FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/11/27/15:13:05

日経平均株価:米国株高と円安を好感するも上値の重い展開

米国株高や為替の円安基調などを好感し、朝方から買いが先行した。23500円台に乗せたところでは戻り売りに押された一方、23400円は下回らず、狭いレンジでの小動きが続いた。結局、前営業日比64円高の2万3437円と4日連騰で終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は上値重いも109円台を維持

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、109.15円近辺までじり高となった。しかし、前日につけた109.21円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。その後は、28日の米感謝祭を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いが入り109.10円近辺へ緩んだ。午後に入っても、109.10円台を中心とした狭い値幅での取引が続いた。米中通商交渉の行方を見極めたいとの雰囲気から、上下に動きにくくなっている。ユーロ/ドルは、1.10ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国19年1-10月の工業企業利益は前年同期比で減少傾向

中国国家統計局が27日に発表した統計によると、2019年1-10月の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は前年同期比2.9%減の5兆151億元となった。減益幅は1-9月の2.1%から0.8ポイント拡大した。

●調査対象の41業種のうち30業種が増益、11業種が減益。
●業種別では、電力・熱供給が16.2%増、電気機械・器材製造が15.0%増、専用設備製造が12.0%増、非金属鉱物製品が10.9%増。
 コンピューター・通信用設備・電子設備製造が6.0%増、非鉄金属精錬・圧延加工が5.4%増、農産物加工が5.1%増、石油・天然ガス採掘が3.4%増、汎用設備が2.8%増。
 半面、石油精製・コークス・その他燃料加工が51.2%減、鉄鋼精錬・圧延加工が44.2%減、化学原料・化学製品製造が25.3%減、自動車製造が14.7%減、繊維が6.4%減、石炭採掘・選炭が2.1%減などとなった。

 10月単月の税引き前利益は前年同月比9.9%減の4275億6000万元。減益幅が9月の5.3%から4.6%ポイント拡大した。

 

英国の保守党の支持率が低下傾向

12月12日の英総選挙を控え、26日にカンターがまとめた世論調査では、与党・保守党の最大野党・労働党に対するリードが11ポイントと、前週の18ポイントから縮まった。保守党の支持率は2ポイント下がって43%、労働党の支持率は5ポイント上昇し32%だった。親欧州連合(EU)の自由民主党は2ポイント下がり14%、ブレグジット党は1ポイント上がって3%だった。カンターの調査は、11月21日─25日に1097人に対し実施された。25日に公表されたICMの調査でも、保守党の労働党に対するリードが10ポイントから7ポイントに縮小していた。

 

来年のトルコの経済と通貨はインフレ率低下で様変わりすると強調

トルコのエルドアン大統領は、同国の金利とインフレ率について、『あらゆるプレッシャーにもかかわらず』望ましい水準に向かっているとした上で、2020年には1桁台に低下するとの見方を示した。NTVが26日伝えた。
大統領は、金利とインフレ率の低下は恒久的なものになるとし、1桁台になればトルコの経済と通貨は『様変わりする』と強調した。トルコによるロシア製地対空ミサイルシステム『S400』購入を巡り、トルコと米国が対立している問題については、トルコと米国の政府高官が解決に向けて来年4月まで努力を続けると語った。どのように解決策を見つけるのかとの質問に対して、エルドアン大統領は『4月まで続くプロセスがある。国防相と外相がこうした努力を担う』などと応じた。

 

米規制強化で年末越えのドル不足懸念に大量資金供給

米金融市場でドル不足の懸念が出ている。米銀が規制に基づいて手元資金を現金などの安全な形で積み増すよう求められ、市場でドルを融通しにくくなっている。年末にかけて資金は一段と逼迫しそうで、米連邦準備理事会(FRB)は資金供給を拡充した。ドルの調達は邦銀にとっても大きな経営課題になっている。FRBの金融調節を担当するニューヨーク連邦準備銀行(NY連銀)は25日、国債などを担保に、返済期日が年末を越える資金を250億ドル(約2兆7千億円)供給した。金融機関からは490億ドルの応札があった。NY連銀による資金供給はこれまで、翌日物などで期間が短かった。今回は1カ月を超える資金を融通する。資金需要が高まる年末に向けて、金融機関の資金繰りを安定させる狙いがある。米国市場では過去10年、欧州銀が事業を縮小する一方で邦銀が存在感を高めてきた。ただ邦銀の資金調達は米銀に比べると、現地企業の決済に関わる預金や個人からの預金は少ないとみられる。金利の急な上昇や経済危機があれば、外貨の調達は難しくなる恐れはある。

 

米国市場では7-9月期国内総生産(GDP)改定値が公表

速報値は前期比年率+1.9%で市場予想を上回った。成長率は鈍化しているものの、個人消費はまずまず順調だったことから、市場予想を上回る伸びとなった。ただし、企業設備投資の軟化や輸出低迷の影響は小さくないことから、改定値の数字が上方修正される可能性は低いとみられる。

 

米国市場では10月耐久財受注が公表

9月実績は前月比▲1.2%だった。設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本材)は2ヵ月連続で減少した。民間航空機・同部品は前月比10%超の大幅減となった。10月については民間航空機・銅部品の受注減は一服するとみられているが、米中対立が続いていることから、前月比で減少する可能性が高いとみられる。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.1%/前年比▲3.6%)
○16:45   11月仏消費者信頼感指数(予想:103)
○18:30   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○19:00   10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
○21:00   10月メキシコ貿易収支(予想:19.38億ドルの赤字)
○21:00   10月メキシコ失業率(季節調整前、予想:3.6%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   7-9月期米国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比年率1.9%)
           個人消費(改定値、予想:前期比2.8%)
           コアPCE(改定値、予想:前期比2.2%)
○22:30   10月米耐久財受注額(予想:前月比▲0.8%/輸送用機器を除く前月比0.1%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.1万件/169.0万人)
○23:45   11月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:47.0)
○24:00   10月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.2%/前年比6.0%)
○24:00   10月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
       10月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       10月米PCEデフレーター(予想:前年比1.7%)
       10月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.1%/前年比1.7%)
○28日00:30   EIA週間在庫統計
○28日01:30   米財務省、7年債入札
○28日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/11/26/15:13:25

日経平均株価:米中通商協議報道で振れる展開

米中通商協議を巡り『第1段階』の合意が近いとの期待が高まり、主要3指数はいずれも最高値を更新した。さらに外国為替市場ではドル/円が109円台まで円安に振れたことが好感され、輸出関連株を中心に幅広く買われた。中国共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報は25日、米中通商交渉は『第1段階』の合意が非常に近いと報じ、これに先立ちオブライエン米大統領補佐官も23日、年末までに中国と『第1段階』の通商合意に達する可能性は依然としてあるとの認識を示しており、合意が来年にずれ込むとの懸念が和らいだ。結局、前日比80円高の2万3373円と3日連騰となった。

 

東京外国為替市場:米中通商協議報道で上下に振れる展開

ドル/円は、中国商務省が『米中は貿易協議の第1段階合意について重要問題解決に向けた共通認識に達し、残る課題の交渉を継続する』との見解を示した。これを好感して、一時10-9.20円近辺まで急騰する場面があった。しかし、重要問題について具体的な内容は示されず、市場が期待していた進展が見られなかったため、ドル買い・円売りは続かなかった。その後は、日経平均株価の上げ幅縮小を眺めたドル売り・円買いに押され、109.00円近辺へじり安となった。午後は、一部の中国メディアが『米中は関税引き下げの規模について、意見の相違がある』と報じると、持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、108.93円付近まで下落した。ユーロ/ドルは、1.10ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国が米国産農産物の購入を継続

中国が米国産農産物の購入を継続している。米農務省のデータによると、米国産大豆の前週の輸出出荷量は190万トンに上り、約2年ぶりの高水準に達した。うち70%は中国向け。『香港経済日報』が26日伝えた。一方、米農務省が21日に公表したデータでは、中国が56万8000トンの大豆、約4万トンの豚肉、239トンの牛肉を買い付けた。

 

バンカメ・メリルの顧客が3週ぶりに売り越す

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの26日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は18~22日の1週間に米国株を1億1400まんドル売り越した。前週は43億5500万ドルの大幅買い越しだったが、3週ぶりに売り越しに転じたことになる。個別株買い・ETF売りの動きが強まり、ETFを除けば買い越しだった。主体別動向ではヘッジファンドが4億9100万ドルの売り越しで、3週連続の売り越し。機関投資家は14億9400万ドルの売り越しで3週間ぶりに売り越しに転じた。個人投資家は6600万ドルの小幅買い越しで8週ぶりに買い越しに転じた。企業の自社株買いは18億500万ドルの買い越しだったが、過去最高を記録した前週(42億6200万ドル)から大きく減った。

 

NY連銀の年末越え資金供給始まる:さらに強化される可能性も

ニューヨーク連邦準備銀行(NY連銀)は25日、年末を越える資金を金融機関に供給した。短期金融市場でドルの需給が逼迫しており、早めに資金を供給することで金利の高騰を抑える狙い。金融機関からの応札が多く、予定された250億ドル(約2兆7千億円)の全額が落札された。NY連銀は米連邦準備理事会(FRB)の金融調節を担当する。9月以降、ドルの短期金利が上昇しやすい状況が続いており、NY連銀は翌日物など短期間の資金を金融機関に供給してきた。年末にかけてはさらに需給が逼迫するとの見方が多く、今回は年をまたぐ期間の長い資金供給を新たに加えた。
NY連銀は12月12日に今後1カ月程度のオペの運営方針を見直す。翌日物の資金供給量の増額など、対応がさらに強化される可能性もある。

 

米年末商戦を控え米中通商協議の交渉決裂は回避

米国による対中国関税第4弾の判断期限は12月15日となっており、それまでは米中双方が少しでも有利な合意を得ようとしたり、両国とも自国内での『弱腰譲歩批判』を回避させるために、硬軟取り混ぜた駆け引き応酬が続くと予想される。ただし、トランプ米大統領からすると、①ウクライナ疑惑や弾劾問題などで窮地にある、⓶米国では28日の感謝祭明けから年末商戦が本格化する、⓷野党・民主党の大統領候補争いや討論会が、メディアや世論の関心を集めている、といった問題に直面している。自身の存在感や成果アピールのほか、年末商戦サポートの目的もあり、少なくとも交渉決裂のリスク自体は回避される。
最悪事態回避の可能性については、前週に『米中が第1段階の合意で12月15日の期日までに署名しなかった場合でも、米国が中国製品への関税引き上げを先送りする可能性がある』、『米国が12月15日発動予定の関税を遅らせる可能性がある』といった報道が見られている。
米中協議や香港問題には不透明感が根強いが、追加関税の発動といった最悪事態が回避されると、米FRBによる利下げ休止が後押しされやすい。ドル/円ではドル安抑制や緩やかなドルの下限切り上がりにつながっていく。

 

米国市場では11月消費者信頼感指数が公表

10月実績は4ヵ月ぶりの低水準となり、125.9に低下した。9月実績は126.3に上方修正された。ただ、現況指数は172.3に上昇しており、消費者信頼感がさらに低下する状況ではないと予想され、10月実績に近い水準となる見込みとなっている。

 

欧米イベント

○16:00   12月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:9.6)
○17:15   クーレ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:05   ロウ豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○23:00   9月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
       7-9月期米住宅価格指数
○23:00   9月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比2.1%)
○24:00   11月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:5)
○24:00   10月米新築住宅販売件数(予想:前月比1.1%/70.9万件)
○24:00   11月米消費者信頼感指数(予想:127.0)
○27日03:00   米財務省、5年債入札
○17日03:00   ブレイナードFRB理事、講演

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欧米直前市場コメント!

2019/11/25/15:13:14

日経平均株価:前週末の米国株高を好感した買い優勢

先週末の米国株式市場では、米中貿易協議の進展期待や前週末のNY米ダウの上昇を好感して買いが先行しした。日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)失効回避や12月の日韓首脳会談の可能性等が投資家心理を支え香港等アジア株式堅調も追い風となり一時上げ幅広げ一時上げ幅を234円高へ広げた。結局、前週末比179円高の2万3292円と続伸して終了した。

 

市場では米中合意文章作成の目処は『今週末の感謝祭まで』といった大雑把な認識となっている。市場自体は28日木曜日が感謝祭で休場となり、翌29日金腰日は、ブラックフライデーの買い物で忙しいからか、米国市場は半ドン。そんな休暇モードに入るまでに、何らかの動きがないと思う方が不思議なこと。今週は、ポジション調整などでボラティリティの急上昇などには警戒が必要となる。

 

東京外国為替市場:109.00円が視野に入ると上げ一服の展開

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、108.80円近辺までじり高となった。週末に発表された米経済指標が好調だったことも、ドルの押し上げにつながった。午後もこの流れは続き、一部中国メディアが『米国との通商合意が非常に近い』と報じると、さらにドル買い・円売りが進んで108.86円近辺まで小幅に値を上げた。しかし、心理的な節目の109.00円が視野に入ると、上げは一服となった。ユーロ/ドルは、1.10ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

香港区議会選では民主派が大勝利

現地テレビRTHKが25日に報じたところによると、民主は全452議席のうち90%に近い390議席を獲得した。行政長官は、香港政府は区議会選の結果を尊重すると表明した。4年前の前回選挙では、民主はの議席数は約100議席に留まっていた。民主派の議席数となるのは初めて。

中国共産党の傘下にある英字新聞チャイナ・デーリーは25日の論説で、選挙がきっかけで香港が平常に戻ることを期待するとし、選挙前のここ数日、香港が比較的平穏だったことは、全ての有権者が選挙をを意見表明の機会と捉えていたことw示していると指摘した。

 

英保守党支持率上昇でポンド持ち直すが

週明けのポンド相場は持ち直している。英与党・保守党が12月12日の総選挙に向けてマニフェストを発表し、改めて来年1月末までの欧州連合(EU)離脱実現を公約に揚げた。マニフェスト公表後の複数調査会社による世論調査で、保守党の支持率が50%近くまで上昇している結果も出たことで、EUとの合意がないままの離脱は回避されるとの見方が、ポンドの支援となっている。しかし、EUとの合意を裏付けとしても、EU離脱自体は英経済にとってポジティブな材料ではない。先週発表された11月英製造業・サービス部門PMI速報値は、景気判断の境目50を下回ったが、こうした数値が明確に底打ちしなければ安心感は生まれない。

 

米中第2段階の合意成立は困難との見方

米中貿易協議の『第1段階』合意へ向けた交渉が長引くなか、さらに広範な『第2段階』の合意成立は困難との見方が両国高官の間で広がっている。米大統領選を2020年11月に控える上、対中圧力を強める上でホワイトハウスが同盟国との協調に消極的なことが理由だという。トランプ米大統領は10月、中国の交渉団を率いる劉鶴副首相との共同会見で、第1段階合意がまとまれば即座に第2段階の交渉に入ると表明した。中国が米企業に中国同業への技術移転を強要して実質的に知的財産権を奪うという、米国が以前から不満を表明してきた問題が第2段階交渉の焦点になるとした。

 

欧米の量的緩和が世界の株価を支える

内外株価の9月中旬以降の上昇は、事実上の欧米中銀のQE(量的緩和)再開による空売りの買い戻し誘発による世界株高といえる。しかも、年初からの長期金利低下にもかかわらず、今年9月中旬頃から米レポ取引(主に銀行間の資金貸借取引)が停滞し、短期金利が急騰した。このためFRBは債券を担保に急遽、600億ドルの巨額資金を供給した。当初10 月15 日までの予定だったが、来年1月まで毎月600 億ドルの資金供給を継続することになった。これは事実上のQE4(量的緩和4弾)であり、最近の株価急騰はこのFRBのQE再開をトリガーとしている。

 

欧米イベント

○18:00   11月独Ifo企業景況感指数(予想:95.0)
○20:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○21:00   7-9月期メキシコ国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.1%/前年同期比▲0.3%)
○22:30   9月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.4%)
○26日03:00  米財務省、2年債入札
○26日03:00  レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○26日03:00   メルシュECB専務理事、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/11/22/15:11:50

日経平均株価:週末控え午後から上げ幅縮小

中国の劉鶴副首相が21日に米国との第1段階合意について『慎重ながらも楽観』と述べたことが引き続き好感されたほか、中国がさらなる通商協議を行うため米交渉担当者を北京に招くという一部報道も材料視された。市場では『昨日まで3日続落していたこともあり、比較的買いに向かいやすい環境だった』との指摘もあった。午後に入ると香港株が上げ幅を急速に縮めたことで投資家心理が悪化したほか、週末を控えて手仕舞い売りに押された。結局、前営業日比74高の2万3112円と4日ぶり反発して終了した。

 

東京外国為替市場:材料乏しく108.60円付近でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、108.70円付近までじり高となった。米長期金利が小幅ながら上昇したことも、ドル買い戻しにつながった。ただ、20日につけた108.74円上値目処として意識されると、上げ幅は一服した。その後は、週末を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いが入り108.65円前後でもみ合う展開となった。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、108.60円台を中心とした狭いレンジでもみ合いあった。ユーロ/ドルは、1.1065ドル前後でこう着した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国取締り警戒からビットコイン下落

インターネット上の暗号資産(仮想通貨)ビットコインが下落している。香港に拠点を置く交換業者バイナンスを巡り『中国当局の捜査により上海事務所が閉鎖された』との観測が広がり、中国当局の規制強化を意識した売りがビットコインに膨らんだ。バイナンスの上海事務所はもともと存在しないというが、『中国当局の取り締まりへの警戒感は根強く、ビットコインへの買いは鈍いまま』との声があった。ビットコインは10月下旬に一時1万ドルを回復するなど急上昇したが、その後は下落基調が続いている。

 

経済協力開発機構(OECD)の世界経済見通しを下方修正

OECDは21日、最新の世界経済見通しを発表した。2020年の世界経済成長見通しを2.9%と前回の3.0%から下方修正した。なお、2019年は2.9%で据え置いた。 一方、2019年の中国経済成長見通しを6.1%から6.2%、ユーロ圏の2020年経済成長見通しを1.0%から1.1%へそれぞれ上方修正した。また、2019年の日本の実質経済成長率が1.0%になるとの見通しを発表した。前回9月時点の予想を据え置いた。10月の消費増税の影響は財政支出や20年の東京五輪によって和らぐと分析。人手不足感から賃金上昇や設備投資の拡大が続くため、20年に0.6%、21年に0.7%と潜在成長率並みの経済成長が続くと見込む。

 

欧州市場では11月ユーロ圏製造業PMIが公表

10月改定値は45.9で9月の45.7から改善したものの、節目の50を9カ月連続で下回った。対米貿易摩擦や、英国の欧州連合(EU)離脱を巡って企業投資や需要の減少が指数低迷の要因となっている。この状況は11月も特に変わらず、節目の50を大幅に下回る見込み。

 

英国保守党の圧倒的な政治献金額

英国で来月12日の総選挙に向けた選挙戦の第1週に各政党が受けた政治献金の額は、ジョンソン首相が率いる与党・保守党が最大野党である労働党の26倍となった。 保守党が11月6日からの6日間で570万ポンド(740万ドル)の資金を集めたのに対し、労働党への献金は21万8500ポンドにとどまった。全政党への献金のうち87%が保守党に向けられた。 これほど高額の献金を集めたジョンソン氏の手腕から、同氏の人気の高さが浮き彫りになった。これは世論調査で他党をリードしている保守党に追い風となる。だが、保守党は大富豪や銀行、大手企業の味方だとする労働党の主張を裏付けることにもなりかねない。労働党には比較的小口の献金が集まる傾向があるとはいえ、より規模の小さい2政党よりも献金額が少なかった。同じ週の政治献金額は親欧州連合(EU)派の自由民主党が27万5000ポンド、ブレグジット党が25万ポンドだった。

 

米国市場では11月製造業PMIが公表

10月実績は51.3で市場予想をやや上回った。米中貿易摩擦の影響は多少緩和されているが、企業投資の抑制や輸出の伸び悩みなどの影響は消えていないことから、11月については、10月並みの水準にとどまるか、多少悪化する可能性がある。

 

欧米市場イベント

○未定   11月月例経済報告
○16:00   7-9月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比0.1%/前年同期比0.5%)
○16:00   7-9月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比1.0%)
○17:15   11月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.9)
○17:15   11月仏サービス部門PMI速報値(予想:53.0)
○17:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○17:30   11月独製造業PMI速報値(予想:42.9)
○17:30   11月独サービス部門PMI速報値(予想:52.0)
○18:00   11月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:46.4)
○18:00   11月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:52.5)
○18:30   11月英製造業PMI速報値(予想:49.0)
○18:30   11月英サービス部門PMI速報値(予想:50.0)
○22:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○22:30   9月カナダ小売売上高(予想:前月比▲0.1%/自動車を除く前月比0.1%)
○23:45   11月米製造業PMI速報値(予想:51.5)
○23:45   11月米サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○23:45   11月米総合PMI速報値
○24:00   11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:95.7)
○23日01:20   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○20カ国・地域(G20)外相会議(名古屋市、23日まで)
○24日 香港区議会(地方議会)選挙

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2019/11/21/15:17:14

日経平均株価:米中通商協議報道に振れる展開

米中通商協議の『第1段階』の合意が来年まで持ち越される可能性が出てきたことから米中対立が激化しそうとの不安ムードが急速に広がり、幅広く売られる展開となった。また、香港株式市場が大幅安で始まったことも嫌気された。しかし、中国の劉鶴副首相が、米国との第1段階合意について『慎重ながらも楽観』と述べたとの報道が相場に安心感与えた。日経平均を始め、上海総合株価指数や香港ハンセン指数などアジアの主要株価指数も下げ幅を縮小した。結局、前日比109円安の2万3038円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米中通商協議報道で上下に振れる展開

ドル/円は、日経平均株価の大幅安やアジア株安を背景にドル売り・円買いが先行し108.25円近辺まで下落した。朝方に伝わった『米上院で可決された香港人権・民主主義法案について、トランプ大統領が署名する見通し』との一部報道も、米中関係の悪化を警戒したリスク回避の円買いを誘った。しかし、14日につけた108.24円が下値の目処として意識されると、下げは一服した。その後、中国の劉鶴副首相が米中貿易協議の第1段階合意について『慎重ながらも楽観的だ』と発言すると、短期筋などからショートカバーが持ち込まれ、108.50円付近へ急反発した。午後は日経平均株価の下げ幅縮小をながめた持ち高調整などのドル買い・円売りが入り、108.60円近辺へじり高となった。ユーロ/ドルは、1.1075ドルを挟んでこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

マイナス金利政策や地方経済低迷で本邦地方銀行経営は厳しい

東京証券取引所などに上場する地方銀行78行の2019年9月中間決算は、約7割に当たる56行で最終(当期)利益が前年同期に比べて減少した。このうち2行は最終赤字に転落した。 日銀のマイナス金利政策や地方経済の低迷で本業の貸し出し利益が減っているのに加え、融資先の倒産に備えた引当金費用が増えているのが要因となっている。地銀の経営は一段と厳しさを増している。 地銀78行の最終利益の合計は15.6%増の5515億円と中間決算としては4年ぶりに増加した。

 

ロシアのプーチン大統領はOPECとの協調減産に強力

ロシアのプーチン大統領は20日、原油市場の安定と予見可能性を維持する目標をロシアは石油輸出国機構(OPEC)と共有していると述べ、引き続き協調減産に強力する姿勢を示した。OPECと非加盟国で構成するOPECプラスは12月5日にウィーンで会合を開き、協調減産などについて協議する。ロシアの10月の産油量は日量1123万バレルと、9月の日量1125万バレルから減少した。ただ、OPECプラスの強調減産合意に基づくロシアの産油量(日量1117万-1118万バレル)は超えている。

 

香港人権法案は米下院が可決し大統領に送付

米下院は20日、中国が香港に高度の自治を保障する『一国二制度』を守っているかどうか米政府に毎年検証を求める『香港人権・民主主義法案』を賛成417・反対1で可決し、トランプ大統領に送付した。ホワイトハウスは、大統領が法案に署名するかコメントを控えている。ただ、共和党主導の上院と民主党主導の下院の双方が、ほぼ反対なしに法案を可決しており、大統領が拒否権を発動しても覆される可能性ある。拒否権を覆すには、上下両院で全体の3分の2以上の支持が必要となる。中国外務省も20日に国家の主権と安全保障を守るため必要な措置を取ると表明している。

 

米中通商協議の第1段階合意は来年にずれ込む可能性も

米中通商協議の『第1段階』の合意が来年にずれ込む可能性があると、ホワイトハウスに近い関係者などが明らかにした。中国が関税撤廃拡大を求めているほか、米国もしれに対応して要求を強めているのが要因。トランプ大統領とムニューシン財務長官は暫定合意を発表した先月11日、合意の文書化には最長5週間の時間を要すると述べていた。通商関係者や協議の説明を受けた関係者によると、この発言から約5週間が経過した現在でも合意の見通しはまだたたず、交渉がさらに複雑化する可能性がある。

 

米国市場では11月フィラデルフィア連銀景況調査が公表

米11月フィラデルフィア連銀景況調査は6.7と、10月の6.5を若干上回る見通しとなっている。直近のISM製造業景況指数は低水準に落ち込んでおり、製造業の地合いの悪さが示されれば追加利下げへの思惑が広がる。

 

欧米市場イベント

○16:30   7-9月期スイス鉱工業生産指数(予想:前年同期比3.5%)
○16:45   11月仏企業景況感指数(予想:105)
○17:10   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30   10月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比3.2%)
○18:40   デギンドスECB副総裁、講演
○21:30   ECB理事会議事要旨(10月23日-24日分)
○22:30   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○22:30   11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:7.0)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.9万件/168.5万人)
○22:40   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:6.50%で据え置き)
○24:00   11月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲7.3)
○24:00   10月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.1%)
○24:00   10月米中古住宅販売件数(予想:前月比1.4%/年率換算547万件)
○22日00:10   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○米財務省2年、5年、7年債入札条件

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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