FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/02/14/15:09:57

日経平均株価:個人投資家による押し目買いで下げ幅縮小

新型肺炎の感染による企業業績などへの影響を懸念した売りが優勢となり一時下げ幅を220円超へ広げた後は個人投資家による押し目買いが入り下げ幅を縮めた。結局、前日比140円安の2万3687円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台後半でもみ合う展開が継続

ドル/円は、本邦輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の下げ幅縮小に支えられ、109.90円付近へじり高となった。上海総合株価指数が持ち直したことも、円売りを誘った。しかし、中国で新型コロナウイルス感染拡大が続いているため、上値を追う動きは限られた。午後は、日経平均株価と上海総合株価指数をにらみながら、109.80円付近でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、ユーロ圏の景気減速やドイツの政局先行きを警戒したユーロ売り・ドル買いが続き、1.08ドル前半の安値圏で推移した。

 

1月の中国の自動車販売は大幅減少

中国汽車工業協会(CAAM)が13日発表した暫定データでは、1月の中国の自動車販売は前年同月比18%減で、19カ月連続の減少となった。新型コロナウイルスによる肺炎拡大の影響を受けた。新エネルギー車(NEV)は前年比54.4%減で、7カ月連続の減少となった。業界幹部の間では、ウイルスの影響で第1・四半期の販売と生産は大きな打撃を受けるとの見方が広がっている。

 

武漢市の長期化封鎖で不動産バブル崩壊のリスクも

都市部インテリ向け週刊誌『三聯生活周刊』(1月29日号電子版)が『WHOが武漢肺炎に緊急事態宣言を発動すれば、中国はさらなる外部圧力を受け、特に経済的圧力になる』と告発、中国政府がWHOに緊急事態宣言を止めるよう圧力をかけた実態が白日の下にさらされた。WHOは1月30日、緊急事態を宣言したが、テドロス事務局長は、『これは中国への不信任投票ではない。WHOは移動や貿易、移住の制限は勧告しない』と非常事態宣言の経済封鎖効果を打ち消す発言をしてひんしゅくを買った。
何より、中国経済は地方政府とデベロッパが地上げを行い、土地バブルをもたらす『土地経済』であり、特に武漢市は不動産バブルにあるとされ、疫病の感染阻止で封鎖が長期化すれば不動産バブル崩壊が金融危機に発展するリスクを孕む。

 

ユーロ圏の景気後退入り懸念でもECBの政策手段は限られる

ドイツ、ユーロ圏経済が景気後退入りするとの懸念が再燃し始めている。現地時間14日に発表が予定されているドイツの10-12月期国内総生産(GDP)速報値は前期比+0.1%と、7-9月期と同水準の伸びを維持すると予想されている。前年比では+0.2%と、7-9月期+1.0%から伸びが鈍化する見込み。ユーロ圏10-12月期GDP改定値は速報値+1.0%から修正はなく、2013年10-12月期以降6年ぶりの低い伸びに落ち込むと予想されている。ECBの大規模緩和にもかかわらず域内経済が反発する兆候は見られない。 ユーロ圏経済が景気後退に陥ると、ECBの追加緩和観測がさらに強まる可能性がある。しかし、ECBの政策金利はすでにマイナスとなっている。また、更なる経済の下降時に対処する手段をECBが持っていないとの懸念もくすぶる。一段と景気が悪化した場合、対応策がないことが一段の不安につながりユーロの更なる売り圧力にもなりかねない。 

 

メルケル首相の後継争い再燃で混迷する独政局

ドイツ最大与党の保守、キリスト教民主同盟(CDU)のクランプカレンバウアー党首が10日、年内に党首を退任すると突然表明した。メルケル首相の後継として最有力視されながら党をまとめきれなかった。CDU党首は次期首相の座に最も近く、党内では後継争いが再燃する。メルケル氏のリベラル路線の是非も問われることになる。
地元メディアは12日、後継争いを相次いで報じ、2018年12月の党首選でクランプカレンバウアー氏に小差で敗れたメルツ元下院議員団長や西部の大規模州ノルトライン・ウェストファーレンのラシェット州首相ら有力者の動向を取り上げた。

 

米1月コアCPIが前年比上昇で米国債売られる

米労働省が発表した1月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.1%と予想外に12月+0.2%から低下し9月来の低水準となった。前年比では+2.5%と12月+2.3%から予想以上に上昇し、2018年10月来の高水準となった。連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している変動の激しい食品やエネルギーを除いたコアCPIは前月比+0.2%と、予想通り12月+0.1%から上昇した。前年比では+2.3%と、低下予想に反して12月と同水準にとどまった。コアCPIが前年比で上昇したため米国債相場は反落して、米10年債利回りは1.57%から1.61%まで上昇した。

 

米国市場では1月小売売上高が公表

12月実績は前月比+0.3%で市場予想と一致した。衣料品や建築資材の伸びが大きかった。1月については、雇用情勢がまずまず良好であることから、個人消費の減退は想定されていない。また、オンライン販売は順調とみられており、1月の数字は12月実績を上回る可能性がある。

 

欧米イベント

○15:30   1月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比2.92%)
○16:00   12月トルコ経常収支(予想:30.5億ドルの赤字)
○16:00   1月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   10-12月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比0.1%/前年同期比0.4%)
○16:00   10-12月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比0.2%)
○16:30   1月スイス生産者輸入価格
○19:00   12月ユーロ圏貿易収支(季調済、予想:193億ユーロの黒字)
        ユーロ圏貿易収支(季調前)
○19:00   10-12月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比0.1%/前年比1.0%)
○19:00   雨宮日銀副総裁、講演
○22:30   1月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.2%)
○22:30   1月米小売売上高(予想:前月比0.3%/自動車を除く前月比0.3%)
○23:15   1月米鉱工業生産指数(予想:前月比▲0.2%)
          設備稼働率(予想:76.8%)
○24:00   12月米企業在庫(予想:前月比0.1%)
○24:00   2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:99.5)
○15日01:45   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/02/13/15:13:54

日経平均株価:寄り付き前の新型コロナウイルス感染者報道でリスク回避

前日の米国株式市場は最高値を更新し、為替のドル/円も110円台を付け、朝方から好材料がそろったものの、寄り付き前に中国で新型コロナウイルスによる肺炎の死者と感染者急増が発表され、楽観ムードが後退した。結局、前日比33円安の2万3827円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:感染者急増報道受けリスク回避の円買い

ドル/円は、中国湖北省で新型コロナウイルスの感染者が急増し、死者も242人増えたことが判明した。この報道を受けて、ドル/円はリスク回避の円買いが強まり、110円台を割り込んで109.80円付近まで下落した。しかし、本邦輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたことに支えられ、110.00円付近まで値を切り返した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数のさえない動きを眺めたドル売り・円買いが入り、109.80円台へ軟化した。米長期金利が小幅低下したことも、ドルの押し下げにつながった。ユーロ/ドルは、最近発表されたユーロ圏の指標が低調で、欧州の景気先行きを警戒したユーロ売り・ドル買いが優勢となり、1.08ドル台後半の安値圏で推移した。

 

香港指数はアンダーウエート:モルガン・スタンレーリポート

モルガン・スタンレーは最新リポートで、新型肺炎の蔓延がすでにここ10年の低水準まで落ち込んだ香港経済にさらなる下押し圧力をかけるとの見方を示した。観光業や貿易、現地消費が深刻な影響を受け、2-3月に感染がピークを迎えた場合、1-3月期の香港域内総生産(GDP)は1-2ポイント押し下げられると試算している。影響が長引いた場合や、中国本土の生産回復に時間を要した場合、押し下げ幅は2-4ポイントに拡大するとした。『AAストックス』が12日伝えた。 モルガン・スタンレーは、香港の小売事業者が大きな影響を受けている一方、物件新規投入の減少や低い住宅ローン金利を背景に住宅価格はおおむね横ばいしていると指摘した。銀行に関しては、融資コストの上昇や競争激化を受けてリテール銀行業務の経常収益が低迷するとみて、慎重な見方を示した。『MCI』香港指数については『アンダーウエート』とした。

 

中国政府はインフラ整備と内需掘り起しで景気減速を和らげる狙い

中国財政部が前倒しで割り当てた2020年の新規地方政府債限度額が計1兆8480億元に達したことが分かった。
 中国経済紙『証券時報』は12日、財政部が先ごろ8480億元を前倒しで割り当てたと伝えた。内訳は一般債が5580億元、専項債(インフラ建設が目的の特別債券)が2900億元。昨年11月に専項債1兆元分が前倒しで割り当てられている。
 光大証券主任債券アナリストの超旭氏は、地方政府に今年の債券発行枠を前倒しで割り当てることで有効投資につなげ、新型肺炎が2020年1-3月期の中国経済に及ぼす影響をインフラ整備と内需掘り起こしにより和らげる狙いとの見方を示した。

 

ドイツの政局不安からユーロの上値が重い展開

来年秋の連邦議会選挙後の続投を否定しているメルケル首相の後継者候補と目されてきた与党・キリスト教民主同盟のクランプ=カレンバウアー党首が辞任することを発表した。これまでも度々資質を疑問視する声が浮上していたが、チューリンゲン州首相選出を巡る対応が最終的な引き金となった。
年央までに後継党首選を行い、前回党首の座を競った党内右派のメルツ元院内総務やシュパーン保険相、ラシェット・ノルトライン=ヴェストファーレン州首相が有力候補と目されている。
メルケル路線を踏襲するラシェット氏以外の候補が後継党首に選出された場合、中道左派の社会民主党との大連立解消に加えて、連邦議会選挙後の緑の党との連立の行方が危ぶまれる。ドイツの政治安定とポスト・メルケルの行方に不透明感が増している。

 

米国市場では1月消費者物価コア指数が公表

12月実績は前年比+2.3%で市場予想と一致した。住居費の上昇が寄与した。1月については、引き続き住居費のコストが上昇しているが、一部項目の上昇率は鈍化すると見られており、コアの物価上昇率は12月実績をやや下回る可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   1月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.6%/前年比1.7%)
○16:00   12月トルコ鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○17:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:30   1月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比2.4%)
         エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.2%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.0万件/174.5万人)
○24:00   シェルトン、ウォラー両氏の連邦準備制度理事会(FRB)理事指名承認公聴会
○14日02:00   パネッタECB専務理事、講演
○14日02:45   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○14日03:00   米財務省、30年債入札
○14日04:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.00%に引き下げ)

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/02/12/15:12:22

日経平均株価は上昇:ソフトバンクがけん引して上昇

前日の米国株式市場が堅調だったことが好感されたほか、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大の影響に対する懸念が後退し、地合いは落ち着いた。ただ、不安を感染には拭い切れておらず、上値を買い進むには材料不足との声も聞かれた。一方で、ソフトバンクグループ(SBG)が傘下の米携帯大手スプリント合併期待から急伸し全体相場の上昇に寄与し前日の半導体関連株の米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の上昇が半導体関連株への買いを誘いった。結局、前営業日比175年高の2万3861円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:110.00円を目前にして上値の重い展開

ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、109.90円付近までじり高となった。米長期金利が上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ただ、心理的節目の110.00円前後ではドル売り・円買いオーダーが厚いと見られているため、上げは一服した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、109.85円を挟んだもみ合いとなった。週後半に予定されている米経済指標や米大統領選に向けた民主党の候補者選びを見極めたいとの雰囲気から、積極的な売り買いは手控えられた。ユーロ/ドルは、1.09ドル台前半で小幅な値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

新型肺炎は2月にピークとなりその後は減少:中国政府の専門家チーム

感染症研究の第一人者で中国政府の専門家チームを率いる鐘南山氏がロイターのインタビューに応じ、新型コロナウイルスの流行は2月にピークを越える可能性があると指摘した。その後は横ばい状態が続いたうえで終息すると予想した。同氏によると、中国国内の一部の州では既に状況が改善しており、新たな感染件数が減少している。
同氏は2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)対策で大きな役割を果たし、国際的に高い評価を得た。

 

中国向け輸出の急減が円高の抑制要因

日本は中国向け輸出の依存度が高まっており、昨年1年の輸出総額に占める対中輸出の比率は19%に及んでいる。昨年1年の中国向け輸出は貿易摩擦や中国減速などで、前年比-7.6%減と3年ぶりに減少したが、それでも14兆6823億円と、2009年の10兆2356億円からは+43%の大幅増となってきた。これから中国が再減速となり、改めて対中輸出が落ち込むと、日本の貿易収支の悪化を通じて円安基調の要因となる。ただでさえ日本では昨年の貿易収支が、-1兆6438億円の赤字となった。昨年5月以降は6月と10月を除いて赤字化が定着している。2年スパンのトレンドを示す24カ月移動平均では、昨年5月から赤字基調へと転落してきた。


 

中国発のデフレは円高圧力を抑制する可能性も

現在の中国経済は新型肺炎が打撃となっており、先行き中国の景気悪化と物価下落が予想される。現状のところは最新1月の中国CPI(消費者物価指数)が前年比+5.4%となり、前月の+4.5%から上昇した。2011年10月以来の高い伸び率になっている。豚肉などの食品価格上昇のほか、春節連休前の需要が物価を押し上げた。
中国では1月のPPI(生産者物価指数)も前年比+0.1%の上昇となり、前月の-0.5%から7カ月ぶりのプラス回復になっている。中国での過剰供給の抑制を示唆するものだ。
現在は中国での新型肺炎により、日本企業を含めた中国でのサプライ・チェーン(供給網)寸断が警戒されている。生産活動の停滞は短期的に経済打撃となる反面、中国発の過剰生産や過剰在庫の是正に寄与していく。
日本にとっては企業業績の悪化が警戒されるものの、『中国発のデフレ・円高圧力』の伝播波及は制御される可能性がある。

 

中国景気減速の影響を受けユーロ圏も成長鈍化傾向

好調さを維持する米国経済の一方で、(株式市場は堅調ながらも)ユーロ圏の成長鈍化が目立つ。ユーロ圏では4番目の経済規模・スペインでは11日、政府による経済成長見通しが従来1.8%から1.6%に引き下げられた。くわえて失業率の悪化も予想されている。金融市場では新型肺炎に対する警戒感が大きく後退しているが、米格付け会社S&Pは、新型肺炎は中国経済の成長率を0.7%押し下げて20年は5.0%まで低下すると発表した。ユーロ圏でも中国と経済的結びつきを強める国が増加しているだけに、中国経済の回復に不透明感があるうちは通貨ユーロも買い難い展開が続く。

 

米国大統領選を意識した予算配分:財政規律の緩みが深刻化する可能性も

トランプ米政権が10日議会に提出した2021会計年度(20年10月~21年9月)の予算教書は、今後の財政赤字が毎年ほぼ一貫して減る楽観的なシナリオを示した。今秋に迫る大統領選を意識した予算配分も目立ち、財政規律の緩みが深刻化する恐れがある。
歳出の約3割を占める政策予算である『裁量的経費』の非国防予算が切り詰められる中、地方の公益事業インフラ支援などに85億ドル(約9300億円)、退役軍人省向け予算は前年から二桁増を要求した。米中貿易戦争で打撃を受けた農家、支持基盤の保守派への配慮がにじんだ。

 

欧米イベント

○17:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○18:50   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○19:00   12月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲1.6%/前年比▲2.3%)
○20:00   12月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.5%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   12月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比3.5%)
○21:00   12月インド鉱工業生産(予想:前年同月比1.8%)
○22:30   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○24:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、米上院銀行委員会で証言
○13日00:30   EIA週間在庫統計
○13日03:00   米財務省、10年債入札
○13日04:00   1月米月次財政収支(予想:115億ドルの赤字)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/02/10/15:11:40

日経平均株価は下落:先週末の米国株安を嫌気した売り優勢

先週末の米国株が大幅安となったながれを引き継ぎ、売りが優勢の展開となった。そのため、寄り付きから200円近い下落となった。大きく水準を切り下げて始まったが、その後は追加の売り材料が見当たらないことから下げ渋っているものの、戻りも鈍い展開となった。また、中国・上海株の戻り一服で短期筋による先物買い戻しが一巡し11日の祝日休場で取引を手控える海外長期投資家が多く商い低調で膠着感を強めた。結局、前日比142円安の2万3685円続落して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台後半でもみ合う展開

ドル/円は、新型コロナウイルスの感染者拡大が続き、中国本土の死者が900人を超えたことがリスク回避の円買いを誘い、1090円台半ばへ水準を切り上げた。しかし、東京市場では、日経平均株価の下げ幅縮小や上海総合株価指数の持ち直しに支えられてドル買い・円売りが進み、109.88円近辺までじり高となった。米長期金利が小幅上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。ただ、7日につけた110.04円が上値の目処として意識されると上げは一服し109.80円付近まで小緩んだ。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、109.70円台を中心とした狭いレンジ取引となった。ユーロ/ドルは、1.09ドル台半ばで方向感に欠ける値動きとなった。

 

中国株の下落懸念は後退しているがパンデミックの可能性は残る

新型コロナウイルスに関しては、中国株の下落懸念は、中国人民銀行による大規模な流動性供給やリバースレポ金利の引き下げ、夜間先物取引の中止、投機的な売りの禁止などが奏功して払拭されつつある。感染拡大への警戒感はワクチン開発などの報道で緩和されつつあるものの、感染者数は依然として増加傾向にあるため、パンデミック(爆発感染)に陥る可能性は残されている。 世界保健機関(WHO)は、ワクチン開発に向けて、研究と開発の優先事項を策定するために、2月11-12日にジュネーブで専門家会合を開く。関連報道が注目される。

 

中国での1月の日本の新車販売台数は減少

日産自動車が7日発表した中国市場における1月の新車販売台数は、前年同月比11.8%減の11万8143台となった。春節(旧正月)の大型連休で販売店の営業日数が少なかった上に、肺炎を引き起こす新型コロナウイルス感染の拡大が重なった。日系大手ではトヨタ自動車とマツダも前年実績を割り込んでおり、人気が高い日本車の販売にブレーキがかかった。新型肺炎は2月に入って一層深刻化しており、今後の販売減が懸念される。

 

米欧通商摩擦と英・EUのFTA交渉難航する可能性高くユーロは軟調

米国の2019年の貿易赤字は対中貿易赤字の減少などで減少していたものの、対欧州連合(EU)では1778.66億ドルとなり、2018年の1686.60億ドルから拡大した。12月の対米貿易黒字も拡大している模様である。トランプ政権がEUに対して自動車関税を賦課する可能性が高まれば、米欧通商摩擦が激化してユーロ売り要因となる。また、EUが金融危機後に成立させた第2次金融商品市場指令(MiFID2)の一部修正を検討しており、英・EUの自由貿易協定(FTA)交渉が難航する可能性が高まったことも、ユーロ売り要因となる。

 

今週の英国経済指標の結果次第では再び利下げ観測も

英国内で10-12月期GDPや12月鉱工業生産指数などが発表される。今年に入って英中銀当局者から先行き経済を懸念する声が多く聞かれ、利下げ思惑もくすぶっていたが、1月末の会合で利下げ支持のメンバーは前回と変わらずの2人にとどまった。ただ、EUとの通商交渉が難航することが見込まれる中、指標が景気減速懸念を強める内容となれば、再び利下げ観測が高まる可能性がある。

 

南アランドの上値は限定的

南アでは先週に入り再び電力会社が負荷制限を始めています。一時交通がピークに達したときには負荷制限を解除したが、電力の需要が高かったことで、電力会社はこのような緩和措置を行う余裕はないという声明を出した。電力施設のメンテナンスで今後18カ月は負荷制限が避けられないこともあり、ランドの上値を圧迫することになる。経済指標では11日発表される10-12月期の失業率に注目が集まる。7-9月期は29.1%まで失業率が上昇したが、もしこれ以上、失業率が上がった場合には、南アの治安がより一層悪化し、ラマポーザ政権も危機を迎える可能性がある。先週の企業景況感指数が落ち込んだ理由の一つが、治安の悪化とされているように、今回失業率が上昇した場合は治安悪化、ラマポーザ政権に対する信頼低下にもつながる。特に5割を超えている若年層の失業率悪化には警戒したい。また13日ラマポーザ大統領が第4次国家演説も行う予定となっている。

 

米民主党候補指名争いではブティジェッジ氏が勢い維持

米紙ボストン・グローブは6日、米大統領選の民主党候補指名争いの第2戦の予備選が11日に行われる東部ニューハンプシャー州での世論調査結果を発表した。それによると、3日の初戦アイオワ州党員集会で躍進した最若手のブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)が勢いを得て、ニューハンプシャー州でトップを走るサンダース上院議員を追い上げている。グローブ紙が州内の民主党支持者を対象に連続で行った調査によると、アイオワ州党員集会が開かれた3日、4位のブティジェッジ氏の支持率は11%だった。しかし、躍進が伝えられると、支持率が6日までの3日間で倍の23%に上昇して2位に浮上。この間7ポイント減らして11%となったバイデン前副大統領と立場が入れ替わった。6日発表のエマーソン大の調査でも、ブティジェッジ氏は2位に入り、バイデン氏の2倍の支持を得た。

 

欧米イベント

○15:45   1月スイス失業率(季節調整前、予想:2.6%)
○16:00   1月ノルウェーCPI(予想:前月比▲0.7%/前年比1.2%)
○16:00   11月トルコ失業率(予想:13.4%)
○16:30   1月スイスCPI(予想:前月比▲0.2%)
○22:15   1月カナダ住宅着工件数(予想:20.50万件)
○22:15   ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:30   12月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比2.8%)
○11日03:45   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○11日05:15   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/02/07/15:12:27

日経平均株価は下落:週末の利益確定売りが優勢

米国株高や円安を好感して、前日までの好地合い引き継いでものの、これまでの急な上昇に対する警戒感や上値の重さが意識され、高寄りした後は伸び悩んだ。その後、報道された日本のクルーズ船での新型肺炎感染者増加などが懸念された。また、7日の米雇用統計や週末を前にした調整的な売りが優勢となった。結局、前日比45円安の2万3827円と4日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避でも109円台後半で推移

ドル/円は、複数のメディアが『横浜港に停泊中のクルーズ船で、新たに41人から新型委コロナウイルスの感染を確認した』と報じたことで、持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、109.81円付近まで下落した。日経平均株価の下げ幅が一時100円を超えたことも、リスク回避の円買いを誘った。しかし、前日の欧州市場でつけた109.78円が下値エンドとして意識されると、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き109.90円付近へ値を戻した。午後は、日経平均株価をにらみながら、109.90円を挟んでもみ合いが続いた。ユーロ/ドルは、手掛かり材料難から積極的な売買は見られず、1.0980ドルでこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

新型コロナウイルスで世界の自動車産業に影響が出始める

新型コロナウイルスの感染拡大を巡る問題が、いよいよ世界の自動車産業に波及し始めてきた。自動車メーカーにとっては、今後数週間が重要な時期になる。中国で製造される部品は、他の場所で組み立てられる数百万台の自動車に使われており、新型コロナウイルスが最初に発生した湖北省は、自動車部品生産・出荷の主要拠点でもある。6日には、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が、中国の部品供給業者が操業を再掲できなければ、2∸4週間で欧州の工場1ヵ所の生産を止める可能性があると警告を発した。

 

トルコ建国100周年に向け観光戦略を発表

昨年11月、トルコ文化観光省は建国100周年にあたる2023年に向け、同年の観光客数7500万人、観光収益650億ドルを目指す観光戦略を発表した。トルコ統計局発表では、19年の観光収益は345億ドルであり、かなりアグレッシブな目標である。目標達成のために文化観光省は、プロモーション予算を2019年の7200万ドルから、20年には1億800万ドル、23年には2億2000万ドルまで拡大するもよう。そして、ターゲット市場として『中国、インド、韓国、日本』に重点を置きつつ、中欧や東欧市場の開拓を図るとしている。新型ウイルスの影響で今年前半は中国からの観光客増は見込めないなかで、日本に対する期待は高まる。

 

昨日の米国経済市場の結果:雇用関連の指標は強弱まちまち

 米労働省が発表した10-12月期非農業部門労働生産性速報値は前期比年率+1.4%となった。伸びは、7-9月期-0.2%からプラスに改善したが、市場予想+1.6%は下回った。同期単位労働コスト速報値は前期比年率+1.4%。伸びは7-9月期+2.5%からは鈍化したものの予想+1.3%を上回った。
米先週分新規失業保険申請件数は前週比1.5万件減の20.2万件過去最低となった2019年4月以来で最低の水準となった。一方で、失業保険継続受給者数は175.1万人と、前回170.3万人から増加し、予想172.0万人上回った。
非農業部門労働生産性速報値は予想を下回ったものの、失業保険申請件数は過去最低水準付近で推移しており、強弱まちまちの結果となった。

 

米国市場では1月雇用統計が公表

12月の非農業部門雇用者数は前月比+14.5万人とどまった。ただし、労働年齢人口の伸びやを維持するための必要な水準を維持しており、1月の雇用者数は12月実績をやや上回る可能性がある。失業率3.5%(前回3.5%)、非農業部門雇用者数は前月比+15.3万人(同+14.5万人)、平均時給は前年比+3.0%(同+2.9%)と予想される。

 

欧米イベント

○16:00   12月独貿易収支(予想:150億ユーロの黒字)
○16:00   12月独経常収支(予想:235億ユーロの黒字)
○16:00   12月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%/前年同月比▲3.7%)
○16:00   10-12月期ノルウェー国内総生産(GDP)
○16:45   12月仏貿易収支(予想:51.5億ユーロの赤字)
○16:45   12月仏経常収支
○16:45   12月仏鉱工業生産指数(予想:前月比▲0.3%)
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:6.00%に引き下げ)
○21:00   1月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.34%)
○21:00   1月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.50%)
○22:30   1月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化1.50万人/失業率5.6%)
○22:30   1月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化16.0万人/失業率3.5%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.0%)
○24:00   1月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00   12月米卸売売上高(予想:前月比0.4%)
○24:00   12月米卸売在庫(予想:前月比▲0.1%)
○8日01:00   米連邦準備理事会(FRB)、半期金融政策報告書を公表
○8日05:00   12月米消費者信用残高(予想:150億ドル)
○8日 アイルランド総選挙

 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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