FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/03/09/15:26:49

★米国は8日から夏時間に移行済み

 

日経平均株価:原油価格急落と円高進行を嫌気した売り

週末に『OPECプラス』の協調減産協議の決裂やサウジアラビアの原油大幅増産計画などを受け、原油価格が急落したことが嫌気されほか、為替の円高進行に伴って朝方から全面安の展開となった。市場では、原油価格の急落という新型コロナウイルスとは別の次元から切り込んできた話によって想定外の下落となった。心理的な節目の2万円を下抜けても下げ止まらず、一時1万9500円を割り込んだ。日銀の株式ETF買いが意識されたが、下げの勢いは止まらなかった。結局、前週末比1050円安の1万9698えんと大幅続落で終了した。

 

東京外国為替市場:円買いが殺到し一時101円台半ばへ

ドル/円は、新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大していることや、日経平均株価の大幅続落を背景にドル売り・円買いが殺到し、104円台前半から一時101.51円まで暴落しておよそ3年4ヵ月ぶりの安値を付けた。原油先物相場の急落やNYダウ先物の大幅安も、リスク回避のドル売り・円買いに拍車をかけた。ただ、このところ一本調子の下げが続いているため、下値では本邦実需筋などのドル買い・円売りが入り、102円台後半へ切り返す荒い展開となった。午後は、急低下していた米長期金利の持ち直しに支えられ、103円台を回復する場面があった。しかし、世界同時株安で、リスク回避姿勢が強まっていることからドル買い・円売りは続かず、102.60円近辺へ押し戻される展開となった。ユーロ/ドルは、米国内での新型コロナウイルスの感染拡大や、FRBの追加利下げ観測を背景としたドル売り一巡後は、1.13ドル台後半へ水準を切り下げた。

 

不安心理の高まりから金ETFの2月末残高は3000トン

世界の金上場投資信託(ETF)が価値の裏付けとして保有する金現物の残高が2月末時点で初めて3000トンを超えた。新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に景況感が悪化しており、安全資産を求めるマネーの金への流入に拍車がかかった。金の国際価格は7年1カ月ぶりの高値まで上昇し、金ETFの運用残高も7年4カ月ぶりに過去最高に達した。金への資金集中は不安心理の広がりを映している。

 

東京五輪中止なら損失総額は7.8兆円:SMBC日興

SMBC日興証券は6日、新型コロナウイルス感染が7月まで収束せず、東京五輪・パラリンピックが開催中止に追い込まれた場合、約7.8兆円の経済損失が発生するとの試算を公表した。国内総生産(GDP)を1.4%程度押し下げ、日本経済は大打撃を被るという。SMBC日興は、新型ウイルスの世界的な感染拡大が7月まで長期に及ぶ場合は五輪開催中止の可能性が高いとみている。五輪に絡む損失では、宣伝や輸送といった大会運営費に加え、訪日客を含む飲食・グッズ購入など観戦関連支出で計6700億円とはじいた。新型肺炎の感染拡大が収まらず、国内消費のほかサプライチェーン(部品供給網)の依存度が高い中国を取引先とする輸出入減少などの影響と合わせると、損失総額は7.8兆円程度に上ると見込んだ。 

 

東京五輪が中止ならマイナス成長に:ゴールドマンのリポート

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による経済への悪影響が警戒される中、ゴールドマン・サックス証券は6日付のリポートで『新型コロナの国内感染が4月末にかけて実質的に終息することを標準シナリオとしているが、国内感染が相当に長期化し、オリンピックも中止を余儀なくされるという厳しい環境下でのストレス・シナリオを想定し、その下で日本経済に対する影響をシミュレーションする』との見解を示した。ゴールドマンは東京五輪の経済効果を8000億円程度(年感の国内総生産の0.15%)と試算しながら、『5月末までに新型コロナの国内感染の影響に歯止めが掛からず、東京オリンピックの中止が決定される場合には、①オリンピックによる経済効果の喪失だけでなく、②長期化する新型コロナ問題による悪影響が日本経済に圧し掛かることになる』としながら、『GDPに対する影響は、後者の要因の方が圧倒的に大きい』とし、ストレス・シナリオの下で東京五輪中止の影響も含め、2020暦年(年度)の成長率は標準ケースをマイナス0.9パーセントポイント(マイナス1.2パーセントポイント)それぞれ下回りマイナス2.0%(マイナス1.6%)となると試算した。

 

減産交渉が決裂したことでサウジアラビアが増産方針で原油暴落

OPECとロシアなど非加盟の主要産油国は、3月末が期限となる現行の日量210万バレルの減産の枠組みを継続・強化することをめざしたが、ロシアの反対で交渉が決裂した。そのため、世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアは自主的な減産を取りやめ、石油増産に転じる見込み。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国の減産交渉が決裂したことが背景にある。2016年ごろから実施する価格下支えの取り組みをやめシェア重視の戦略に転換した。新型コロナウイルスが石油需要に影を落とす中、石油価格下落に拍車をかける可能性がある。ロイター通信などによると、サウジは現在日量970万バレルの生産量を4月に日量1000万バレルを超す水準まで引き上げる方針とした。OPEC内部の合意と別にサウジが自主的に実施している減産をとりやめるかたちとなる。生産能力いっぱいの日量1200万バレルまでの増産の可能性も非公式に示唆している。

 

NYダウのボラティリティの近年にない多さ

NYダウが今年に入り前日比で3%超上昇・下落したのは6日までに6回。2019年(2回)や18年(5回)をすでに上回った。リーマン・ショックが起きた08年(38回)や翌年の09年(15回)並みの多さとなる可能性がある。加速する金利低下を『景気悪化の予兆』とみる株式市場では日増しに先行きへの懸念が高まる。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは3日に初めて1%を下回り、6日には一時0.66%と過去最低を更新した。日本の長期金利が初めて1%を下回ったのは1998年である。その後、スイスやドイツなどが続き、米国も仲間入りした形となる。

 

欧米イベント

○15:45   2月スイス失業率(季節調整前、予想:2.6%)
○16:00   1月独貿易収支(予想:150億ユーロの黒字)
○16:00   1月独経常収支
○16:00   1月独鉱工業生産(予想:前月比1.7%/前年同月比▲3.8%)
○21:00   2月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.28%)
○21:15   2月カナダ住宅着工件数(予想:20.65万件)
○21:30   1月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲3.0%)
○ロシア(国際婦人デーの振替休日)、休場
○米国は8日から夏時間に移行済み

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/03/06/15:17:50

日経平均株価:米国株安に連れた売り優勢で大幅安

前日の米国株式市場で主要株価3指数は3%超安となった。米国の下げや円高が嫌気され、東京市場は朝方から売り一色となり、東証1部に上場する銘柄の96%が値下がりした。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、市場は値動きの荒い展開が続いている。市場からは『新型ウイルスの終息が見えず、織り込みきれていない。米国株との連動性も変化しており、国内での感染状況も大きく材料視されるようになった』との声も出ている。結局、前営業日比579円安の2万0749円と反落して終了した。PBR1倍が心理的押し目となった。

 

東京外国為替市場:日本株安と米長期金利低下でリスク回避の円買い

ドル/円は、日経平均株価の大幅安や米長期金利が過去最低水準を更新したことを背景に、下値を模索する展開となり、105.85円付近へ下落した。韓国やイタリアで新型コロナウイルスの感染者が急増していることやアジア主要株価の下落も、リスク回避の円買いを誘った。午後もこの流れは続き、105.76円付近まで下落し、およそ半年ぶりの安値を付ける場面があった。しかし、昨年9月3日につけた105.74円が下値の目処として意識されると、下げは一服した。その後は、今晩発表される2月米雇用統計やFRB当局者の講演を控えて様子見ムードが広がり、105.80円台を中心にもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、米長期金利の急低下やFRBの追加利下げ観測を手掛かりとしたドル売りが一巡すると、1.1235ドル前後で方向感に欠ける値動きとなった。

 

投資家のクレジット商品離れ

新型コロナウイルス感染拡大が世界の金融市場を揺さぶる中、社債やローン債権に投資する米国のファンドから投資家は過去1週間に計122億ドル(約1兆2950億円)を引き揚げた。リフィニティブ・リッパーによると、3月4日終了週の資金流出入は、高格付け債ファンドが48億ドル、ジャンク債ファンドが51億ドル、レバレッジドローン・ファンドが22億9000万ドルのそれぞれ純流出となった。新型ウイルスの感染拡大が経済成長率を押し下げ、企業のキャッシュフローを圧迫するとの懸念が強まっており、投資家のクレジット商品離れが進んでいる。

 

OPEC非加盟国も減産に賛同するか

石油輸出国機構(OPEC)は5日にウィーンで開いた公式閣僚会合で、日量150万バレルの追加減産を実施する方針で合意した。追加減産の期限は当初6月末までとしていたが、その後に開いた非公式会合後に発表した声明で2020年末までとすることを提案した。 追加減産はロシアなどOPEC非加盟国の参加が条件で、非加盟国には追加減産分のうち日量50万バレルの削減を要請する。現行の日量210万バレルの減産は年末まで維持する。

 

米国労働生産性や労働コストが予想下回ったことで長期金利低下

米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比3000件減の21.6万件となった。市場予想の21.5万件を小幅上回った。失業保険継続受給者数は172.9万人と、前回172.2万人から増加したが、市場予想の173.8万人を下回った。米10-12月期非農業部門労働生産性改定値は前期比年率+1.2%と、速報値+1.4%から予想以上に下方修正された。前期の‐0.3%のマイナス成長からはプラスに改善した。10-12月期単位労働コスト改定値は前期比年率+0.9%と、予想外に速報値+1.4%から下方修正された。
労働生産性や労働コストが予想を下回ったため債券買いが強まり米10年債利回りは0.94%まで低下しドルは軟調に推移した。

 

新型コロナウイルスの感染拡大で米企業の業績に打撃

新型コロナウイルスの感染拡大が米企業の業績に打撃となってきた。米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)は4日、利益減少見通しを発表した。旅行需要の減少を受け、航空大手は減便する計画となっている。観光業界にも影響は広がっており、米景気の悪化懸念が強まっている。同様の影響は、マイクロソフトなど大手IT企業でも明らかになっている。米エコノミストは『終息の兆しがなく、感染拡大のピークはいつなのか、先行きが見通せない』と話している。航空業界では、日本や中国など、感染が広がっている地域向けの減便が相次いでいる。

 

米国市場では2月雇用統計が公表

1月実績は、非農業部門雇用者数は前月比+22.5万人、失業率は3.6%となった。2月中旬における失業者に大きな変動はないとみられているが、非製造業部門における大幅な雇用増は期待できないことから、2月の非農業部門雇用者数増加数は1月実績を下回る見込みとなっている。失業率は1月と同水準か0.1ポイント低下すると予想される。

 

欧米市場イベント

○16:00   1月独製造業新規受注(予想:前月比1.4%/前年同月比▲5.2%)
○16:45   1月仏貿易収支(予想:48.03億ユーロの赤字)
○16:45   1月仏経常収支
○22:00   2月ロシア消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%)
○22:30   2月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化1.00万人/失業率5.6%)
○22:30   1月カナダ貿易収支(予想:8.3億カナダドルの赤字)
○22:30   1月米貿易収支(予想:461億ドルの赤字)
○22:30   2月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化17.5万人/失業率3.6%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.0%)
○23:20   エバンズ米シカゴ連銀総裁、メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○24:00   2月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00   1月米卸売売上高
○24:00   1月米卸売在庫(予想:前月比▲0.2%)
○7日01:20   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○7日04:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○7日05:00   1月米消費者信用残高(予想:165億ドル)
○7日05:30   ジョージ米カンザスシティー連銀総裁、講演
○OPECと非加盟産油国の閣僚級会合(ウィーン)
○8日 米国が夏時間に移行

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/03/05/15:12:07

日経平均株価:リスク選好も上値の重い展開継続

前日の米国株式市場が急騰したことが好感され買いが先行した。ただ、寄り付きで高値を形成した後は、上値を追う展開には至らなかった。新型コロナウイルスによる国内景気の悪化懸念が引き続き重石となっているほか、米カリフォルニア州が非常事態宣言を発令したことが嫌気された。結局、前営業日比229円高の2万1329円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:107円台前半でもみ合う展開継続

ドル/円は、NYダウ先物の下落や米長期金利低下を眺め107.26円付近まで下落した。カリフォルニア州知事が新型コロナウイルスで非常事態宣言を発令したことや、日経平均株価が朝高後に伸び悩んだことも、ドル売り・円買いにつながった。しかし、前日の海外市場でつけた107.15円が下値目処として意識されると下げは一服した。その後は、国内輸企業などがドル買い・円売りに動き107.30円近辺でもみ合う展開となった。午後は、日経平均株価と上海総合株価指数の上げ幅拡大が円売りを誘い、107.45へ持ち直した。しかし、今晩の米国株価動向を見極めたいとの雰囲気から上値を追う動きは限られ、107.40円前後でもみ合った。ユーロ/ドルは、1.11ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

2020年中国の成長率を下方修正:S&Pの最新レポート

米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は最新リポートで、2020年の中国国内総生産(GDP)成長率について、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を踏まえ、見通しを4.8%増に引き下げた。これまでは5.7%増と予測していた。20年の世界全体の経済成長率見通しについても2.8%増に引き下げ、19年12月時点の予測(3.3%増)から0.5ポイント下方修正した。『信報』が4日伝えた。また、旅行や高級品小売りなど消費に依存する分野や、自動車、電子製品、化学製品などグローバルサプライチェーンに依存する分野の信用リスクが高まる可能性があるとした。

 

英国とEUの将来関係協議が開始したが

1月末にEUを離脱した英国は、移行期間終了後のEUとの将来関係協議を正式に開始した。自由貿易の継続を求めている点で両者は一致しているが、公正な競争条件、漁業、金融サービス、司法管轄などを巡って溝は大きい。6月までに協議の進捗を確認したうえで、移行期間を延長するか、協議を打ち切るかを判断する。主権回復を掲げて誕生したジョンソン政権にとって、移行期間の延長は政治的に難しい。加盟国の議会承認が必要な包括的な貿易協定を僅か10ヵ月で締結することも困難とみられる。貿易協定を締結できぬまま移行期間が終了すれば、経済や産業界へのダメージが無視できない。結局、部分合意で関税なし貿易を続け、積み残した案件を継続協議とするのが現実的なシナリオとなる。

 

3月日銀金融政策決定会合の予想:JPモリガン証券リポート

JPモルガン証券のリポートでは、日銀は18-19日の金融政策決定会合で、ETF買い入れ目標を現行の6兆円から9兆円に増額し、そこを基準に柔軟な調節を行うだろうと予想している。さらに、黒田総裁は執行部に対し、新型肺炎のために一時的に資金繰り難に直面し得る特定産業を支援する金融機関に向けた長めの資金供給オペレーションか、担保適格要件の緩和を検討するように指示を出すのではないかと予想している。
短期金利の引き下げは、資金調達コストの高さが新型肺炎問題の本質ではなく、ドル・円相場も安定しているので行われないと予想した。ただし、3月会合前に事態が変わっていくことも十分あり得る

 

緊急利下げも新型ウイルスのパンデミックには効かず

米連邦準備制度理事会(FRB)は、米経済のあらゆる病気を診る『かかりつけの医師』となってきた。3日には、金融の医者たるFRBは、新型コロナウイルスによる経済的打撃への鎮静剤になるとの期待を込めた処置を行った。2日に相場が急騰していたこともあり、金融市場への治療効果は期待外れだった。これは、パンデミック(感染病の世界的大流行)による供給面のショックに対しては、利下げの効果が限定的であることを示しているのかもしれない。

 

6日の米2月雇用統計は前月より減速傾向と見込む

先行指標の中で、米労働省が発表する雇用統計と最も相関性が強いとされる民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の2月分は前月比+18.3万人と、市場予想を上回った。ただ、1月分は+29.1万人から+20.9万人へ下方修正された。エコノミストは製造業の低迷などから、雇用ペースの鈍化を予想している。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が4日に公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)の中で、企業は労働市場のひっ迫で、雇用を確保するのが困難になっていることを主張している。雇用のペースの減速は企業が雇用を差し控えているためというよりも、適切な労働者が見つからないためである可能性もある。全般的に労働市場で雇用が引き続き順調に拡大している兆候が見られる可能性がある。しかし、現時点で新型肺炎が経済に与える影響は未知である。ベージュブックでは生産、製造業がサプライチェーンの混乱に懸念を示していることが明らかになったほか、観光などにも悪影響を与えている兆候が指摘されている。

■市場予想失業率:3.6%(1月3.6%)非農業部門雇用者数:前月比+17.5万人(1月+22.5万人)民間部門雇用者数:前月比+16万人(1月+20.6万人)平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.0%(1月+0.2%、+3.1%)

 

欧米イベント

○18:00   10-12月期南アフリカ経常収支
○21:30   2月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:00   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:30   10-12月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比1.4%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/173.3万人)
○24:00   1月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.1%)
○6日02:00   カーニー英中銀(BOE)総裁、講演
○6日02:45   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○米財務省3年、10年、30年債入札条件
○石油輸出国機構(OPEC)臨時総会(ウィーン)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/03/04/15:15:15

日経平均株価:リスク回避の動きがやや後退

前日の米国株安主要3指数が大幅に下落、為替も円高方向に振れたことで売りが先行し、一時200円超に下げ幅を拡大した。しかし、日銀のETF買いに期待が出ていることや、国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪を予定通り開催すると言明したことや、米大統領の民主党候補者争いで中道派のバイデン氏が一部の州で勝利との見込みが伝わっているこが安心感につながりプラス圏に上昇した。ただ、上値に対して依然として慎重な状態が続いており、プラスに転じた後は伸び悩んだ。結局、前日比17円高の2万1100円と小幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:過度なドル売り・円買いは後退

ドル/円は、本邦実需勢などのドル買い・円売りや日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたことに支えられ、107.52円付近あmで上昇した。米大統領予備選挙(スーパーチューズデー)で、中道派のバイデン前副大統領が優勢だったことも、ドルの買い戻しがつながった。ただ、前日にFRBが緊急利下げを決定し、米金利先高観が後退していることから、上値を追う動きは限られた。その後、新型コロナウイルスの感染拡大が続き、世界経済の減速を警戒したドル売り・円買いに107.20円台へ押し戻された。午後に入ると、NYダウ先物が大幅高を眺め、107.50円付近はじり高となった。しかし、今場発表される2月ADP全米雇用リポートや2月米ISM非製造業景況感指数を見極めたいとの雰囲気からドル買い・円塗は続かず、107.40円を挟んでもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.1160ドルを挟んでこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となった。

 

中国の1-3月期GDPがマイナス成長に陥る可能性

交通銀行(03328/601328)金融研究センターは最新リポートで、2020年1-3月期の中国国内総生産(GDP)がマイナス成長に陥る可能性があるとの見方を示した。中国国家統計局と中国物流採購聯合会が29日発表した2020年2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は35.7と市場コンセンサス予想の46.0を大きく下回り、過去最低を更新したことを踏まえ、新型コロナウイルス感染症が中国経済に与える影響はすでに08年のリーマショックを上回ったとの見方を示した。また、2月の非製造業PMIが30を割り込んだことに触れ、08年当時は50を下回っていなかったと指摘した。一方、国内での感染者数の増加が減少傾向にあり、生産の再開などが進んでいることから、3月以降はPMIが顕著に回復するとの見方を示した。もっとも、3月は引き続き50以下の水準で推移する可能性があるとした。

 

 

欧州市場では1月ユーロ圏小売売上高が公表

12月実績は前月比▲1.6%で大幅な落ち込みとなった。オンライン販売を除くすべての項目で減少した。1月は反動増が予想されるものの、オン来販売の大幅な増加は期待できないことから、小幅な伸びにとどまる見込みとなっている。

 

ECBの適切かつ的を絞った措置とは?

これまで新型肺炎での政策対応に消極的であったECBも2日、『適切かつ的を絞った措置を講じる準備がある』との声明を発表した。世界の主要中銀が協調してこの問題に対処する方針を示唆している。追加緩和余地が乏しく、戦略検証中のECBは難しい対応を迫られる。マイナス金利の深堀りは金融機関の収益圧迫の副作用を招く恐れがあり、資産買い入れの強化には現行スキームの見直しが必要となる。長期資金供給オペの利用条件緩和では、金融市場の失望を招く恐れがある。

コメルツ銀行は3日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて米連邦準備理事会(FRB)が緊急利下げに踏み切ったことから、ECBも来週10ベーシスポイント(bp)の利下げを行うとの見方を示した。

 

米FRBによる緊急利下げ

米連邦準備制度理事会(FRB)は2008年の金融危機以来、初めて、定例連邦公開市場委員会(FOMC)以外での利下げを決定した。FRBが過去に緊急利下げに踏み切ったのは、①1998年:ロシア危機、②2008年:金融危機、③2011年:9・11の同時多発テロのような異常事態時のみだった。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)を2週間後に控えて、緊急利下げに懐疑的見方も見られた。逆に投資家の脅威に繋がっている。さらに、新型肺炎のような世界的な健康問題解決において、金融政策の手段は限定的となってくる。パウエル議長は利下げでサプライチェーンを支援することはできないとしながらも、全般的な強い景気を持続させるというFRBの任務を担っていくとした。新型肺炎が経済に与える影響は今のところ不透明となっている。ただ、一部では景気後退を織り込むべきだとの考えも浮上している。

 

欧米イベント

○16:00   1月独小売売上高指数(予想:前月比1.0%/前年比1.5%)
○16:30   2月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%)
○17:50   2月仏サービス部門PMI改定値(予想:52.6)
○17:55   2月独サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○18:00   2月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:52.8)
○18:30   2月英サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○19:00   1月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.6%/前年比1.1%)
○未定  ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   10-12月期ブラジルGDP(予想:前年同期比1.5%)
○22:15   2月ADP全米雇用報告(予想:17.0万人)
○22:30   10-12月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比0.2%)
○23:15   ベイリー次期英中銀(BOE)総裁、総裁就任に関して議会証言
○23:45   2月米サービス部門PMI改定値(予想:49.4)
○23:45   2月米総合PMI改定値
○24:00   2月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:54.9)
○24:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.50%に引き下げ)
○5日00:30   EIA週間在庫統計
○5日03:00   ブロードベントBOE副総裁、講演
○5日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/03/03/15:16:59

日経平均株価:G7電話協議では具体的な政策は盛り込まないを嫌気

朝方は米国株が上昇した流れを引き継いで強含んだが、その後は伸び悩みマイナス圏へ沈んだ。日銀のETF買いが心理的な下支えとなっているものの、新型肺炎の国内感染拡大や為替の円高に帰する懸念が根強い。また、3日夜のG7財務相・中銀総裁の電話会議に関しロイター通信が『現時点で、協調利下げや財政出動など具体的な対応は盛り込まない方向』と報じ協調利下げ期待が後退して売りに押された。結局、前日比261円高の2万1082円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株の下げ幅拡大でリスク回避の円買い

ドル/円は、日経平均株価の伸び悩みや米長期金利低下を眺めたドル売り・円買いに押され、107.95円付近へ軟化した。新型コロナウイルスの感染者が韓国で急増していることも、リスク回避の円買いを誘った。午後になると、一部メディアがG7関係筋の話として『今晩予定されている電話協議では、現時点では協調利下げや財政出動といった具体的な政策は盛り込まれない方向で調整している』と報じた。この報道を嫌気して日経平均株価が下げ幅を拡大すると、調整色が強まり107.66円付近まで下落した。しかし、今晩の米国株動向やスーパーチューズデーの行方を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。ユーロ/ドルは、FRBが今月の会合で大幅利下げに踏み切るとの観測から、ユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.11ドル台前半から1.11ドル台半ばへ水準を切り上げた。

 

トルコの地政学リスクの高まりがトルコリラの重石

トルコの隣国シリア内戦を巡り、『反体制派とそれを支援するトルコ軍』対『アサド政権軍とその後ろ盾ロシア』との戦闘が報じられている。トルコ軍に犠牲者が増えるなかエルドアン・トルコ大統領も引くに引けない状況となり、このまま事態が鎮静化しなければ、トルコ負担増・地政学リスクの更なる高まりがリラの重石となる。さて、トルコは隣国シリアだけではなく、東地中海の対岸・北アフリカのリビアの内戦にも首を突っ込んでいる。内戦が長期化するリビアでは、首都トリポリを拠点とする国連承認のリビア国民合意政府(GNA)とハフタル氏率いる民兵組織『リビア国民軍(LNA)』が対峙している。トルコはGNA側と接近し、昨年後半には、東地中海における排他的経済水域の境界線を締結した。エルドアン・トルコ大統領はその後、GNAを支援するため派兵すること表明した。一方、LNA支持に回っているのがロシアとされ、シリア同様にトルコと立場を異にしている。リビア内戦にトルコが深く引きずり込まれる可能性はあり、軍事リスクの高まりによる通貨リラへの影響には気を付けたほうが良さそうだ。

 

新型肺炎による経済減速に各中銀は対応に備える

FRBのパウエル議長は2月28日に緊急声明を発表した。経済を支援するために手段を用いて適切に対応するとの断固とした方針を表明した。パルエル議長の緊急声明は、各国中銀が新型肺炎による経済の下方リスクの一段の深刻化に焦点を集めている証拠だとゴールドマンは指摘している。カナダ中銀、豪州準備銀、NZ準備銀、欧州中央銀行(ECB)、ノルウェー中銀、インド準備銀、韓国中銀、スイス国立銀の利下げを予想している。日本銀行はETF過去最大規模となる1014億円買い入れ。黒田日本銀行総裁は日銀が潤沢な資金供給と金融市場の安定確保を公約した。高官筋の話として、欧州中央銀行(ECB)も新型肺炎の蔓延による経済への影響に対応するため追加利下げやさらなる資産購入も辞さない方針である。

 

OPECと非加盟産油国が減産協議:原油価格に大きく影響

石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国は5-6日、ウィーンで会合を開催する。原油相場は2月以降、新型肺炎による世界経済悪化と原油需要の減退懸念により、大きく下落してきた。原油相場の底上げのため、会合で予想以上の減速が決まると一旦の原油反発へと作用する。反対に減産協議で足並みの乱れが見られたり、予想範囲内の失望に終わると原油相場が再下落していく。さらにリスク回避による円高や、資源国通貨の再下落につながる可能性もある。

 

新型肺炎の影響が米国経済にもじわりと歩み寄る

新型肺炎の世界中のまん延が経済に害を与えるとの脅威が根強い。警戒されたとおり、中国の2月製造業PMIは過去最低に落ち込んでいる。サプライチェーンの混乱による米国の製造業への被害も不可避となってきた。その証拠が出始めている。民間マークイットが発表した米国の2月製造業PMI改定値は50.7と、予想外に速報値50.8から下方修正され過去最低となった昨年8月来で最低となった。また、全米の製造業活動をあらわすISM製造業景況指数の2月分は50.1と、1月50.9から低下した。活動の拡大と縮小の境目となる50をかろうじて維持した。ただ、重要項目の新規受注は49.8と、1月52から再び50を割り込み活動の縮小となった。輸入は2009年来で最低、生産は2018年来で最低を記録した。また、入荷遅延は57.3と、52.9から急伸しており、サプライチェーンの混乱の証拠となっている。

 

欧米イベント

○15:45   10-12月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.2%/前年比1.3%)
○16:00   2月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.65%/前年比12.70%)
○16:45   1月仏財政収支
○18:30   10-12月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比年率▲0.1%/前年同期比▲0.1%)
○18:30   2月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:48.8)
○19:00   1月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比▲0.5%)
○19:00   2月ユーロ圏HICP速報値(予想:前年比1.2%)
○19:00   2月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.2%)
○19:00   1月ユーロ圏失業率(予想:7.4%)
○19:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○4日04:50   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○米大統領選スーパーチューズデー
○主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁緊急電話会議

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ