FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/01/30/15:13:45

日経平均株価は大幅下落:肺炎拡大や本邦企業の決算失望で売り優勢

米国株が後半に失速してFOMCの内容が失望と受け止められたことから売り優勢の展開となった。開始早々に下げ幅を3桁に広げた。安く始まった後の戻りも鈍く新型肺炎の日本人への感染ニュースや、日本企業の決算失望、今後の日米企業の決算発表に対する警戒感などから、売り優勢の展開となった。結局、前営業日比401円安の2万②9⑦7円と大幅反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避でも108円後半でもみ合う展開

ドル/円は、中国の武漢から帰国した日本人3名が新型コロナウイルスに感染していたため、リスク回避の円買いが強まり108.87円まで軟化した。日経平均株価の大幅反落や米長期金利が低下したことも、ドル売り・円買いを誘った。午後もこの流れが続き、日経平均株価が心理的節目の2万3000円を割り込むと、さらにドル売り・円買いが進んで108.84円近辺まで下落した。しかし、27日に付けた108.73円が下値目処として意識されると、下げは一服した。その後は108.90円を挟んで小動きとなった。ユーロ/ドルは1.1015ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の成長率はウイルス感染拡大で5%かそれ以下の可能性も

 政府系シンクタンク中国社会科学院のエコノミスト、張明氏は、新型コロナウイルスの感染拡大で中国の経済成長率が5%かそれ以下に鈍化する可能性があり、政府が追加の景気刺激策を強いられる可能性があるとの見方を示した。29日発行の経済誌『財経』が報じた。

米中貿易摩擦の激化により、中国の景気鈍化は欧州にも多大な影響を与えることが判明した。そのため、ウイルスの感染拡大や解決に時間がかかり中国景気減速が鮮明にあると、欧州景気鈍化の思惑からユーロ売りが強まる可能性がある。

 

新型ウイルスの感染者は数万人の可能性も

米ノースイースタン大学のアレサンドロ・ベスピニャーニ教授は、『翌週または翌月に終わるようなものではない』と指摘している。疫学者らに先のことは分からない。昨年12月に出現した新型ウイルスについても、断片的な情報しかない。また、国際感染症学会で新型ウイルスに関する分析を発表した、カナダ・トロント大学のデービッド・フィスマン教授は、『知れば知るほど、重症急性呼吸器症候群(SARS)に似ているように思われる』と明かしている。『SARSは制御可能だった。恐らくはこれ(新型ウイルス)も制御可能だろう。だが今後数週間は分からない』『何週間、もしかしたら数か月かもしれない。どこまでいくか誰にも分からない」と、フィスマン教授は話している。

中国における公式な感染者数は4000人以上で、死者数は100人以上とされているが、ベスピニャーニ教授は、ノースイースタン大などの研究班の分析を基に、感染者数は現在確認されていない人も含めると、2万5000人以上ではないかという見方を示している。

 

他国と比べるとザル過ぎる本邦のウイルス対策

フランス、英国、韓国は中国武漢からの帰国者に対して2週間隔離することになっている。また、豪州にいたっては、インド洋にあるクリスマス島に帰国者を一定の期間隔離すると、モリソン豪首相が発表した。そして、北朝鮮でさえ潜伏期間以上の1ヵ月にわたっての隔離と報道されている。一方日本では、29日に武漢から帰国した邦人は症状のない人は検診後、2週間自宅待機を要請している。その期間は体温を毎日測ったり、咳などの症状がないか健康状態に注意したりするよう依頼している。このような対応では、新たな感染拡大の可能性は否定できないと思われる。一部ヘッジファンドなどからは『日本政府が武漢から帰国させた日本人をきちんと管理できないなど、コロナウイルスに対する政策がザル過ぎる』ことに驚きを隠せない様子。『こんな状況が続くようであれば、取引自身を控えざるをえない』と真剣に憂慮する声も聞こえてきている。

 

FOMCとパウエル米FRB議長会見ではハト派内容

米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.50-1.75%に据え置くことを決定した。市場の予想通りとなった。超過準備預金金利は予想外に5ベーシス引上げ1.6%とした。
声明では景気やインフレ判断を据え置いたが、消費の判断を若干引き下げた。政策は適切とし、世界の展開を引き続き監視していくとした。
パウエルFRB議長の会見で、短期証券購入を少なくとも4月まで継続し、いずれはペースを緩めるとした。短期金融市場を監視していく方針を維持した。新型肺炎に関しては『深刻な問題』で中国やおそらく世界の活動を抑制する可能性が強いとし、中国経済に短期的な影響がでるだろうと指摘した。しかし、ウィルスがどのように世界経済に影響するかを判断するのは『時期尚早』とし、『FRBは新型肺炎感染拡大の状況を注意深く監視していく』との言及にとどめた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は当面政策金利を据え置く方針を修正する意向がないととらえられている。また、消費判断が引き下げられたことや、パウエルFRB議長が『不透明性が残る』と慎重な姿勢を示したため、次回の行動は依然『利下げ』ととらえられる。

 

米国市場では10-12月期国内総生産(GDP)速報値を公表

参考となるアトランタ連銀の経済予測モデル『GDP Now』の試算(1月17日時点)では、前期比年率+1.8%とされている。12月分の経済指標の一部はやや改善していることから、予測モデルの成長率予想を多少上回る可能性がある。

 

欧米イベント

○15:00   12月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比7.50%)
○16:00頃  雨宮正佳日銀副総裁、講演
○17:00   1月スイスKOF景気先行指数(予想:97.0)
○17:55   1月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化5000人)
○18:30   12月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比3.4%)
○19:00   1月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲8.1)
○19:00   1月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:101.8)
○19:00   12月ユーロ圏失業率(予想:7.5%)
○21:00   10-12月期メキシコ国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比▲0.2%/前年同期比▲0.5%)
○21:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.75%で据え置き、資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○21:00   MPC議事要旨
○21:00   英中銀イングランド銀行、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)
○21:30   カーニー英中銀(BOE)総裁、記者会見
○22:00   1月独CPI速報値(予想:前月比▲0.6%/前年比1.7%)
○22:30   10-12月期米GDP速報値(予想:前期比年率2.1%)
           個人消費(速報値、予想:前期比2.0%)
           コアPCE(速報値、予想:前期比1.7%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/173.3万人)
○30日03:00   バイトマン独連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/01/29/15:12:28

日経平均株価は上昇:海外短期筋の買い戻し

寄り付きは93円高で始まったものの、その後は上げ渋る展開となり、一時マイナス圏へと転落する場面があった。しかし、複数メディアが『米大統領府が28日、中国で発生した新型コロナウイルス肺炎の感染拡大への対応を巡り米中の航空便運航停止を見送る』と報じて米国が新型肺炎拡大を深刻に見ていないとの思惑からヘッジファンドなど海外短期筋の買い戻しが入った。結局、前営業日比163円高の2万3379円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:終日109ドル前半でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、109.25円付近までじり高となった。ホワイトハウスが、朝方に伝わった『米政府は中国と結ぶ航空便の一時停止措置を検討している』との報道を否定したことも、ドルの押し上げにつながった。しかし、新型コロナウイルスの感染者拡大が続いていることから、上値では持ち高調整などのドル売り・円買いも見られ、109.20円前後でのもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や香港ハンセン指数の動向をにらみながら、109.10円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.10ドル台前半でもみ合う展開が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

豪免疫研究所が新型コロナウイルスの培養に成功したと発表

オーストラリア南東部メルボルンにあるピーター・ドハーティー感染・免疫研究所は29日、中国で感染者が多発している新型コロナウイルスの培養に成功したと発表した。培養したウイルスは世界保健機関(WHO)を通じて世界の研究所と共有。ワクチンの早期開発につながる可能性がある。
同研究所は感染した患者から採取したサンプルを使って培養した。今回の成功により新型ウイルスに関する正確な診断が可能になるとして『重要な突破口だ』と強調した。培養したウイルスは抗体検査向けに使われるほか、試験段階のワクチンの有効性の評価にも役立つという。

 

中国政府は2月3日の取引再開に向け地ならし

中国市場では2月3日の取引再開後、波乱の展開が予想されている。中国本土の市場は24日から休場となっている。中国人民銀行(中央銀行)は声明で、中国株に売りが浴びせられる可能性に触れ、取引再開時には『大規模な資金』が用意されると言明した。オペの実施により、『銀行システムに合理的かつ十分な流動性が維持されるよう、潤沢な流動性を適時供給する』と表明した。一方、中国証券監督管理委員会(証監会)は証券各社に対し、取引所外取引を準備するよう促した。新型ウイルスの感染を封じ込める措置の結果、市場インフラに負担が生じているためだという。証監会は28日付の声明で、投資家が新型ウイルスの影響を『合理的かつ客観的に』評価するよう証券各社は導き、『長期投資、バリュー投資という概念を堅持するべきだ』と促した。

 

米議会予算局の今後の米国成長率などの見通し

米議会予算局(CBO)は28日、今年の実質国内総生産(GDP)成長率は2.2%と底堅く推移する一方、財政赤字は1兆0150億ドルに達するという見通しを示した。
GDP成長は2021年が1.9%、22年は1.7%と予想した。財政赤字は21年が1兆ドル、22年が1兆1160億ドルを見込む。19年は9840億ドルだった。
CBOは物価と金利について、過去10年の低迷を経て上向くとした。消費者物価指数(CPI)の見通しは20年が2.4%、21年が2.5%、22年が2.6%。10年債利回りは20年が1.9%、21年が2.2%、22年が2.6%。
長期見通しでは、GDP成長率が2021年から30年の期間に平均1.7%に減速すると予測した。インフレ率と金利の伸びも23年に鈍化に転じるとした。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)会合が開催

現行の政策金利は米中通商協議における第1段階の合意後も適切だが、通商問題などを巡る米中関係の不確実性が除去されたわけではなく、世界経済の減速傾向は特に変わらないと予想されていることから米国の金融政策は長期間変更なしの状態が続く見込みとなっている。

米国の経済専門局CNBCがFOMC前に市場関係者を対象として実施した調査で、回答者の100%が今回の会合で金利が据え置かれると見ていることがわかった。また、次の利下げは速くて11月と見ていることも明らかになった。

 

欧米イベント

○16:00   12月独輸入物価指数(予想:前月比0.3%/前年比▲0.6%)
○16:00   2月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:9.6)
○16:00   1月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○16:45   1月仏消費者信頼感指数(予想:102)
○18:00   12月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比5.5%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○24:00   12月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.5%/前年比10.3%)
○30日00:30   EIA週間在庫統計
○30日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:1.50-1.75%で据え置き)
○30日04:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
〇欧州議会、英国の欧州連合(EU)離脱案を採決
○英中銀金融政策委員会(MPC、30日まで)
○中国(旧正月)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/01/27/15:18:13

日経平均株価は下落:アジア市場休場とリスクヘッジの日本株売り優勢

中国の武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染が拡大し、患者数は中国内で2744人、死者80人に達するなど、感染拡大が懸念され朝から売りが先行した。一時500円超安となったものの、売り一巡後は短期筋の先物買い戻しや押し目買いが入り、下げ渋る場面もあった。また、イラクの米大使館にロケット弾が着弾したと伝わったことも投資家心理が一段と冷えた。春節休暇で上海や香港などアジア市場が休場のため、日本株にグローバル運用の投資間のヘッジ売りが膨らんだ。結局、前営業日比483円安の2万3343円で反落して終了した。

 

東京外国為替市場:国内勢などのドル買いに支えられ円高を下支え

ドル/円は、新型コロナウイルスの感染者拡大を警戒したドル売り・円買いが進み、一時108.73円付近まで値を下げ、約2週間ぶりの安値を付けた。一部の海外メディアが『イラクのバクダッドにある米大使館にロケット弾が直撃した』と報じたこともあり、リスク回避の円買いを誘った。しかし、下値では値ごろ感からドルの押し目買いが見られ、下げは一服した。その後は、国内輸入企業がドル買い・円売りに動き、109.00円付近まで持ち直した。午後は、国内勢などのドル買い・円売りに支えられ、109.12円付近まで値を上げた。ただ、今晩の米株価動向を見極めたいとの雰囲気から上値を追う動きは限られ、109.05円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.10ドル台前半で方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

春節連休のマカオ観光客が激減

マカオ特別政府旅遊協の公式サイトによると、2020年春節(旧正月)連休の2日目まで(1月24-25日)の観光客数は前年同期比49.9%減の11万2900人だった。うち中国本土からマカオを訪れた観光客は6万6100人と、前年同期を55.0%下回った。

 

金の投資信託にも4ヵ月連続で資金流入超

金相場の先行きについては将来的な景気減速や中東情勢緊迫に対する懸念が引き続き大きな下支えとなる中、強気の流れが続くと予想する。中国の旧正月という人々の大移動が起こるというタイミングの悪さもあり、中国発の新型コロナウィルスの感染拡大への懸念は高まる一方だ。『株式市場が本格的な調整局面に入るようなら、リスク回避の動きが改めて加速するのではないか』との声も聞かれた。 さらに市場では『金関連の投資信託』に関心が集まっている。内公募投信のうち金関連投信の資金流出入額をみると、2019年12月は約42億円と4カ月連続で流入超となった。これは17年1月以来およそ2年10カ月ぶりの高水準となる11月とほぼ同じ額。投資家のリスク回避姿勢が強まれば、『安全資産』とされる金には買いが集まりやすい。

 

週末にはいよいよ英国がEUから離脱

英国議会は23日に関連法案を可決、31日の午後11時(日本時間の2月1日の午前8時)に英国は欧州連合(EU)を離脱する。離脱後の英国は、年末までにEUとの間で貿易協定の締結を目指す。EU規則から距離を置こうとする英国と、公平な競争条件を求め、競争政策、税制、労働、気候変動などで規制上の連携を求めるEUとの溝は大きい。僅か11ヶ月で包括的な貿易協定を締結するのは困難とみられ、2020年末の新たな崖が不安視される。また、EU離脱をきっかけに、スコットランドで英国からの独立機運が高まっているほか、北アイルランドがその他英国から事実上分離されることを不安視する声もあり、英国の分断を招く恐れがある。

 

ECBは戦略検証を開始するため当面金融政策は様子見

ECBは年内終了を目途に金融政策の戦略検証を開始した。検証では、物価安定の定義、政策ツールの効果や副作用、経済・金融分析手法の見直しが必要か、気候変動を金融政策にどう取り込むか、コミュニケーション手法など、幅広い内容を扱う。発表された資料、記者会見での総裁発言ともに、取り立てて目新しい内容はなかった。 足元の各種景気指標の底入れや戦略検証の実施を踏まえ、当面の金融政策は様子見となる公算となる。今後、景気や物価の下振れリスクが大きく高まる場合、検証期間中であっても追加緩和は可能となる。 他方、フォワード・ガイダンスの文言を考えれば、戦略検証の間に、マイナス金利からの脱却や資産買い入れの終了に向かうハードルは高い。

 

欧米イベント

○18:00   1月独Ifo企業景況感指数(予想:97.0)
○24:00   12月米新築住宅販売件数(予想:前月比1.5%/73.0万件)
○28日03:00   米財務省、2年・5年債入札

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/01/24/15:16:13

日経平均株価:見送りムード強く小動きの展開

日経平均株価は、引き続き中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎拡大が懸念されるほか、円高に振れている為替相場に対する警戒感も意識された。また、週末であることから売り買いともに偏ったポジションが取りにくく、見送りムードが高まった。結局、前日比31円高の2万3827円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:様子見ムード強く道高調整の動き

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ109.58円付近まで小幅に値を上げた。しかし、中国国家衛生国家委員会が『新型コロナウイルスの患者が830人に増えて、25人が死亡』と発表したため、上値を追う動きは限られた。その後は、今日から始まる中国の大型連休を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、109.45付近へ下落した。午後は、日経平均株価やアジア主要株価の動向をにらみながら、109.50円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、前日に行われたラガルドECB総裁の会見がややハト派的な内容と受け止められ、緩和的な政策が長期化するとの思惑からユーロ安・ドル高が続き、1.10ドル台半ばの安値圏で推移した。

 

1月第2週の日本株は海外投資と個人が買って年金が売り

東京証券取引所が23日発表した1月第2週(14-17日)投資部門別株式売買動向(東京・名古屋2市場・1-2部・新興市場計)によると、海外投資家は3週ぶりに買い越し、買越額は751億円と前の週の売越額454億円から買い越しに転じた。一方、個人は2週ぶりに買い越し、買越額は1634億円と前の週の売越額88億円から買い越しに転じた。年金基金を代行する信託銀行は6週連続で売り越し、売越額は490億円と前の週の売越額173億円から拡大した。

 

新型肺炎感染が新たな世界経済リスクに

新型肺炎感染拡大が世界中で徐々に報じられている。世界保健機構(WHO)は22日、23日に開催した2日間の会合で、時期尚早との判断で『緊急事態』宣言を見送った。このため、いったん、恐怖は緩和した。ただ、中国政府による公表よりも、中国国内の感染例が実際に多い可能性があると懐疑的見方もある。万が一、SARSのような猛威に発展した場合は、世界経済の新たなリスクになると警戒される。2003年にSARSが蔓延した際、中国国内総生産(GDP)を2%近く引き下げた。 また、中国経済の構造が輸出型から消費型に移行しつつあるため、一部のアナリストはSARS時よりも、中国経済に与える影響が大きくなるとの警告もある。国内外旅行を含め、年を通じて消費が最も活発となる旧正月の休みに重なったことも手痛い。中国政府が複数都市での移動制限措置を実施していることなどから、中国人は旅行を取りやめ、自宅にとどまる傾向にある。

 

トルコ財務相は中銀は独立性を保っていると発言

ダボス会議に出席したアルバイラク・トルコ財務相は23日、トルコ中銀は米連邦準備理事会(FRB)と同じように独立性を保っていると述べ、中銀がエルドアン大統領の利下げ圧力に屈しているという見方を打ち消した。また、同財務相は今週、トルコ政府が掲げている20年の5%成長目標は現実的な数値と発言した。国際通貨基金(IMF)や世界銀行は、トルコの20年成長率は3%程度にとどまると予測している。

 

米大統領選に向けた民主党の候補者の支持率

2020年米大統領選に向けた民主党の候補指名争いで、バイデン前副大統領が支持率でトップに立っていることが、23日公表のロイター/イプソンの世論調査で明らかになった。調査は1月22-23日に、民主党員と無党派1108人を対象にオンラインで実施した。うち、有権者登録をしている人は545人。統計の誤差はプラスマイナス約5%ポイント。各候補の支持率は、バイデン氏の支持率は24%、サンダース上院議員は20%、ウォーレン上院議員は12%だった。また、ブルームバーグ前ニューヨーク市長は約10%、インディアナ州サウスベンド前市長のブテイジェッジ氏は7%、クロブシャー上院議員は3%で、この数週間に支持率がそれぞれ数%ポイント上昇した。

バイデン氏は昨年の出馬表明以来、支持率がほぼ一貫して首位になっているが、他候補を大きく引き離すには至っていない。

候補者選びが実質的にスタートするアイオワ州党員集会まで2週間を切る中、調査で候補者を選んだ人のなかでも、選択が最終決定だと回答した有権者は43%にとどまった。

 

 

米国市場では1月マークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)が公表

米マークイット1月製造業PMIは52.8と、12月の52.4を上回る公算となっている。1月15日発表の1月NY連銀製造業景気指数と16日発表のフィラデルフィア連銀景況調査はいずれも市場予想を上回った。マークイット1月製造業PMIも市場予想を上回った場合、来月初旬に発表される1月ISM製造業景気指数の改善が期待されることでドル買い要因となりやすい。

 

欧米イベント

○17:15   1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.6)
○17:15   1月仏サービス部門PMI速報値(予想:52.2)
○17:30   1月独製造業PMI速報値(予想:44.5)
○17:30   1月独サービス部門PMI速報値(予想:53.0)
○18:00   1月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:46.8)
○18:00   1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:52.8)
○18:30   1月英製造業PMI速報値(予想:48.9)
○18:30   1月英サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○18:30   ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、ビルロワ・フランス中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、ダボス会議で発言
○19:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、ムニューシン米財務長官、黒田日銀総裁、ダボス会議で発言
○22:30   11月カナダ小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比0.4%)
○23:45   1月米製造業PMI速報値(予想:52.5)
○23:45   1月米サービス部門PMI速報値(予想:52.9)
○23:45   1月米総合PMI速報値
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、最終日)
○韓国、中国(旧正月)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/01/23/15:16:35

日経平均株価:新型コロナウイルスの感染拡大懸念から売り優勢

ドル/円が円高に振れているほか、春節(旧正月)の大型連休に伴う人々の大移動で、新型コロナウイルスの感染による肺炎の拡大が急速に広がるとの懸念や、大引け後の日電産の決算発表を控え模様眺めムードが強まった。結局、前日比235円安の2万3795円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買い強まる

ドル/円は、中国で発生した新型コロナウイルスの感染者が拡大していることで、世界経済の下振れリスクを警戒したドル売り・円買いが入り、109.60円台へ下落した。日経平均株価のさえない動きも円買いを誘った。午後もこの流れは続き、外務省が新型コロナウイルスの発生地である湖北省武漢市の危険レベルを引き上げたため一時109.56円近辺まで下落して10日以来の安値をつけた。ユーロ/ドルは、今晩のECB理事会を控えて様子見ムードが広がり、1.10ドル台後半で小幅な値動きに終始した。

 

欧米市場では欧州中央銀行(ECB)理事会を開催

ECBの戦略については水面下で見直し作業が始まっているとみられているが、今回の理事会で戦略再評価について正式な合意が得られる見込み。インフレ率が低水準が低水準で推移している原因を検討することなどが優先される可能性があるが、対象は広範囲に及ぶため、再評価の詳細が判明するのは次回以降となる見込みとなっている。

 

カナダ中銀は政策金利据え置きも利下げ観測強まカナダドル売り

カナダ中銀は金融政策決定会合で政策金利(翌日物貸出金利)を市場の予想通り1.75%に据え置くことを決定した。声明では政策金利が『適切』との文言を削除した。消費者信頼感指数や消費が予想外に弱かったと指摘し、成長減速が長期化するかどうかを綿密に監視していく方針を示した。また、第4四半期の国内総生産(GDP)成長見通しを10月の1.3%から0.3%へ大幅に引き下げた。 事前に発表されたカナダ12月消費者物価指数(CPI)は前月比横ばいと、予想通り、11月‐0.1%から上昇した。前年比では+2.2%と、上昇予想に反して11月の水準を維持した。 カナダ中銀が声明で政策金利が『適切』との文言を削除したほか、成長見通しを引き下げたため、利下げ観測が強まりカナダドル売りが加速した。

 

好調な米国の12月中古住宅販売:2年ぶり最高

全米不動産協会(NAR)が発表した12月中古住宅販売件数は前月比+3.6%の554万戸となった。市場予想を上回り2018年2月以降ほぼ2年ぶり最高となった。中間価格は前年比で+7.8%の27.45万ドル(約3000万円)となった。供給が過去最低となったため価格が上昇した。米連邦住宅金融局(FHFA)が事前に発表した11月の住宅価格指数は前月比+0.2%と、伸びは6月来で最小にとどまり予想+0.3%も下回った。一方、10月分は+0.2%から+0.4%へ上方修正された。

 

トランプ大統領は米FRB理事にハト派を送り込む

米FRBが『2000年問題』に対応した緊急流動性供給が終了した2000年4月7-14日週に米ハイテク株が蝟集するナスダック指数が25%の急落を余儀なくされた。この悪夢を再現させないためにトランプ大統領は1月16日、空席となっている米FRB理事に欧州復興開発銀行元米国代表ジュディ・シェルトン氏と、セントルイス連銀クリストファー・ウォラー調査局長を指名すると発表した。シェルトン氏は16年大統領選時の陣営の経済政策アドバイザーを務め政策面では一段の利下げを主張、ウォラー氏は19年の利下げを逸早く主張した『ハト派』代表格セントルイス連銀ブラード総裁の側近であり、両氏共に金融緩和に前向きな『ハト派』である。株高を支える新型QEの賞味期限が切れる7月以降、FRBに緩和圧力を継続できるよう理事にハト派2人を送り込んだに違いない。

 

欧米イベント

○17:30   12月スウェーデン失業率(予想:6.6%)
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:00   12月ロシア鉱工業生産(予想:前年比1.4%)
○22:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/174.6万人)
○24:00   12月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.2%)
○24:00   1月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲7.8)
○24日01:00   EIA週間在庫統計
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、24日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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