★MACDは(移動平均収束発散法)はモメンタム・オシレーターで、2本ライン(MACDとその移動平均線であるシグナル)を使用することで相場の周期や売買タイミングを捉える。マイナス圏でMACDがシグナルを下から上回ると買いサイン、プラス圏でMACDがシグナルを下回ると売りサインとなる。また、MACDの値が『ゼロ』ラインを上回ったら買い、『ゼロ』ラインを下回ったら売りという方法もある。
トルコリラ/円日足では、MACD(パラメータ:12、26、9)がマイナス圏でMACDがシグナルを下から上回るような様相となっている。しかし、実際には12EMA(赤線:指数平滑線)の18.332円がレジスタントして意識され、もみ合い攻防となっている。
確りMACDがシグナルを上抜けするまでは、過去の経験則で12EMAがレジスタンスとなり下押しが続いていることから、現段階のトルコリラ/円の買いは慎重にする必要がありそうだ。
シカゴIMM投機筋ポジションの5月7日付が公表された。対ドルでの差引き持ち高は、円ショート(円売り・ドル買い)持ち高は▼91,717枚と4月30日付け持ち高▼99,599枚から円ショートポジションが12週間ぶりに7,882枚減少した。投機筋は昨今の円高基調に円売り・ドル買いのポジションを一部解消したものと推測できる。ドル/円は、4月24日に年初来高値となる112.40円まで上昇したものの、その後は下落基調となり4月7日には110.14円まで下落した。その後も下落基調は続き109.44円近辺まで下落する展開となった。そのため、次回公表される投機筋ポジションも減少傾向が継続している可能性が高い。何故109.40円台で下げ止まったのかであるが、フィボナッチ・リトレースメントで分析すると分かりやすい。1月3日のフラッシュクラッシュ時の安値を104.70円として、4月24日の高値112.40円とする。高値からの38.2%押しが109.46円に位置している。そのため、相場の節目となりやすく、ドル買いが入りやすい。ただし、下抜けすると高値からの50.0%押しとなる108.55円までの円高が続く可能性がある。テクニカル分析では、特に半値押しや半値戻しが相場の重要ポイントと言われている。トレンド的には4月10日直近安値110.80円を下抜けしたことで、下値切り下げとなる下落トレンド入りとなってきたことには注意する必要がある。戻り場面では、投機筋の含み損を抱えた円ショートポジションが大量に残っていることから、『やれやれの円買戻し』が入りやすくしばらくは上値の重い展開が続く可能性が高い。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:11/4/21以降の平均4.278%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・5月9日:▲3.400%⇒10日予想3.359%
前日よりイールドスプレッドは縮小したが、一時の割高感からは解消されている。過去平均からはまだ割高。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均3.562%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%
・5月9日:▲3.257%⇒10日予想3.220%
前日よりイールドスプレッドは縮小したが、一時の割高感からは解消されている。過去平均からはまだ割高。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均2.026%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%
・5月9日:▲1.612%⇒10日予想1.595%
NASDAQに割高感が強かったことから5日ぶりに上昇した。前日よりイールドスプレッドは縮小したが、一時の割高感からは解消されている。1.4%前半では割高感が強いと判断されている可能性も。過去平均からはまだ割高。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★4月26日以降の東京金60分足では、24時間SMA(緑線)がサポートとなりじり高が継続し、雲の下限や72時間SMA(青線)を上抜けした。しかし、雲の上限がレジストして意識され上値の重い展開となっている。週明けは雲の上限や90時間SMA(紫線)を上抜け出来るかが注目される。
米国による対中追加関税の引き上げを受け、リスク回避の金買いが1290.3ドルまで先行した。ただ、『米国と中国は北京で通商協議を継続することで合意』との報道が伝わり、終盤は買いの勢いが緩んだ。米商品先物取引委員会(CFTC)が10日発表した7日時点の投機筋による金先物の買越幅は2週続けて増加した。買越幅は前週比9192枚多い7万5411枚となった。
価格帯別出来高では、押し目買いに支えられ出来高が多い価格帯を上抜けした。上値では、出来高の多い価格帯となっていることから、買い方からの『やれやれ売り』が重石となりやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを上抜けしてきたことで、12EMAと26EMAがGCしてきていることを示している。ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、買われ過ぎ過熱感が出てきていることから、上値が重くなる可能性がある。
東京金の日足では、5日SMAの4,538円がレジスタントとなり上値を抑えている。週明けに5日SMAを上抜け出来るかが注目点となる。また、10日SMAが4,557円に位置しており、やはりレジスタンスとして意識される。5日SMAと10日SMAの両線が下向きとなっていることから、下押しの勢いは継続している。NY金は米中通商協議が今後も継続することになり、米国株高・米長期金利上昇が週明けも継続するようなら、上値の重い展開となりやすい。為替市場では、米中貿易摩擦激化が一旦緩和されたことで、米国株高・米長期上昇からリスク選好の円安になりやすい。ただ、米中貿易摩擦は今後も続くことから、一方的な円安にもなりにくい。
週明けの東京金は、5日SMAや10日SMAを上抜け出来るかが焦点となる。両線とも下向きとなっていることで、再び下落基調となると260日SMAの4,494円や200日SMAの4,475円が視界に入る。
★欧州市場朝方の取引では、中国株の大幅反発を受け、欧州株も堅調に推移する中、前日比小幅高の109.78円前後で推移した。米国による対中関税引き上げ発動にも欧州市場ではリスク回避の局面に至らず、欧州株は堅調推移し、米長期金利も2.45%台まで上昇したことで小幅ながら水準を切り上げた。NYダウ先物が下落するなかで、ドル/円は小幅もみ合いが続いた。その後、トランプ大統領がツイッターで『中国との交渉は急ぐ必要は無い』とツイートすると、ドルの上値が重くなった。NYダウ先物が170ドル超下落したほか、米4月CPI(消費者物価指数)が予想を下回り、改めてインフレの抑制が確認され、全般ドル安に振れた。
NYダウは一時350ドル安となり、米長期金利は2.46%から2.43%まで低下したことでドル売りが継続された。トランプ大統領がツイッターで『残りの3250億ドル分にも25%の追加関税を課す作業が始まった』とツイートしたことで投資家心理が悪化し株安と円高に振れた。ムニューシン米財務長官は協議が『建設的だった』と指摘すると、NYダウは下げ幅を縮小、米長期金利も上昇しドルの買い戻しにつながった。劉中国副首相の『米国との通商交渉は非常に順調だった』との発言も伝わった。米国と中国は北京で通商協議を継続することで合意との報道が伝わると米国株の買い戻しとドル買いが強まった。しかし、米財務長官が現時点では中国との貿易協議の予定はないと発言したことでドルは失速した。
★欧米市場のポイント
・109.44-110.04円のレンジ相場
・米中要人発言で相場は乱高下
・NYダウは350ドル超下げから一時190ドル超上げ
・米中協議継続でリスク回避の動き後退
・VIX指数は19.10から16.04へ低下
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