままと言える。投機筋による短期的なショートカバーはあるものの、実質金利マイナスの拡大や長期化への懸念が根強く残るなかでは本格的な上昇トレンドの形成はまだ先になりそうである。

 

メキシコ中銀は利上げサイクル継続:中銀副総裁

メキシコ銀行(中央銀行)のヒース副総裁が『利上げサイクルはまだ終わっていない。あと1-2回利上げを行う可能性がある』との見解を示している。また、ヒース副総裁は前回4対1で利上げを決めた際も利上げに投票している。

 

米9月ISM非製造業景況指数は予想外に上昇

米供給管理協会(ISM)が発表する非製造業景況指数は61.9と、8月61.7から低下予想に反して上昇し、7月来で最高となった。事前に民間マークイットが発表した米9月サービス業改定値は54.9と、予想外に速報値54.4から上方修正された。8月の55.1からは低下した。総合PMI改定値は55.0と、速報値54.5から上方修正されたが、4カ月連続の低下となった。

また、民間マークイットが発表した米9月サービス業改定値は54.9と、予想外に速報値54.4から上方修正された。しかし、4カ月連続の低下で、2020年12月来で最低。総合PMI改定値は55.0。速報値54.5から上方修正されたが、やはり、4カ月連続の低下で、1年ぶり低水準となった。人手不足が成長を抑制。仕入れや生産コストの上昇で、インフレ圧力も歴史的に高い水準となった。

 

FRBスキャンダルでパウエル議長の再任に反対:ウォーレン上院議員

株式取引や不動産投資信託取引をしていたこともあり、辞任することになったカプラン米ダラス連銀総裁、ローゼングレン米ボストン連銀総裁に続き、クラリダFRB副議長も債券ファンドから株式ファンドへ資金を移していたことが先週末に明らかになっている。このことでウォーレン上院議員(米民主党)がパウエルFRB議長が責任を果たしていないことを議会で指摘し、議長の再任に反対を表明している。

 

米上院は債務上限めぐり6日に手続き上の採決へ

米上院民主党トップのシューマー院内総務は5日、連邦債務上限の適用を2022年末まで停止する法案に関する手続き上の採決を6日に実施すると発表した。シューマー氏は上院の議場で『債務上限問題を週内に解決し、米国に対する全幅の信頼と信用は決して疑問視されないと世界を安心させることが可能だ』と言明した。『共和党が6日にノーに票を投じ、債務不履行の政党となるのを望むかどうかは共和党が決めることだ』と述べた。ただ、採決が実を結ぶ可能性は低い。上院共和党トップのマコネル院内総務は同日、過去2回と同様に採決を阻止すると表明した。債務上限問題を巡り、民主党には財政調整措置(リコンシリエーション)と呼ばれる手続きを行う『時間があり、早ければ早いほど良い』と述べた。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月独製造業新規受注(予想:前月比▲2.1%/前年同月比16.4%)
○16:00   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○17:30   9月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:54.0)
○18:00   8月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.8%/前年比0.4%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   8月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比2.0%)
○21:15   9月ADP全米雇用報告(予想:42.8万人)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○23:30   EIA週間在庫統計
○7日01:00   9月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%)
○欧州連合(EU)首脳会議
○中国(国慶節)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/10/05/15:12:32

日経平均株価:半導体関連銘柄やグロース株中心に売りが膨らむ

日経平均株価は、米国株の大幅安を嫌気され朝方から安く始まった後も、下げ幅を拡大して一時900円超安となった。米国債利回りが上昇する中、主要ハイテク株やグロース株を中心に売りが出た。また、連邦債務上限が引き上げらず、米国がデフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念が払しょくされていないことも重石になった。東京市場でも半導体関連などグロース株を中心に売りが強まった。インフレ懸念の高まりなどリスク要因が重なったことで、持ち高調整の売りも出た。結局、前営業日比622円安の2万7822円となり7日続落して終了した。8月30日以来およそ1ヵ月ぶりの安値となった。

 

東京外国為替市場:米長期金利の上昇を眺めドル買戻し

ドル/円は、日経平均株価が節目の2万8000円を割り込んで下げ幅を拡大すると、リスク回避のドル売り・円買いが強まり110.87円付近まで下落した。しかし、前日の海外市場でつけた安値110.82円が意識され、追随する動きは見られなかった。その後、短期筋などからショートカバーが持ち込まれ、111.10円付近へ上昇した。米長期金利が上昇したことも、ドル買戻しにつながった。午後に入っても堅調地合いが続き、日経平均株価が下げ幅を縮小すると、さらにドル買・円売りが進んで111.22円付近まで値を上げた。ユーロ/ドルは、米長期金利上昇を眺めたユーロ売り・ドル買いに押され、1.16ドル台を割り込んで1.1590ドル付近へ下落した。

 

顧客が米国株を4週ぶり売り越し=BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズの5日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は9月27日~10月1日の1週間に米国株を9億4100万ドル売り越した。4週ぶりに売り越しに転じたことになる。この週は米製薬大手メルクが1日、開発する新型コロナウイルスの経口薬の臨床試験(治験)で入院と死亡のリスクを50%減少させることが確認されたと発表したことでリオープン・トレードの動きが週末に活発になったが、S&P500指数が2.2%安で2週ぶりに大幅反落した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が14億7400万どるの売り越しで、2週ぶりの売り越しだった。機関投資家は15億8200万ドルの売り越しで、4週ぶりに売り越しに転じた。個人投資家は8億1200万ドルの買い越しで、2週連続の買い越しとなった。企業の自社株買いは13億300万ドルで低調だった。傾向としては機関投資家とHFが売り越しに転じたほか、大型株の売りが目立った。企業の自社株買いが決算期前でブラックアウト期間に入ったことも影響した。

 

米国株の危険な10月

10月は、過去100年間で陰線は40回に過ぎない。しかし、下落率トップ15に内、1929年の暗黒の木曜日や1987年のブラックマンデーなど8回が起きており、米国株にとっては危険な季節になっている。暴落的な動きになる理由としては、個人所得の申告を控えて、配当の支払いなどを完了させるため、投資信託の決算期末が10月に集中していることや、ヘッジファンドの決算月となっていることがあげられる。

NYダウ下落率トップ15の内8回が10月に起きている。

第1位1987年10月19日(▲22.61%)ブラックマンデー、第2位1929年10月28日(▲13.4%)暗黒の木曜日、第4位1929年10月29日(▲11.7%)、第5位1931年10月5日(▲10.7%)、第8位1987円10月26日(▲8.04%)、第9位2008年10月15日(▲7.87%)、12位2008年10月9日(▲7.33%)、第13位1997年10月27日(▲7.18%)の8回

もし、NYダウが1日で7%下落すると、4日終値34002.92ドルとして約2,380ドルの下落となる。

 

トルコ中銀による利下げの可能性は高いまま

注目されていた9月トルコCPIは前年比19.58%と2019年3月以来の水準を記録した。食品・非アルコール飲料価格の上昇率が28.79%となり、これまでと同じく物価の伸びをけん引している。食品価格の高騰を抑えようと、エルドアン・トルコ大統領は全国に約500ある農業協同組合に小売店舗を開かせ、そこで適正な価格の農産物を売るよう命じたと報じられた。ただし、23年の総選挙に向けたパフォーマンスとの見方も多く、その実効性や有効性に懐疑的な声も多いようである。トルコ中銀が先月から金融政策を決定するうえで重要視し始めたコアインフレ率は、9月CPIコアは前年比で16.98%(前回16.76%)となった。ただ、夏前と比較すると上昇率は鈍化しており、政策金利18%も下回っていることから、次回会合での追加利下げの可能性は高まったままと言える。

 

プラチナ価格の急落で南アランドも連れ安

南アが世界最大の産出量を誇るプラチナ価格が急落する過程で南アランド/円は弱含みとなった。もっとも、昨日は原油先物価格が2014年以来の水準まで急騰していることで、インフレ傾向にある南ア経済に今後大きな影響を与えそうなこと、中国恒大集団の問題、米債務上限の交渉行き詰まりなど、今後ランド/円相場にも影響を大きく与えそうな動向に注意を払う必要がある。

 

米国の高インフレの長期化に懸念浮上

石油輸出国機構(OPEC)プラス委員会は日量40万バレルの供給拡大計画を維持することで合意した。さらに、2022年度の需要見通しを引き上げ。緩やかな増産計画を維持し、大幅増産を見送った。NY原油先物相場は4日、78ドル台に達し、2014年以降7年ぶりの高値を更新。さらに、最近の天然ガスの価格の上昇で、一部の投資家が追加証拠金請求に直面しているとの報道もあり、一段の上昇に拍車をかける可能性も警戒される。さらに、サプライチェーン問題が2023年にまで長期化するとの指摘も見られる。そうなった場合、物価高が当面、解消しない可能性もある。パウエル議長は想定以上にサプライチェーン問題が長引いていると認めたが、「物価はいずれ低下する」との予想を修正していない。

 

米インフラ法案と債務上限問題を巡り不安定さが警戒

米ホワイトハウスの公的関与担当上級顧問は3日、バイデン大統領の看板政策であるインフラ投資法案と気候・社会保障関連歳出法案について、与党・民主党は党内の一部穏健派や野党・共和党の反対により規模縮小を迫られ、失望を覚えるのは必至だとの見方を示した。一方で上院民主党トップのシューマー院内総務は、1カ月以内に両法案を成立させることを目標に掲げた。議会はデフォルト(債務不履行)回避に向け債務上限問題にも取り組む必要がある。民主党のペロシ下院議長は、10月31日よりかなり前に採決を行う考えを示している。今週以降はインフラ法案と債務上限問題を巡り、日々のニュースに一喜一憂となる不安定さが警戒される。

 

米国市場では9月ISM非製造業景況指数:予想は59.8

8月実績は61.7だった。仕入れ価格、新規受注、供給業者の納入、雇用はいずれも低下した。9月については、仕入れ価格はさらに低下し、新規受注は伸び悩んでいること、雇用は大きく変わらないと予想されていることから、8月実績を下回る見込みである。

 

欧米市場イベント

○15:45   8月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.4%)
○16:50   9月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:56.0)
○16:55   9月独サービス部門PMI改定値(予想:56.0)
○17:00   9月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:56.3)
○17:30   9月英サービス部門PMI改定値(予想:54.6)
○18:00   8月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.3%/前年比13.5%)
○19:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○21:30   8月カナダ貿易収支(予想:4.3億カナダドルの黒字)
○21:30   8月米貿易収支(予想:705億ドルの赤字)
○22:45   9月米サービス部門PMI改定値(予想:54.4)
○22:45   9月米総合PMI改定値
○23:00   9月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:60.0)
○24:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○6日02:15   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、討議に参加
○中国(国慶節)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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