FITS エコノミックレポート

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 リスク回避の円買い加速!

2019/12/03/07:14:31

 

★欧州市場朝方の取引では、中国が米の香港人権法への対抗措置を発表したが、円の買い戻しは限定的となった。なお、欧州株は堅調に取引を開始した。中国のPMI上昇を受けて世界的な景気持ち直し期待から、欧州株は全面高となり、NYダウ先物も上昇幅を拡大し、米長期金利が1.85%台まで上昇したことで109.60円台割れで下げ渋った。米長期金利が伸び悩みで109円後半のドル売りに上昇を阻止された。トランプ大統領が『ブラジルとアルゼンチンに対し鉄鋼とアルミニウムへの関税を復活させる』とツイートしたことをきっかけにリスク回避の円買いが優勢となった。NYダウ先物や欧州株が失速しリスク回避の円買いが継続した。

 

中国への追加関税への警戒感や米国の低調な製造業指標を嫌気しリスク警戒感の動きが加速した。NYダウは250ドル近い下落にリスク回避姿勢を強め、円買い・ドル売りが優勢となった。コンウェイ米大統領顧問が『年末までに中国と合意することは可能』『米中「第1段階」通商合意は書面化されている』と述べると下げ渋った。しかし、一部通信社から『中国は間もなく信頼できない機関リストを公表』と報じられるとドルの上値が重くなった。

 

★欧米主要経済指標

・独・11月製造業PMI改定値:44.1(予想:43.8、速報値:43.8)
・ユーロ圏・11月製造業PMI改定値:46.9(予想:46.6、速報値:46.6)
・英・11月製造業PMI改定値:48.9(予想:48.3、速報値:48.3)

・米・11月製造業PMI改定値:52.6(予想:52.2、速報値:52.2)
・米・11月ISM製造業景況指数:48.1(予想:49.2、10月:48.3)
・米・10月建設支出:前月比-0.8%(予想:+0.4%、9月:-0.3%←+0.5%)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円は108.89-109.70円のレンジ相場

・米大統領がブラジルとアルゼンチンへ追加関税課す

・米11月ISM製造業景気指数が予想下回る

・米中貿易協議の合意を巡る懸念の高まりでドル売り

・米大統領がFRBへ利下げと金融緩和を要求

・VIX指数は12.62から14.91へ上昇

カテゴリー: ホットニュース

東京原油相場とドル/円相場の関係!

2019/12/02/13:13:08

 

★あまり注目されていないが、東京原油とドル/円の為替動向には相関関係が強い。相関とは一方が上昇すれば、それにしたがって他方も上昇する。または一方が上昇すれば、それにしたがって他方は減少する。という傾向が見られるとき、2つの変量の間に相関があるまたは相関関係があるという。原則、単位は無く、-1~+1の間の実数値をとり、1に近いときは2つの確率変数は正の相関があるといい、-1に近ければ負の相関があるという。要するに+1に近ければ近いほど同様の値動きをしていることになる。2019年1月4日~2019年11月29日までの東京原油とドル/円相場には相関係数0.8831とかなり高い相関関係となっている。

12月5-6日にウィーンで開催される石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国の会合では、3月末に期限切れを迎える協調減産の延長期間が注目されている。しかしながらノバク露エネルギー相が、延長の是非を決定するのは4月が近づいてからでも良いとの見解を示した。また、サウジアラビアが生産抑制方針を取り止めると伝わった。減産に関して一枚岩ではない産油国側の状況が嫌気される。

要するにウィーンでのOPEC加盟国と非加盟国の会合が失望的な結果となると、原油価格は下落することになる。相関係数の高いドル/円も円高基調になりやすいことを示している。しかし、昨年の年末を振り返ってみると、ドル/円のピークは114.48円となり東京原油のピークは10月4日の57,860円となった。東京原油は下落基調となり12月25日に33,120円まで下落した。一方で、ドル/円は年末におけるドルの実需によるドル買いが強く12月13日まで高止まりしていたものの、その後は1月3日のフラッシュ・クラッシュまで一方的に下落した。

今年も年末に向けて東京原油が下落する一方で、ドル/円が高止まりするようなら、ドルの手当て終了後は昨年のような失速的な動きとなりやすい。一方で、年末に向けて東京原油が底堅い展開なら、ドル/円も大崩れしにくい展開となる。

 

カテゴリー: ホットニュース

東京金日足では上下挟まれ材料待ちの状態!

2019/12/02/11:34:16

 

★東京金の日足では、下値を100日SMA(黒線)5,113円がサポートとなり、下支えしている。また、5日SMA(赤線)の5,117円10日SMA(黄線)の5,119円を上抜けしていることから、短期的には上昇基調となっている。

一方で、上値では25日SMA(青線)の5,150円がレジスタンスとして意識され上値を抑えられている。また、25日SMAを上抜けしても75日SMA(緑線)の5,170円もレジスタンスとして意識されやすい。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、下値を切り上げ%DがSlow%Dを上抜け両線ともかい離幅を広げながら上向きとなっており、戻り基調を示している。

現在は上値・下値を抑えられるレンジ相場となっている。そのため、基本的には上下どちらかに放れるまでは様子見姿勢となる。ただ、ストキャスティクスでは上昇基調を維持していることから、上放れする可能性の方が高そうだ。

外部要因でも米中貿易協議や香港デモ問題、英議会選などのリスク要因がある。一方で、今週末の米11月雇用統計が公表される。例年、年末の雇用統計については、年末商戦向けの臨時雇用が支援材料となりやすい。加えて今年は米自動車会社のGMでの大規模ストライキ終了や、米中貿易協議の部分合意期待などが、米国の雇用にプラス要因となる。そのため、米雇用統計が改善を示す可能性がある。そうなると、リスク選好のドル高や米長期金利に上昇が見込まれ、金が売られやすい展開となる。しかし、雇用統計が強すぎる数字になると、米長期金利が急上昇する可能性や、FRBの追加利下げ期待の後退から、米国株の大幅調整などからリスク回避の円買い・金買いにつながる可能性もある。

よって、一方的なポジション積み上げの動きは見送られ、今週末まで方向感を欠くレンジ相場となる可能性もある。

カテゴリー: ホットニュース

イールドスプレッドで12月2日の米国株市場を先取り!

2019/12/02/09:01:37

 

★NY株式市場では、三指数ともに下落したものの、米長期金利が上昇したことで、イールドスプレッドは三指数ではわずかに拡大するにとどまった。三指数とも割高なほどは買われているわけではないものの、過去のイールドスプレッドと比較して割安感は薄れてきている。3指数ともに史上最高値を更新したものの、米長期金利が以前に比べて低下していることから、過熱感は抑えられている。そのため、米長期金利の動向が重要なポイントとなる。

 

NYダウは、5日SMAの28,056ドルと10日SMAの27,984ドルがサポートラインとして意識されている。ただ、わずかに5日SMAを下抜けしてきたため、今晩のNY市場の動向次第ではトレンドの転換の兆しになる可能性もある。ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、高値圏ではあるが%DがSlow%Dを上抜けしており上昇基調が継続している。今後も長期金利の動向次第で上米国株の割高感が意識されるようになる。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。割高になると米国株を売って、安全資産である債券などに資金がシフトされやすくなり、米国株の下落調整しやすい地合いとなる。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.265%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・11月27日:▲3.374%⇒11月29日予想▲3.375%

 

11月29日のNYダウは下落したものの、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.265%から▲0.890%と平均値よりかい離していることで割高になっている。18年12月3日の天井▲3.069%まで▲0.306%に接近してきた。19年4月25日の天井3.048%まで▲0.327%に接近してきた。

 

NYダウが下落したことで株式益利回りは上昇した。一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大した程度だった。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。トランプ米大統領が27日、『香港人権・民主主義法』に署名したことを受けて、中国は報復措置を取ると警告した。両国間の貿易合意への期待が後退し、売りが優勢となった。前営業日まで3日連続で史上最高値を更新していたため、高値警戒感から利益確定目的の売りも出やすかった。なお、この日は感謝祭翌日で短縮取引だった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.600%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・11月27日:▲3.332%⇒11月29日予想▲3.340%

 

S&P500が下落したものの、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.629%から▲0.260%とかい離していることで割高になっている。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.609%に接近した。19年4月25日の天井となった2.966%まで▲0.374%に接近した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.108%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・11月27日:▲1.778%⇒11月29日予想▲1.781%

 

NASDAQは下落したものの、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドが前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.108%から▲0.327%と平均値より縮小した。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲0.583%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.313%に接近した。

 

NASDAQは割高にはなっていないが、イールドスプレッドも1.80%台割れとなっており、割安感も払しょくしている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、指数は下落したものの、米長期金利が上昇したことで三指数はわずかに拡大した。米国株は史上最高値近辺に推移しているものの、米長期金利が低位にあることから、割高感を感じるまでは買われているわけではない。だだし、全般米国株への割安感は薄れてきている。割高・割安感がないということは見方を変えれば、上振れ・下振れしやすいとも言える。また、米長期金利が上昇すると、一気に米国株に割高感が出てくるので、今後の米長期金利の動向には注意が必要となる。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

カテゴリー: ホットニュース

東京金60分足ではもみ合いから上抜け!

2019/12/02/08:11:11

 

★11月25日以降の東京金60分足では、もみ合い相場が続いていたが上抜けする展開となった。先行き一目均衡表の雲も段階的に上昇していることから、底堅く推移する可能性もある。各SMAも緩やかに上昇基調となっていることで、サポートラインとして意識されやすい。

 

NY金先物市場は1459.10-1472.90ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで高値を更新すると、ドル建ての金先物は売りに押される場面もあった。しかしながら、『香港人権法』を米国が成立させたことで米中対立が再び懸念され、安全資産の金の下値は限定的だった。軟調な感謝祭明けの米国株を眺めながら金先物は買い戻しが優勢となり、そのまま日通しの高値圏で終えた。 

 

価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯を上抜けしたことで、もう一段上昇すると売り方からの手仕舞いの買い戻しが入りやすい。上値で出来高が膨らんでくるかが注目される。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの上方でMACDとシグナルがかい離幅を広げながら上昇基調にある。一方で、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)では、売られ過ぎ域から%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることから、短期的に下落基調となっている。逆の動きとなっていることから、寄り付き後の動きが重要ポイントとなる。

 

東京金の日足では、100日SMAの5,113円がサポートラインとなり、5日SMAと10日SMAを上抜けしていることから、短期的には上昇基調は継続している。ただ、上値では25日SMAの5,150円がレジスタンスとして意識され、上値を抑える展開となっている。NY金は米中対立が再び懸念されており、底堅い展開が予想される。為替市場では、リスク回避の展開でも109円台半ばで推移しており、底堅さが意識される。

本日の注目点では、100日SMAと25日SMAに挟まれる展開となっており、上抜け出来るのかそれとも下抜けするのかが焦点となる。もみ合い相場が続いていることから、上下どちらかに振れると大きな動きになりやすい。

カテゴリー: ホットニュース

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ