★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:11/4/21以降の平均▲4.259%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・5月10日:▲3.363%⇒13日予想▲3.565%
13日はNYダウが大幅に下落した一方で米長期金利が大幅低下したことから、イールドスプレッドは拡大した。そのため、NYダウの割高感が大幅に修正されている。ただ、直近1月3日大底のスプレッドまでには▲0.661%のスプレッドがある。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.543%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%
・5月10日:▲3.220%⇒13日予想▲3.419%
S&P500のイールドスプレッドは前日比で大幅に拡大した。1月3日のスプレッドに対しては▲0.45%のスプレッドがある。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.021%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%
・5月10日:▲1.603%⇒13日予想▲1.807%
NASDAQに割高感が強かったことから三指数で一番下落率が高くなった。そのため、イールドスプレッドも大幅に拡大した。1月3日のスプレッドに対しては▲0.372%ある。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★東京金60分足では、中国が米国製品に対する関税を引き上げることを発表すると、リスク回避の金買いにつながり一気に雲の上下限を上抜けた。120時間SMA(赤線)が一時レジスタンスして意識されたが上抜けした。ただ、240時間SMA(茶線)がレジスタンスとなると上昇の勢いも鈍化して、引けにかけては小緩んだ。
NY金先物市場は1282.40-1302.20ドルのレンジ相場となった。4月10日以来約1カ月ぶりに1300ドル台を回復した。中国が報復措置として6月1日から約600ドル相当の米製品に対して最大25%の関税を引き上げると発表し、米中貿易戦争の激化懸念が強まり、『逃避資産』の金が買われた。米国株安や米FRBの利下げ観測が浮上したことも買い材料視された。
価格帯別出来高では、4,450円前後の出来高の多い価格帯で上値を抑えられたが、上抜けしたことで買い方の『やれやれ売り』を吸収した。ただ、一旦上値が重くなると、下値で買った買い方から利益確定売りが入りやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを上抜けしたものの、MACDとシグナルのかい離に勢いがなくなってきている。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%D:95.97、Slow%D:96.56とかなり買われ過ぎ過熱感がでていることから、短期的な調整下落となっても不思議ではない。
東京金の日足では、5日SAMの4,535円と10日SMAの4,552円を上抜けしてきており、5日SMAも上向きとなってきている。上値では100日SMA4,588円や25日SMAの4,590円がレジスタンスとして意識されやすい。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は低位で%DがSlow%Dを上抜けしてきたことで短期的には戻り基調となっている。NY金は再び節目の1,300ドル台を回復してきた。米中貿易摩擦激化が買い材料となっているが、米国株が大幅に低下していることからトランプ政権からの貿易摩擦への柔和な発言が出てきやすい。為替市場では、109.00円が下値の節目として意識されたものの、リスク回避の円買いが継続する可能性が高い。
日足では、10日SMAの4,552円を確り上抜けしてくるかが注目点となる。また上値では100日SMAや25日SMAが位置しており、レジスタンスとして意識される。一方で、下値では、260日SMA4,494円や200日SMAの4,475円がサポートとして意識される。
★欧州市場朝方の取引では、米中貿易協議の先行き不透明感から円買いが進み109.60円付近まで弱含んだ。ただ、前週末からの109.50円付近の底堅さが意識され、下げは限定的となった。欧州市場では米長期金利が2.42%を割り込んだタイミングで、109.59円まで下げたが、米長期金利が下げ渋ったことで、109.70円前後でもみ合う展開となった。その後もNYダウ先物が大幅反落、米長期金利も低下基調を維持する中、戻りも鈍く109.60円台でドル軟調の流れが持続した。米トランプ政権の対中関税第4弾の詳細案公表を控え、欧州株は全面安、米長期金利も一時2.41%台まで低下し、ドル売りが優勢となった。中国は米国の対中輸入品関税引き上げへの報復措置を表明するとドルは失速した。
米中貿易摩擦の激化懸念からリスク回避の動きが強まり円買い・ドル売りが優勢になった。ただ、ドル売り一巡後は下げ渋る展開となった。109.00円の節目が意識された。NYダウが700ドル超安まで下げ幅を拡大し、米長期金利が2.39%割れまで低下基調を強めた動きが重石となり、戻りも限定的となった。ムニューシン米財務長官とトランプ大統領の発言を受けて、一時109.39円付近まで買い戻された。
★米要人発言
・トランプ米大統領
「G20で中国の習主席、ロシアのプーチン大統領と会談」「中国、報復すれば対立悪化する」「米国は中国にこれ以上、利用されない」「米中はG20で会談。実のある結果も」「残り3000億ドルに対する追加関税の最終的な決定はまだ」
・ムニューシン米財務長官
「中国との貿易協議は継続、訪中に向けて取り組んでいる」
★欧米市場のポイント
・109.02-71円のレンジ相場
・中国政府が米国製品に対する報復関税発表
・トルコの財政悪化への懸念からリラ売り
・米長期金利は2.40%まで低下
・VIX指数は16.04から20.55へ大幅上昇
★日経225の日足では、75日SMA(緑線)を一気に下抜けたものの、100日SMA(黒線)の21,201円近辺で下げ止まる展開となった。ただ、5日SMA(赤線)や10日SMA(黄線)は両線とも下向きとなっており、下押しバイアスが強いことを示している。
明日も100日SMAを下抜けるのか、それとも下げ止まるのかが注目される。
下抜けした場合、12月26日安値18,948円と4月24日高値22,362円を結んだフィボナッチ・リトレースメントでの38.2%押しとなる21,557円が一旦の下値節目となりやすい。下げ止まらずに下抜けすると重要な節目となる50.0%押しとなる20,655円が視界に入ってくる。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は%D:14.87、Slow%D:30.06と%DとSlow%Dがかい離幅を広げながら、両線とも下向きとなっていることから、下押しのバイアスも強い。
現状は下押しバイアスに軟調地合いとなっており、下げ止まる兆しが見えていない。そのため、100日SMAが明日以降サポートとなるかが注視される。また、38.2%押しがサポートとなるかも重要なポイントとなる。要するに21,000円を維持出来るかにある。
戻り基調となった場合でも、5日SMAや10日SMAがレジスタンスとなりやすい。
現在は買う材料に乏しいことから、下げ止まりの兆しが出てくるまでは慎重に対応した方が良さそうだ。
★東京金の日足では、5月10日に一旦下げ止まり本日も陽線となっている。ただ、5日SMA(赤線)4,537円や10日SMA(黄線)4,557円が下向きでレジスタンスとして意識されており、上値の重い展開となっている。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%D:9.65、Slow%D:12.78と売られ過ぎ過熱感はあるものの、%DがSlow%Dを下抜けしており、下押しの勢いは残っている。
また、ADX(パラメータ:14)はトレンドの強さを見るために使うテクニカル指標で、相場の趨勢や方向性の強さを表す。現在ADXは上昇基調が続いている。そのため、現在の下落トレンドが継続していることを示していることになる。
買い場狙いならADXが低下傾向になるまでは待ちとなる。一方下値では、260日SMA(茶線)の4,495円や200日SMA(紫線)の4,476円が視界に入ってきており、両線がサポートとして意識されるか注目点となる。
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