FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/11/06/15:11:57

日経平均株価:米国株の堅調推移につれた動き

米中通商協議の進展期待や米10月ISM非製造業総合指数が市場予想を上回ったことが安心感を誘い米国株が堅調に推移したことで、寄付きは買いが強まり一時100円超に上げ幅を拡大したが、その後は利益確定売りに押され、上げ幅を縮小した。結局、前営業日比51円高の2万3303円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台を挟んでのもみ合い相場

ドル/円は、米長期金利低下や日経平均株価の伸び悩みをながめ、109.01円程度まで下落した。国内輸出企業のドル売り・円買いも継続的に観測された。もっとも、米中通商交渉が進展するとの期待から下値を追う動きは限られ、109.05円を挟んでもみ合いとなった。午後に入っても、日経平均株価や上海総合株価をにらみながら、109.05円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。ユーロ/ドルは、1.10ドル台後半でこう着した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコリラの上値を抑える米国間との溝

エルドアン大統領は、米国が最新鋭ステルス戦闘機F35のトルコ受け渡しをキャンセルするならば、ロシアから戦闘機を購入する可能性を示唆しました。くわえて同大統領は、クルド系武装組織と共同パトロールを実施している米軍を批判しています。 米議会のトルコ非難に強く反発したエルドアン大統領は、13日に予定されていた米ワシントンでのトランプ米大統領との首脳会談を『未定』としました。訪米するか否かの決定は近日中にされるようですが、会談中止となれば両国の歩み寄りチャンスを逃すことになり、溝が深まることになりそうです。

 

米労働市場は健全を維持

米労働省が発表した9月JOLT求人件数は702万件と、昨年3月来の低水準となった。小売り、ヘルスケア、プロフェッショナルサービス、建設分野などで求人件数が減少した。一方で、州・地方政府の求人は622万件と、2000年の統計開始以降で最高を記録した。求人件数は昨年11月に過去最高を記録したのち減少基調にある。今年に入り、貿易への不透明感、または、適切な雇用者が見つからないことを理由に企業は新規雇用を控えている。しかし、求人件数は総失業者数を依然、100万件超上回っており、労働市場は依然健全な状況と言える。8月分も705.1万件から730万件へ、大幅に上方修正された。米労働省が先週発表した10月雇用統計でも失業率は3.6%と50年ぶりの低水準付近を維持。また、雇用者数も10万人台の伸びを保ち、労働市場が持続的なペースで引き続き拡大している証拠となった。

 

米大統領の弾劾調査で『見返り要求』を認める

米下院委員会は5日、トランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾調査で、ソンドランド駐欧州連合(EU)代表部大使ら2人の非公開宣誓証言の記録を公表した。これに先立ち、ソンドランド氏は10月の証言を修正し、ウクライナ軍事支援の凍結解除のため、同国に対して汚職捜査開始の明言という『見返り』を要求したと認めた。
トランプ政権は汚職調査の一環として、ウクライナ当局に政敵のバイデン前副大統領(民主党)周辺の捜査を求めており、軍事支援を盾にスキャンダル探しを要求していた実態が改めて鮮明になった。

 

トランプ大統領は苦戦するという世論調査

米紙ワシントン・ポスト(電子版)は5日、2020年の大統領選で、野党民主党の有力5候補の誰が公認されても、再選を目指すトランプ大統領は苦戦するという世論調査結果を伝えた。トランプ氏の経済政策に対する評価は比較的高いものの、人柄への不満や不信が強いようだ。調査結果によると、民主党候補のうち支持率上位のバイデン前副大統領、ウォーレン上院議員、サンダース上院議員のいずれが相手でも、大統領選でトランプ氏に投票すると回答したのは40%前後で、対立候補を14~17ポイント下回った。トランプ氏は、上位3人を追うブティジェッジ・サウスベンド市長とハリス上院議員にも10ポイント前後の差をつけられた。民主党候補との支持率差は、バイデン氏を除くと1桁台だった7月の世論調査より拡大した。同紙は『7月との違いは、無党派層が民主党支持に動いたことだ』と分析している。

 

欧米市場イベント

○16:00   9月独製造業新規受注(予想:前月比0.1%/前年同月比▲6.3%)
○17:50   10月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:52.9)
○17:55   10月独サービス部門PMI改定値(予想:51.2)
○18:00   10月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.8)
○18:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○18:30   メルシュECB専務理事、講演
○19:00   9月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.1%/前年比2.5%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:00   10月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%)
○22:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○22:30   7-9月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比0.9%)
○22:30   7-9月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比2.3%)
○23:30   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加
○24:00   10月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日00:30   EIA週間在庫統計
○7日03:00   米財務省、10年債入札
○7日05:15   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、討議に参加
○英中銀金融政策委員会(MPC、7日まで)

 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/11/05/15:13:44

日経平均株価:海外勢の買い戻しと打診買いに大幅上昇

前日の米国株主要3指数が過去最高値で取引を終えた流れを引き継ぎ、寄付きで取引時間ベースの年初来高値を更新した。英FT紙(5日電子版)が『トランプ政権が中国の既存の制裁関税の一部を撤回するかどうか検討している』と報じ関税一部撤回による来期以降の業績回復期待その後も上値を伸ばす場面となった。市場からは、日経先物のショートポジションの買い戻しに加え、現物に海外投資家の打診買いも入ったとの声もあった。結局、前営業日比401円高の2万3251円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好でも心理的節目の1009.00円に届かず

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、108.78円までじり高となった。朝方に伝わった『米国は対中関税の一部撤廃を検討している』との一部報道も、引き続き円売り要因として意識された。午後もこの流れは続き、日経平均株価の上げ幅拡大や米長期金利の上昇を眺め、108.82円まで上昇した。しかし、心理的節目の109円近辺は、ドル売り・円買いオーダーが厚いと観測されており、上げは一服した。その後は、今晩発表される10月米ISM非製造業景況感指数を見極めたいとのムードが広がり、108.80円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.11ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ツイートでドイツ銀行が破綻するとのウワサ

『Deutsche Bank bankruptcy』でツイッターを検索すると、海外で『ドイツ銀行が破綻するとのウワサが出ている』とのツイートが飛び交っているのが分かる。あくまでもウワサとみられるが、ユーロ/ドルは豪州準備銀行(RBA)理事会で政策金利の据え置きが決まった後、1.1113ドルまでユーロ安・ドル高に振れる場面があった。経営再建中のドイツ銀行が経営破たんするなどと変なウワサを広めて、ユーロ売りを仕掛ける動きが出たのだろうか?しかし、その後にユーロ/ドルは下げ渋る動きとなり、日経先物も一段高となり、マーケットに警戒する動きは見られない。

 

英総選挙でジョンソン首相自身が落選する可能性も

12月12日に決まった英総選挙で、ジョンソン首相は自らの選挙区で野党候補との接戦を強いられる可能性がある。仮に全体として与党保守党が勝利したとしても、ジョンソン氏自身が敗れれば首相を退任せざるを得ず、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の行方も変わるかもしれない。ジョンソン氏の選挙区アクスブリッジはロンドンの端に位置するベッドタウン。同氏は1924年以来の英首相の中で、直近の選挙で野党候補との得票差が最も小さかった。ジョンソン氏にとって不安の種は、ブレグジットへの抗議や、2015年にアクスブリッジで落下傘候補として出馬したことへの反発から、伝統的な保守党支持者が同氏に投票しない事態だ。

 

米国の製造業関連指標は減速傾向

米商務省が発表した9月製造業受注は前月比▲0.6%となった。8月▲0.1%に続き2カ月連続のマイナスとなり、市場予想▲0.5%も下回り、4月来で最低となった。貿易の停滞が引き続き響いた。 また、10月耐久財受注改定値は前月比▲1.2%と、市場予想外に速報値▲1.1%から下方修正され5月来で最小の伸びとなった。変動の激しい輸送用機を除いた10月耐久財受注改定値は前月比▲0.4%となり、やはり予想外に速報値▲0.3%から下方修正された。
企業の設備投資の先行指標となる製造業受注・資本財(航空機を除く非国防)改定値も前月比▲0.6%と速報値▲0.5%から下方修正され2カ月連続でマイナスとなった。国内総生産(GDP)の算出に用いられるコア資本財の出荷改定値は予想通り前月比▲0.7%と、3カ月連続のマイナスとなり7-9月期GDPで製造業がマイナスに寄与した可能性が示された。

 

米国市場では10月ISM非製造業景況指数が公表

米10月ISM非製造業景況指数は53.4と、9月の52.6から改善が見込まれる。前回大幅に鈍化した反動で持ち直す可能性があり、市場予想と一致した場合、株高を通じてドルを押し上げる要因となりやすい。

 

米国市場では9月貿易収支が公表

参考となる8月実績は▲549億ドルだった。対中貿易赤字は縮小したが、携帯電話端末などの消費財の輸入が過去最高を記録し、全体の赤字幅は拡大した。9月については、農産物の輸出増加が予想されるが、消費財の輸入額は引き続き多いとみられており、貿易赤字幅の大幅な縮小は期待できない。

 

欧米市場イベント

○16:45   9月仏財政収支
○17:00   7-9月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数(予想:3)
○18:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○18:30   10月英サービス部門PMI(予想:49.7)
○19:00   9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.1%/前年比▲1.2%)
○22:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30   9月カナダ貿易収支(予想:7.0億カナダドルの赤字)
○22:30   9月米貿易収支(予想:525億ドルの赤字)
○23:45   10月米サービス部門PMI改定値(予想:51.0)
○23:45   10月米総合PMI改定値
○24:00   10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:53.5)
○6日02:40   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○6日03:00   米財務省、3年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/11/01/15:13:01

日経平均株価指数:米国株安と円高を嫌気した売りが優勢

前日の米国株主要3指数が下落したことや、ドル/円が円高基調で推移したことなどを嫌気して、朝方は売りが先行し一時下げ幅を200円超に拡大した。しかし、押し目買いも入りじわりと下げ幅を縮小した。午後は米雇用統計や米ISM製造業景気指数など重要経済指標を控えて様子見ムードが広がった。一方で1日発表の財新10月中国製造業PMI(購買担当者景気指数)が51.7と17年2月以来の高水準となり中国景気底入れ期待に投資家のリスク回避姿勢がやや和らぎ、結局、前日比76円安の2万2850円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:108円前後でのもみ合い相場

ドル/円は、米中通商協議の先行きを警戒したドル売り・円買いが進み、一時107.85円付近まで下落し、約3週間ぶりの安値を付けた。しかし、下値では値ごろ感からドルの押し目買いが入り、下げは一服した。その後は、上海総合株価指数の持ち直しや日経平均株価の下げ幅縮小に支えられ、108.06円近辺まで値を切り返した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、108.00円を挟んだもみ合いとなった。今後発表される10月米雇用統計や10月米ISM製造業景況指数を前に様子見気分も強かった。ユーロ/ドルは、1.1165ドル前後で終日こう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国では11月1日から5Gのサービス開始

5Gはこれまでよりも高速で、大容量の通信が可能になる次世代の通信規格で、中国ではことし6月に通信会社に5Gの免許が交付され、『中国移動通信』など通信大手3社が1日から一斉にサービスを始める。中国の研究機関によると、中国国内で今年1月から9月までに、5Gに対応したスマートフォンが累計で78万台余り出荷されたという。
また、通信大手3社は今年、日本円で6000億円余りをかけて13万以上の5Gに対応する基地局を整備する計画している。

 

米企業の第3四半期の決算は懸念ほど悪化せず

米企業の7-9月期(第3四半期)決算が懸念されていたほど悪くなく、投資家の間で安堵(あんど)感が広がっている。今夏から勢いを失っていた株式市場に新たな追い風が吹きそうだ。米企業の利益は3四半期連続で減少する見通しだが、30日午前までに決算を発表したS&P500種指数構成銘柄280社のうち、約75%が市場予想を上回った(ファクトセット調べ)。これは過去5年の平均である72%を若干上回る水準だ。

 

米トラック指数は底這で12月も追加利下げの可能性も

輸送量を推し量る米トラック指数は米GDP成長率と相関性が強く、景気が良いと50を上回り、景気が悪化すると50を下回る。このトラック指数が10月に入り底入れの様相を呈すが回復とは言い難く、米景気は先行きの危うさを残しつつ米FRBは利下げの選択肢を維持せざるを得ない。米トラック指数はNY賢人エコノミストの誉高いエド・ハイマン副会長固有の指数であり、9月に48.8と50を下回って以降、低下基調を続けてきたが、10月第1週-2週に48.0で底入れ、10月第3-4週には48.1へと僅かに改善した。しかし、同指数の48.0から48.1への改善は、底入れと言うより底這い、とても回復とは言い難く米景気の先行き不安は拭い難い。ハイマン副会長は9月に米企業の業績悪化と成長鈍化に従来の19年と20年の米GDP成長率2.0%予想を、それぞれ1.8%に下方修正すると共に米FRBの10月利下げ打ち止めシナリオを年内あと2回、12月追加利下げの可能性を示唆し始めた。

 

米国市場では10月雇用統計が公表

市場エコノミストの平均予想は失業率が3.6%と、9月3.5%から上昇も依然50年来の低水準付近で推移すると見ている。一方で、非農業部門雇用者数は前月比+8.5万人と、5月来の10万人割れの伸びにとどまり、雇用ペースの鈍化が予想されている。
ただ、米労働省が発表する雇用統計と相関性が強いとされる米10月ADP雇用統計は前月比+12.5万人と市場予想+11.0万人を上回り10万人以上の増加を維持した。雇用統計での雇用者数が10万人を上回るポジティブサプライズの可能性もある。貿易の低迷で特に製造業関連の雇用が弱く本年の雇用の伸びが減速している。今後消費関連企業の雇用にどのように影響していくかが焦点となる。関税に加えて、今四半期は特に、自動車大手GMのストライキやボーイング737の不具合を巡る受注の大幅減少といった特別要因で特に製造業での雇用の減少が全体指数を押し下げる可能性が懸念される。

■市場予想失業率:3.6%(9月3.5%)非農業部門雇用者数:前月比+8.5万人(9月+13.6万人)民間部門雇用者数:前月比+8万人(9月+11.4万人)平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.0%(9月+0.0%、+2.9%)

 

欧米イベント

○16:00   10月トルコ製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:30   10月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい)
○16:30   9月スイス小売売上高
○17:30   10月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:45.0)
○18:00   10月ノルウェー失業率(予想:2.1%)
○18:30   10月英製造業PMI(予想:48.1)
○21:30   10月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化8.9万人/失業率3.6%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.0%)
○22:30   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○22:45   10月米製造業PMI改定値(予想:51.5)
○23:00   10月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:48.9)
○23:00   9月米建設支出(予想:前月比0.2%)
○2日02:00   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○2日02:00   クオールズFRB副議長、講演
○2日02:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○2日03:00   10月ブラジル貿易収支(予想:12.50億ドルの黒字)
○2日03:30   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議(バンコク、11月4日まで)
○3日 米国が冬時間に移行

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/10/31/15:12:35

日経平均株価:2万3000円の大台には届かず

米国株式市場で主要3指数が上昇して取引を終えたことや、米アップルが好決算を発表したことなどが支援材料となり、買いが先行した。一時2万3000円付近まで強含んだものの、その後は利益確定やポジション調整の売りなどが上値を重くした。結局、前営業日比83円高の2万2927円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:108.65円近辺でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸出企業から月末に絡むドル売り・円買いが持ち込まれ、108.60円近辺まで下落した。中国国家統計局が発表した10月製造業購買担当者景気指数(PMI)が、予想を大きく下回ったこともリスク回避の円買いを誘った。しかし、明日発表される米10月雇用統計や10月米ISM製造業景況指数を見極めたいとの雰囲気から下げは一服した。日銀金融政策決定会合が発表されたものの、予想通りとなったことで影響は限定的だった。午後は、日経平均株価や米長期金利の動向をにらみながら、108.65円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1165ドル前後で小動きとなった。欧州是待ちの様相となっている。

 

日銀政策決定会合の変更はフォワードガイダンス時期削除

日銀は31日の金融政策決定会合で、10年国債金利の操作目標を0.00%で維持する事を決定した。金利水準維持について、フォワードガイダンスから時期を削除した。前回会合では、『政策金利については、海外経済の動向や消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、少なくとも2020年春頃まで、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している』としていた。

 

中国のサービス部門も冷え込み始めている

中国国家統計局が発表した10月の非製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.8となり、前月に53.7から低下し、2016年2月以来の低水準となった。ただ、景況拡大と悪化の分かれ目となる50は上回った。中国の製造業は、国内外の需要低迷や長引く米国との貿易戦争の影響を受けている。政府は底堅いサービス部門の伸びによる景気下支えを期待している。ただ、中国経済の成長率は約30年ぶりの低水準となる中、サービス部門も昨年終盤から冷え込み始めている。

 

バルニエ首席交渉官は合意なき英離脱リスクなお存在

欧州連合(EU)は28日、今月31日に設定されていた英国の離脱期限を来年1月31日に延期することで合意した。ただ、バルニエ首席交渉官はブリュッセルで行った講演で『合意なき離脱のリスクはなお存在する。準備をする必要はまだある』とし、『慢心してはなあらない』と述べた。英議会が新たな期限までに離脱協定案を承認しなかった場合、離脱期限の再延長はないため、合意なき離脱のリスクは再び1月末に発生すると指摘した。さらに、2020年末までの移行期間中に通商を巡る合意が得られなかった場合もリスクが高まると警告した。

 

米FRBは次の利下げの有無は米経済データ次第

米連邦準備理事会(FRB)は、これまで1984年、1995年、1998年に『予防的利下げ』を行っている。グリーンスパン第13代FRB議長は、1995年と1998年に3回(x0.25%=0.75%)の予防的利下げを行い、今回記録が破られるまでの最長景気拡大を実現させた。パウエル第16代FRB議長も、「適切に行動する」として3回(x0.25%=0.75%)の予防的利下げを行った後、第4次予防的利下げは、『適切な道筋』として、トランプ米大統領の通商政策に影響される経済データ次第へと責任を転嫁した。

 

世界景気減速の底入れ期待も出てきた

10月のグローバル製造業PMI(購買担当者景気指数)が7月以降、3ヵ月連続で改善している。そこには、世界的な金融緩和効果に加え、米中通商協議の部分合意に伴う貿易戦争『停戦』に向けた『不確実性』後退に伴う世界景気減速底入れ期待がある。IMF(国際通貨基金)は10月15日公表の世界経済見通しで『成長回復は裾野が狭く、心もとない』、『大きな不確実性がある』と警戒感を示しつつ世界GDP成長率を2019年の+3.0%から2020年は+3.4%と3年ぶり回復を予想した。

 

欧米イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○16:00   9月トルコ貿易収支(予想:20億ドルの赤字)
○16:00   9月独小売売上高指数(予想:前月比0.2%/前年比3.5%)
○16:45   10月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%/前年比0.9%)
○17:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:30   7-9月期香港国内総生産(GDP、予想:前期比▲0.6%)
○18:30   9月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比4.3%)
○19:00   9月ユーロ圏失業率(予想:7.4%)
○19:00   7-9月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比0.1%/前年比1.1%)
○19:00   10月ユーロ圏HICP速報値(予想:前年比0.7%)
○19:00   10月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.0%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○20:30   10月米企業の人員削減数
○21:00   9月南アフリカ貿易収支(予想:20億ランドの黒字)
○21:30   8月カナダGDP(予想:前月比0.2%/前年比1.4%)
○21:30   9月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.2%)
○21:30   9月カナダ原料価格指数(予想:前月比2.5%)
○21:30   7-9月期米雇用コスト指数(予想:前期比0.7%)
○21:30   9月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
       9月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       9月米PCEデフレーター(予想:前年比1.4%)
       9月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.1%/前年比1.7%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/168.0万人)
○22:45   10月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:48.0)
○ECBのドラギ総裁が任期満了、ラガルド新総裁が就任
○東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議(バンコク、11月4日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/10/30/15:12:57

日経平均株価:イベント前のポジション調整売り

前日の取引で約1年ぶりに2万3000円台に乗せたことによる利益確定や、日米金融政策イベントを前にしたポジション調整の売りが出た。市場では『米中貿易協議の合意署名がアジア太平洋経済協力会議(APEC)までに間に合わない可能性が出てきたこと、FOMCの結果待ちのムードが上値を重くしている』との指摘もあった。結局、前日比131円安の2万2843円と8日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は108.85円前後でもみ合う展開

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅拡大や米長期金利の低下をながめたドル売り・円買いが先行し、108.80円近辺へ下落した。しかし、前日の海外市場でつけた108.75円が下値の目処として意識されると、下げは一服した。その後は、国内輸入企業などのドル買い・円売りが入り、108.85円を挟んでもみ合う展開となった。午後に入っても、108.85円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。ユーロ/ドルは、1.11ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの展開となっている。

 

かんぽ生命保険は資産運用にオープン外債を増加

かんぽ生命保険 は、2019年度下期の資産運用計画で、徐々にリスクテークを行う方針を示した。景気の底割れは回避され、ドルも強含む展開を見込んでいる。オープン外債や国内株を積み増す一方、ヘッジ外債は減少させる予定だ。円金利資産についても減少予定だが、金利上昇局面では追加投資を行う。29日に開催された資産運用方針説明会で明らかにした。オープン外債を下期、増加させる。上期については、円高を警戒し一部売却したことから、残高は減少したが、下期はドルが対円で強含む展開を想定、一定額を積み増す方針だ。米国債や新興国債ファンドへの投資が中心となる。今年度下期のドル/円レンジは105-115円を想定している。

 

米10月諸費者信頼感指数は予想外に低下

コンファレンスボードが発表した米国の10月消費者信頼感指数は125.9と、9月から上昇予想に反して、低下した。6月来で最低となった。9月分は125.1から126.3へ上方修正された。特に期待指数は94.9と、1月来で最低となったことが全体指数を押し下げた。 全米不動産業者協会(NAR)が同時刻に発表した9月中古住宅販売成約指数は前月比+1.5%となった。伸びは縮小予想に反して8月+1.4%から拡大した。前年比では+6.3%と、2015年6月以降ほぼ4年ぶり最大の伸びを記録した。住宅ローン金利の低下や強い労働市場が奏功し、今後の中古住宅販売の伸びの大幅に拡大する可能性が示唆された。

 

市場はFOMC10月利下げ後は金利は据え置き

会合を前にCNBCが43人のファンドマネジャー、エコノミスト、ストラティジストを対象にした調査結果によると、回答者のほぼ80%はFRBが今回のFOMCで追加利下げを実施すると見ている。しかし、回答者の63%はFRBが10月の利下げ後、年内金利を据え置くと予想。平均では次回の利下げは2月とみている。しかし、回答者の40%は少なくとも2020年を通じて金利が据え置かれると見ている。10月の利下げ後の追加緩和が経済を支援できる保証はないと指摘している。もし、超低金利または、マイナス金利が『万能薬』だとしたら、日本やドイツ経済はすでに6%成長に達しているはず。景気後退入り寸前で推移しているはずはないと説明した。回答者のほとんどは、経済が直面している重要な問題は貿易戦争で、関税の脅威が長期化する中、利下げによる効果はあまり望めないと悲観的に見方をしている。

 

米国市場では7-9月期国内総生産速報値が公表

4-6月期確報値は、前期比年率+2.0%となった。個人消費は順調も設備投資と企業利益が改定値から下方改定された。7-9月期については、輸出や設備投資の伸びが鈍化するとみられている。個人消費はまずまず順調と想定されるが、全体の成長率は4-6月期の実績値を下回る可能性が高いとみられる。

 

欧米イベント

○15:30   7-9月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.2%)
○16:45   9月仏消費支出(予想:前月比0.1%)
○17:00   10月スイスKOF景気先行指数(予想:93.9)
○17:55   10月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化2000人)
○19:00   10月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲7.6)
○19:00   10月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:101.1)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   7-9月期メキシコGDP速報値(予想:前期比0.2%/前年比0.1%)
○21:15   10月ADP全米雇用報告(予想:12.0万人)
○21:30   7-9月期米GDP速報値(予想:前期比年率1.6%)
           個人消費(速報値、予想:前期比2.6%)
           コアPCE(速報値、予想:前期比2.1%)
○22:00   10月独CPI速報値(予想:前月比横ばい/前年比1.1%)
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)
○23:30   EIA週間在庫統計
○31日02:30   ラウテンシュレーガーECB専務理事、講演
○31日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:1.50-1.75%に引き下げ)
○31日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○31日06:00   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:5.00%に引き下げ)
○米財務省3年、10年、30年債入札条件

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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