FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2020/05/07/07:49:43

米国株式市場はまちまち:米中貿易摩擦再燃への懸念から売り優勢に

NYダウは218.45ドル安の23664.64、ナスダックは45.27ポイント高の8854.39ポイントで取引を終了した。米経済活動の再開を期待してハイテク株を中心に買いが先行し一時170ドル超上げたものの、取引開始前に発表された米雇用指標の大幅悪化が投資家心理の重しとなり買いは長続きしなかった。トランプ米大統領が『中国は貿易協定を維持するかもしれないししないかもしれない』などと述べると、米中貿易摩擦再燃への懸念から売りが加速し引けにかけて下げ幅を広げた。 VIX指数は33.61から34.12へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ドルは円以外の通貨に対して底堅く推移

ドル/円は、ユーロ/円や資源国のクロス円が下落した影響を受けたほか、サポートとして意識されていた4月29日の安値106.36円を下抜けたことでテクニカル的な売りも出やすく、一時105.96円と3月17日以来の安値を付けた。ただ、ドルは円以外の通貨に対しては底堅く推移したため、ドル/円の下落スピードは緩やかだった。なお、この日発表の4月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数は前月比2023.6万人減と予想の2100万人程度減を上回ったものの、データがある2002年以降で最大の落ち込みとなった。市場では『過去に例を見ない数字となりマーケットも反応のしようがなかった』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間に一時1.0782ドルと4月24日以来の安値を付けたものの、NYの取引時間帯に入るとショートカバーが先行した。メルケル独首相の発言を受けて1.0827ドル付近まで値を戻した。ただ、ドルはオセアニア通貨や資源国通貨に対して底堅く推移したことから、ユーロ/ドルの戻りも限定的となっている。なお、メルケル独首相はこの日、新型コロナ対策として実施してきた商店の営業制限を撤廃し、全ての商店の営業再開を許可すると発表した。世界主要プロスポーツで初となるドイツ・リーグ(ブンデスリーガ)の再開についても無観客を条件に許可するとした。  

 

NY原油先物市場は反落:需要の低迷の思惑から利益確定売り

NY原油先物市場は22.58ドル-26.08ドルのレンジ相場となった。4月ADP全米雇用報告で非農業部門の民間就業者数は2023.6万人減と、記録的な減少幅となり、週末の米4月雇用統計への懸念が高まった。米雇用市場の悪化が景気後退、エネルギー需要の低迷につながるとの思惑も高まり、原油は利益確定売りが優勢となった。また、ユーロ安も嫌気された。米エネルギー省(EIA)が発表した原油在庫は459.0万バレルの積み増しとなったが、市場の反応は限られた。 

 

NY金先物市場は続落:ドル高や米長期金利上昇を嫌気

NY金先物市場は1683.00-1716.60ドルのレンジ相場となった。欧米で経済活動の再開に向けた動きが加速していることで、投資家のリスクオフムードが後退し、安全資産の金に売りが入った。メルケル独首相の『新型コロナウイルス封じ込め措置を緩和する』、『すべての店舗が再開可能』などの発言が伝わった。ユーロ安・米ドル高の相場展開を嫌気して節目の1700ドルを下回った。ニューヨーク市場で1683.00ドルまで下げ幅を広げており、米長期金利の上昇も売り材料となった。

 

米国債券市場は続落:米財務省の債券発行増額を嫌気した売り

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)0.70%で終了した。米財務省が20年物国債の発行について、市場の想定を上回る額を示したほか、10年債や30年債の発行額も大幅に増やすと発表した。国債発行の急激な増加による需給の緩みが意識されて、長期債を中心に売りが出た。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

朝の市場コメント!

2020/05/01/07:15:38

米国株式市場は反落:低調な米経済指標受け売り優勢

NYダウは288.14ドル安の24345.72ドル、ナスダックは25.16ポイント安の8889.55ポイントで取引を終了した。この日発表の3月米個人消費支出(PCE)が過去最大の落ち込みとなったほか、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い結果となり、米雇用環境が急速に悪化している現状が示された。低調な米経済指標を受けて、景気悪化への懸念が改めて広がると幅広い銘柄に売りが出た。前日に約1カ月半ぶりの高値を付けていたため、利益確定目的の売りも出やすかった。VIX指数は31.23から34.15へ上昇した。 

 

NY外国為替市場:ロンドンのフィキシングに絡んだ円売りフロー

ドル/円は、ポンドやユーロに対してドル売りが先行すると、ドル/円にも売りが出て一時106.44円付近まで下げたが、月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円売りのフローが観測されると一転107.22円まで急伸した。その後しばらくは107.00円挟みの小動きが続いていたが、原油先物6月限の急騰をきっかけに米長期金利が上昇に転じるとドル/円にも再び買いが入り、一時107.49円と日通し高値を付けた。 なお、この日発表の3月米個人消費支出(PCE)は前月比7.5%減と予想の5.0%減を下回り、過去最大の落ち込みとなったほか、前週分の米新規失業保険申請件数は383.9万件と予想の350.0万件より弱い結果となり、米雇用環境が急速に悪化している現状が示された。ハセット・ホワイトハウス経済顧問は『4月の米失業率は19%くらいになると予測』と語った。 

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日、金融政策の現状維持を決め、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を7500億ユーロに据え置いた。ラガルドECB総裁が理事会後の記者会見で『今年のユーロ圏経済は5-12%縮小する可能性』『新型コロナウイルスの経済への影響は第2四半期にさらに厳しくなる可能性』『回復のスピードや規模は依然として不透明感が高い』と述べると、ユーロ圏景気の先行き懸念が高まり一時1.0833ドルと日通し安値を付けた。 ただ、前日の安値1.0819ドルが目先サポートとして意識されると一転買い戻しが優勢になった。月末のロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買い・ドル売りが出ると一時15日以来の高値となる1.0972ドルまで急ピッチで値を上げた。その後の下押しも1.0921ドル付近にとどまり1.09ドル台半ばで引けた。 

 

NY原油先物市場は大幅続伸:上下に振れる荒い値動き

NY原油先物市場は15.45ドル-19.44ドルのレンジ相場となった。本日の原油先物価格も方向感なく乱高下した。アジア時間を含め堅調に推移し18ドル台半ばを超えて上昇していたが、軟調な米株式市場の動きに連れ徐々に16ドル台半ばまで一時弱含んだ。しかしニュースや発言もない中で引け間際に19.37ドルまで急上昇するなど、荒い値動きだった。大幅な追加減産による需給改善への期待や外出制限が緩和されつつあることが原油先物を押し上げた。

 

NY金先物市場は続落:利益確定売りで1,700ドル下回る

NY金先物市場は1687.50-1737.00ドルのレンジ相場となった。米株式市場が弱含んで始まったことで、金先物価格は前日比でプラス圏を回復する場面もあった、しかし、徐々に上値も限られてきNY午後に入ると下げ幅を拡大し5日続落で引けた。ジョンソン英首相が『ウイルスの感染は過ぎた』と発言したことや、NYでのウイルス感染による死者数の減少などが、金売りにつながったとの声もあった。ニューヨーク市場で一時1687.50ドルまで売られた。その後は株安を意識して下げ幅はやや縮小した。 

 

米国債券市場は続落:ボーイングの大型起債を嫌気した売り

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.64%で終了した。欧米株価の下落を受けて債券買いが先行したものの、ボーイングの大型起債が伝わると需給悪化を見越した売りが出た。原油先物価格の急伸も債券売りを誘った。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

朝の市場コメント!

2020/04/30/07:52:35

米国株式市場は上昇:新型ウイルスの治療薬の開発の進展を好感

NYダウは532.31ドル高の24633.86ドル、ナスダックは306.98ポイント高の8914.71ポイントで取引は終了した。米医薬大手ギリアド・サイエンシズが『新型コロナウイルス治療薬の臨床試験(治験)で有効性を示した』と発表したことを受けて、治療薬の開発が進展し、新型コロナ感染の収束につながるとの見方が広がった。トランプ政権において新型コロナウイルス対策チームを率いるファウチ氏も『結果が著しい効果があることを示唆している』と楽観的な見解を示した。また、原油価格の反発やアルファベットの1-3月期決算が予想を上回る増収となったことも投資家心理の改善につながり、一時660ドル超上げた。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果についてはほぼ市場予想通りの内容で、株式相場への影響は限定的だった。VIX指数は33.57から31.23へ低下した。 

 

NY外国為替市場:FOMC結果公表後も反応は限定的

ドル/円は、日本時間夕刻に一時106.32円と3月17日以来の安値を付けたものの、そのあとは1-3月期米国内総生産(GDP)速報値の発表直前に思惑的な買いが入り106.75円まで値を上げた。ただ、米GDPが予想以上に弱い内容だったことが伝わると106.52円付近まで押し戻された。もっとも、そのあとは米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見を控える中、徐々に値動きが鈍った。FRBは28-29日に開いたFOMCで、市場予想通りFFレート誘導目標を0.00-0.25%に据え置き、米国債などを制限なく購入する量的緩和政策などの維持を決めた。声明文では『新型コロナウイルスは、米経済の急激な落ち込みと失業の増大をもたらす』『公衆衛生危機は短期的には経済活動、雇用、インフレに大きな影響を及ぼし、中期的な経済見通しに大きなリスクをもたらす』と強い懸念を表明した。金融政策も『経済を支えるために適切な手段をとるだろう』とし、追加策を引き続き検討する考えを示した。ただ、結果についてはほぼ市場予想通りの内容で、相場への影響は限定的だった。なお、パウエルFRB議長は記者会見で『経済活動は第2四半期に前例のないペースで低下する可能性がある』と述べ、『追加措置が必要になる可能性が高い』との見方を示した。 

 

ユーロ/ドルは、米GDP発表前に思惑的なドル買いが進んだ影響を受けて一時1.0840ドル付近まで下げる場面もあったが、そのあとは米重要イベントを控えて様子見ムードが広がり、1.08ドル台半ばでのもみ合いに。FOMCを通過すると株高を背景にリスク・オンの動きが広がりユーロ買い・ドル売りが進行し、一時1.0886ドルと日通し高値を更新した。

 

NY原油先物市場は大幅反発:原油在庫が予想ほど増加しなかったことを好感

NY原油先物市場は12.67ドル-16.78ドルのレンジ相場となった。アジア時間から堅調に推移していた原油先物相場だったが、米エネルギー省が発表した週間在庫統計で、原油在庫が予想ほど増えなかったうえ、ガソリン在庫が予想に反して減少したことで、一時16.78ドルまで上昇した。また、各国で外出制限措置が緩和されつつあることも買い材料となった。もっとも米連邦公開市場委員会(FOMC)では、米経済に対する悲観的な発言も目立ったことで、高値から一時2ドル程度下がる場面もあり、市場の値動きは激しかった。 

 

NY金先物市場は弱含み:米国株高を嫌気した売り

NY金先物市場は1708.20-1733.50ドルのレンジ相場となった。NY勢参入前は前日比終値近辺で方向感なく上下していたが、米医薬大手が新型コロナウィルス治療薬開発に一歩前進したという報道が流れ、株式市場の上げ幅が広がるとリスクオンの流れで金先物価格は弱含んだ。 ユーロの反発や米金融政策を巡る思惑などで反転した。

 

米国債券市場は小反落:リスク選好の動きから売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは小反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.62%で終了した。米国株が大幅に上昇したことで、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果についてはほぼ市場予想通りの内容だった。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

朝の市場コメント!

2020/04/29/08:25:52

米国株式市場は反落:ハイテク株に利益確定売りが重石

NYダウは32.23ドル安の24101.55ドル、ナスダックは122.43ポイント安の8607.73ポイントで取引を終了した。欧州株相場の上昇や米製薬会社ファイザーの好決算などを受けて買いが先行し、一時370ドル超上げたもののすぐに失速した。4月米消費者信頼感指数や4月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想より弱い内容となったことが相場の重石となった。高く始まった主力ハイテク株に利益確定目的の売りが出たことも相場の押し下げ要因となり、一時100ドル超下げた。 VIX指数は33.29から33.57へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:NY市場ではドル/円相場はこう着

ドル/円は、欧州株相場や時間外のダウ先物の上昇を背景に投資家のリスク回避姿勢が和らぎ全般ドル売りが先行した。目先サポートとして意識されていた14日の安値106.98円や15日の安値106.93円をブレイクすると下げが加速し一時106.51円と3月17日以来の安値を付けた。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げる展開になった。ユーロドルの失速などに伴って円売り・ドル買いが出たほか、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されて一時106.97円付近まで値を戻した。市場では『米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を明日に控えてドル売りは続かなかった』との声が聞かれた。NY中盤以降は106円台後半で値動きが細り、狭いレンジ取引に終始した。 なお、この日発表の4月米消費者信頼感指数と4月米リッチモンド連銀製造業景気指数はいずれも予想を下回ったが、相場の反応は限られた。 

 

ユーロ/ドルは、欧米の経済再開に向けた動きを背景に投資家のリスク回避姿勢が後退し全般ドル売りが先行し、一時1.0888ドルと日通し高値を付けた。ただ、週内にFOMCや欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えていることもあり、買いの勢いは長続きしなかった。1.09ドル台に乗せることが出来ずに失速した面もある。ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローも観測された。NY終盤に格付け会社フィッチによるイタリア格下げが伝わると、一時1.0818ドル付近まで下押ししている。 

 

NY原油先物市場は続落:方向感のない神経質な動きが継続

NY原油先物市場は10.07ドル-13.69ドルのレンジ相場となった。今週に入っても原油先物価格は方向感のない神経質な動きが続いている。一時欧州入り後には10.07ドルまで下落する局面もあったが、堅調に始まった米株にも支えられNY入り後は13.69ドルまで反転した。しかし、戻り売りの興味が上値を抑える展開となったほか、弱い米経済指標の結果などもあり、原油価格は小幅ながら続落して引けた。 

 

NY金先物市場は3日続落:上値の重さが意識される展開

NY金先物市場は1704.10-1731.90ドルのレンジ相場となった。米製薬会社ファイザーの好決算などを受けて米株式市場が寄り付きで大幅に上昇したことで、リスクオンになり安全資産とされる金先物価格は一時1704ドルまで下落した。しかし4月の米消費者信頼感指数は86.9(市場予想88.0)、同月のリッチモンド連銀製造業景気指数は-53(予想-42)と、両指標とも市場予想を下回ったこともあり株価の上値が重くなり始めると、徐々に金先物価格は上昇し一時前日比でプラス圏を回復する場面もあった。ニューヨーク市場で1731.90ドルまで買われたが、1704.10ドルまで反落。その後は1720ドルを挟んだ水準でのもみ合いが続いた。

 

米国債券市場は反発:弱い米経済指標受け買い優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)0.61%で終了した。4月米消費者信頼感指数や4月米リッチモンド連銀製造業景気指数が予想より弱い内容となったことを受けて債券買いが優勢となった。米国株が失速したことも相場の支援材料。 

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

朝の市場コメント!

2020/04/28/07:44:28

米国株式市場は続伸:経済活動の再開期待が高まり買い優勢

NYダウは358.51ドル高の24133.78ドル、ナスダックは95.64ポイント高の8730.16ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルス感染防止のため欧米各国が導入した外出禁止などの制限が緩和され、経済活動も再開されるとの期待感が高まり買いが膨らんだ。米国では感染がもっとも深刻なNY州など複数の州が段階的に経済活動を再開させる方針を示している。 また、日本銀行が予想通り追加緩和に踏み切り、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で大規模緩和が維持されるとの見方や、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和観測が支援材料となり引けにかけて上げ幅を大きく拡大した。VIX指数は35.93から33.29へ低下した。

 

NY外国為替市場:米FOMC控えて様子見ムード強く小幅もみ合い

ドル/円は、東京やロンドン市場で円高・ドル安が進んだ流れを引き継いでNY市場でも円買い・ドル売りが先行した。市場では「新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした投資家のリスク回避姿勢がやや後退し、『有事のドル買い』が減少した」との指摘もあり、一時106.94円と日通し安値を付けた。欧米では新型コロナ感染防止のため各国が導入した外出禁止などの制限が緩和され、経済活動も再開されるとの期待感が高まり、株価が堅調に推移した。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。14日(106.98円)と15日(106.93円)に下げ止まった106.90円台がサポートとして意識されると買い戻しが進んだほか、米長期金利が上昇したこともドル買いを誘い一時107.34円付近まで値を戻した。 もっとも、NY中盤以降は107円台前半での狭いレンジ取引に終始した。今週予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを前に動きづらい面もあった。市場では『商いは終日閑散としていた』との声も聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間に一時1.0860ドルと日通し高値を付けたものの、NY市場に入ると米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出てじり安の展開になり、一時1.0817ドル付近まで下押しした。もっとも、30日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えていることもあって、大きな方向感は出なかった。 

 

NY原油先物市場は大幅反落:供給過剰状態が続くとの見方を嫌気

NY原油先物市場は11.88ドル-16.98ドルのレンジ相場となった。先週後半は3日続伸した原油先物価格は、依然として新型コロナウィルス感染拡大によるエネルギー需要の減退懸念があり一時11.88ドルまで下落した。NY勢参入後は複数の州で経済活動が再開するとの発表もあり、13.97ドル近辺まで戻す場面もあったが反発も限られた。主要産油国による追加減産への期待はあるものの、原油の供給過剰状態はしばらく続くとの見方が多く、株高でも原油先物の上値は重いままだった。

 

NY金先物市場は続落:米国株高で利益確定売り優勢

NY金先物市場は1720.00-1745.80ドルのレンジ相場となった。米株式市場オープン前までは、先週末の引け値近辺でもみ合っていた。しかし、米国株式市場が複数の州で経済活動が再開されることを好感し上げ幅をじりじりと広げたことで、安全資産とされる金先物価格は利益確定売りを狙った売りも入り続落した。 

 

米国債券市場は下落:米国株高で安全資産に売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%(価格は下落)0.66%で終了した。新型コロナウイルス感染防止のため欧米各国が導入した外出禁止などの制限が緩和され、経済活動が再開されるとの期待感が高まると米国株相場が上昇した。相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。米連邦準備理事会(FRB)が24日に債券買い入れ額を減額すると発表したことも相場の重石となった。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ