FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/01/15/15:11:26

日経平均株価:利益確定売りが優勢となり下落

米中による『第1段階』通商合意の署名式を控え、利益確定売りが出やすかった。そのため、直近買われていた値がさの半導体関連や電子部品関連が売られた。また、香港・上海などアジア株の軟調を受けヘッジファンドなど海外短期筋が先物への売りを増やし現物株を押し下げた。結局、前日比108円安の2万3916円と4日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台後半でもみ合う展開

ドル/円は、ムニューシン米財務長官が『中国との第2段階通商交渉が合意するまで、中国製品に対する関税を維持する』と発言したことが嫌気され、109.80円近辺まで下落した。しかし、今晩予定されている米中貿易協議『第1段階』合意の署名式を見極めたいとの雰囲気から、下値を追う動きは限られた。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、109.95円付近まで持ち直した。午後は、日経平均株価やアジア主要株価指数の動向をにらみながら、109.90円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1130ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

需給ギャップは改善方向にあるものの物価の見通しは据え置き

物価(コアCPI)見通しは、日銀流需給ギャップがプラス1%を維持できており(10-12月期は一時的な低下となる見込み)、時間はかかるが物価上昇シナリオは頓挫しない。外部環境ではドル円が3ヵ月前の水準より円安方向、原油価格は若干の上昇と物価押し下げ圧力は弱まっている。 2020年度以降は成長率引き上げにより、需給ギャップの改善基調は続こうが、もともと強気な数字だったこと、景気と物価の連動性が弱まっていることから、10月時の数字を概ね据え置くことが見込まれる 。

 

今年のドル/円相場は『ドル高イヤー』になる可能性も

為替相場の季節的アノマリーとして、1月の新年入りからは円高・ドル安圧力が強まりやすい。しかし、今年は14日時点でドル高・円安方向に振れている。過去の1月中旬ドル高ケースでは、最短でも4月から6月、最長で12月にかけてドル高・円安トレンドが形成される経験則がある。ところで、季節的な1月入りからのドル安・円高ジンクスには背景として、①年末年始の休暇中に持ち越された国内輸出企業などのドル売りが雪崩を打つ、②日本企業による3月の年度末決算に向けた海外収益の円転(ドル売りなど)が累増していく、③米国企業の年末決算に向けた海外収益のドル転が一段落となる、④年末に向けた米国以外の金融機関による年越えドル調達が剥落していくなどといった季節要因がある。

1994年以降、昨年2019年までの計26年のうち、前年末終値比で1月14‐16日時点にドル高・円安が進展したのは8回の実績がある。そのうち1996年、1997年、2000年、2001年、2013年の5回までもが、前年末比でドル高基調が点火され、12月に年間ドル高値を形成する『ドル高イヤー』が観測されてきた。残りについても1999年は5月、2007年は6月、2001年は4月に、それぞれ年間でのドル高値を形成するまでドル高基調が形成されている。

 

トルコで今後国産車を生産販売予定:魅力ある車が作れるか?

トルコの自動車販売業者協会(ODD)によれば、乗用車と軽商用車を合わせた2019年の国内販売台数は48万台弱と、前年比では約23%低下したことが明らかになった。この販売台数は過去16年間で最低水準とされ、景気低迷による消費意欲の後退が伺える。もっとも、12月の販売台数は前年同月比で16%以上も増加しており、金利の低下傾向が強まるなかで昨夏以降は購買意欲も戻ってきている。 トルコには国産の自動車メーカーはない。そのため、販売されている車は仏・独・米メーカーを主流とした他国製である。そのトルコで昨年末、国産電気自動車のモデル車が公開された。今後は、トルコ政府が後ろ盾の合弁会社が合計220億リラを投じて量産を始めるものの、本格的な生産開始は2年以上も先とされた。くわえて、年間の生産見込みは18年発表当初の20万台から17万台に下方修正されている。さて課題としては、どれだけ魅力があるトルコ車を作れるかにある。

 

欧州市場では11月ユーロ圏鉱工業生産が公表

10月実績は前月比▲0.5%だった。資本財の生産減少を受けて低下した。11月については資本財、耐久財の生産水準がやや回復するとみられており、鉱工業生産は前月比で増加する可能性が高いとみられる。

 

米国の政策金利据え置きが正当化されるインフレ指標結果

米労働省が発表した12月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.2%と、予想外に11月+0.3%から低下し、9月来の低水準となった。前年比では+2.3%と11月+2.1%から上昇し2018年10月以降ほぼ1年ぶり高水準となったが、予想+2.4%は下回った。
連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ指標として注視している変動の激しい食料品や燃料を除いたコアCPIは前月比+0.1%と、予想外に11月+0.2%から低下した。9月来の低水準となった。ただ、前年比では+2.3%と、予想通り11月と同水準にとどまっており、FRBの政策金利を据え置く方針を正当化する。予想を下回ったインフレ指標を受けて米国債相場は上昇(金利は低下)した。米10年債利回りは1.85%から1.83%まで低下し、ドル売りが優勢となった。

 

欧米イベント

○16:45   12月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.4%/前年比1.4%)
○17:30   12月スウェーデンCPI(予想:前月比0.4%/前年比1.8%)
        コア指数(予想:前月比0.5%/前年比1.7%)
○17:40   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:40   サンダース英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○18:30   12月英CPI(予想:前月比0.2%/前年比1.5%)
         CPIコア指数(予想:前年比1.7%)
          小売物価指数(RPI、予想:前月比0.4%/前年比2.3%)
○18:30   12月英PPI(食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比1.0%)
○19:00   11月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.3%/前年比▲1.1%)
○19:00   11月ユーロ圏貿易収支(季調済、予想:220億ユーロの黒字)
        ユーロ圏貿易収支(季調前、予想:233億ユーロの黒字)
○20:00   11月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.5%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   11月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比3.8%)
○22:30   12月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比1.3%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.3%)
○22:30   1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:3.6)
○16日00:30   EIA週間在庫統計
○16日00:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○16日01:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○16日01:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○16日02:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○16日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○米中貿易協議の『第1段階合意』の署名式

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/01/14/15:16:39

日経平均株価指数:米中通商合意でリスク選好の株買い継続

米中対立の緩和期待や為替の1ドル=110円の円安を追い風に朝方から主力の輸出関連株が堅調に推移した。市場の関心が米中の『第1段階』の通商合意に向かう中、米財務省が外国為替報告書で中国の『為替操作国』認定を解除したことが伝わり、投資家心理がリスク選好に傾いた。結局、前営業日比174円高と3営業日高の2万4025円で終了した。

 

東京外国為替市場:約8か月ぶりのドル高の110円台でもみ合い

ドル/円は、米中通商交渉の進展期待や日経平均株価の続伸を背景に一時110.21円程度まで上昇し、約8ヵ月ぶりの高値を付けた。米財務省が13日に中国の為替操作国認定を解除したことも、リスク選好の円売りを誘った。ただ、昨年5月23日につけた110.36円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。久しぶりに110円台へ乗せたことで、本邦輸出企業などがドル売り・円買いに動き、110.05円近辺まで低下した。午後は、日経平均株価やアジア主要株価をにらみながら、110.10円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1135ドル近辺でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中間の第1段階貿易協定の署名に期待

劉副首相が率いる貿易交渉団が13日から訪米し、15日には第1段階貿易協定の署名式が盛大に行われる。2年間にわたった貿易戦争が停戦に向かうことになる。さらに、初めて、概要も公表される。中国政府は依然、3700億ドル規模の商品に対する関税が維持されるため、関税の解消が不十分とし、合意にいったん躊躇したようだが、合意により米国政府が12月の半ばに計画していた1560億ドルの消費関連品に対する関税を免れたほか、一部の関税率が引き下げられることになった。また、合意の中に、為替操作に関連する状況が含まれるため、米国政府は中国の為替操作国との認定を解消する。第1段階貿易協定の合意にともない、第2段階の協定に向けた交渉が速やかに開始される。それとは別に、米中は経済改革を推し進め、対立解消のために年2回の経済協議を再開することで合意した。 

 

電気自動車(EV)独では大量に雇用失われる可能性

独ハンデルスブラット紙は13日、電気自動車(EV)への移行に伴い、2030年までにドイツで41万人の雇用が失われる可能性があると報じた。ドイツ連邦政府主導の専門者会議『未来のモビリティの国家プラットフォーム(NPM)』の報告書を引用して伝えた。それによると、エンジンとトランスミッションの製造関連だけで、およそ8万8000人分の職が失われかねないという。同紙によると、報告書は、EVのエンジンは燃焼機関よりも必要とする部品が少なく、メンテナンスの回数も少なくて済むため、レイオフが起こると説明している。 同紙は、NPMのカガーマン会長の話として、自動車生産は今後一段とオートメーションが進み、現行の雇用水準は維持できなくなると報じた。ドイツの自動車産業の雇用者数は2018年は83万4000人で、1991年以来の高水準に達した。

 

歴史的な降雨量の減少でパナマ運河の通航制限の可能性も

パナマ運河庁は13日、1日当たりに通航できる船舶を現状よりも制限するとともに、追加料金の徴収を始めると発表した。歴史的な降雨量の減少で通過する人造湖の水位が大幅に低下しているため。通航制限によってさらなる水位低下を防ぎ、大型船舶の通航を維持したい考えだ。パナマ運河は現状では1日当たり最大で32隻の船舶が運航しているが、2月15日からは最大で27隻とする方針となった。パナマ運河庁によると2018年の降雨量は平均よりも20%少なく、過去70年間で5番目に乾燥した年だった。
パナマ運河は主に米東海岸とアジア地域を結ぶ重要な航路の1つとなっており、日本企業の利用も多い。このまま降雨量が減り水不足が深刻になれば、運河の通航が現状以上に難しくなる可能性もあり、世界的な物流網にも影響を及ぼしかねない。

 

FRB当局者の間では政策金利の据え置きの見方で一致

米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、インフレ率が米連邦準備理事会(FRB)の物価目標である2%に向かうことが確認されるまで、利上げのハードルは『非常に高い』と指摘した。また米経済での過度な借り入れや金融面での不安定性を判断するには『体系的な』証拠が必要との認識を示した。
ボスティック総裁はアトランタ・ロータリークラブでの講演で『緊縮政策を行うハードルは非常に高いだろう。FRBはインフレを伸ばすために十分な経済成長を容認する見通しだ』と語った。
一方、米ボストン連銀のローゼングレン総裁は、FRBは突然の物価上昇のほか、低金利の継続によって不動産などの資産価値が高騰し、経済破綻につながる恐れがあることを警戒しなければならないと強調した。

FRB当局者の間では、政策金利が当面据え置かれるとの見方でおおむね一致している一方、利上げが適切かどうかを判断する際の金融リスクを巡る懸念については見解が分かれていることが明らかになった。

 

欧米イベント

○15:30   12月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比2.15%)
○16:00   11月トルコ鉱工業生産(予想:前月比1.0%)
○17:00   10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数(予想:▲8)
○17:30   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:30   12月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比2.3%)
      エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.3%)
○23:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加
○15日02:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○15日03:00   ジョージ米カンザスシティー連銀総裁、講演
○15日04:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/01/10/15:20:50

日経平均株価:高値警戒感から上値の重い展開

前日の米国株高を好感した買いや、朝方はSQ算出に絡む買い注文も加わり、上昇して始まった。しかし、3連休を控えていることや、高値警戒感から伸びを欠いた動きとなった。年末にもたついた水準まで戻したが、日経平均で2万4000円レベルでは重いとの印象があり、上値を積極的に買う様子はなかった。結局、前営業日比110円高の2万3850円と続伸して終了した。また、日経平均のSQ(特別清算指数)値は2万3857.19円となった。

 

東京外国為替市場:全般リスク選好の円売りが若干優勢

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、109.58円まで上昇した。米中通商交渉が進展するとの期待が高まっていることも、リスク選好の円売りを誘った。しかし、中東情勢の先行き不透明感が強まっているため、上値を追う動きは限られた。その後は、週末を控えた利益確定や持ち高調整などのドル売り・円買いも見られ、109.50円近辺まで下落した。午後は日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、109.50円台を中心とした狭い値幅で取引された。ユーロ/ドルは1.1110ドル前後でこう着した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

今年の世界経済成長は2.5%:世界銀行

世界銀行が8日に発表した最新の世界経済見通し(GEP)を報じている。GEPは2020年の世界成長率予測を2.5%とし、昨年6月時点での予想から0.2ポイント下方修正した。19年成長の2.4%からは緩やかながらも上向きだが、同年の成長率はここ10年で最低水準とされている。 世界経済のリード役である米中の成長率は、米国が1.8%と前回予測から0.1%上方修正の一方、中国が5.9%と0.2%下方修正された。中国においては、(第1段階の合意はなされたものの)米国との貿易摩擦が、内需の弱含みとともに成長の足かせとなっている。

 

急速に積み上がる世界の債務拡大

低金利を背景に2010年から始まった世界の債務拡大の波は、1970年代から数えると第4波目となる。第1波が1970年から1989年、第2波が1990年から2001年、そして第3波が2002年から2009年だ。そして波の最後には、世界的な金融危機に辿り着いた。4波目の今回、前3波と比べると『最大で最速、そして広範囲に及ぶ債務増加』とされている。2018年、世界債務の合計は世界GDPの2.3倍と過去最高に達し、そのなかでも新興・途上国の債務伸び率(2010年と比較すると54%)が危惧されている。れらの国々が陥りやすい問題、『対外債務比率が多いにもかかわらず外貨準備高が少なく、持続不可能なマクロ経済政策にくわえて構造・制度的な弱さ』が指摘される。国際金融協会(IIF)の調査によれば、19年上半期までで世界全体の債務残高は約250兆9000億ドルまで膨れ上がった。1ドル=110円換算とすると約2京7600兆円になる。

 

イランは対米戦争など望むべくもない理由

市場を席捲した米国とイランの緊張は、威嚇応酬は続くとしても、イランは対米戦争など望むべくもなく、1)インフレ率35%の疲弊した経済にあって国民経済を犠牲に本格的な軍事行動は不可能であり、2)何より殺害された司令官は実は『ならず者シーア派テロリスト』と疎まれ報復の代償は大きすぎるなど2つの理由から中東地政学リスクの短期収斂を想定している。確かに、同司令官は、最高指導者ハメネイ師直轄イラン革命防衛隊で対外工作を担う『コッズ部隊』を率い、イラクやシリア等のイスラム教スンニ派の過激派組織『イスラム国』(IS)掃討作戦を指揮、近年のイランの中東での影響力拡大の立役者でありロシア訪問時にはプーチン大統領が面会に応じた大物だった。しかし、イラクでIS掃討を口実に内政介入を強めてきたイランに生活苦を訴える反政府デモの怒りの矛先が向けられ『独立愚連隊』と揶揄されるなど革命防衛隊の影響力に陰りが出ていた。


 

米中は貿易第1段階協定を来週署名で米景気見通し改善

中国商務省は劉副首相が第1段階合意署名 のため1月13日から15日に交渉団を率いて訪米すると発表した。これより前、トランプ大統領はすでに『米中貿易部分協定は合意しており、15日に署名する』と表明していたものの、中国側の正式発表がなかったため、米中部分貿易合意の行方に懐疑的見方も広がっていた。中国の発表で正式な合意成立がより確実となった。

中東情勢の緊迫化やトランプ大統領に対する弾劾へのリスクがくすぶるが、引き続き強い米国の労働市場や貿易協議の進展で少なくとも追加関税が避けられる見通しがたったため、製造業や企業の設備投資の低迷が少なくとも一段の悪化を回避可能と見られ、米国経済の成長を助ける。
第1段階貿易協定の合意により中国は米農産物の購入を500億ドル規模に増やす。一方、米国は昨年12月15日に計画されていた1560億ドル規模の中国消費関連の製品を対象とした新たな関税を見送り、さらに1200億ドル規模の中国輸入品に対する15%関税を半分に引き下げる。

 

欧米イベント

○15:45   12月スイス失業率(季節調整前、予想:2.4%)
○16:00   12月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%/前年比1.5%)
○16:00   10月トルコ失業率
○16:45   11月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.1%)
○18:30   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:00   11月インド鉱工業生産(予想:前年同月比▲0.6%)
○21:00   12月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比1.08%)
○21:00   11月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比1.0%)
○22:00   12月ロシアCPI(確報値、予想:前月比0.4%)
○22:30   12月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.50万人/失業率5.8%)
○22:30   12月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化16.4万人/失業率3.5%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.1%)
○24:00   11月米卸売在庫(予想:前月比0.1%)
○24:00   11月米卸売売上高(予想:前月比0.2%)

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/01/09/15:09:09

日経平均株価:中東情勢の緊迫化後退でリスク選好の買い優勢

懸念されていた中東情勢の緊迫化は、前日のイランによる攻撃が象徴的なものにとどまった印象がある一方、トランプ米大統領が軍事力行使の必要性を拒否したことで、リスクオフのムードが一気に後退した。また、円安が急速に進んだことが好感され、輸出関連株を中心に全面高の様相を呈した。結局、前日比535円高の2万③⑦39円と大幅反発で終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売り優勢

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ109.25円近辺まで上昇した。米国とイランの軍事衝突は回避されるとの見方が広がっていることも、リスク選好の円売りを誘った。しかし、前日の欧米市場から一歩雲長氏の上げが続いたため、上値では利益確定売や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、109.20円前後でもみ合った。午後に入っても、109.20円台を中心とした狭い値幅でのもみ合いが続いた。ユーロ/ドルは1.1115ドル前後でこう着した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

世界の成長率は2019年は金融危機以降最低の伸び

世界銀行は8日発表した経済見通しで、2020年の世界の成長率を2.5%と予測した。米中貿易協議『第1段階の合意』でリスクが後退したことを受け、19年の2.4%からわずかに加速すると予想した。ただ主要国の景気回復が鈍く、19年6月公表の前回予測から0.2ポイント下方修正した。日本の成長見通しは0.7%に据え置いた。
21年は2.6%、22年は2.7%と緩やかな回復を見込む。19年はリーマン・ショック後にマイナス成長に陥った09年以来の低い伸びにとどまる。

 

 

中国側からも米国との第1段階合意に向けて準備を進めていると伝わる

『環球時報』の胡錫進編集長はこのほど、ツイッターを通じて、中国が「第1段階合意」の署名に向けて米国と積極的に準備を進めていることを明らかにした。
胡氏は官製メディアの代表的な人物として知られ、同氏の発言に対する国内外での注目度は高い。これまでの報道によると、中国の劉鶴副首相は今月13日に米国を訪問し、15日にホワイトハウスで合意書の署名を行う予定となっている。一方、中国当局はこれまでのところ、署名の日程について説明を行っていない。

 

イスラエルが攻撃されれば大規模紛争に至る懸念

イラン革命防衛隊は8日、国営メディアを通じて『シオニスト体制(イスラエル)は犯罪国家の米国と一体だ』とし、攻撃対象に含まれると示唆した。イスラム教シーア派大国のイランはパレスチナ問題の原因を作ったとして米の同盟国イスラエルを敵視し、周辺国の民兵組織と連携して『シーア派の弧』と呼ばれる親イラン勢力を構築してきた。イスラエルが攻撃されれば米国を巻き込む大規模紛争に至る懸念がある。
イラク、シリアをへてレバノンに至る親イラン勢力のネットワークが『シーア派の弧』だ。革命防衛隊の元司令官は昨年、取材に対し、この戦略について、『周辺国の民兵組織支援はイランの安全保障戦略の根幹だ。イランが攻撃にさらされればこうした組織が米軍やイスラエルを襲撃する』と語っていた。イランは特にイスラエルに隣接するシリアとレバノンに布石を打ってきた。

 

中東情勢悪化での原油高はトルコ経済の悪化の懸念

一昨年のトルコは、対米関係の悪化によるリラ相場の暴落やインフレ昂進を受け、中銀は大幅利上げに追い込まれた。しかし、昨年は米FRBの『予防的利下げ』も追い風にリラ相場は安定し、インフレ鈍化を受けて一転大幅利下げに動いた。昨年末以降、エルドアン大統領は度々今年の政策金利を一桁台にすべく、中銀に利下げ実施への圧力を掛けてきた。ただし、インフレ率は昨秋に一時的に一桁台に鈍化するも、足下では再び加速感を強めている。 対米関係悪化の火種も残るなか、中東情勢悪化による原油高で経済のファンダメンタルズ悪化も懸念される。同国は『世界10大リスク』に挙げられており、中東情勢が同国を一段と危うい方向に誘うリスクも要注意だ。

 

1月10日の12月米国雇用統計:強い労働市場が継続するとの見通し

市場エコノミストは平均予想で、失業率が3.5%と50年来の低水準を維持、非農業部門雇用者数は前月比+16万人と、11月の+26.6万人から伸び鈍化するものの、健全な伸びが継続すると予想している。
先行指標の中で、米労働省が発表する雇用統計と最も相関性が強いとされる民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の12月分は前月比+20.2万人と、予想外に4月来の20万人台の増加となった。11月分も6.6万人から12.4万人に上方修正されており、雇用統計にも期待が集まる。強い労働市場は賃金の上昇に繋がり消費を押し上げ、2020年の米国経済の成長を引き続き支援していくことになりドル支援材料となる。現在の地政学的リスクが長期化、深刻化しない限り、米連邦準備制度理事会(FRB)も2020年を通じて政策金利を据え置くと見られる。


欧米市場のイベント

○16:00   11月独貿易収支(予想:213億ユーロの黒字)
○16:00   11月独経常収支(予想:238億ユーロの黒字)
○16:00   11月独鉱工業生産(予想:前月比0.7%/前年同月比▲3.7%)
○16:30   11月スイス小売売上高
○18:30   カーニー英中銀(BOE)総裁、講演
○19:00   11月ユーロ圏失業率(予想:7.5%)
○21:00   12月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.51%)
○22:00   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○22:15   12月カナダ住宅着工件数(予想:21.00万件)
○22:30   11月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比1.0%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/172.0万人)
○23:30   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○10日01:30   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○10日02:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○10日02:45   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○10日03:00   米財務省、30年債入札
○10日03:00   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○10日03:20   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○10日03:45   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○10日04:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○10日04:10   バイトマン独連銀総裁、講演
〇英下院、欧州連合(EU)離脱関連法案の採決

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/01/08/15:21:36

日経平均株価:中東情勢悪化懸念から売り優勢

イランがイラク領内の米軍基地を空爆したとのニュースを受け、朝方の為替市場でドルが一時107.60円近辺まで円高が進むと、株式市場も朝方から全面安の展開となった。ただ、イラン外相が『報復は一旦終了した』とツイッター投稿し中東情勢悪化懸念が後退してドル/円が買い戻されると、日経平均先物にショートカバーが入り下げ幅を縮小した。結局、前日比370円安の2万3204円と大幅反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いも一巡すると買い戻し

ドル/円は、イランがイラクの米軍基地を攻撃したことを背景に一時107.60円近辺まで急落し、約3か月ぶりの安値をつけた。日経平均株価の下げ幅が一時600円を超えたこともあり、リスク回避の円買いに拍車をかけた。しかし、一部海外メディアが『イランは米国の報復がない場合は、これ以上の攻撃は行わない』と報じると、短期筋などからショートカバーが持ち込まれ、108.20円近辺へ値を戻した。その後も、イランと米国の軍事衝突は回避されるとの思惑から、さらにドル買い・円売りが進み、108.40円台へ急反発する荒い値動きとなった。午後は、日経平均株価や米長期金利の動向をにらみながら108.30円台を中心とした狭い値幅でもみ合いとなった。イランの報復に関する報復に関する米政府の対応を見極めたいとのムードが強く、積極的な売り買いは手控えられた。ユーロ/ドルは中東の地政学リスクが警戒されているため、有事のドル買いが優勢となり、1.11ドル台半ばの安値圏で推移した。

 

本日のイランによるミサイル攻撃と市場動向の流れ

朝方から慌ただしい市場となった。NY市場引け際には『イラクの米軍基地がイランのミサイル攻撃を受けた』と報じられると円高基調となり、一時108.35円まで円高が進んだものの、その直後に『サイレンのテストをしただけだった』ことが分かり108.52円近辺まで買い戻される展開となった。しかし、その1時間後には再び『イラクの別の米軍基地がイランのミサイル攻撃を受けた』ことが伝わった。今度はフェイクニュースではなく、イラン側からも『攻撃した』ことが表明されたほか、数十発に上るミサイルやロケットが2か所の米軍基地に着弾した状況が伝わってきた。市場は当然のようにリスクオフの動きとなった。
 CNNがシチュエーションルームに入ったトランプ米大統領が『今夜にも国民向けに演説する』とのフェイクニュースを流すと、『演説後に本格的な開戦』との思惑が急速に台頭することになった。また、かなり過剰な反応を示したのが米10年債で利回りは一時1.7032%まで急低下した。ただ、その後はイランから『米国からの報復がなければこれ以上の攻撃はしない』ことが伝わったほか、ホワイトハウスからは正式に『トランプ米大統領は今夜演説をしない』ことが発表されると、一斉に買い戻の動きになった。

エスパー国防長官もシチュエーションルームを後にして帰宅の途についたことが報じられるなか、最後はトランプ米大統領が『全く問題ない。イランから2か所にミサイル攻撃を受けたが、被害状況などは今確認しているところだ。米国は世界中に強固な軍事施設を持っている。これまでのところ大丈夫だ。明日の朝、会見する』とかなりの余裕ツイートとなると、108.46円近辺まで全戻しの状態となった。 

 

米国とイランの対立激化はトルコリア売りにつながる

イランと米国の対立激化への懸念が高まるなか、イランの隣国であり、(核兵器が配備されている)米空軍基地もあるトルコが紛争に巻き込まれるとの警戒感も強い。中東の緊張が緩和されない限りは、トルコの通貨リラを積極的に買う地合いにはなりにくい。

 

イランのミサイルによる米軍の死傷者は確認されず

アメリカ国防総省は、イランが、イラクに駐留するアメリカ軍の拠点をねらって十数発の弾道ミサイルを発射したと明らかにした。イラン側は、アメリカ軍が精鋭部隊の司令官を殺害したことへの報復だとしている。アメリカの複数のメディアは、政府関係者の話として、これまでのところ今回のイランからの攻撃によるアメリカ軍兵士の犠牲者は確認されていないと伝えている。

 

米国経済は順調に成長していることを裏付ける結果

米供給管理協会(ISM)が発表した12月ISM非製造業景況指数は55.0と、11月の53.9から予想以上に上昇し8月来最高となった。予想外に10年ぶり低水準に落ち込んだISM製造業指数とは対照的な結果となった。ただ、2019年通年の平均は55.5にとどまり3年ぶり低水準で、2018年の58.9から低下した。また、項目別では主要項目となる新規受注が54.9と、11月57.1や6カ月平均56を下回った。サービス業の雇用も50を上回ったものの55.5から55.2へ低下し雇用拡大ペースの鈍化を示唆した。輸入も48.0と、4カ月連続で50を下回った。 同時に、米国経済の7割を消費が占めるためサービス業が予想通りに拡大したことは順調な成長を裏付ける結果となった。

 

トランプ大統領の貿易赤字是正策が奏功して赤字額は減少

米商務省が発表した11月貿易収支は431億ドルの赤字となった。赤字幅は予想436億ドルを下回り10月469億ドルから縮小した。2017年2月以降3年ぶり最小となった。輸出の増加が赤字縮小につながった。対中は輸入が減少したため6年ぶり低水準となった。トランプ大統領の貿易赤字是正策が奏功した形が現れた。

 

欧米イベント
○16:00   11月独製造業新規受注(予想:前月比0.3%/前年同月比▲4.7%)
○16:45   12月仏消費者信頼感指数(予想:104)
○16:45   11月仏貿易収支(予想:50億ユーロの赤字)
○16:45   11月仏経常収支
○19:00   12月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲8.1)
○19:00   12月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:101.4)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数(2週分)
○22:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○22:15   12月ADP全米雇用報告(予想:16.0万人)
○24:00   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○9日00:30   EIA週間在庫統計
○9日03:00   米財務省、10年債入札
○9日05:00   11月米消費者信用残高(予想:150億ドル)
○ロシア(新年休暇)、休場

 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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