FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/11/20/15:09:07

日経平均株価は米中対立悪化懸念から売り優勢

米上院が香港人権法案を可決したことに対し、中国が強く反発した。米中対立悪化に対する懸念が高まった。香港ハンセン指数や上海総合指数が軟調に推移したことをながめ、日本でも中国関連株の一角が下げの勢いを強め、下げ幅を一時200円超に拡大した。結局、前日比144円安の2万3148円と続落して終了した。

米上院は、中国が香港に高度の自治を保障する『一国二制度』を守っているかどうか米政府に毎年検証を求める『香港人権・民主主義法案』を全会一致で可決した。下院では既に可決されており、今後上下両院の調整を経た上で、トランプ大統領に送付される。トランプ大統領が同法案を署名する意向かどうかを明らかにしていないものの、中国外務省は米議会の動きを強く非難した。国家の主権と安全保障を守るために必要な措置を取る、と表明した。

 

東京外国為替市場:売り一巡後は108円台半ばでもみ合う展開

ドル/円は、米上院が香港人権・民主主義法案を可決したことについて、中国外務省はこの法案が成立した場合に報復する意向を示した。これを受けて、ドル/円は調整色が強まり、108.36円近辺まで下落した。日経平均株価が急速に下げ幅を拡大したことも、リスク回避のドル買い・円売りに動き108.50円近辺まで切り返した。午後は、日経平均株価や上海総合株価をにらみながら、108.50円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1075ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日経平均動向は火曜日が重要日

大和証券の20日付けリポートで『積極的に日本株を買っていた海外投資家の買いが一服した可能性がある』との見方を示した。それは、19日(火曜日)に日経平均株価が反落した。これまで、海外勢が日本株を買い越す週は、火曜日に日経平均が大きく上昇していた。海外での週次のアロケーション変更や土曜日、日曜日のインターネットを通じた投信信託への買いが、東京市場の火曜日に反映される可能性が高いため。積極姿勢の後退などを背景に足元で株高は一服しているものの『日本の経済成長率が補正予算で再度上振れするほか、米国の年末商戦の活況さは来週末にも伝えられる。

 

与党・最大野党党首の討論会はほぼ互角の評価

12月の英総選挙を控えて19日、与党・保守党を率いるジョンソン首相と最大野党・労働党のコービン党首が討論会に臨んだ。ジョンソン氏は、英国の欧州連合(EU)からの早期離脱を可能にするのは保守党のみだと強調した。討論会直後に実施した世論調査では、どちらが良かったかとの質問に対して、ジョンソン氏とコービン氏がほぼ互角となった。ジョンソン氏は、EUと合意した新たな離脱協定を議会で通過させ、1月末までに離脱すると表明している。また、今後のEUとの関係において、新たな通商協定の締結に向け2020年中に設けられた期限を守ると確約した。
一方コービン氏は、1月末までに離脱を実現させるとのジョンソン氏の確約は『ナンセンスだ』と批判した。離脱後にEUと長期にわたる通商交渉を余儀なくされるほか、ジョンソン氏は、公的医療保険制度の民営化などを含む、EUがカナダと結んだような通商協定を目指す考えだと指摘した。ジョンソン氏はこれを否定している。

 

大統領のFRBへの追加利下げ要請は発言の矛盾を生む

トランプ米大統領は18日、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長と会談した。会談の詳細な内容は確認できないが、市場参加者の間では『パウエルFRB議長は早い時期に追加利下げを行うことをコミットしていない』との見方が多い。トランプ大統領はパウエル議長との会談後に、ツイッターに『とてもよい議論だった。マイナス金利や金融緩和、貿易問題などすべてを議論した』と投稿している。トランプ大統領は以前から、『米国の金利はドイツや日本と比べて高い』との見方を示しており、今回の会談でもそのことがパウエル議長に直接伝えられたことは間違いないとみられる。現時点で12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で、追加利下げが決定される可能性は極めて低いとの見方が一般的だが、米中通商協議に進展がみられない場合、米国経済の先行き不安は高まり、市場の追加利下げ期待は次第に高まる可能性がある。トランプ大統領は、現在の米国経済は良好であるとこれまで何度も述べているが、それが事実だとすれば、FRBに対する追加利下げの要請は自らの発言と矛盾するものであり、金融市場における不確実性を高める一因となる可能性がある。

 

中国政府の『千人計画』が米国との新たな摩擦にも

アメリカ議会上院は、中国政府が海外の優秀な研究者を国内に招致する事業を通じて、アメリカの技術を不当に入手しているとする報告書を発表し、警戒を強めるよう政府に求めた。アメリカ議会上院の調査チームは、海外から高度な専門知識を持つ研究者を招致する中国政府の事業『千人計画』に関する報告書を19日までに発表した。
報告書は『千人計画』が海外の最新技術を手に入れて中国の軍事や経済に役立てるのがねらいで、これまでに7000人以上が勧誘され、アメリカの政府機関や大学が主な標的になっていると指摘している。

 

米国市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表(10月29-30日分)

前回の会合で政策金利を25bp引き下げることが決定されたが、会合後の声明では、景気拡大に向け『適切に行動する』との従来の文言は削除された。金融当局者内では、なお意見が分かれるが、早期追加緩和に否定的な意見が多く出ていた場合、ドル買い・円売りが強まり、心理的節目110円を目指す展開もあり得る。

 

欧米イベント

○16:00   10月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比横ばい)
○17:00   10月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比3.9%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:00   10月ロシア失業率(予想:4.6%)
○22:30   10月カナダCPI(予想:前月比0.3%/前年比1.9%)
○21日00:30   EIA週間在庫統計
○21日02:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○21日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(10月29日-30日分)
○ブラジル(黒人意識の日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/11/19/15:12:50

日経平均株価:海外短期筋の先物売りに下げ幅拡大

米国株式市場が史上最高値を更新したものの、朝方は利益確定売りが先行し、前日の上げ幅を帳消しにする下げを演じた。ただ、売り一巡後は二階自民幹事長は2019年度補正予算案について、10兆円規模が必要と自民と役員連絡会で発言したことで、下げ止まる場面もあった。しかし、国内政治リスクが投資家心理の重荷となり海外短期筋の先物売りで一時下げ幅を170円超に広げた。結局、前日比124円安の2万3292円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株上昇に108.60円近辺でのもみ合う展開

ドル/円は、日経平均株価の反落や米長期金利低下をながめたドル売り・円買いが先行し108.43円近辺まで下落した。しかし、米中通商交渉の行方を見極めたいとの雰囲気から、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、108.60円台へ値を切り返した。中国の景気対策に対する期待から、上海総合株価指数や香港ハンセン指数が上昇に転じたことも、リスク回避姿勢を和らげて円売りを誘った。午後は、日経平均株価や米長期金利の動向をにらみながら、108.60円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1075ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

いよいよラガルドECB総裁体制が始動:ECB内の結束できるか

欧州市場では今週、22日のラガルドECB新総裁講演を含めて幹部講演が相次ぐ。21日には10月23-24日に開催されたECB理事会の議事要旨が公表される。
ECBは9月にマイナス金利深堀りや量的緩和再開を決めたが、その緩和決定では委員による意見対立が露呈された。新総裁を含めて当座は『ECB内の結束重視』により、追加緩和に慎重姿勢が示されたり、各国政府に対して財政出動の要請を強める可能性もある。その場合はユーロ安の抑制や緩やかなユーロの下限切り上がりが支援されやすい。

 

12月のサウジアラコム上場成功に不透明感残る

サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは17日、12月にサウジ国内で予定する新規株式公開(IPO)計画の詳細を発表した。株式の1.5%を売り出し、最大で256億ドル(約2兆8000億円)を調達する意向だが、不透明な情報開示などを理由にサウジへの投資を控える欧米企業も多い。狙い通りの調達ができるかどうかは予断を許さない。
計画通りの調達額ならば、2014年に上場した中国電子商取引大手アリババグループ(250億ドル)を上回る。

 

米FRBの今後の金融政策を探る展開

今週の米国市場ではFRB幹部の講演が相次ぐほか、20日にはFRBが10月29-30日に開催したFOMC議事録が公表される。12月FOMCでの利下げ有無や、今後の利下げ回数とスケジュール、残りの利下げ幅などに関しての考え方が注目されやすい。
現状段階で米中貿易交渉への不透明感は残されているが、前週にはパウエル議長が改めて当座の金利据え置き姿勢を示した。今週以降も当座の様子見観測が優勢になると、ドル/円を含めて全般的にドルの支援材料となりやすい。ただし、過度に利下げ停止の失望が広がると、米国株の高値過熱感とあいまって調整株安と短期的にリスク回避の円高へと振れる余地も残されている。

 

ホワイトハウスで金融政策や景気などについて三者会談

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は18日、トランプ大統領およびムニューシン財務長官とホワイトハウスで会談し、景気や経済成長、雇用、インフレについて話し合った。米金融当局が発表した。金融当局は会談後に公表した声明で、会談でのパウエル氏の発言内容は『先週の議会証言での発言と整合的だった』と説明した。大統領の招待で会談が行われたことも付け加えた。声明によれば『パウエル議長は、政策経路は米経済見通しに影響する今後の情報によって全て決まるとの考えを強調したことを除けば、金融政策についての自身の見通しに言及しなかった』という。
トランプ大統領はその後、『非常に良い誠意ある会談だった』とツイートした。『金利やマイナス金利、低いインフレ、金融緩和、ドル高とその製造業に対する影響、中国や欧州連合(EU)などとの貿易を含む』さまざまな問題を議論したと書き込んだ。

 

米国市場では10月住宅着工件数が公表

9月実績は125.6万戸で市場予想を下回った。一戸建て住宅の着工件数は1月以来の高水準となったが、集合住宅の着工件数は大幅に減少したことが要因となった。10月については、先行指標となる9月の建設許可件数はやや減少していることから、9月実績に近い水準にとどまる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○18:00   9月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○19:00   9月ユーロ圏建設支出
○22:30   9月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.6%)
○22:30   10月米住宅着工件数(予想:132.0万件、前月比5.1%)
        建設許可件数(予想:138.5万件、前月比▲0.4%)
○23:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/11/18/15:15:13

日経平均株価:閑散相場に売りなしの状態 

前週末の米国株式市場が最高値を更新したものの決め手の材料とはならず、日経平均は小動きのスタートとなった。その後、為替相場がやや円安に振れたほか、香港株が上昇したことなどを背景に買い戻す動きが活発化した。全体的に商いは細り模様眺めムードが強かった。結局、前週末比113円高の2万3416円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:108.80円近辺でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、108.65円近辺までじり高となった。15日にロス米商務長官が『米中が第一段階の通商合意に署名する可能性は非常に高い』との見解を示したことも、引き続き円売り要因として意識された。しかし、心理的節目の109.00円が視野入りすると、上げは一服した。その後は、香港で抗議デモ拡大による混乱が続いているため、持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、108.80円を挟んでもみ合いとなった。午後に入っても、108.80円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。ユーロ/ドルは、1.1060ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

9月短観の想定為替レート上抜けで上値の重い展開

9月の日銀短観における大企業・製造業の想定為替レート108.68円の『完全上抜け定着』を巡る攻防が続いている。引き続き当座は国内輸出企業によるドル売り手当て増大などでドルの上値が抑制される一方、年末や来年3月の年度末にかけてドルの売り決算を抱えている実需筋などに対して、『ドルの売り場』が提供される環境となっている。先行きドル売り消化が進捗したあと、ドルの上値余地拡大が注目される。

 

ベア型の投資信託が波乱の目に

国内の大手銀が保有する4兆円弱の『ベア型投資信託』が、株価や長期金利の変動を増幅させる変動要因として、市場の一部で意識され出した。株価下落ヘッジ用のベア型は、想定を超えた株価急騰時の対応が難しい。今月5日の日経平均の大幅上昇と6日の長期金利上昇には、このベア型が影響したとされる。 日銀によると、2019年8月末の大手行の投信残高は約7.5兆円。ベア型は3兆円台後半で推移していたとみられている。『ベア型』投信は、株価の下落局面でリターンを得る可能性が高まるように組成されている。日銀によると、19年8月末の大手行の株式保有残高は約6.4兆円だった。

 

中国人民銀行はローンプライムレート引き下げ方向

中国人民銀行(中央銀行)は、月1回公表しているローンプライムレート(LPR、最優遇貸出金利)を20日に公表する。トレーダーやファンドマネジャーは、インフレが高進しているものの、人民銀行は成長減速の方をより深刻に受け止め、8月の導入後3回目の引き下げを発表するとみている。現在、LPRは1年物が4.2%、5年物 は4.85%となっている。アフリカ豚コレラの影響で豚肉価格が急騰し、10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は政府の目標である約3%を超え、ほぼ8年ぶりの高水準となった。一方、成長率は、外需の減少や米国との貿易戦争の影響で第3・四半期は約30年ぶりの低水準となった。11人のトレーダーと債券運用担当者、約12人のアナリストとエコノミストは、今月はLPRが引き下げられると予想している。引き下げ幅は、前週の中期貸出ファシリティー(MLF)金利の引き下げ幅と合わせて5ベーシスポイント(bp)との見方が大勢している。

 

 

12月15日までに米中通貨合意出来るのか

トランプ大統領は、万が一、通商合意がまとまらなければ12月15日に中国の消費関連商品に対して追加関税を発動する計画をすでに発表しており、この期日までに合意がまとまるかどうかが市場の焦点となっている。この関税が発動されると、米国は中国のほぼ全ての輸入品5000億ドル相当に関税を課すことになり、世界第1、第2位の米中経済にさらなる打撃となる可能性が警戒される。

 

欧米市場イベント

○18:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○22:00   10月ロシア鉱工業生産(予想:前年比2.7%)
○22:20   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○24:00   11月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:71)
○19日02:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○19日06:00   9月対米証券投資動向
○メキシコ(革命記念日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/11/15/15:16:32

日経平均株価:リスク回避の動きが後退した買い優勢

前日の米国株式市場は小動きだったため手掛かりにならない中、直近の下げで高値警戒感が和らいだことが手伝い、買い戻しや押し目買いに堅調となった。このところドル安/円高に振れ気味だった為替相場が落ち着いていることも安心感を誘った。米高官の発言報道を受けて米中通商交渉の『第1段階』での合意に対する期待が再び高まり、海外投資家による株価指数先物への買いが集まった。また、大規模デモの混乱が続く香港の株式相場が落ち着いた動きとなったことも安心感をもたらした。ただ、週末とあって取引終了にかけてはこう着相場となった。結局、前日比161円高の23303円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:108.60円台でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均反発に支えられ、108.62円近辺まで上昇sちあ。朝方に、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が『中国との貿易協議は合意に近づいている』との見解を示したこともあり、リスク選好の円売りにつながった。しかし、前日のNY市場でつけた108.69円が上値目処として意識されると、上げは一服した。その後は、週末を控えた持ち高調整などのドル売りに押された。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、108.60円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.1025ドル前後で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

10月の株式投信は流出超:みずほ証券レポート

15日付けのみずほ証券リポートでは、『10月の株式投信は設定額が2.8兆円、解約額が2.7兆円、差引き1115億円の資金純増となった。10月中の株価回復を背景に、10月末の純資産総額は前月比3.6兆円増の107兆9000億円と過去最高になった』と指摘した。ただその一方で、『増額分のうち3.7兆円が時価総額によるものだったため、ネットの流入は約1000億円のマイナスだった』と指摘している。『10月中に日銀は704億円×3回=2112億円のETFを買ったため、日銀のETF購入を除くと、株式投資への資金フローは3000億円近い流出だった』という。株価が上がると利食う個人投資家の姿勢が出たといい、『10月中は国内外REIT投信への資金流入が継続したが。11月に入るとREIT投信から資金流出が起きている』ことも注目される。

 

米NY連銀は年末に向けて大量資金供給で金利上昇を抑制

NY連銀は、資金供給オペを拡充する方針を発表した。米短期金融市場では年末にかけてドルの短期資金の需給がひっ迫するとみられている。そのため、NY連銀は早めの措置を見せることで、短期金利の急上昇を抑える狙い。これまでは翌日物が中心だったが、11月25日に期間42日(満期は2020年1月6日)で250億ドルを供給する。その後も週1回程度、年末越えのオペを実施する。米大手銀行が金融規制に対応するため余裕資金を手元に抱える傾向を強めていることが背景で、金利に上昇圧力がかかりやすい。

 

米インフレ指標は低位安定

米労働省が発表した10月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.4%と9月-0.3%からプラスに転じた。市場予想の+0.3%を上回り4月来で最高となった。前年比では+1.1%と、市場予想の+0.9%を上回ったが、2016年10月以降3年ぶり低水準となった。変動の激しい食品やエネルギーを除いたコアPPIは前月比+0.3%。9月▲0.3%からプラスに改善し、市場予想の+0.2%を上回った。前年比では+1.6%と、9月+2.0%から低下し、2017年3月来で最低となったが市場予想の+1.5%は上回った。

 

トランプ大統領は対中強硬姿勢の意思表示

トランプ大統領は12日ニューヨーク市内のエコノミック・クラブで『貿易と経済について』と題する講演で台頭著しい中国を『盗っ人』呼ばわりし物議を醸した。その上でトランプ氏は『2016年の選挙前、中国が米国の知的財産権を盗んできたにも拘わらず、米国の政治家は中国に何もしてこなかった』とオバマ前政権を批判すると共に『盗っ人』の総本山である共産党を暗に批判した。1年後に迫った次期大統領選を前に経済政策の実績を披露する狙いがあった同講演での中国批判は、近づく米中貿易戦争『第1段階合意』にも拘わらず依然、対中強硬姿勢で臨む大統領の意思表示に他ならない。

 

米国市場では10月小売売上高が公表

9月実績は▲0.3%だった。飲食店と自動車ディラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたペースのコア売上高はほぼ横ばいだった。企業投資の抑制や製造業の景況感が悪化していることから、個人消費はやや伸び悩んでおり、この状態は10月も続く見込み。9月からは小幅に伸びにとどまる見込み。

 

欧米イベント

○16:00   8月トルコ失業率
○17:00   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30   7-9月期香港国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比▲3.2%)
○18:00   コスタ・ポルトガル中銀総裁、講演
○19:00   9月ユーロ圏貿易収支(季調済、予想:187億ユーロの黒字)
      ユーロ圏貿易収支(季調前)
○19:00   10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比0.7%)
○19:00   10月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比1.1%)
○22:30   9月対カナダ証券投資
○22:30   11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:5.0)
○22:30   10月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.2%)
○22:30   10月米小売売上高(予想:前月比0.2%/自動車を除く前月比0.4%)
○23:15   10月米鉱工業生産指数(予想:前月比▲0.4%)
       設備稼働率(予想:77.1%)
○24:00   9月米企業在庫(予想:前月比0.1%)
○16日02:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○米議会でトランプ大統領弾劾調査の公聴会
○ブラジル(共和制宣言記念日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/11/14/15:16:45

日経平均株価:円高や中国経済指標の悪化を嫌気した売り

朝方に発表された日本の7-9月期実質GDP(国内総生産)は年率プラス0.2%と市場予想のプラス0.8%を下回ったが、株価は反応薄だった。そうした中、為替が円高に振れたことで、見送りムードが強まり、前日に軟化した地合いを引き継ぐ格好となっている。中国の経済指標が予想より下振れしたこともマイナス材料となった。結局、前日比178円安の2万3141円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:株価下落でリスク回避の円買い優勢

ドル/円は、米中通商交渉の先行き不透明感から持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、108.70円近辺まで下落した。中国国家統計局が発表した10月鉱工業生産や小売売上高が予想を大きく下回り、日経平均株価が急速に伸び悩んだことも、リスク回避の円買いを誘った。午後もこの流れは続き、日経平均株価の下げ幅拡大をながめて108.63円程度までじり安となった。その後は、本邦実需筋などの値ごろ感からのドル買い・円売りで108.70円前後でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、欧州の景気減速に対する根強い懸念からユーロ売り・ドル買いが優勢となり、1.10ドル台を割り込み1.0995ドル近辺で値を下げた。

 

過激化する香港の警察とデモ隊

反政府抗議活動が続く香港では、13日も朝から交通妨害が行われ、鉄道やバスなどの主要交通網は3日連続で一部まひ状態となった。各地で火炎瓶や催涙弾を使ったデモ隊と警官隊の衝突が頻発し、混乱は香港全土に及んでいる。教育局は、14日の域内全ての学校の休校を決定した。香港警察は13日の記者会見で、前日の抗議活動に関連して1567発の催涙弾と1312発のゴム弾を撃ったと発表した。6月の「100万人デモ」後、100日間で使われた催涙弾約2400発の半分超の数を1日で放ったことになる。

 

欧州市場では7-9月期ユーロ圏域内総生産改定値が公表

速報値は、前年比+1.1%だった。米中の貿易摩擦などを背景にドイツを中心に輸出が落ち込み、生産にも影響が波及しつつある。改定値ではいくつかの項目が修正される見込みだが、上方修正される項目は少ないことから、速報値と同水準となる可能性がある。

 

英国総選挙終了するまでは最新支持率調査でポンドが振れる展開

調査会社Kanterによると、最新の支持率調査で保守党は37%、労働党は27%、自由民主党は17%、ブレグジット党は9%という結果が出た。昨日に市場調査会社YouGovが発表した調査では保守党の支持率は42%だったため、これを受けてポンドは売りで反応した。

 

米10月コア消費者物価指数の前年比は予想外に低下

米労働省が発表した10月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%と9月0.0%から予想以上に上昇した。3月来で最高となった。前年比では+1.8%と、予想外に9月+1.7%から上昇し7月来で最高となった。変動の激しい原油や食品を除いたコアCPIは前月比+0.2%と予想通り9月+0.1%から上昇した。特に連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している前年比では+2.3%と予想外に9月+2.4%から低下し7月来で最低となった。 そのため、米10年債利回りは1.86%まで低下後も6日来の低水準付近で推移した。

 

パウエル米FRB議長の議会証言の内容

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエルFRB議長は13日、上下両院合同経済委員会での公聴会に参加し、経済が軌道上にある限り『政策は適切』との見解を示し、10月FOMCで示した年内政策を据え置く姿勢を確認した。ただ、見通しが大きく修正された場合、FRBはそれに対応していくと加えた。現在、政策据え置きを見込む判断の基盤となるもっとも可能なシナリオとして、①緩やかな成長と②強い労働市場、③インフレは2%前後で推移すること、と説明した。景気に関し、基本見通しは『楽観的』としたものの、『リスクは依然下方』で、『注目に値すべきリスクが残る』と慎重な姿勢を見せた。さらに、インフレに関しても『低インフレのリスクは上昇リスクより大きい』と指摘するなど、FOMCの次の行動は利上げよりも利下げに依然傾斜していることも確認された。国外の不景気、貿易の不透明性がリスクを生むと指摘した。今後の連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げの行方は結局、米中通商協議、関税の行方次第になる。

米大統領選にヒラリー・クリントンの参戦の可能性も

ヒラリー・クリントン元米国務長官(72)は12日、2020年米大統領選への出馬について『絶対にないとは言わない』と述べ、排除しない考えを示した。民主党の候補指名争いは中道派の本命と目されていたバイデン前副大統領(76)の支持が伸び悩み、他の中道候補も出馬を探っている。クリントン氏の発言は本命不在で深まる混迷ぶりを映し出す。クリントン氏はかねて出馬に意欲があると伝えられていた。中道派の候補ではマイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長(77)も出馬を検討している。出馬に必要な手続きを進めているとされ、同氏のスポークスマンも事実関係を認めた。

 

欧米市場イベント

○15:30   10月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比▲0.24%)
○16:00   7-9月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比▲0.1%/前年同期比0.5%)
○16:00   7-9月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比0.9%)
○16:00   9月トルコ鉱工業生産
○16:30   10月スイス生産者輸入価格(予想:前月比▲0.1%)
○16:45   10月仏CPI改定値(予想:前月比▲0.1%/前年比0.7%)
○17:30   10月スウェーデン失業率
○18:30   10月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.2%/前年比3.7%)
      英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.2%/前年比3.4%)
○18:45   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○19:00   7-9月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比0.2%/前年比1.1%)
○19:30   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、あいさつ
○20:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:30   9月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○22:30   10月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比0.9%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.5%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/168.7万人)
○23:00   クラリダFRB副議長、講演
○23:00   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○23:10   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○24:00   パウエルFRB議長、米下院予算委員会で証言
○15日01:00   EIA週間在庫統計
○15日01:45   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、あいさつ
○15日02:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○15日02:20   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○15日03:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○15日04:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.50%に引き下げ)
○新興5カ国(BRICS)首脳会議(ブラジリア)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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