FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2020/03/30/03:01:35

米国株式市場は反落:米国の景気悪化を示す経済指標受け売り優勢

NYダウは915.39ドル安の21636.78、ナスダックは295.16ポイント安の7502.38ポイントで取引を終了した。米国の新型コロナウイルスの感染者数が中国を上回って世界最多となるなど、感染拡大に歯止めが掛からないことへの懸念が強まり売りが膨らんだ。また、米国経済の活動が停止する中、3月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が3年半ぶり低水準となるなど景気悪化を示す証拠がさらに出ると、NYダウの株価は1000ドル近く下げた。その後、米下院が上院に続き米国の経済救済策案を可決すると下げ幅を縮小する展開となったが、週末を前にポジションを手仕舞う動きが広がり、引けにかけて急落した。ムニューシン米財務長官が大型経済対策法案について『航空業界の救済ではない』と強調すると、ボーイングが10%を超す急落となり、1銘柄でダウ平均を112ドルほど押し下げた。 VIX指数は61.00から65.54へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の円買い復活

ドル/円は、欧米株価の下落を背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まると円買い・ドル売りが先行した。FRBのバランスシートが5兆2500億ドルを超えて過去最高を更新する中、米追加緩和の可能性も意識されたためドルを売る動きが広がった。3月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値が89.1と速報値の95.9から悪化し、予想の90.0を下回ったこともドル売り圧力を高め、一時107.72円と日通し安値を付けた。 

ユーロ/ドルは、ユーロ/円やユーロ/スイスフランの下落につれた売りが先行し一時1.0954ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は一転上昇した。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったほか、予想を下回る米指標が相場を下支えした。市場では『3月末を控えてドル資金確保のめどが付き、ドル売りにつながった』との声が聞かれ、一時1.1147ドルと17日以来の高値を更新した。 

 

NY原油先物市場は続落:価格競争の長期化するとの思惑から売り優勢

NY原油先物市場は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が加速していることへの懸念で米国株が大幅反落し、同じくリスク資産とされる原油も続落した。サウジアラビア政府が『協調減産についてロシアと協議していない』と明らかにしたことで、サウジアラビアとロシアの価格戦争が長期化する可能性が嫌気され、供給過剰懸念に売りが加速し、20ドル割れ寸前となった。米国内の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週比40基減少の624基となった。3月14日の683基から59基減少した。

 

NY金先物市場は反落:利益確定売りで上値の重い展開

NY金先物市場は1611.40-1647.20ドルのレンジ相場となった。金相場は今週大幅高が進んだ反動で売りが優勢となった。ただ、新型コロナの感染拡大への懸念が強く米国株が大幅反落し、為替相場ではドル安が進んだことも手がかりとした買いも入り、下値は限られた。27日のアジア市場で1647.20ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では利益確定や換金目的の売りが増えたことで金先物の上値は一段と重くなった。 

 

米国債券市場は大幅続伸:リスク回避が強まり買い優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは大幅に続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.17%低い(価格は上昇)0.68%で終了した。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことへの懸念が強まり、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。 

 

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2020/03/27/07:49:02

米国株式市場は上昇:投資家心理改善から買い戻し優勢

NYダウは1351.62ドル高の22552.17ドル、ナスダックは413.24ポイント高の7797.54ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルスに対処する2兆ドルの米景気刺激策が近く成立するとの期待から幅広い銘柄に買いが入った。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が追加緩和の可能性に言及したことも投資家心理の改善につながり、一時1400ドル近く上げた。なお、市場では米新規失業保険申請件数が300万件を超え過去最多となったことについて、既に相当程度織り込まれていたことで『おかしな話だがこの指標は無視されてしまったようだ』との声が聞かれた。 VIX指数は63.95から61.00へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドルの需給ひっ迫感の後退で売り優勢

ドル/円は、パウエルFRB議長が追加緩和の可能性に言及したことや、低調な米雇用指標の結果を受けてドル売りが優勢となり、一時109.21円と日通し安値を付けた。米国株相場の上昇を背景にドル需給のひっ迫に対する警戒感が後退し、全般ドル売りの流れが続いた面もある。NYダウは一時1400ドル近く上昇したほか、日経平均先物は大証終値780円高の1万9140円まで買われた。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.24まで低下した。 

ユーロ/ドルは、パウエルFRB議長がNBCとのインタビューで『FRBはまだ行動する余地がある』『弾薬がなくなることはない』と述べ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の中で、『米経済における与信の流れが滞ることのないよう支える強力な取り組みを維持する』と表明すると全般ドル売りが優勢となった。前週分の米新規失業保険申請件が328万3000件と予想の100万件を大きく上回り、過去最多となったこともドル売り圧力を高め、一時1.1059ドルまで値を上げた。
 なお、ユーロはドル以外の通貨に対しては軟調に推移した。ECBが7500億ユーロ規模の新たな債券購入プログラムを開始したと発表し、これまで自ら設定していた債券買い上げの制限を取り払い、イタリアなどユーロ圏内の債務国を積極的に支援する姿勢を示したことを受けた。

 

NY原油先物市場は大幅反落:世界の原油需要が急速に後退懸念

NY原油先物市場は22.38ドル-24.65ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省が戦略石油備蓄(SPR)向けの原油買い入れ計画の取り下げを表明したことや、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長が『世界の石油需要の低下に歯止めがかからない』と懸念を表明し、世界需要が20%減少する可能性を警告したことが重しとなった。 

 

NY金先物市場は反発:ドル安で割安感から買い優勢

NY金先物市場は1611.20-1672.50ドルのレンジ相場となった。『資産の現金化』によるドル需要の後退や、米新規失業保険申請件の大幅悪化でドル安が進み、ドル建ての金に割安感が生じ、買いが優勢となった。ただ、午前のニューヨーク市場で1672.50ドルまで買われたが、米国株式の上昇を意識して利益確定を狙った売りが入っており、上げ幅は縮小 した。

 

米国債券市場は反発:米FRBの巨額資金供給で流動性回復

米国債券市場は長期ゾーンは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.85%で終了した。米FRBの巨額資金供給で債券市場に流動性が戻りつつあり、市場の動揺はいったん落ち着いた。また、7年債入札の好調だったことも債券買いを誘った。 

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2020/03/26/07:41:05

米国株式市場はまちまち:先行きの景気後退への不透明感から上げ幅縮小

NYダウは495.64ドル高の21200.55ドル、ナスダックは33.56ポイント安の7384.30ポイントで取引を終了した。米与野党が2兆ドル(約220兆円)規模の経済対策で合意したとの報道を好感した買いが先行し一時1300ドル超上げたものの、『サンダース米上院議員は米経済対策の採択持ち込み阻止を示唆』との一部報道が伝わると急速に伸び悩んだ。また、景気後退は避けられないほか、どの程度速やかに救済資金が消費者や企業に供給されるかなどに不透明感もあ る。VIX指数は61.67から63.95へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ドル/円は方向感のないレンジ相場

ドル/円は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大への不安を背景とした『資産の現金化』によるドル買いは根強く、一時111.68円と日通し高値を付けたものの、前日に付けた2月21日以来の高値111.71円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。ECBが必要に応じたOMT発動を示唆したことやNYダウの続伸を受けて、ドル需給ひっ迫への警戒感が後退したことも円買い・ドル売りを誘い一時111.09円付近まで下押しした。
もっとも、投資家心理を測る指標である米株の変動性指数(VIX、恐怖指数)は60を超えており、投資家の先行き不安は払しょくされているとは言えない状況となっている。

ユーロ/ドルは、欧州株や米国株が下げに転じるなど株式市場が不安定な場面では投資家が流動性の高いドルの確保に動いたため、一時1.0785ドル付近まで下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.0761ドルを下抜けることは出来なかった。『欧州中央銀行(ECB)は必要なら2012年夏に欧州債務危機を受けて創設した無制限の債券買い入れ策(OMT)発動に幅広い支持を得た』との報道が伝わると、ユーロを買う動きが活発化した。欧州時間の高値1.0850ドルや前日の高値1.0888ドルを上抜けて一時1.0894ドルまで上値を伸ばした。NYダウが一時1300ドル超上昇したことで、ドル資金確保の動きがいったん和らいだ面もあった。

 

NY原油先物市場は続伸:米大規模な経済対策の合意を好感した買い優勢

NY原油先物市場は22.91ドル‐25.24ドルのレンジ相場となった。米与野党が2兆ドル(約220兆円)規模の経済対策で合意したとの報道を受けて、景気減速への過度な警戒感が後退し、リスク資産の原油に買いが入った。また、米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で、原油在庫が市場予想を下回る162.3万バレルの積み増しとなったことも買いを後押しした。

 

NY金先物市場は反落:リスク選好の動きから売り優勢

NY金先物市場は1615.20‐1699.30ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策は与野党で合意し、米史上最大規模の景気刺激策は近く米議会で可決される見通しとなったことで、リスク資産が買われ、安全資産の金は売りが優勢となった。ニューヨーク市場で1652.40ドルまで戻したものの、株高を意識して上値は再び重くなった。

 

米国債券市場は続落:米大規模な経済対策の合意で国債増発を警戒

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.87%で終了した。米与野党が2兆ドル規模の経済対策で合意したとの報道を受けて、国債増発を警戒した売りが出た。 

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2020/03/25/07:38:13

米国株式市場は上昇:米大規模経済対策の議会通過が近いとの期待

NYダウは2112.98ドル高の20704.91ドル、ナスダックは557.18ポイント高の7417.86ポイントで取引を終了した。前日に3年4カ月ぶりの安値を更新したあとだけに自律反発狙いの買いが先行した。2兆ドル規模に上る米国の経済対策が上下両院で可決されるとの期待感が高まったことも相場の支援材料となった。米連邦準備理事会(FRB)の無制限量的緩和策で金融市場の流動性が高まるとの見方も買いにつながった。なお、上げ幅は過去最大となり、上昇率は11%高と1933年以来87年ぶりの大きさとなった。また、トランプ大統領が復活祭(イースター)までに経済を再開させたい考えを示すと一段の上昇に繋がった。VIX指数は61.59から61.67へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク選好のドル買い優勢

ドル/円は、欧州市場では対ポンド中心にドル売りが強まったため、やや上値が重い展開が続いたものの、NY市場に入ると徐々に円売り・ドル買いが優勢になった。新型コロナウイルス対策として検討されている2兆ドルの米景気刺激策の議会通過が近いとの期待から、NYダウが2112ドル上昇し過去最大の上げ幅を記録すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが広がった。2月米新築住宅販売件数が年率換算で76.5万件と予想の75.0万件を上回ったほか、3月米リッチモンド連銀製造業景気指数がプラス2と予想のマイナス15より強い数字となったこともドルの追い風となり、一時111.71円と2月21日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。もっとも、市場では『世界的に株高が進む中、金融市場の混乱に伴うドル資金確保の動きはいったん和らいだ』との声も聞かれ、引けにかけては上げ幅を縮めた。

ユーロ/ドルは、米FRBが無制限の量的緩和策を導入したことを受けて、ドル需給ひっ迫への警戒感が後退しユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.0888ドルと日通し高値を付けた。ただ、新型コロナ感染拡大に対する大型経済対策を米議会が可決するとの期待に支えられ、米株と米金利が上昇すると徐々にユーロ売り・ドル買いが優勢になった。良好な米経済指標もドル買いを促し、一時1.0746ドル付近まで下押しした。もっとも、アジア時間早朝に付けた日通し安値1.0723ドルが目先サポートとして意識されると引けにかけてやや買い戻されている。

 

NY原油先物市場は続伸:米国株が大幅反発したことを好感

NY原油先物市場は23.09ドル-25.16ドルのレンジ相場となった。原油需要のすみやかな増加は期待できないものの、米国の新型肺炎の感染拡大への2兆ドル規模の経済対策が議会で合意するとの期待で買いが優勢となった。また、米国政府による戦略的備蓄増加の思惑や、米国政府による市場介入の可能性があることから、投機的な売りは引き続き抑制された。さらに、米国株が大幅反発し、同様にリスク資産とされる原油も買いが優勢となった。 

 

NY金先物市場は大幅続伸:先行きインフレ進行の思惑から買い優勢

NY金先物市場は1560.50-1698.00ドルのレンジ相場となった。昨日に米連邦準備制度理事会(FRB)が無制限の量的緩和策を導入すると発表したことで、投資資金も戻るとの期待もあり、一時1698.0ドルまで上昇した。また、米国の無制限量的緩和策や大規模な財政出動によって、将来的にインフレ進行の可能性が高まるとの思惑が浮上したことが買い材料となった9日に付けた約7年3カ月ぶりの高値1704.3ドルに迫った。

 

米国債券市場は反落:リスク選好の動きから売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)0.84%で終了した。米与野党が総額2兆ドル規模の経済対策で合意するとの観測が広がり、債券売りが優勢となった。米国株が大幅上昇したことも相場の重石となった。

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2020/03/24/07:33:20

米国株式市場は下落:大規模経済対策の話し合い難航を嫌気

NYダウは582.05ドル安の18591.93ドル、ナスダックは18.85ポイント安の6860.67ポイントで取引を終了した。米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和を無制限に実施する意向を表明するとともに、企業や行政機関支援する貸出計画を発表したことが好感され、『リミットダウン』となっていた先物は一時上昇した。しかし、寄り付きから大規模経済援策を巡る共和党と民主党の話し合いが難航していることを嫌気して、売りに再び転じた。民主党のシューマー上院院内総務による発言を受けて一時は支援策成立の期待感から下げ幅を縮小する局面もあったが、2回目の採決でも動議可決にいたらず失望感から軟調推移となった。VIX指数は66.04から61.59へ低下した。

 

NY外国為替市場:資産の現金化によるドル買いが再燃

ドル/円は、米FRBが無制限の量的緩和策を導入すると発表したことを受けて全般ドル売りが先行すると一時109.82円付近まで下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値109.67円がサポートされると持ち直した。新型コロナウイルス感染拡大による金融市場の動揺を背景に金融機関や企業が保有資産を売却して現金としてドルを積み上げる動きは根強く、この日もドル高が進みやすい状況だった。前週末の高値111.51円を上抜けて一時111.59円と2月24日以来の高値を付けた。FRBは本日、緊急の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、新型コロナへの対応として、無制限の量的緩和(QE)を行う方針を決めた。米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を必要なだけ買い取る。声明では『新型コロナによる衛生危機に伴い、経済が深刻な混乱に直面することが明白になってきた』としたうえで、『市場の円滑な機能への支援や経済・金融情勢全般に対する金融政策の効果的な波及を促す』と表明した。また、学生ローンやクレジットカードローン、中小企業向け政府保証融資などに関する新制度も導入する。

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば上値が重かった。FRBの無制限量的緩和でユーロ買い・ドル売りが優勢となり、一時1.0828ドルと日通し高値を付けたものの、前週末の高値1.0831ドルを上抜けることは出来なかった。新型コロナの世界的な感染拡大への不安を背景とした『資産の現金化』によるドル買いが再燃し、一時1.0720ドル付近まで押し戻された。 

 

NY原油先物市場は反発:原油需要の減少懸念強く上値は重い

NY原油先物市場は20.80ドル-24.07ドルのレンジ相場となった。先週末に18年ぶりの安値をつけたことによる割安感から買いが入った。ただ、新型コロナの感染拡大が止まらず、欧米を中心に外出制限や国境の一時封鎖などの対応策が強化され、エネルギー需要の減少への懸念が強く、上値は重い。

 

NY金先物市場は続伸:米FRBの無制限の量的緩和導入を好感

NY金先物市場は、米FRBが無制限の量的緩和策を導入する発表したことも支えに買いが入った。また、米国株の軟調な動きも金の買いに拍車をかけた。

 

米国債券市場は続伸:米FRBが無制限の量的緩和導入を好感

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)0.78%で終了した。米FRBが無制限の量的緩和策を導入すると発表したことを受けて、需給が引き締まるとの見方から買いが入った。米国株の下落も相場の支援材料。

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