FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/12/18/15:14:08

日経平均株価指数:利益確定売りに押される展開

米国市場は、米中通商合意に向けた協議の進展などに支援され、小幅に上昇し最高値を更新したものの、日経平均は前日に年初来高値を更新した後で高値警戒感があり、利益確定売りが先行した。結局、前営業日比131円安の2万3934えんと反落して終了した。

 

東京外国為替市場:持ち高調整の売買で109円台半ばでもみ合い

ドル/円は、英国のEU離脱交渉をめぐる懸念の再燃で、持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、109.41円付近まで下落した。日経平均株価が軟調だったことも、リスク回避の円買いを誘った。しかし、16日の海外市場で付けた109.40円が下値の目処として意識されると、下げは一服した。そのgおは、国内輸入企業などがドル買い/円売りに動き、109.45円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価やアジアしゅよ浮かぶかの動向をにらみながら、109.45円前後でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.1130ドル台で小幅な動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国ではEU離脱後の移行期間延長阻止へ

ジョンソン英首相は、欧州連合(EU)離脱後の移行期間について、2020年以降への延長を阻止する法案の成立を目指す。これにより、EUに来年末までの包括的な貿易協定締結を迫る狙いがある。政府高官は17日、『われわれは政権公約で移行期間を延長しない方針を明確にした。離脱協定法案では、政府が延長に合意することを法的に禁止する』と述べた。英国は1月31日のEU離脱が予定通り実現した場合、その後は以降期間に入り、EUと新たな貿易協定締結に向けた交渉を行う。この移行期間は現行のルールでは2022年末まで延長が可能だが、延長を阻止する法案が成立すれば、交渉期間は10-11ヵ月となる。先の英総選挙で与党・保守党が過半数を大きく上回る議席を確保したことから、ジョンソン首相には必要に応じて法を修正する柔軟性がある。しかし、EUはこれまでに、包括的な貿易協定の締結には、より多くの時間を要する警告しており、ジョンソン氏にはEU側をけん制する狙いがあるとみられる。

 

米国労働市場の強さを再確認

米労働省が発表した10月JOLT求人件数は726.7万件と、9月703.2万件から減少予想に反して増加した。総失業者数を141万人上回った。求人件数が失業者数を上回る逆転は20カ月連続した。また、差は5月来で最大となった。求人件数が増えたのは、小売、金融保険。減少したのは、非耐久財、レクリエーションなどである。
9月分が1年半ぶりの低水準に落ち込んだため、今までひっ迫気味だった米国の労働市場が製造業の低迷などをきっかけに鈍化し始めたのではないかとの懸念も一時浮上した。しかし、10月の強い結果が、懸念を払しょくした。ただ、企業の採用率(Hiring rate)は低下した。適切な技術を持つ労働者が見つからない状況が続いている。労働者の市場への自信をあらわすとして注目される退職者数は351.2万人と、9月の347.1万人から増加した。2カ月連続の減少後、増加に転じた。退職率(Quits rate)は2.3%で9月と変わらずだった。

 

12月の調査では世界経済の成長見通しが大幅改善

バンク・オブ・アメリカ(BofA)グローバル・リサーチが資産運用担当者を対象に実施した12月の調査によると、世界経済の成長見通しがここ2カ月で25年ぶりの大幅改善となったほか、世界の株式に対する投資配分が1年ぶりの高水準となった。
背景には、足元で米中などの経済指標が改善していることに加え、米中貿易協議や英国の欧州連合(EU)離脱問題で一定の進展が見られ、地政学リスクが後退していることがある。 調査によると、向こう1年に世界経済の成長が加速するとの回答は約50%に上った。

 

米政府機関の一部閉鎖は回避見通し

米下院は17日、2020年9月末までの資金を賄う1兆4000億ドル規模の歳出法案を可決した。これによって、政府機関の一部閉鎖は回避される見通しとなった。 同法案は上院に送付され、現行のつなぎ予算が失効する21日までに可決される見通しとなった。 歳出法案には、トランプ大統領が看板政策の1つに掲げるメキシコ国境の壁建設向け費用13億7000万ドルが含まれる。内訳で最大の支出項目は、国防総省向けの7380億ドルだった。

 

欧米イベント

○16:00   11月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.1%)
○17:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○18:00   12月独Ifo企業景況感指数(予想:95.5)
○18:30   11月英CPI(予想:前月比0.2%/前年比1.4%)
         CPIコア指数(予想:前年比1.7%)
          小売物価指数(RPI、予想:前月比0.1%/前年比2.1%)
○18:30   11月英PPI(食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比1.2%)
○19:00   10月ユーロ圏建設支出
○19:00   11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.0%)
○19:00   11月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比1.3%)
○19:15   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○20:15   クーレECB専務理事、講演
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:00   11月ロシア失業率(予想:4.7%)
○22:30   11月カナダCPI(予想:前月比▲0.1%/前年比2.2%)
○19日00:30   EIA週間在庫統計
○19日02:40   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○米下院、本会議でトランプ大統領の弾劾訴追案を審議
○英中銀金融政策委員会(MPC、19日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/12/17/15:09:44

日経平均株価:高寄り後は上値の重い展開

前日の米国株式市場が最高値を更新したほか、円安水準で落ち着いている為替相場を受け、幅広く買いを集めてスタートした。ただ、高寄りした後は模様眺めとなり、朝方全体をリードした主力輸出関連株は寄り付き天井となった銘柄が多かった。環境面は良好で売り材料がない一方、利益確定売りが出ており、高寄りした後は上値を追う様子が感じられない状況となっていた。結局、前日比113円高の2万4066円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台半ばでもみ合う展開

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅縮小をながめて109.46円近辺まで下落した。仲値に向けて国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。しかし、前日の海外市場でつけた安値109.40円が下値目処として意識されると、下げも一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、109.55円を挟んでもみ合いとなった。午後に入っても、109.50円台でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.11ドル台半ばで小動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

今週の日英の金融政策会合に注意

18-19日には、日銀の金融政策会合が開催される。最近の米中貿易合意や英EU離脱問題一服、米欧の中銀の緩和一服などにより、当座の緩和様子見が示される可能性がある。あくまで一時的ながらも追加緩和の遅延失望により、調整的な円高と日本の株安となるリスクをはらむ。
19日には英国中銀の金融政策委員会が予定されている。英議会選での与党勝利による政治不透明感後退や、合意なきEU離脱懸念の後退などにより、当座の利下げ様子見が想定されやすい。為替相場ではポンドの押し目買い地合いを支援するものだ。ただし、ポンド高のペースは急激であり、スピード調整的なポンド安の材料には注意が必要。

 

米国とトルコとの関係悪化でトルコリラ売り

 米上院は先週、オスマン帝国時代の終盤(1915-20年ごろに)に多数のアルメニア人が殺害された事件をジェノサイド(大量虐殺)と正式認定する決議案を可決した。トルコ側は、第一次大戦の結果であるとし、一貫してジュノサイドを否定した。エルドアン大統領も対抗措置を検討していると述べ、トルコ国内の米軍基地(核弾頭が配備されている)閉鎖も辞さない構えだ。米議会の判断が両国の溝を更に広げ、リラの重しとなっている。

 

米中貿易合意は玉虫色決着の様相

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は週末のTVインタビューで、米中貿易『第1段階』の合意はかなりの進展だが、全ての問題を解決したわけではなく、始まりに過ぎないと述べた。中国による米国農産物500億ドル規模の購入は規模的に不可能との懐疑的見方もあるが、とりあえず追加関税が回避されたことや一部中国製品に対する関税率が引き下げられたことは成長ペースの一段の鈍化のリスクを後退させ、世界経済が景気後退入りするとの警戒感を後退させる。
米中が通商協議で、『第一段階』合意がまとまたため、米国のトランプ政権は当初15日に予定していた追加関税の発動を見送った。現行の2500億ドル規模の中国商品対象の25%の関税は維持した。9月に発動した1200億ドル規模の中国商品を対象にしした関税率は現行15%から7.5%に引き下げられた。特に12月に計画されていた中国輸入品には消費関連商品が大半となっていたため、万が一、追加関税が発動された場合、米国の製造業に加えて消費に影響を与え、経済に大きな打撃になると警戒されていた。

 

米住宅指数の高水準も持続は困難との見方

全米住宅産業協会(NAHB)が発表した12月NAHB住宅市場指数は76と、1999年以降20年ぶり高水準を記録した。主に最近の住宅需要の急増が全体指数を押し上げた。購買見込み客足数は58と、1998年来の高水準に並んだ。現在の一戸建て販売は11月の77から7ポイント上昇し84と、1999年来の高水準となった。ただ、今後は住宅ローン金利が底入れすることを考えると、2020年は現状のペースでの建設セクターの伸びを期待することは困難との見方を、エコノミストは強めている。

 

米国市場では11月鉱工業生産が公表

10月実績が▲0.8%で市場予想を下回った。自動車部門の大幅な落ち込みが全体水準を押し下げた。11月については、自動車生産がやや回復していること、通信機器、設備機器の生産は反動増が予想されることから、全体水準は前月比プラスとなる可能性が高いとみられている。

 

欧米イベント

○17:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○18:30   11月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移2.45万件/失業率なし)
○18:30   8-10月英失業率(ILO方式、予想:3.9%)
○19:00   10月ユーロ圏貿易収支(季調済、予想:200億ユーロの黒字)
      ユーロ圏貿易収支(季調前、予想:170億ユーロの黒字)
○21:00   カジミール・スロバキア中銀総裁、講演
○22:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○22:30   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:30   10月カナダ製造業出荷(予想:前月比横ばい)
○22:30   11月米住宅着工件数(予想:134.5万件、前月比2.3%)
        建設許可件数(予想:141.8万件、前月比▲2.9%)
○23:15   11月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.8%)
       設備稼働率(予想:77.4%)
○18日02:30   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○18日04:15   カーニー英中銀(BOE)総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/12/16/15:12:02

日経平均株価:節目を回復しただけに利益確定売りで反落

米中協議をはじめ重要イベントが一巡した後で新たな材料が不足し、全般的に模様眺めムードとなった。前週末の米国株式市場が小幅高にとどまったことも、買いの勢いを削ぐ格好となった。前週末に1年2ヵ月ぶりに心理的節目2万4000円台を回復しただけに利益確定売りが入りやすかった。結局、前日比70円安の2万3952えんと反落して終了した。

 

東京外国為替市場:手掛かり材料難から109.40円近辺でもみ合い

ドル/円は、日経平均株価や米長期金利の動向をにらみながら、109.40円を挟んでもみ合いとなった。米FOMCや英総選挙などのイベントを通過し、手掛かり材料難から積極的にな売り買いは手控えられた。中国国家統計局が本日11月鉱工業生産と小売売上高は、共に予想を上回ったものの、市場の反応は限定的だった。午後に入っても、109.40円近辺で方向感に乏しい値動きが続いた。ユーロ/ドルは、夕方に発表されるフランスとドイツの11月製造業PMI速報値を前に1.11ドル台前半で小幅な値動きい終始した。

 

ECB内の亀裂修復で当面金融政策の変更は様子見

ラガルド総裁のデビュー戦となった12月のECB理事会では、来年末までを目途にかなり包括的な戦略検証を行うこと、理事会内の亀裂修復を重視し、合意に基づく政策決定を目指す方針が明かされた。景気や物価に僅かに底打ちの兆しもあり、9月の緩和決定に対する理事会内の不協和音、コンセンサスを重視する新総裁の理事会運営スタイル、戦略検証の期間が比較的長めに設定された点を踏まえると、ECBは当面様子見に転じる公算が大きい。

 

南アランドはネガティブなニュースにも反応は限定的

ここ最近は南アからのネガティブなニュースに対する市場の反応は限られている。今週の大規模計画停電について、一部エコノミストの間では、経済に与える影響は深刻で10-12月期のGDPも期待することはできないとの見方が出ている。それにもかかわらずランドが大きく崩れることがないのは、年末を前に市場が大きなリスクをとることを嫌がっているからである。今週は南アからは主だった経済指標の発表予定はなく、米中間の通商協議や停電の動向などが相場を動意づけることになりそうだ。

 

米国消費が鈍化傾向が強まる

米商務省が発表した11月小売売上高は前月比+0.2%となった。伸びは拡大予想に反して、10月+0.4%から鈍化した。変動の激しい自動車を除く小売りは前月比+0.1%となった。やはり、改善予想に反して10月+0.3%から鈍化した。国内総生産(GDP)の算出に用いられコントロールグループと呼ばれるコアの小売りも+0.1%と予想外に10月+0.3%から伸びが鈍化した。10-12月期のGDPの成長が抑制される可能性が出てきた。

 

トランプ米大統領の弾劾訴追もリスク要因

トランプ米大統領の弾劾訴追状案を巡り、米下院の司法委員会が現地時間13日午前10時に再開され、訴追案を承認した。シフ米下院情報特別委員長は、トランプ米大統領の弾劾決議案を今週下院本会議に送付し、25日クリスマスに下院本会議で弾劾決議案を賛成多数で成立させることを目論んでおり、リスク回避要因として警戒される。

 

米国市場ではマークイット12月製造業購買部担当者経緯指数(PMI)

11月の改定値は52.6で速報値52.2から上方修正された。生産指数と新規受注指数が上方修正された。12月については生産指数と新規受注指数は上げ渋る可能性があることから、全体的には11月実績に近い水準になるとみられる。

 

欧米イベント

○15:30   11月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比0.82%)
○16:00   9月トルコ失業率
○17:15   12月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:51.5)
○17:15   12月仏サービス部門PMI速報値(予想:52.1)
○17:30   12月独製造業PMI速報値(予想:44.5)
○17:30   12月独サービス部門PMI速報値(予想:52.0)
○18:00   12月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:47.3)
○18:00   12月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:52.0)
○18:30   12月英製造業PMI速報値(予想:49.3)
○18:30   12月英サービス部門PMI速報値(予想:49.5)
○22:00   11月ロシア鉱工業生産(予想:前年比2.6%)
○22:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○22:30   10月対カナダ証券投資
○22:30   12月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:4.0)
○23:45   12月米製造業PMI速報値(予想:52.6)
○23:45   12月米サービス部門PMI速報値(予想:52.0)
○23:45   12月米総合PMI速報値
○24:00   12月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:70)
○17日06:00   10月対米証券投資動向
○南アフリカ(和解の日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/12/13/15:14:45

日経平均株価:リスク選好の買いの動きが強まった

米国は中国との通商協議で、発動済みの対中関税を停止あるいは引き下げ、今月15日に予定する1600憶ドル相当の中国製品に対する追加関税の発動を延期することで合意したと伝わり、リスク選好の動きが強まった。寄り付きで年初来高値を更新した後、上げ幅を拡大した。結局、前日比598円高の2万4023円と大幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売り優勢

ドル/円は、一部海外メディアによる『英総選挙の出口調査で、与党・保守党が過半数を大幅に上回る勢い』との報道を好感したドル買い・円売りが優勢だった。15日期限の米国による対中制裁発動『第4弾』が回避される見通しとなったことも、リスク選好の円売りを誘った。東京市場でもこの流れは続き、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、109.55円付近へじり高となった。午後は、日経平均株価の一段高をながめ、109.63円付近まで値を上げた。ユーロ/ドルは1.1175ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

18-19日の日銀金融政策決定会合では現状維持を予想

日銀は18、19日に開く金融政策決定会合で現行の超低金利政策を維持する公算が大きい。米中貿易戦争激化への懸念が和らぎ、外国為替市場も円安基調で推移していることも理由となる。当面は10月の消費税増税が経済に与える影響を見極める方針となっている。日銀は10月の前回会合で政策金利の先行きを予告するフォワードガイダンス(先行き指針)を修正し、今後の景気動向次第でマイナス金利の深掘りを辞さない姿勢を明確化した。消費税増税の影響で小売りなどの売り上げは10月に落ち込んだが、日銀内では『想定より大きな影響は出ていない』との見方が主流となっている。

 

米朝関係悪化懸念高まる:米国の弾道ミサイル発射実験

米国防総省は、地上配備型の弾道ミサイルの発射実験に成功したと発表した。8月に失効した米露の中距離核戦力(INF)廃棄条約が禁止していたミサイルの開発を本格化させた。トランプ政権はINFをアジアに配備したい考えを示しており、中国やロシアが反発するのは確実となっている。

米統合参謀本部のライダー報道官は、会見で『北朝鮮が非核化を実行し、核実験や長距離ミサイルの発射を行わないとした約束を守るよう願っている』と述べ、北朝鮮に対して、新たな挑発に踏み切らないよう自制を求めた。そのうえで『我々は北朝鮮の発言を真剣に受け止め韓国軍とともに、脅威に備えた適切な防衛体制をとっている』と述べ、備えは万全だと強調している。

朝鮮中央通信は、北朝鮮外務省報道官が、米国による国連安全保障理事会での弾道ミサイル発射を安保理決議違反けん制に対し、『敵対的な挑発行為を行った』と反発した。米国が安保理を主導し、北朝鮮に対する圧力を強化する雰囲気を高めていると非難したうえで、『米国の行動は絶対に黙って見過ごさない』と恫喝している。

 

米ハーバード大教授が朝鮮半島の地政学リスクを警告

政治学者でクリントン政権の国防次官補を務めたグレアム・アリソン米ハーバード大教授は12日、日本アカデメイア第1回『東京会議』で、米国との対立が深まる北朝鮮の核ミサイル問題をめぐり『第2次朝鮮戦争が起きる可能性が高まっている』と警告した。アリソン氏は情勢を『非常に危険な展開』と指摘した。年末を期限に米側に制裁解除など譲歩を迫る金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が今後数週間以内に何らかの方針を発するとの見通しを示した。
北朝鮮が米本土の脅威となる大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射や核実験を続けた2017年11月までの状態に復帰した場合、トランプ米大統領がミサイル発射台破壊など軍事攻撃を命じる用意があると指摘した。『第2次朝鮮戦争』に進む確率は『50%以上ではないが、かなり大きな可能性がある』と語った。
仏思想家・経済学者のジャック・アタリ氏も『北朝鮮は来年の大問題になる。どこまでもしたいことをさせると核不拡散の終わりとなる』と危機感を示した。

 

米国は物価圧力高まらずに成長維持:不健全になる可能性に懸念

米国の最新11月の消費者物価指数(CPI)は、前月比+0.3%と10月の+0.4%から低下した。前年比では+2.1%と1年ぶり高水準に達した。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)がより注視している変動の激しい燃料や食品を除いたコアCPIは前月比+0.2%、前年比+2.3%で10月と同水準を維持した。
11月生産者物価指数(PPI)は前月比横ばいと、10月+0.4%から低下した。前年比では+1.1%と、上昇予想に反して10月と同水準にとどまった。コアPPIは前月比-0.2%と、予想外に9月来のマイナスに再び落ち込んだ。また、前年比では前年比+1.3%と、上昇予想に反して10月+1.6%から低下し、2017年2月以降ほぼ3年近くぶりの低水準を記録するなど冴えない。食料品やガソリン価格の上昇も、サービスコストの低下と相殺された形。関税による物価への影響も見られない。
パウエル議長は物価圧力が高まらずに成長が維持されることは『良いことだ』とする一方で、2%以下にとどまるインフレが『不健全になる可能性もある』と懸念も表明している。

 

米国市場では11月小売売上高を公表

10月実績は前月比+0.3%だった。自動車ディーラーやガソリンスタンドは好調だったが、衣料や家具の売上は低調だった。11月については、主要13項目のうち半数程度が減少する可能性があるものの、雇用情勢に大きな変化ないことから、売上高は10月実績と同水準か、やや上回る可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   11月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   10月トルコ鉱工業生産
○17:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:6.25%に引き下げ)
○22:30   11月米輸入物価指数(予想:前月比0.2%)
○22:30   11月米小売売上高(予想:前月比0.5%/自動車を除く前月比0.4%)
○24:00   10月米企業在庫(予想:前月比0.2%)
○14日01:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/12/12/15:16:08

日経平均株価:重要イベント多く様子見ムード強い

米国の中国に対する追加関税の発動見送りの可能性が指摘される一方で、欧州中央銀行(ECB)理事会、英国総選挙、明日のメジャーSQ算出など見極めたい材料が多い。そのため、日経平均は高寄りしてからマイナスに転じた後は前日終値前後で推移した。ただ、半導体関連株への買いが主導して上げに転じた。結局、前日比32円高の2万3424円と小反発で終了した。

 

東京外国為替委市場:パウエルFRB議長の会見受けドル下落

ドル/円は、パウエルFRB議長の会見が利上げに慎重なハト派寄りの内容だったため、ドルは主要通貨に対して下落した。東京市場でもこの流れは続き、108.46円付近まで下落した。日経平均株価がプラス圏から一時マイナス圏へ転じたことも、円買いを誘った。しかし、15日期限の米国による対中制裁関税『第4弾』発動の有無を見極めたいとの雰囲気から、下値を追う動きは限られた。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売り基調が続き、108.60円近辺まで切り返した。午後は、日経平均株価やアジア主要株価の動向をにらみながら、108.50円台を中心とした狭い値幅で取引された。ユーロ/ドルは、FRBの低金利政策が長期化するとの思惑から、ユーロ買い・ドル売り基調が続き、およそ1か月ぶりの高値圏となる1.1140ドル台で推移した。

 

欧州市場ではECB定例理事会が開催

ラガルドECB総裁は欧州議会で証言し、『緩和的な金融政策は景気回復期に内需を押し上げる大きな力になった』と述べた。近く開始する戦略的見直しでは、インフレや気候変動などを対象にするとの見方かを示している。ただ、一部報道によると、ユーロ圏の財務相はECBのマイナス金利政策への批判を強めているもようであり、来年以降の理事会でマイナス金利の問題点について議論を深めていく可能性がある。

 

バラつきのある英総選挙の世論調査:結果みるまでは予断許さない

英調査会社サバンタ・コムレス英紙デーリー・テレグラフの委託で実施した最新の世論調査によると、保守党の支持率は41%で変わらずだった。一方、労働党の支持率は3%ポイント上昇して36%となった。保守党のリードは10月半ば以来の差に縮まった。労働党にとっては1月以来の好調な結果となった。

サバンタ・コムレスは、調査結果について『総選挙が接戦となって予断を許さないことを示している』と指摘している。およそ5人に1人は態度を変える可能性があるとしており、いずれの政党も過半数を取れないハングパーラメントになる可能性があるとした。

11日に公表された他の3つの世論調査では保守党のリードはより大きい。

 

FOMCについて:利上げより利下げに傾斜

米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利据え置きを決定した。反対票はなかった。全会一致での決定は、5月の会合以降初めて。経済活動やインフレの判断は前回の声明に一致。委員会は景気見通しに与える影響を監視していくとの文言に、『世界の展開やインフレ圧力の抑制を含めて』、と加えた。今後の金融政策を探る上で注目されていたFRBのスタッフ予測では、全てのFOMCメンバーが2020年を通じて政策金利の据え置きを想定している。
また、FOMC後の会見で、パウエルFRB議長は、金融緩和が『依然緩和的』と言及した。さらに、利上げには『著しく、持続的なインフレの上昇が必要になる』と、利上げの壁が非常に高いことを示唆した。このため、市場は、FRBの潜在的な次の行動が依然、『利上げよりも利下げに傾斜している』ととられている。ドル売りに拍車がかかった。

 

ゴールドマンサックスの米FOMCの評価リポート

ゴールドマン・サックスは12日付けリポートで、『FOMC後の記者会見でパウエルFRB議長が緩和的な環境が維持されていると述べ、現在のやや融通の利いた政策スタンスに満足感を示していた。また、実際に大幅なインフレが達成されるまでは利上げを見送るとも述べた。これらの発言自体は10月の発言と概ね一致している』と指摘した。さらに、『注目すべきはパウエルFRB議長がこれ以上のハト派的な政策アプローチお支持することを避けた狙いもある』との見方を示した。

12月のFOMCでは各メンバーによる景気見通しも示されている。ゴールドマンは2020年の経済見通しについてFOMCの景気予測見通しの中央値を上回る予想を示している。

      FOMC   GD予想

・経済成長率 2.0%増  2.5%増

・失業率   3.5%   3.25%

 

米国の対中製品に追加関税を発動するか今晩協議

トランプ米大統領が、約1600億ドルの中国製品に対する追加関税を15日に発動するかをめぐり、通商・経済顧問らと12日に協議する可能性が高いと報じている。協議にはライトハイザー通商代表部(USTR)代表、ムニューシン財務長官、カドロー国家経済会議(NEC)委員長、ナバロ大統領補佐官(通商製造政策局長)などが出席する見通しとのこと。

 

欧米イベント

○16:00   11月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.8%/前年比1.1%)
○16:30   11月スイス生産者輸入価格(予想:前月比▲0.1%)
○16:45   11月仏CPI改定値(予想:前月比0.1%/前年比1.0%)
○17:30   スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:30   11月スウェーデン失業率(予想:6.3%)
○18:30   11月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比2.8%)
○19:00   10月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.5%/前年比▲2.3%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:12.50%に引き下げ)
○21:00   10月インド鉱工業生産(予想:前年同月比▲5.0%)
○21:00   10月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比▲1.2%)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:00   7-9月期ロシアGDP改定値(予想:前年比1.7%)
○22:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:30   11月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比1.2%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.3万件/167.8万人)
○13日02:30   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○13日03:00   米財務省、30年債入札
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、13日まで)
○英下院総選挙
○メキシコ(聖母グアダルーペの日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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