FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2020/05/28/07:24:32

米国株式市場は上昇:米経済活動の再開が順調に進むとの期待継続

NYダウは553.16ドル高の25548.27、ナスダックは72.14ポイント高の9412.36ポイントで取引を終了した。米経済活動の再開が順調に進むとの期待が高まったほか、JPモルガン(JPM)のダイモンCEOが比較的速やかな回復の可能性に言及したことも期待を強めた。また、新型コロナのワクチン開発の動向を好感して買いが膨らんだ。市場では『多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が節目の3000と200日移動平均を明確に上回ったことでテクニカル的な買いが加速した』との声が聞かれた。ハイテクなどパンデミックが追い風となった銘柄を売り、航空関連や金融、バリュー株などに投資資金が回帰する動きも目立ったが、引けにかけては上げ幅を一段と拡大する展開となった。VIX指数は28.01から17.62へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好でも108円台に届かず

ドル/円は、米経済活動の再開が順調に進むとの期待が高まったほか、新型コロナウイルスのワクチン開発の動向を好感してNYダウが550ドル超上昇した。投資家のリスク選好姿勢が強まり円売り・ドル買いが優勢になると、一時107.95円と日通し高値を付けた。米10年債利回りが低下に転じたことが相場の重しとなり、108円台に乗せることは出来なかったが、下押しは107.65円付近にとどまるなど底堅く推移した。
 なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は大手ベンターとのインタビューで『国債利回りを特定の水準に制限するイールドカーブ・コントロール(YCC)導入を極めて真剣に検討している』と明かした。

 

ユーロ/ドルは、欧州の取引時間帯に、『欧州連合(EU)欧州委員会は新型コロナ危機からの経済再建に向け、7500億ユーロに上る基金の新設を提案する』との報道を受けて、一時4月1日以来の高値となる1.1031ドルまで買われた影響が残った。ただ、NY市場では1.0956ドル付近まで下げたあと1.1009ドル付近まで上げるなど、大きな方向感は出なかった。基金創設には全加盟国の同意が必要で難色を示している国もあり、一本調子でユーロを買う動きにはならなかった。財政規律を重視するオランダの外交官は『各国の立場がかけ離れており、交渉には時間がかかる』との見方を示しており、『財政負担に消極的な加盟国が合意に応じるかはなお予断を許さない』との声も聞かれる。

 

NY原油先物市場は反落:米中関係悪化懸念を嫌気した売り

NY原油先物市場は31.75ドル‐34.32のレンジ相場となった。28日に閉会する中国の全国人民代表大会(全人代)で香港における『国家安全法』が採択される見通しとなっている中、同法案をめぐり、トランプ米政権の対中制裁が強まることが警戒され、リスク資産の原油は売りが優勢となった。27日のアジア市場で34.32ドルまで買われたが、その後は伸び悩んだ。ニューヨーク市場では、米中関係の悪化を嫌気して戻り売りの興味が強まる展開となり、通常取引終了後の時間外取引で、一時31.75ドルまで下落した。 

 

NY金先物市場は反発:米中の緊張感の高まりへの懸念で買い優勢

NY金先物市場は1701.60-1729.10ドルのレンジ相場となった。経済活動の再開やコロナワクチン開発期待を背景とした投資家のリスク選好ムードが継続し、安全資産の金は売りが先行したものの、米中の緊張感の高まりへの懸念で買い意欲も強く、プラス圏に浮上して取引を終えた。27日のアジア市場で1729.10ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では米国株式の上昇を意識して1720ドル台で上げ渋る展開となった。

 

米国債券市場は反発:月末控えポジション調整の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.68%で終了した。月末を控えて機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入ったほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が『国債利回りを特定の水準に制限するイールドカーブ・コントロール(YCC)導入を極めて真剣に検討している』と述べたことが債券買いを誘った。

 

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2020/05/27/07:34:33

米国株式市場は上昇:投資家心理改善で終日堅調推移

NYダウは529.95ドル高の24995.11ドル、ナスダックは15.64ポイント高の9340.22ポイントで取引を終了した。全米で経済活動の再開が一段と拡大したほか、新型ウイルスワクチンの開発で様々な企業の取り組みが発表されたため投資家心理が改善し、大きく上昇した。4月新築住宅販売件数が予想を上回ったほか、3月から2カ月閉鎖されていたニューヨーク証券取引所の立会取引が本日から一部再開され、終日堅調に推移した。但し、引けにかけてはトランプ政権が香港問題を巡り、中国の高官や企業に制裁を課すことを検討しているとの報道で伸び悩んだ。VIX指数は28.16から28.01へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好のドル売りが優勢に

ドル/円は、全般リスク・オンのドル売りが先行し一時107.34円と日通し安値を付けたものの、22日の安値107.32円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。ユーロ/円などクロス円の上昇につれた買いも入り107.69円まで下値を切り上げた。もっとも、対ユーロなどでのドル売りが相場の重しとなり戻りも限られている。この日発表された4月米新築住宅販売件数は予想を上回った一方、5月米消費者信頼感指数は予想より弱い内容となるなど、強弱入り混じる内容だったこともあり、相場の反応は限定的だった。 

 

ユーロ/ドルは、新型コロナウイルスのワクチン開発が進み、米経済活動の正常化に向かうとの期待から、NYダウが一時710ドル超上昇した。リスク選好のドル売りが優勢となり、一時1.0996ドルと日通し高値を付けた。なお、『欧州中央銀行(ECB)は独連銀抜きで量的緩和(QE)を実施するための緊急案を作成している』との報道が伝わった。独連邦憲法裁判所が今月初旬にECBによる一部QEを違憲と判断していただけに、『ECBと独との関係悪化が懸念される可能性がある』という。 

 

NY原油先物市場は反発:エネルギー需要の拡大期待から買い優勢に

NY原油先物市場は33.38ドル-34.81ドルのレンジ相場となった。新型コロナの感染拡大を抑制するための制限措置が緩和され、経済活動再開の動きが広がっており、エネルギー需要の拡大への期待感が高まっていることが背景となった。また、為替相場で対ユーロなどに対しドル売りが進んだことも、ドル建ての原油先物の買いを後押しした。ただ、米中関係の悪化を警戒した売りが観測された 。

 

NY金先物市場は大幅反落:世界的な経済活動再開で利益確定売り優勢

NY金先物市場は1700.00-1737.20ドルのレンジ相場となった。経済活動再開の動きが広がりつつあることや、新型コロナワクチン開発への期待感などでリスク回避の動きが後退し、安全資産とされる金は利益確定売りに押された。26日のアジア市場で1737.20ドルまで買われたが、主要国の株高を意識した売りが増えたことでその後は下げに転じた。通常取引終了後の時間外取引で1700.00ドルまで下落した。

 

米国債券市場は反落:リスク選好の動きから売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは5営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.69%で終了した。世界的な経済活動再開への期待や新型コロナウイルスのワクチン臨床試験が進展との報道を受けて、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。米国株相場の上昇も相場の重石となった。

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2020/05/26/07:24:03

米国はメモリアルデーで株式、商品、債券市場は休場

 

NY外国為替市場:英米市場休場で動意欠く展開

ドル/円は、アジア市場では一時107.78円の本日高値まで買われる場面もあったが、海外市場では動意の薄い展開になった。メモリアルデーで米国市場が休場、英国もスプリング・バンク・ホリデーで休場だったことから市場参加者が激減し商いは低調となった。海外市場の安値は107.66円、高値は107.76円で値幅は10銭程度と非常に小さかった。

 

ユーロ/ドルは、欧州連合(EU)予算の拡大に懐疑的とされるオランダとオーストリア、デンマーク、スウェーデンの4カ国は共同文書で、債務の共有化に反対意見を改めて表明し、いかなる支援プログラムも期限を区切る必要があると強調した。独仏提案の『欧州復興基金』について否定的な見解を示したため、欧州市場では一時1.0871ドルと日通し安値を付けた。ただ、英米市場が休場となる中、売り一巡後はショートカバーが優勢となり一時1.0915ドルと日通し高値を付ける場面があった。もっとも、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。なお、ビルロワドガロー仏中銀総裁は『欧州中央銀行(ECB)は追加緩和に迫られる可能性が高い』などと述べたが、相場の反応は限られた。

 

原油価格と通貨の相関関係

原油相場は前週までに反発となってきた。背景としては米欧などでの経済活動再開による原油需要の復調期待や、主要産油国と米国の資源業界による原油減産の拡大などがある。需給ギャップの悪化歯止めを示唆する形で、米国の週間原油在庫は前週までに1月以来の2週減となってきた。原油反発が続くと、リスク選好の円安や資源国通貨(豪ドル、NZドル、カナダ・ドル、南アフリカ・ランド、メキシコ・ペソ)などの支援材料となりやすい。

米国内での原油減産については、米エネルギー・サービス会社ベーカー・ヒューズによる週間の米国内・石油掘削リグ稼働数が5月22日週に237基となってきた(前週は258基)。3月13日週の683基をピークに10週連続減となり、実に2009年7月以来の低水準となっている。過去実績としてリグ稼働減と原油反発は、ドル/円でのドル安余地縮小やドル高・円安を支援する相関関係が見られてきた。背景としては、①日本の輸入減に歯止めを掛けることで、日本の貿易黒字を減少させる、②米国経済全般での生産・供給の調整進捗が示され、米国のデフレ圧力を緩和させる(原油反発は米国でのインフレ上昇と金利上昇の要因に)、③米国の内需底入れと資源需要の復調が示唆される、といった要因がある。

 

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2020/05/25/03:01:59

米国株式市場はまちまち:好悪材料が交錯したことで方向感欠く展開

NYダウは8.96ドル安の24465.16ドル、ナスダックは39.71ポイント高の9324.59ポイントで取引を終了した。中国が香港への統制を強化し、米政府や議会が対中強硬姿勢を強める可能性が高まった。米中対立の激化への懸念が相場の重しとなり、一時180ドル超下げた。ただ米国では今週に入り、全50州で外出規制などの段階的な緩和が進展した。その後、米国政府のウイルス対策特別委員会を率いるファウチ所長がウイルスワクチン開発に楽観的な見解を示すと、引けにかけて下げ幅を縮小した。VIX指数は29.53から28.16へ低下した。

 

NY外国為替市場:手掛かり材料欠け様子見ムードの強い展開

ドル/円は、香港株などアジア株式相場の下落を受けて、日本時間夕刻に一時107.29円と日通し安値を付けたものの、NY市場に限れば小幅なレンジでのもみ合いに終始した。メモリアルデーの前営業日で米債券市場が短縮取引となったほか、米経済指標の発表もなく手掛かり材料に欠けたため、積極的な売買は手控えられた。

 

ユーロ/ドルは、中国は本日開幕した全国人民代表大会(全人代)で香港の直接的な統治を強化する新たな治安法制の審議を始めた一方、トランプ米大統領は『非常に強力な対応を取る』と中国をけん制した。米中対立激化への懸念から投資家がリスク回避姿勢を強め、ユーロ売り・ドル買いが進んだ。ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ売りも出て、24時前に一時1.0885ドルと日通し安値を更新した。 なお、この日公表された欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(4月30日分)で、新型コロナウイルス感染拡大による経済対策として3月に導入した7500億ユーロの資産購入について、『景気の一段の悪化が明確となれば、次回6月4日の定例理事会で規模拡大に踏み切る可能性がある』との見解が示されたこともユーロの重石となった。 

 

NY原油先物市場は反落:米中対立の激化懸念から売り優勢

NY原油先物市場は30.72ドル-34.00ドルのレンジ相場となった。香港への国家安全法導入を巡り米中が対立。経済へ悪影響を及ぼし、エネルギー需要が減退するとの不安が原油相場を重くした。22日のアジア市場で34.00ドルから一時30.72ドルまで急落したが、まもなく反発した。米中関係の悪化を巡ってポジション調整的な売りが優勢となった。在庫調整は進展していることから、押し目買いの興味は残されている。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、引き続き大幅減少が継続となり前週比21基減少の237基となった。

 

NY金先物市場は反発:祝日控えポジション調整の動き

NY金先物市場は1722.50-1742.00ドルのレンジ相場となった。米国が香港への国家安全法導入をめぐり中国と対立しており、米中関係の悪化を懸念したリスク回避が意識された。安全資産の金を買う動きが再燃した。22日のアジア市場で1722.50ドルまで下落したが、アジア市場の終盤にかけて1742.00ドルまで戻した。その後は1730ドル台での取引が主体となり、もみ合いが続いた。5月25日のニューヨーク市場は休場となるため、この日はポジション調整的な売買が多かった。 

 

米国債券市場は続伸:対中関係悪化懸念から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.66%で終了した。中国が香港への統制を強化し、米政府や議会が対中強硬姿勢を強める可能性が高まった。米中関係が悪化するとの懸念から、安全資産とされる米国債に買いが入った。なお、この日はメモリアルデーの前営業日で短縮取引だった。 

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2020/05/22/07:39:18

米国株式市場は下落:米中関係悪化懸念を嫌気した売り優勢

NYダウは101.78ドル安の24474.12、ナスダックは90.89ポイント安の9284.88ポイントで取引を終了した。米経済活動の再開を期待した買いで序盤はプラス圏で推移する場面もあったが、米中関係悪化への懸念から売りが優勢となり、NYダウは一時200ドル超下げた。トランプ米大統領は20日、新型コロナウイルスへの対応を巡り、中国を非難するツイートを複数回投稿したほか、米上院は米国に上場する中国企業に経営の透明性を求める法案を可決した。またトランプ氏は本日、中国政府による香港の統制強化に向けた法案について『もしそんなことが実現すれば、私たちは極めて強力に対処することになる』と述べ、中国を強くけん制した。VIX指数は27.99から29.53へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米中関係悪化懸念での米国株安がドルの重石

ドル/円は、欧州序盤に一時107.84円と日通し高値を付けたものの、NY市場に入ると徐々に弱含んだ。NYダウが一時200ドル超下落したことなどが相場の重石となり、一時107.50円付近まで下押しした。この日発表の前週分の米新規失業保険申請件数や5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想より弱い内容となった一方、5月米製造業・サービス部門PMI速報値や4月米景気先行指標総合指数は予想より強い内容となるなど、強弱入り混じる内容だったこともあり、相場の反応は限られた。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された5月ユーロ圏製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことでユーロ買い・ドル売りが先行した。前日の高値1.0999ドルや節目の1.1000ドルを上抜けてストップロスを巻き込むと、一時1.1008ドルと1日以来の高値を付けた。ただ、1.1ドル台で上値の重さを確認すると売りが強まった。米中関係悪化への懸念から米国株が下落するとリスク回避的なユーロ売り・ドル買いも入り、一時1.0937ドルと日通し安値を付けた。その後の戻りも1.0969ドル付近にとどまった。

 

NY原油先物市場は続伸:需給悪化の懸念改善を好感した買い継続

NY原油先物市場は33.26ドル-34.66ドルのレンジ相場となった。OPECプラスの減産による供給抑制に加えて、ユーロ圏PMIや予想より改善した米経済指標が景況底打ちからの需要持ち直しの思惑を誘った。ニューヨーク市場の朝方に34.66ドルまで買われた後に33.26ドルまで下げたが、通常取引終了後の時間外取引で34ドル台に再上昇した。在庫調整が進展しており、需給悪化の懸念が大幅に緩和されていることが原油先物を下支えしている。

 

NY金先物市場は反落:利益確定売り優勢

NY金先物市場は1715.30-1751.70ドルのレンジ相場となった。週初に1770ドル台へ上振れた後、高値圏をおおむね維持していたが、本日は利益確定の売りが優勢となった。ロンドン市場で1757.60ドルまで買われた後、1744.00ドルまで反落したが、ニューヨーク市場ではロンドンのフィックス近辺でドル高が強まると1715.30ドルまで一段安となった。1750ドル近辺で利益確定を狙った売りが観測されており、金先物は伸び悩んだ。ユーロ高が一服したことも意識された。

 

米国債券市場は続伸:米中対立激化懸念から安全資産の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.67%で終了した。米中対立激化への懸念から米国株が下落すると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。 

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