FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2021/11/01/15:11:38

日経平均株価:衆議院選挙の結果や本邦企業決算を好感した買い優勢

前週末の米国株式市場で主要3指数が最高値更新となった堅調な流れを引き継いだほか、衆院選で自民党が単独過半数の議席を確保し安定政権の維持が確実となったことが好感された。幅広い業種で買い戻しが先行し、上げ幅を広げた。市場では、自民党が議席を大幅減少させながらも絶対的過半数を占めるという今回の選挙結果は、株式市場にとってベストのシナリオと言えるとの声が聞かれた。また、発表が本格化している国内企業の4-9月期決算で、大幅増益や通期見通しの上方修正が相次いでいることも支援材料となった。結局、前営業日比754円高の2万9647円と約1ヵ月ぶりの高値となった。上げ幅は6月22日以来約4ヵ月ぶりの大きさだった。

 

東京外国為替市場:米イベントを控えドル買い調整でじり高

ドル/円は、本邦輸出企業などからドル売り・円買いが持ち込まれ、114.03円まで下落した。しかし、31日に投開票された衆院選のイベントを無難に通過したことが好感されており、下値を追う動きは限られた。その後、日米金融政策スタンスの違いを意識したドルの押し目買いが入り、114.10円台へ値を切り返した。午後は、明日から開催される米FOMCを控えた持ち高調整などのドル買い・円売りが入り、114.31円付近までじり高となった。ユーロ/ドルは、1.15ドル台半ばで方向感を欠くもみ合い相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

前週のFX概況:ドル買い49.5%に低下

QUICKが1日算出した10月29日時点の店頭の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、円に対するドル買い比率は前の週末を2.6ポイント下回る49.5%だった。週半ばに113.26円近辺まで上昇した円は週末に114円台前半まで下落し、この場面で相場の流れに逆らう『逆張り』の個人投資家がドル売りに持ち高を傾けた。他の通貨ペアでは、円を売って外貨を買う動きが目立った。円に対するユーロ買い比率は前の週に比べ2.3ポイント高の25.2%だった。週末にかけて円高・ユーロ安が進む局面で逆張りを得意とする個人のユーロ買いが入った。円に対するポンド買い比率は同4.4ポイント高い44.2%だった。

 

トルコ10月消費者物価指数に注目:実質金利マイナス幅拡大ならリラ売り

3日には10月トルコ消費者物価指数(CPI)が発表される。前回19.58%だった前年比は20%台までの上昇が見込まれている。トルコ中銀が先週発表した四半期インフレレポートでも、年末時点のインフレ率見通しが18.4%と従来予測14.1%から大きく上方修正された。ただ中銀は『物価上昇は一時的な要因によるもの』とする見方は変えておらず、緩和スタンスを維持する姿勢を示している。実質金利マイナス幅が拡大し続けるなかで、リラの買い難さは続いたままである。

 

南アは選挙結果による政情不安や治安悪化には警戒が必要

市場の注目は11月1日に行われる南ア地方選挙となる。世論調査では与党アフリカ民族会議(ANC)の優位は変わらないが、5年前の地方選同様に獲得票数は減少すると予想されている。特に最大都市ヨハネスブルグや首都プレトリアのような大都市圏では過半数に達しないという見方が強い状況である。地方選ということや都市圏以外ではANCが優位なことから、ANC政権が変わることはない。しかしながら、もし獲得票が大幅に減少した場合はラマポーザ政権にとっては痛手となることは確実で、与党内での政権争いが勃発する可能性もある。また、極左の経済的解放の闘士(EEF)が支持率を高めていることもあり、結果次第では、国民の不満が爆発し再び暴動に走る可能性も否定できない。選挙結果による政情不安や治安悪化には警戒が必要となる。

 

メキシコにとってぺメックスの経営状態が懸念材料

メキシコの国営石油公社ペメックスが2021年7-9月期の決算を発表した。最終損益が772億ペソの赤字となり、原油価格の上昇で売上高が増加したにもかかわらず、前期の14億ペソの黒字から赤字に転落した。ペメックスには以前からメキシコ政府が巨額の財政支援を行っている関係上、大手格付け会社などからは一蓮托生の関係と捉えられていることもあり、ペメックスの経営状態が一向に上向かないことは今後も懸念材料となる。

 

米7-9月期国内総生産(GDP)は予想以上に減速

米商務省が発表した7-9月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+2.0%となった。4-6月期+6.7%から予想以上に減速し昨年4-6月期来で最低の伸びに落ち込んだ。同期個人消費速報値は前期比年率+1.6%と、4-6月期+12.0%から減速も予想は上回った。やはり昨年4-6月期以降で最低の伸び。同期GDP価格指数は前期比+5.7%。過去最大の伸びとなった4-6月期+6.1%から減速も予想を上回った。

 

9月コアPCEは31年ぶり最大の伸びを維持

米商務省が発表した9月個人所得は前月比-1.0%となった。伸びは5月来のマイナスに落ち込んだ。9月個人消費支出(PCE)は前月比+0.6%。伸びは8月+0.8%から鈍化した。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目している変動の激しい燃料や食品を除いたコアPCE価格指数の9月分は前年比+3.6%と伸びは拡大予想に反し6月と同様1990年10月以降31年ぶり最大の伸びを維持した。FRBの目標2%のほぼ2倍に近づいた。

 

FOMCではテーパリング決定とインフレ警戒強化へ:三菱UFJSM

三菱UFJモルガン・スタンレー証券では11月2日~3日のFOMCで、FRBは11月半ばからのテーパリング開始を決定すると予想している。毎月国債を100億ドル、MBSを50億ドルずつ減額するとみている。より注目されるのは、インフレの現状判断と指摘した。高止まり長期化を認めて警戒を強めていることを示す一方、一過性の文言は残し、長期のインフレ期待の低位安定を新たに指摘することで、インフレ鈍化がなおメーンシナリオであることを確認する内容になると三菱UFJMSでは予想している。また、議長が従来通りテーパリング決定から利上げまで距離があることに言及すれば、市場が見込む22年後半の複数回利上げへのけん制になると考えている。

 

欧米市場のイベント

○16:00   10月トルコ製造業PMI
○16:00   9月独小売売上高指数(予想:前月比0.4%/前年比1.8%)
○17:30   7-9月期香港域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.6%/前年比5.7%)
○17:30   10月スイス製造業PMI(予想:66.5)
○18:30   10月英製造業PMI改定値(予想:57.7)
○22:45   10月米製造業PMI改定値(予想:59.3)
○23:00   9月米建設支出(予想:前月比0.4%)
○23:00   10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:60.5)
○2日03:00   10月ブラジル貿易収支(予想:23.91億ドルの黒字)
○欧州は10月31日から冬時間に移行済み
○ポーランド(万霊節)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/10/29/15:12:34

日経平均株価:模様眺めの展開となったが3日ぶりに反発

米国株式市場は、S&P500指数やナスダック総合が最高値で引きた。ただ、取引終了後に発表されたアップルやアマゾン・ドット・コムの決算がさえない内容となり、これを嫌気した売りで日本株は序盤軟調な展開になった。しかし、その後は追随の売りがかさむことはなく徐々に引き戻す動きとなり、日経平均はプラスに浮上するなど下げ渋る動きとなった。ただ、週末である上、総選挙や引き後の決算発表を見極めたいとのムードがあるため、後場は模様眺めの展開になった。結局、前営業日比72円高の2万8892円と3日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:113円台半ばで前後で方向感に乏しい値動き

ドル/円は、本邦輸出勢から月末に絡むドル売り・円買いが持ち込まれ、113.40円付近へ下落した。日経平均株価がさえない動きとなったことも、リスク回避の円買いを誘った。しかし、今晩の米国株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、113.60円付近へ値を切り返した。午後は、日経平均株価や米長期金利を眺めながら、113.60円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。来週は米FRBの重要イベントを控えており、様子見ムードが強かった。ユーロ/ドルは、1.16ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国恒大集団は海外債権者との交渉の準備か

巨額債務を抱える中国恒大集団が海外の債権者との交渉の準備を始めた。消息筋によると、同社のアドバイザーを務めるフーリハン・ローキーと鍾港資本が、オフショア債券保有者のアドバイザーであるモーリス・カークランド&エリスと守秘義務契約を結び、交渉に備えている。債券保有者は以前から接触を図ってきたものの拒絶され、現在は債権者アドバイザーが中国恒大集団に対し、各プロジェクトの進行状況や流動性、資産価値などについて情報交換を求めているという。『信報』が28日、外電を引用する形で伝えた。また、香港紙、信報は28日、巨額の債務を抱え経営危機に陥った中国不動産大手、中国恒大集団のトップ、許家印主席が香港に所有する邸宅を抵当に入れたと伝えた。これに伴う金融機関からの借入金は最大3億香港ドル(約44億円)に上ると推定され、債務の返済に充てるとみられる。

 

ECBは定例理事会で金融政策の据え置きを決定

欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で市場の予想通り金融政策の据え置きを決定した。PEPPは少なくとも来年3月末まで継続するとした。さらに、インフレ率は一時的との見方を維持した。会合後に開催された会見で、ラガルド総裁はサプライチェーン問題が2022年に入ってもすぐには解決しない可能性を警告している。高インフレの局面は想定以上に長期化する可能性を指摘した。同時に、中期的にインフレ予測は目標を下回るとし、22年にインフレが弱まるとの見通しを繰り返し、我々の高インフレが一過性との見通しが正しいと自信を表明した。また、パンデミック緊急購入策(PEPP)は減速させ来年3月に終了するとしたが、PEPPの縮小はテーパリングではないと主張した。また、金利市場の利上げ観測はガイダンスに一致しないとした。しかし、ドイツのインフレ率が予想を上回ったほか、ラガルド総裁が高インフレの長期化に言及したためてユーロ買いが優勢となった。

 

欧米市場では7-9月期ユーロ圏域内総生産速報値が公表:予想は+3.5%

4-6月期確定値は前年比+14.3%だった。家計消費がまずまず好調だったことや、政府支出や投資が成長に寄与した。7-9月期については、同期のユーロ圏マークイット総合PMIは56.2-60.2と4-6月期の水準を上回っていること、活動制限の段階的な緩和などを考慮すると、4-6月期には及ばないものの、経済成長率はまずまずの伸びとなる可能性がある。

 

トルコ中銀総裁の会見では論理性が失われた発言多い

昨日のカブジュオール・トルコ中銀総裁の会見では、相変わらず論理性が失われている発言が多く、市場はリラ売りに動いた。四半期のインフレ見通しは、前回から大幅に上方修正(2021年末は14.1%から18.4%に)されたにもかかわらず、総裁は記者会見で『現在のインフレは一時的であり、対策として利下げを行った』との見解を示している。なお、2022年末のインフレ予測は11.8%、2023年末を7%と予測としている。

 

南アランドは11月のイベントを控え不安定に推移

ランド相場が不安定な理由は11月に様々なイベントがあることが要因との声がある。1日に南ア地方選が行われ、本来は4日発表予定だった中期予算政策の方針(Medium Term Budget Policy Statement=MTBPS)は11日に発表、そして22日の南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)を見極めるまでは、トレンドを作ることが難しいとされている。なお、一昨日に発電所の複数ユニットが故障したため、いきなりステージ4まで電力の負荷制限の水準が上がったが、昨日はステージ3まで制限を弱めている。ただし、一部地域では『電力が無ければ、選挙も行かない』との抗議活動が行われている。これに対してラマポーザ南ア大統領は『与党アフリカ民族会議(ANC)に投票されなければ、電気は回復しない』と応戦している。

 

米国とメキシコ間の解釈の違いから対立が表面化

メキシコ国内では基幹産業である自動車生産に関して新たな懸念材料も浮上している。世界的な半導体不足によって自動車生産工場が相次いで稼働停止に追い込まれているなか、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の自動車部材調達比率に関する原産地規則について、米国とメキシコ間の解釈の違いから対立が表面化している。USMCAで定められていた専門家委員会の仲裁を受けることになった。仲裁が入ったとしても今後の両国間に遺恨を残す可能性もあり、対米関係の悪化が懸念される。

 

米歳出法案は大幅規模縮小で民主党内の支持獲得に自信

バイデン米大統領は28日、自信の看板政策の一つである気候変動・社会保障関連歳出法案を巡り、規模を1兆7500億ドルとする新たな枠組みを発表し、民主党内での全面的な支持の獲得に自信を表明した。新たな枠組みは当社案の規模から大幅に縮小された。機構変動対策や就学前教育向けなどの支出は確保するが、家族有給休暇や超富裕層を対象とする増税は含まれない。

 

米国市場では9月PCEコア価格指数が公表:予想は前年比3.7%

8月実績の前年比+3.6%並みの高水準を維持すれば、米FRBによる年内の資産買入れの段階的縮小(テーパリング)開始を後押しする。

 

欧米市場イベント


○15:00   9月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比3.2%)
○15:45   10月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比2.5%)
○16:00   10月スイスKOF景気先行指数(予想:108.0)
○17:00   7-9月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比2.2%/前年同期比2.5%)
○17:00   7-9月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比2.6%)
○17:00   10月ノルウェー失業率(予想:2.3%)
○17:30   9月英消費者信用残高(予想:5.0億ポンド)
○17:30   9月英マネーサプライM4
○18:00   10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比3.7%)
○18:00   10月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.9%)
○18:00   7-9月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比2.1%/前年比3.5%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○20:00   7-9月期メキシコGDP速報値(予想:前期比0.1%/前年比6.0%)
○21:00   9月南アフリカ貿易収支(予想:353億ランドの黒字)
○21:30   8月カナダGDP(予想:前月比0.7%/前年比4.3%)
○21:30   9月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比1.0%)
○21:30   9月カナダ原料価格指数(予想:前月比2.5%)
○21:30   9月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.6%)
       9月米個人所得(予想:前月比▲0.3%)
       9月米PCEデフレーター(予想:前年比4.4%)
       9月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比3.7%)
○21:30   7-9月期米雇用コスト指数(予想:前期比0.9%)
○22:45   10月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:63.5)
○23:00   10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:71.4)
○30日01:00   9月ロシア失業率(予想:4.4%)
○トルコ(共和国宣言記念日)、休場
○米仏首脳会談(ローマ)
○31日 衆院選投開票

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/10/28/15:13:31

日経平均株価:下方修正発表の銘柄が総じて軟調

前日の米国株式市場で高値警戒感が高まる中、日本株式市場でも利益確定売りが優勢になった。個別では、前日に業績見通しの下方修正を発表した銘柄が総じて軟調となり、日経平均株価を押し下げた。また、昼休み中に日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、金融政策の現状が伝えられたが、事前予想通りの結果で市場への影響は限定的だった。結局、前営業日比278円安の2万8820円と続落して終了した。10月第3週(18日~22日)の海外投資家は1089億円の売り越しとなり、売り越しは3週ぶりとなった。個人投資家は416億円買い越しとなり、買い越しは2週ぶりだった。信託銀行は546億円の買い越しとなり、買い越しは8週ぶりだった。

 

東京外国為替市場:月末に絡むドル売り・円買いを観測

ドル/円は、日経平均株価の続落や原油安がリスク回避の円買いを誘い、113.55円まで下落した。本邦輸出企業から月末に絡むドル売り・円買いも観測された。日銀は27~28日に開催した金融政策決定会合で大規模な金融緩和政策の現状維持を決めた。併せて公表された展望レポートでは、2021年度の成長率見通しを前回の+3.8%から+3.4%に下方修正したが、予想通りの内容に市場の反応は限定的だった。午後に入っても、ドル/円の軟調地合いは続き、113.50円付近まで下落した。しかし、前日の海外市場でつけた約2週間ぶりの安値113.39円が視界に入ると下げは一服した。その後は、値ごろ感からドル買い戻す動きも見られ、113.55円付近まで戻した。ユーロ/ドルは、今晩開催されるECB定例理事会を控えて様子見ムードが広がり、1.1605ドルを挟んで小動きに終始した。

 

過去衆議院選のアノマリー:総選挙=日本株高

「1980年の第36回総選挙から2017年の第48回までの過去13回の衆院選における解散前日の株価より投票前々日の株価が平均4.0%上昇、過去10回の衆院選におけるそれは平均4.2%上昇しており、今回も『総選挙=株高』アノマリーが実現しそうだ」という。
第36回総選挙は1980年5月19日の大平正芳元首相による「ハプニング解散」をいい、第48回総選挙は安倍晋三元首相の2017年9月28日の「国難突破解散」を指し、それまでの過去13回の衆院選における解散前日の株価より投票前々日の株価が平均4.0%上昇した。さらに、過去10回の衆院選における日経平均は投開票日前日の終値が解散前日の終値より全て高く平均4.2%上昇する「総選挙=日本株高」アノマリーがある。

 

国内生保は一段の円安には懐疑的

国内主要生保の多くが、足元の円安進行の持続性について懐疑的にみていることがわかった。ロイターが27日までに聴き取りを行った2021年度下期の一般勘定資産運用計画では、為替ヘッジを付けない外貨建て債券『オープン外債』への投資に慎重な方針が目立つ。インフレは一時的で米金利の上昇も限定的とみる声が多い。ドル/円は20日、114.70円と約4年ぶりの高値を付けた。多くの生保にとって4月に示した年間の予想レンジの上限とほぼ同水準である。市場では、一段高を予想する声もあるが、多くの生保は今年度の予想レンジをほとんど修正していない。ドル高の背景には米国のインフレ高進と金利上昇があり、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、FRB(連邦準備理事会)の利上げ開始時期を22年後半にほぼ2回と織り込んでいる。しかし今回、国内生保からは『異論』が多く聞かれた。

 

トルコ中銀のMPC議事要旨と総裁会見が注目

本日は、先日行われたトルコ中銀の金融政策委員会(MPC)の議事要旨と四半期インフレレポートが発表されることに注目が集まる。また、議事要旨発表前にカブジュオール・トルコ中銀総裁が会見を行う予定となっている。前回の利下げについての説明や、今後の政策についてどのような見解を示すかで、リラは神経質な動きになりそうである。

 

欧米市場ではECB定例理事会を開催:予想は金融政策の現状維持

欧州中央銀行(ECB)のレーン専務理事は、市場が予想している金利水準は、ECBのガイダンスと一致していないとの認識を示した。ECBはインフレ率が2%で安定するまで利上げは行わない方針だが、市場参加者の間ではインフレ進行の思惑が広がっている。今回の理事会ではインフレ見通しについて議論されるとみられているが、早期利上げの必要性についてメンバー間の意見が一致する可能性は低いとみられる。

 

南アの9月の卸売物価指数(PPI)に注目

南アでは電力の負荷制限が行われているが、昨日は発電所のいくつかのユニットが故障したため、いきなりステージ4まで負荷制限の水準が上がった。国営電力会社エスコムのデ・ロイテルCEOとゴーダン公共企業相は、『来週の選挙時には混乱が起きないようにする』と昨日述べているが、いささか不安である。
本日は南アから9月の卸売物価指数(PPI)が発表される。先週発表された消費者物価指数(CPI)が高止まりしていることもあり、PPIも市場予想より高い結果となった場合のランドの動きに注目しておきたい。クガニャゴ南アフリカ準備銀行(SARB)総裁はインフレには利上げで対処することを先週末に述べてはいるが、高失業率で小売りも弱い状況では本来であれば利上げをしたくないため、SARBの政策運営が難しくなりそうである。

 

米国財政赤字は景気回復で税収増から赤字額は減少:過去2番目の記録

米財務省は、米国の9月の財政赤字が615.44億ドルとなり、前年9月の1246.11億ドルから減少し、2020年10月から2021年9月までの累積財政赤字が2兆7721.79億ドルだったと発表した。新型コロナウイルス対策の財政出動で前年度に続き歳出が膨らんだが、景気回復による歳入増で相殺され、赤字が縮小した。歳出は6兆8180億ドルで前年度比4.1%増えた。1人当たり最大1400ドルの現金給付や、貧困層への食費補助、子育て世帯への税控除制度を利用した給付金などで支出が増えた。歳入は4兆460億ドルで18.3%増だった。個人所得税で4357億ドル、法人税で1600億ドル増えた。過去最大の財政赤字を記録した2020会計年度(19年10月~20年9月)の財政赤字は3兆1319億ドルで、今年は景気回復で税収が増えたことで、赤字額は11.5%減少していたものの、過去2番目の財政赤字を記録した。

 

米国がXマス近辺でテクニカルデフォルト懸念

イエレン財務長官は議会宛て書簡で、財務省が12月3日までは連邦政府業務の資金繰りを行うことができるものの、長期的な確実性を提供するため債務上限の適用停止ないし引き上げに向けた議会の行動が必要不可欠だ、と訴えた。米財務省は12月3日までの4800億ドルの債務上限引き上げに関して、大部分を使い切る計画を打ち出している。米共和党のマコネル上院院内総務は、今後債務上限引き上げを支持しない、と警告しており、Xマス辺りに米国がテクニカルデフォルトに陥るXデーが到来する可能性に要警戒となる。

 

米国市場では7-9月期国内総生産速報値が公表:予想は前期比年率+3.0%

4-6月期確定値は前期比年率+6.7%だった。個人消費と設備投資はまずまずの水準だった。7-9月期については、新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大によって人々の外出が抑制され、サービス消費は伸び悩みとなった。インフレも警戒されており、全体の成長率は4-6月期との比較で大幅に鈍化する見込みである。

 

欧米市場イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○16:55   10月独雇用統計(予想:失業率5.4%/失業者数変化▲2.0万人)
○17:30   9月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比7.3%)
○18:00   10月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:116.7)
○18:00   10月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲4.8)
○20:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○21:00   10月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.5%/前年比4.4%)
○21:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○21:30   7-9月期米国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率2.7%)
       7-9月期米個人消費(速報値、予想:前期比年率0.8%)
       7-9月期米コアPCE(速報値、予想:前期比年率4.5%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:29.0万件/241.5万人)
○23:00   9月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比横ばい/前年比▲3.0%)
○29日02:00   米財務省、7年債入札
○東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議と関連会議(オンライン形式、最終日)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/10/27/15:10:49

日経平均株価:全体的に模様眺めムードの強く上値の重い展開

米国株高が好材料となりながらも、日本株は前日の大幅高の反動もあって利益確定売りが先行した。好決算銘柄はおおむね買いが優勢となる中で、通期見通しを上方修正しても市場予想を下回る銘柄の中には軟化するケースもあった。その後も、好決算銘柄に対する物色ニーズは強いものの、全体的に模様眺めムードが支配した。また、本株安も重荷となった。結局、前営業日比7円安の2万9098円で終了した。

 

東京外国為替市場:114円を挟んでもみ合い相場

ドル/円は、高値警戒感から利益確定やポジション調整のドル売り・円買いが持ち込まれ、114.03円付近まで下落した。日経平均株価の反落やアジア株安で、リスク回避姿勢が強まったことも円買いにつながった。午後に入っても下落地合いは続き、114円を割り込んで113.94円付近まで値を下げた。ただ、今晩の米経済指標や米国株価動向を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、日経平均株価の下げ幅縮小を眺めた円売りも見られ、114.10円付近へ値を持ち直した。ユーロ/ドルは、1.160ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

衆議院選挙の結果と株価動向予想:モルガンスタンレーレポート

モルガン・スタンレーは27日付の日本経済・株式ストラテジーリポートで、31日に投開票の衆院選で自民党が40議席超の減少となった場合、短期的に日本株の安定性を低下させる可能性あるとの見方を示した。一方で、現自公連立政権が議席の衆議院の過半数を失う可能性は少ないとの見方も示されている。現連立与党が勝利した場合は、岸田政権初の大型補正予算が12月にも成立すると予想。現金給付の実現により、2022年上半期は一時的に個人消費が下支えされるとの予想も示されている。また、10兆円規模の大学ファンド創設は、外国為替市場への影響という点で注目される可能性があるとの見方も示された。日本株に対しては、岸田政権の『新しい資本主義』という政治の広範な左派シフトが、企業の自助努力によるROE(自己資本利益率)向上に影響を与えるとも指摘した。自民党が衆議院の単独過半数を獲得すれば、岸田政権による政策が強化される一方、自民党による単独過半数割れの44議席超の減少で、東証株価指数(TOPIX)は最大5%程度調整する可能性があるとの予想が示された。また、自公連立で72議席超を失い、過半数を下回った場合は日本株に対して『より消極的になる』との見方も示されている。

日銀は政策決定会合で金融政策を据え置く公算

日銀は27-28日の金融政策決定会合で、現行の大規模な金融緩和を維持する公算が大きい。2021年度の成長率や物価見通しを引き下げる一方で、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に和らいでいく中で経済が持ち直すシナリオは維持するとみられる。部品の供給制約に続き、原油高、円安と経済や物価を取り巻く不透明要因は増えつつある。日銀は粘り強く金融緩和を続ける方針を改めて示す見通し

 

トルコは米国との関係が不安定なことがリラの重石

週末の10カ国の大使追放命令について、トルコと関連国との間で追放が回避されるとの思惑が広がった。一時的にトルコと西側諸国との緊張は緩和されてはいるが、トルコと米国の関係がいまだに不安定なこともリラにとっては重石である。昨日のサキ米大統領報道官と報道陣との質疑応答で『トルコを含む世界中の活動家、ジャーナリストの拘束については、今後も言及し続ける』とし、『トルコの人権状況について引き続き意見を表明すると同時に、ワシントンとアンカラの同盟関係の維持に努める意向』と回答している。更にサキ報道官は、30-31日に行われる伊ローマでの主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、バイデン米大統領とエルドアン・トルコ大統領の会談が行われるかは、まだ流動的とも述べている。もし、週末に会談も行われない場合は、米国との関係修復に時間がかかることでリラにとってはネガティブな要因となる。 

 

注目されていた米国2年債入札の結果は順調

米財務省は600億ドル規模の2年債入札を実施した。結果で最高落札利回りは0.481%。事前の利回りは0.483%だった。応札倍率は2.69倍と、過去6回入札平均の2.5倍を上回り需要は強かった。外国中銀を含む間接入札者の落札比率は58.14%と、過去6回入札平均の51.7%を上回った。順調な入札結果を受けて米国債相場は続伸した。10年債利回りは1.65%から1.615%まで低下した。

 

米国の大型歳出法案の規模は縮小する方向で検討

バイデン米政権は25日、成長戦略の一つの柱である総額3兆5000億ドル(約400兆円)の大型歳出法案の規模を半額近くに大幅に縮小する方向で検討に入った。法案を巡り対立が続く与党民主党の左派と穏健派が合意に近づきつつある。もう一つの柱となる超党派の1兆ドル規模のインフラ投資法案も成立させ、中間選挙を見据えた成果としたい考えである。ただ、当初3兆5000億ドルを求めてきた左派からの批判は必至となっている。穏健派は1兆5000億ドルが上限としており、月内の決着がずれ込む可能性もある。米メディアはバイデン氏が妥協案として1兆7500億~1兆9000億ドルを提案したと報じている。

 

今年の米国年末商戦は複数の要因からお買い得価格少ない

米国の年末商戦へ向け、新型コロナウイルス感染流行の副作用が出ている。買い物客にとってお買い得価格が少なくなっているのだ。業界幹部やアナリストによると、今年の年末商戦はナイキのスニーカーからコーチのハンドバッグ、ラルフローレンのポロシャツに至るまでさまざまな商品で、消費者は定価に近い価格で購入する覚悟が要りそうだ。値引きが少ない背景には、サプライチェーン(供給網)の混乱やインフレに加え、小売業者が商品価格をより効率的に設定するために取っている措置など、複数の要因があるという。小売企業にとっては、長年の大幅な値引きやデフレから脱却し、新たな価格設定が可能になったことで、販売がまだコロナ禍からの回復途上にある中でも、利益が増加している。一方で、ホリデーシーズンの買い物計画を考え直す顧客もいる。

 

欧米市場イベント

○15:00   9月独輸入物価指数(予想:前月比1.5%/前年比18.0%)
○15:00   11月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲0.5)
○15:45   10月仏消費者信頼感指数(予想:101)
○15:45   9月仏卸売物価指数(PPI)
○16:00   9月トルコ貿易収支(予想:26億ドルの赤字)
○17:00   9月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比7.5%)
○20:00   9月メキシコ貿易収支(予想:28.22億ドルの赤字)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:30   スナク英財務相、新年度予算案発表
○21:30   9月米耐久財受注額(予想:前月比▲1.1%/輸送用機器を除く前月比0.4%)
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○23:30   EIA週間在庫統計
○24:00   マックレムBOC総裁、記者会見
○28日01:00   9月ロシア鉱工業生産(予想:前年比4.6%)
○28日02:00   米財務省、5年債入札
○28日06:00~   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:7.25%に引き上げと7.50%に引き上げで拮抗)
○東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議と関連会議(オンライン形式、28日まで)

 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/10/26/15:09:57

日経平均株価:好調な企業業績や景気拡大への期待により買い優勢

前日の米国株式市場は主要3株価指数が上昇した。企業決算を好感した買いが株高の下支えとなりNYダウとS&P500種は史上最高値を更新した。日本株は、米国株高の流れを受けて反発してスタートした。その後も幅広く買われ、この日の高値圏でしっかりと推移した。好調な企業業績や景気拡大への期待感が相場を支援し、景気敏感株や外需関連株の上昇が目立った。結局、前営業日比505円高の2万9106円で終了した。4営業日ぶりに2万9000円台に乗せた。

 

東京外国為替市場:114.00円の上値の重さを意識

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、113.95円付近へ上昇した。日経平均株価が大幅反発し、リスク選好が高まったことも円売りを誘った。ただ、心理的節目の114.00円に接近すると上げは一服した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながらい、113.90円台を中心とした狭いレンジでの取引が続いた。今晩の米国株動向や米経済指標を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.160ドルを挟んで小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

顧客が米国株を2週ぶり買い越し:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズの26日付の顧客リポートによると、同社の顧客は18~22日の1週間に米国株を5億2500万ドル買い越した。2週ぶりの買い越しとなる。この週は22日に米FRBのパウエル議長がインフレの原因になっている世界的なサプライチェーンの制約と供給不足に関して『従来の想定より長期に及ぶ可能性が高く、来年になってもしばらく続きそうだ』との見解を示したものの、S&P500 指数が1.64%高となって3週連続で上昇した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が11億4800万ドルの売り越しだった。機関投資家は6億6000万どるの売り越しで、4週連続の売り越しだった。個人投資家は9億3200万ドルの買い越しで5週連続の買い越しとなった。企業の自社株買いは14億100万ドルで4週移動平均(13億7000万ドル)をやや上回る程度だった。傾向としては個別株売り・上場投資信託(ETF)買いの流れだった。機関投資家の売り越しが続いたものの、節税対策のいわゆる『タックス・ロス・セリング』の10月31日の期限を前伊にやや一服感が出た。

 

中国の景気減速などの懸念に対する対応策が焦点

今週の為替相場では中国の不動産不安と景気減速、資源高打撃と、それに対する対応策が焦点となる。改めて懸念が強まると、リスク回避の円高のほか、中国経済と相関性の高い資源国通貨の下落要因となる。反対に危機回避策や景気支援策、資源高対策などが強化されると、円安や資源国通貨高の材料となりやすい。また、景気悪化や信用収縮の対応策としては、前週から中央銀行である中国人民銀行が短期金融市場で資金供給を拡大し始めた。同時に不動産引き締め策と市況悪化や資源高騰といった問題については、米ウォールストリート・ジャーナル紙が21日、『中国で住宅価格てこ入れの動き、過熱懸念が一転』、『中国の脱石炭政策が後退、電力不足で方針転換』という政策修正を伝えている。

 

中国では『不動産税』を一部地域で試験導入

中国で日本の固定資産税に当たる『不動産税』の試験導入に向けた動きが本格化する。中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は23日、国務院(内閣に相当)に対し、不動産税を一部の地域で試験的に導入する権限を与えることを決定した。不動産税の法制化と改革を積極的かつ妥当に進め、合理的な住宅消費と土地資源の集約的な利用、不動産市場の安定・健全な発展を促すのが狙いとしている。不動産税はこれまでも重慶市や上海市で試験的に先行導入されていた。米紙『ウォールストリート・ジャーナル』は今月19日、中国の習近平国家主席は不動産バブルを抑制する措置として不動産税の導入に積極的だが、中国共産党内の抵抗勢力から巻き返されていると報じていた。

 

 

トルコからの10カ国の大使追放問題は一旦収束

エルドアン・トルコ大統領が週末に10カ国の大使追放を命じたとの報道で、早朝のオセアニア時間にリラ/円は最安値を更新した。その後は、名指しされた複数国が内政干渉の意図はないとしたことをツイート(もしくはリツイート)し、エルドアン大統領も閣議後の取材で、このツイートを歓迎、大統領自身も『危機を引き起こす』つもりはないと言明したことでリラの買い戻しが入った。お騒がせのエルドアン大統領だが、30-31日には伊ローマで主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれ、バイデン米大統領との会談も計画されていることもあり、当面はカワラ氏の問題を避けたい。そのため、G20が終わるまではこの問題はいったんはお預けとなりそうである。

 

南アではワクチン接種率進まず成長ペースは鈍化傾向見通し

先週、国際通貨基金(IMF)は南アの今年の成長見通しを4%から5%へと上方修正した。しかしながら、2022年以後は成長ペースが鈍化し2.2%程度になると発表している。また、2021年は南アは上方修正したが、サハラ以南のアフリカ諸国は3.7%成長と予想し、他の新興国などと比較しても、世界で最も遅い成長力としている。IMFは先進国は5%以上成長し、他の新興国は6%以上成長するとしたことで、サハラ以南の成長の鈍化が目立つ。IMFによると、成長の鈍化はやはりコロナウイルスの影響で、ワクチンの展開が遅いことに起因しているとしている。先進国では6割近いワクチン接種も、サハラ以南の一部では3%しか接種が進んでいない国もある。南アにとってはサハラ以南のアフリカ諸国の成長が鈍る場合は、経済的な発展の停滞になることで、今後は南ア以外のワクチン接種率も増加を期待したいところである。

 

市場の米FRBの利上げ観測は行き過ぎとの見方も

市場は過去の実績から中央銀行の利上げを過剰に織り込む傾向にある。インフレを巡り慎重姿勢を維持していた連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はここにきてインフレリスクに言及した。サプライチェーン混乱が想定以上に長期化し、高インフレも2022年まで継続するリスクを指摘した。インフレ期待が高まる深刻なリスクが見られれば利上げも辞さない構えを見せたため、利上げの時期が早まるとの市場の観測も強まった。ただ、パウエル議長は経済が資産購入策縮小を開始し2022年中旬に終了する軌道にあるとしながらも、利上げの可能性は否定した。現在のところFRBの高官は、2022年に利上げを開始する確率はほぼ5分5分と見ている。一方、市場はすでに2回の利上げを織り込みつつある。NY原油先物は2014年以降で初めて85ドル台となるなど、燃料価格の上昇がインフレを押し上げると警戒されている。

 

欧米市場イベント

○16:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○22:00   8月米住宅価格指数(予想:前月比1.5%)
○22:00   8月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比20.0%)
○23:00   9月米新築住宅販売件数(予想:前月比2.3%/76.0万件)
○23:00   10月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:5)
○23:00   10月米消費者信頼感指数(予想:108.3)
○27日00:45   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○27日02:00   米財務省、2年債入札
○東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議と関連会議(オンライン形式、28日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ