FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/05/25/15:18:02

日経平均株価:経済活動再開への期待と大規模の政府の補正予算を好感

国内の緊急事態宣言が全面的に解除される見通しで、経済活動再開への期待が高まったことや、政府の第2次補正予算案が100兆円を超えるとの報道が好感され、朝方から幅広い銘柄で買いが先行した。また、週明けの香港ハンセン指数の動きも強い下押し圧力にはならなかった。市場からは『香港情勢は今後、投資家心理に相当な悪影響を与えそうだが、まだ織り込まれていない』との声があった。結局、前営業日比353円高の2万0741円と3日ぶりに上昇して終了した。

 

東京外国為替市場:米中関係悪化懸念から円売り続かず

ドル/円は、欧米で新型コロナウイルスの感染拡大を受けて制限されていた経済活動の再開を好感して107.80円付近まで上昇する場面があった。しかし、中国が『国家安全法』を香港へ適用する方針を決定し、米中関係のさらなる悪化が警戒されており、リスク選好の円売りは続かなかった。その後は、国内輸出企業などがドル売り・円買いに動き、107.60円台へ押し戻された。午後は、日経平均株価や香港ハンセン指数の動向を睨みながら、107.70円を挟んでもみ合いとなった。本日は英国がバンクホリデー、米国かがメモリアルデーで休場となるため、様子見気分も強かった。ユーロ/ドルは、シンガポール市場の休場で海外勢の流動性が低下しており、1.0890ドル前後で小幅な値動きに終始した。

 

『国家安全法』が引き続き嫌気されハンセン指数は続落

週明け25日の香港市場でハンセン指数は続落スタートとなった。中国の全人代で香港での国家分裂や中央政府の転覆などの行為を禁じる香港版の『国家安全法』が議題に入り、政治リスクを嫌気する売りが続いている。香港情勢の緊迫化や香港問題を巡る米中関係の一段の悪化に対する警戒感が地合いを冷やした。

 

EU存続への危機を警告:ジョージ・ソロス氏

著名投資家ジョージ・ソロス氏は、欧州連合(EU)は永久債を発行してイタリアのような弱い加盟国を救済しなければ、新型コロナウイルス危機によりEU存続が脅かされると警告した。ソロス氏は『EUが今、検討しなければ、現在直面している試練を生き残れないかもしれない』と述べ、『これは論理的可能性ではなく、悲劇的な現実かもしれない』と強調した。永久債を発行するためにEUはAAAの格付けを維持する必要があり、債券コストをまかなうために増税する権限を持たなければならないと指摘した。『解決策はある。課税は実行する必要はなく、その権限さえあればいい』と語った。

 

トルコでは感染拡大の収束が進めば底打ち期待

トルコでは防疫政策を巡る混乱を受けて感染拡大の動きが強まる事態となったが、エルドアン政権は大都市を対象に休日の外出禁止措置による感染抑制に取り組んだ。累計の感染者数は15万人を上回るが、新規感染者数は頭打ちするなど事態収束の兆候が出ている。事態収束が進めばトルコを取り巻く状況にようやく『底』がみえるようになると期待される。経済のファンダメンタルズの脆弱さを理由に、国際金融市場の動揺を受けて資金流出圧力が強まり、今月初めには通貨リラ相場は一時最安値を更新した。しかし、国際金融市場の動揺一巡に加え、欧米による経済活動正常化模索を受けた世界経済の底打ち期待、外貨準備の枯渇が懸念されるなかで通貨スワップなどセーフティーネット構築の期待が重なり、足下のリラ相場は底打ちしている。
 中銀は21日の定例会合で景気の底打ち期待を受けて、一段の利下げを通じた景気下支えを志向する姿勢を示した。事態収束が進む期待の一方、資金流出圧力がくすぶるなかでは外部環境を睨みながらの不透明な状況が続くことは避けられない。

 

米国では大統領選終了まで中国たたきが継続

米国内での感染拡大への責任を回避する思惑もあり、中国政府に損害賠償を求める訴訟の提起などトランプ政権と共和党は『中国たたき』が得票につながるとみて強硬姿勢に傾斜している。米世論調査機関『ピュー・リサーチセンター』が4月21日公表した調査結果によると、中国に対し『好意的でない』と答えた米国民の割合が前年調査比6pt増え05年の調査開始後で最高の66%だった。貿易戦争や軍事分野での競合に加え、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、対中感情が急激に悪化していることを示した。『好意的でない』人の割合は支持政党や年齢層を問わず高く、特に共和党支持者で72%、50歳以上で71%を記録した。

 

豪州はとばっちりで中国から制裁:豪ドルの重石

豪州は中国を経済的なパートナーとして最重要視してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大以降、中国に対して厳しい態度を取り、ウイルスの発生源を追求する最先鋒となっている。中国も対抗措置として豪州に制裁を加えるなど風当たりを強めている。本来ならば、ウイルス拡大について過激な発言を繰り返している米国に中国は強い行動を取るべきだが、中国は米国と通商問題で全面戦争を避けたいことから、豪州が米国に代わって戦争しているような形になっている。今週は主だった経済指標の発表が豪州も中国も予定されていないため、豪中関係が豪ドル相場に与える影響が大きくなりやすい。

 

欧米イベント

○15:00   1-3月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比▲2.2%/前年同期比▲2.3%)
○15:00   1-3月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比▲1.9%)
○15:30   1-3月期スイス鉱工業生産指数
○16:30   4月スウェーデン失業率
○17:00   5月独Ifo企業景況感指数(予想:79.0)
○20:00   4月メキシコ貿易収支
○26日04:00   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○シンガポール(ハリラヤプアサの振替休日)、インド(イスラム教断食明け祭)、トルコ(砂糖祭)、英国(スプリング・バンク・ホリデー)、米国(メモリアルデー)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/05/22/15:17:29

日経平均株価:アジア株価指数が軟調地合いで売り優勢

日銀資金供給の材料出尽くしや、米中対立の激化懸念などで、リスク回避の圧力が持続して前日のNYダウ101ドル安の反落をを受けた香港や上海株などアジア株価指数の軟調推移を嫌気し売り優勢となった。中国の全国人民代表大会(全人代)で、香港での国家分裂行為などを禁じる『香港版国家安全法』が議論されることになり、中国政府の管理強化による域内情勢の悪化懸念から香港ハンセン指数が一時5%を超える大幅安となったほか、NYダウ先物もつれ安したことも嫌気された。結局、前営業日比164円安の2万0388円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:材料出尽くしと株安でリスク回避の円買い

ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ107.76円付近までじり高となった。しかし、トランプ米大統領が連日で中国に対する批判を繰り広げていることから、上値を追う動きは限られた。その後、日銀は臨時の金融政策決定会合で新型ウイルスの影響を受けている中小企業に対して、新たな資金供給策を発表した。事前に報道された内容だったため、材料出尽くし感が広がるなかでドル売り・円買いに押されて107.55円付近まで下落した。香港ハンセン指数の急落も、リスク回避の円買いを誘った。午後も、この流れは続き、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めてさらにドル売り・円買いが進み、107.41円付近まで下落した。その後は、値ごろ感からドルの押し目買いが入り、107.45円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、ユーロ/円の下げにつれ安となり、1.09ドル台半ばから1.09ドル台前半へ水準を切り下げた。

 

世界的には新型コロナの感染拡大が継続

新型コロナウイルスの世界の感染者数は22日、505万人と500万人を突破し、最も多い米国で156万人、ロシア32万人、ブラジルが29万人と続く。新興国の感染拡大が深刻で、死者数は世界で33万人にのぼり、直近では1日5000人近くが亡くなっている。世界保健機関(WHO)テドロス事務局長は20日の会見で、1日の新規感染者数が過去最多の10万6000人になった。

 

否定的だったイングランド銀行もマイナス金利政策に前向き

最近BOE(イングランド銀行)高官からマイナス金利政策に前向きな発言が相次いでおり、現在0.1%にある政策金利を近くマイナス圏に引き下げるとの観測が高まっている。コロナ危機対応でBOEは、利下げ、資産買い入れ、銀行への流動性供給策などの金融緩和策を矢継ぎ早に打ち出してきた。
 今後も金融・財政政策の総動員で景気を下支えする必要がある。国債増発の安定消化を支えることからも、資産買い入れの強化がBOEにとって優先順位の高い政策ツールとなる。ただ、アフタコロナの戦いは長期化が予想される。様々な政策ツールを確保する観点からも、BOEはマイナス金利政策に否定的だった従来の見解からの軌道修正を図っていると考えられる。

 

トルコリラは断食明け祝日を控え注意が必要

24日から26日の断食明け祝日(ラマザンバイラム)を控え、積極的な取引は控えられる可能性が高い。流動性が薄くなることが予想され、スプレッドが広がりやすくなるので注意が必要となる。 トルコ中銀がカタール中銀と通貨スワップ枠を拡大したが、カタールの通貨リヤルがドルと自由に交換できないため、市場の評価はそれほど高まっていない。依然として、話し合いを進めているとされる日英中の判断待ちとなっている。 なお、中国からトルコに避難してきたウイグル人男性について、トルコ政府は中国の引き渡し要請を受け入れるとの報道が伝わっている。これも、中国から通貨スワップ枠の拡大を得るための機嫌取りなのかもしれない。

 

メキシコの経済活動再開は綱渡り状態

メキシコでは3月以降の感染拡大を受けて、政府は3月末に非常事態宣言による企業活動の制限に動いたが、足下では感染爆発が懸念される状態に直面している。こうした状況にも拘らず、政府は自動車産業等を対象に経済活動再開の動きを前倒しさせている。隣国米国での経済活動再開に伴いサプライチェーンで繋がりの深い同国への『圧力』が強まり、結果的に経済活動の再開を余儀なくされた。通貨ペソ相場は一時最安値を更新したが、その後の国際金融市場の動揺一巡に加え、米国の経済活動再開や原油相場の底入れが下値を支えている。新型肺炎の行方も不透明な上、景気及び財政の行方も見通しが立たず、さらなる格下げリスクもくすぶるなど、メキシコは『綱渡り状態』にあると言える。

 

中国叩きは米国世論の反中感情の高まり

トランプ政権と共和党は感染拡大への中国『責任論』を喧伝し中国政府に損害賠償を求める訴訟の提起など『中国たたき』が得票につながるとみて強硬姿勢に傾斜している。かかるトランプ政権の『中国叩き』には米国世論の反中感情の高まりが影響している。米世論調査機関『ピュー・リサーチセンター』が4月21日公表した調査結果によると、中国に対し『好意的でない』と答えた米国民の割合が前年調査比6pt増え05年の調査開始後で最高の66%だった。貿易戦争や軍事分野での競合に加え、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、対中感情が急激に悪化していることを示した。
『好意的』とする回答は過去最低だった前年と同じ26%。12年までは『好意的』が『好意的でない』を上回る年が多かったが、トランプ政権が発足した17年から3年間で『好意的でない』が20pt近く増加した。好意的でない人の割合は支持政党や年齢層を問わず高いが、特に共和党支持者で72%、50歳以上で71%を記録した。習近平国家主席に対する信頼度は、前年まで大きな変化がなかったが、今回調査では『信頼できない』が前年比+21ptの71%に上った。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲15.5%/前年比▲21.2%)
       英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比▲15.0%/前年比▲18.6%)
○20:30  欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(4月30日分)
○21:30  3月カナダ小売売上高(予想:前月比▲10.5%/自動車を除く前月比▲4.8%)
○23:30   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○中国全国人民代表大会(全人代)開幕
○米債券市場は短縮取引(メモリアルデーの前営業日)

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/05/21/15:10:54

日経平均株価:トランプ大統領の中国批判が上値の重石

前日のNYダウで369ドル高と反発したほか、国内でも経済活動再開への動きが見え始めていることから、好地合いを引き継ぐ形で上昇してスタートした。しかし、期待先行の動きとなっており、決め手となる買い材料が見当たらず、上値追いに慎重となった。また、トランプ大統領が日本時間21日にツイッターで中国を批判し米中関係悪化への懸念から持ち高調整の売りに押された。一方で22日の日銀の臨時政策決定会合を控えて追加緩和期待や上場投信(ETF)買い期待に下げ幅を縮める展開となった。結局、前営業日比42円安の2万0552円と5日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:持ち高調整によるドル売り

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、107.75円まで上昇した。しかし、前日のロンドン市場で付けた高値107.76円が意識され、上昇一服となった。その後、トランプ大統領がツイッターに『中国は簡単に新型コロナを防ぐことが出来たが、上の命令でそうしなかった』『中国は大規模な偽情報キャンペーンを展開している』などと投稿した。このツイートを嫌気して、日経平均株価がプラス圏からマイナス圏に転じると、持ち高調整などのドル売り・円買いに107.60円付近へ押し戻された。午後は、日経平均株価の動向をにらみながら、107.60台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.09ドル台半ばで小動きとなった。本日発表されるユーロ圏の指標を見極めたいとの様子見ムードが広がった。

 

国際間のモノの動きにもブレーキ

新型コロナウイルスのパンデミックで、いよいよ国際間のモノの動きにもブレーキがかかってきた。本日発表された4月の貿易統計(速報)によると、輸出額は前年同月に比べ21.9%減だった。減少率はリーマン・ショック後である2009年10月の23.2%以来、10年半ぶりの大きさとなった。3月までは人の移動の深刻な停滞がより目立っていたが、4月になって財貨(モノ)の取引も急激に縮小している。財務省が発表した4月の輸出は5兆2023億円だった。欧米で外出規制が本格的になったのは3月後半からで、コロナにより経済活動が世界的に止まったのが直撃して自動車・同部品などが大幅に減少した。地域別では米国向けが37.8%減の8798億円と大きく落ち込んだ。欧州連合(EU)向けは28%、中国向けは4.1%それぞれ減少した。

 

バイデン前副大統領が大統領選で優勢:最新世論調査

2020年米大統領選の民主党候補の公認指名が確実なバイデン前副大統領は、全米での支持率が50%となり、トランプ大統領(39%)をリードしていることが、キニピアック大学の世論調査の結果明らかになった。どちらがより良い経済運営を行うかについては、バイデン氏とする回答が48%、トランプ氏が47%で有権者の評価は分かれた。
新型コロナウイルス対策では、バイデン氏の方が良い仕事をするとの回答が55%、トランプ氏は39%だった。調査は登録有権者1323人を対象に5月14-18日に実施された。

 

トランプ大統領は感染第2波リスクよりも大統領選にらみ

トランプ大統領は13日、国立アレルギー感染症研究所ファウチ所長が早急な経済再開による感染『第2波』リスクを警告したことに『受け入れられない答え』と反論し、15日のホワイトハウスの会見で『ワクチンがなくても病気はいずれ解消する』と早期の経済活動の再開を訴えた。
感染『第2波』リスクを孕みながらもトランプ大統領が『巧遅は拙速に如かず』とばかりに死中に活を入れるべく経済活動の再開へ腹を固めたのは、11月の大統領選に加え、同日実施される上院選(定数100人中改選は35人)での多数派維持が死活的に重要だからである。
メイン、ノースカロライナ、コロラド、アリゾナ州の上院選は民主党候補が追い上げており、共和党執行部は危機感を強めている。さらにここに来て、民主党のモンタナ州知事が上院選に鞍替え出馬を表明し、共和党現職を脅かしている。トランプ再選が実現しても、民主党が下院に加え上院の過半数を奪回すれば元も子もない。

 

当面米中間の緊張は継続する見込み

米中関係は、トランプ大統領は18日に世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長あてに書簡を送り、拠出金を停止することも示唆した。書簡はWHO宛ではあるものの、本丸は中国であることは疑いがなく、両国関係の改善の兆しはなかなか見えてこない。
 米国は今秋の大統領選を前に、大統領の支持率が低下していることで、ここで弱気な姿勢を見せるとは考え難い。またWHOの総会開催時には日英独仏豪なども、台湾の総会出席を支持したこともあり、米国だけ中国に軟化する姿勢を見せることは国際的にも難しい。同様に中国も、週末22日より中国全国人民代表大会(全人代)が開幕することで、指導者が弱気な態度をとることが困難ため、当面は両国間の緊張は解けない。

米ピューリサーチセンターの4月下旬の調査で中国に否定的な見解を持つ共和党支持層は72%と過去最高となり、トランプ政権の『中国叩き』は支持層の声に耳を傾けた対応だとされる。

 

米国市場では5月マークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が公表

4月実績は36.1だった。新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、全米レベルで外出制限などが行われている影響で経済活動は停滞した。失業者数は2000万人を超えたた。この状況は5月も続いていることから、速報値は4月実績と同水準にとどまる可能性がある。

 

欧米イベント

○16:15   5月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:36.1)
○16:15   5月仏サービス部門PMI速報値(予想:27.8)
○16:30   5月独製造業PMI速報値(予想:39.2)
○16:30   5月独サービス部門PMI速報値(予想:26.6)
○16:30   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:00   5月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:38.0)
○17:00   5月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:25.0)
○17:30   4月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.8%)
○17:30   5月英製造業PMI速報値(予想:36.0)
○17:30   5月英サービス部門PMI速報値(予想:25.0)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:8.25%に引き下げ)
○21:30   5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲40.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:240.0万件/2350.0万人)
○22:00   4月ロシア鉱工業生産(予想:前年比▲10.0%)
○22:45   5月米製造業PMI速報値(予想:38.0)
○22:45   5月米サービス部門PMI速報値(予想:30.0)
○22:45   5月米総合PMI速報値
○23:00   4月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲5.5%)
○23:00   4月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲18.9%/年率換算430万件)
○23:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:3.75%に引き下げ)
○22日02:00   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、討議に参加
○22日03:30   パウエルFRB議長、あいさつ
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○スイス、ノルウェー、スウェーデン(キリスト昇天祭)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/05/20/15:13:44

日経平均株価:海外短期筋の先物買い戻しが継続

材料難にもNYダウ平均先物の反発や米中対立先鋭化への懸念後退に堅調推移し新型コロナウイルス感染封じの都市封鎖(ロックダウン)段階的解除による経済活動の再開期待を背景に海外短期筋の先物の買い戻しが相場全体を押し上げた。結局、前営業日比161円高の2万0595円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:107.70円台でこう着相場の展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、107.98円付近までじり高となった。日銀が22日に臨時の金融政策決定会合を開催すると決定したことも、円売りを誘った。しかし、米バイオ医薬品企業が開発した新型コロナのワクチンの効果の懐疑的な見方が浮上しているため、上値を追う動きは限られた。その後は前日の海外市場で付けた約1ヵ月ぶりの高値108.08円が意識されると、持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて107.75円付近へ下落した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、107.70円台を中心とした狭いレンジでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.0945ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州の4月の新車販売台数は大幅減少

欧州自動車工業会(ACEA)が19日に発表した2020年4月の欧州主要18カ国の新車販売台数(乗用車)は前年同月比80%減の24万5483台だった。52%減だった3月から下落率が拡大し、4カ月連続で前年実績を下回った。新型コロナウイルス対策のため多くの国がほぼ月間を通じ販売店の営業を禁止した影響が鮮明に出た。英国は97%減、フランスは89%減、イタリアは98%減と大きく落ち込み、18カ国すべてが2ケタ減となった。

メーカーグループ別では首位の独フォルクスワーゲン(VW)の販売台数は76%減で、シェアは29.1%と4.5ポイント上げた。2位は仏グループPSAで台数は83%減った。3位に独BMW(71%減)、4位仏ルノー(82%減)と続いた。

 

EUではコロナ危機への対応は前進できるか?

EUの復興基金を巡っては、その規模・財源・支援形態を巡って加盟国間の意見が対立してきた。5月中の具体策検討を指示された欧州委員会を中心に、現在、加盟国の説得や意見調整が続けられているが、支援形態を巡る規律重視国の反発が根強い。こうしたなか、ドイツとフランスの両国首脳は18日、返済を前提としない支援を提供する5000億ユーロの基金創設を共同提案した。今後の具体策での協議に先駆けて独仏の結束を示し、オランダやオーストリアなど反対国への協力を呼び掛ける狙いがある。
 復興基金の創設に向けて一歩前進した形だが、あくまで返済を前提とする支援を主張する反対国の説得はこれからだ。5000億ユーロに縮小された支援規模がイタリアなどの復興資金に十分かどうかも議論の余地がある。仮に復興基金の具体的な制度設計で合意できたとしても、その財源の裏付けとなるEU予算の増額を巡っては難しい協議が待ち構えている。

 

米国上院銀行委員会での発言内容

ムニューシン米財務長官とパウエルFRB議長は上院銀行委員会で証言した。パウエルFRB議長は政策総動員で経済を支援すると公約した。当局のパンデミック対策は巨大にのぼるが、十分かどうかはまだわからないとし、FRB、議会は追加措置が必要となる可能性があると繰り返した。長期の失業は何年も経済の重石になると警告した。ムニューシン米財務長官は、経済が下半期に回復すると自信を表明している。

 

米国住宅指標では先行き改善の見込みも

米商務省が発表した4月住宅着工件数は前月比30.2%減の89.1万戸と予想90万戸を下回り2015年2月以降5年ぶり低水準となった。下落率は過去最大となった。一方で4月住宅建設許可件数は前月比20.8%減の107.4万戸と、2015年1月来で最低となったものの予想100.0万戸を上回り今後、着工件数が回復する可能性を示唆した。

 

投資家の月次調査ではリスク資産について弱気な見方

バンク・オブ・アメリカが19日に公表したファンドマネジャー対象の月次調査によると、投資家は株式や高リスク資産について弱気な見方を示した。新型コロナウイルスの第2波のリスクが残る中で、経済回復も当初予想より遅くなると見通した。
株式相場は3月に急落した後、封鎖措置が緩和されると経済が急回復するとの期待が高まり、2カ月弱で31%高と、値下がりの半分以上を取り戻した。ただ一部の国で新規感染件数が増えており、期待が後退した。この日の調査によると『第2波』が市場の最大リスクとみなされている。そのほか、失業率の高止まりや欧州連合(EU)の分裂もリスクとして挙がった。ただ米国では大規模な金融緩和と財政刺激策が導入され、米国株式相場は他市場をしのいだ。 194人の回答者のうち、75%がU字かW字での回復を見込んでいる。V字回復を見込んでいる回答者は10%にとどまった。V字は経済が急速に落ち込んだ後、同じペースで回復することを意味する。U字は回復に2四半期以上かかることを意味する。W字はいったん回復した後に2番底に入ることを指す。

 

欧米市場のイベント

○15:00   4月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%/前年比0.9%)
       CPIコア指数(予想:前年比1.5%)
        小売物価指数(RPI、予想:前月比横ばい/前年比1.6%)
○15:00   4月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比0.7%)
○17:00   3月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○18:00   4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比0.4%)
○18:00   4月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比0.9%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   2月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.1%)
○21:30   3月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲4.8%)
○21:30   4月カナダCPI(予想:前月比▲0.6%/前年比▲0.1%)
○22:30   ベイリー英中銀(BOE)総裁、ブロードベントBOE副総裁、カンリフBOE副総裁、議会証言
○23:00   5月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲24.0)
○23:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○21日01:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、討議に参加
○21日02:00   米財務省、20年債入札
○21日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月28日-29日分)

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/05/19/15:16:45

日経平均株価:利益確定売りも入りやすく上値の重い展開

新型コロナウイルスのワクチン開発進展や経済活動の正常化期待に前日のNYダウが911ドル高の急伸を受け買いが先行し一時上げ幅500円を超えた。しかし、ワクチン開発には相応の時間を要するため次第に売りに押された。企業活動の再開期待にも新型コロナウイルス感染『第2波』への警戒感が根強く2万0500円以上の高値は買い辛いとの見方から上値が重い展開となった。結局、前営業日比299円高の2万0433円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:107.50円が上値目処として意識

ドル/円は、日経平均株価の大幅高を眺めたドル買い・円売りが先行し107.46円付近まで上昇した。しかし、前日海外市場でつけた107.50円が上値目処として意識されると上げは一服した。その後は、新型コロナウイルスをめぐる米中の対立を警戒したドル売り・円買いも見られ、107.40円を挟んでもみ合いとなった。午後も107.40円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。今晩予定されているパウエルFRB議長の議会証言を前に様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、欧州市場で公表される5月独ZEW景況感指数を見極めたいとの雰囲気から1.09ドル台前半で小動きの展開となった。

 

昨日はワクチン治験の抗体確認でNY市場は大騒ぎ

昨日の海外市場では、米モデルナ社のワクチン治験で投与した45人全員に抗体を確認したことが報じられたことから、『NY市場は大騒ぎ』となり、NYダウは一時1000ドルを超える急騰となった。しかし、市場からは『まだフェーズ1なのに騒ぎすぎ』との声も聞かれているが、『やはり人間での抗体が確実に確認されたことがサプライズだった』との声も聞かれている。現在、COVID19ワクチンについては、フェーズ3まで進んでいるものがいくつかあるが、これらは全てBCGを医療関係者に接種したものである。新しいワクチンということであれば、中国のカンシオ社と英オックスフォード大学の研究所が一歩先を行っているが、いずれも『サルの抗体結果は出ているが、人間の抗体ではこれほどはっきりした結果は報告されていない』模様である。そのために、市場は一斉にリスク選好の動きに走ったといったところである。米国では、ワクチン開発に『莫大な資金をつぎ込んでいる』ことは周知の事実である。レムデシビルの承認で治療薬では先手を打った米国が、ワクチン開発でも先頭集団に潜り込んだところである。逆説的に言えば、市場はワクチンが普及してCOVID19への体制が確立されるまでは、世界中の中銀が『打ち出の小づちを振ってくれる』確約を得ているわけで、それまでは、やはりコロナ後のバブル相場を形成していくというのがメインシナリオであるはずである。

 

トルコでは若干明るい材料も

昨日エルドアン・トルコ大統領が、ラマザン(断食月)明けの祝日であるラマザンバイラム(23日から26日)期間中は、すべての都市で外出禁止令が発動されることを発表した。そのため、経済活動の実質的な再開が遅れることが懸念され、リラの重石となった。ただ、経済活動制限の緩和が先週から始まったトルコでは、同国輸出を担う自動車製造業も工場が再開された。本格的な操業は来月からだが、トルコ経済にとっては明るい兆しがみえてきた。主要産業の1つ観光業においては、国内観光が5月末から認められ、6月半ば以降に一部の国から観光客受け入れを開始する予定となっている。一方、トルコ中銀の外貨準備高減少や1700億ドルにも迫るトルコの短期・対外債務など、すぐに解決できない問題は残っている。21日にはトルコ中銀が9会合連続で利下げを実施するとの見方も強まっており、リラの上値を限定させる材料も目立。

 

米国債の長短金利差拡大が回復予兆シグナルとして注目

米国ではFRBによる3月以降の積極果敢な緩和対応もあり、米10年債-2年債の長短金利差は緩やかながらも拡大へと転じてきた。現在は長期国債の大量増発や先行きの価値希薄化懸念、長期スパンでの米国政府とFRBの財務・信認懸念といった悪い長期金利の上振れも内包しており、カーブ形状の解釈には注意を要する。一方で教科書的には『長短金利差の逆転後、1年から1年半後には景気後退が深刻化する』というモデル分析があり、そのリスク解消は心理面や期待形成面への好影響も含めて、来年にかけての回復予兆シグナルとして注目される。

 

トランプ米大統領のドル高支持の背景

現状段階でのトランプ米大統領によるドル高支持については、1)11月に米大統領選を控え、コロナ打撃に対しての米国経済とドルの打たれ強さをアピールしたい、2)現在は世界不況により、ドル安誘導でも米国の輸出と雇用の回復効果は限定、3)トランプ政権は政策の優先順位として、外需よりも内需復旧に力点を置いている(ドル高は物価抑制や購買力増強などで内需にプラス)、4)トランプ政権は財政出動で米国債を大量増発しており、ドル高は海外からの米国債投資を後押しさせる(米長期金利の低位安定に寄与)、5)ドル高は海外からの米国株投資を促し、米国勢による国際分散投資=資金流出を抑制させる(大統領選に向けて、早期の米株高復活は重要に)といった背景が想定される。

 

米設備稼働率の急低下で最悪期通過の可能性も

米国ではコロナ打撃で景気が大幅に悪化するなか、生産調整(供給調整)の進捗度合いで参考になる鉱工業生産・設備稼働率が急低下してきた。最新4月は64.9%と、3月の73.2%から一段と切り下がっている。リーマン・ショック後の最低である2009年6月の66.7%を下回り、過去最低を更新してきた。一方で稼働率の大幅低下は、過去実績として生産調整の進捗と景気『最悪期通過』の先行指標にもなっている。5月以降は緩慢ながらも経済活動の再開により、稼働率は下げ渋りや下げ幅縮小が見込まれる。

 

米国市場では4月住宅着工件数が公表

3月実績は121.6万戸となった。4月については、ウイルス感染の拡大を防ぐために導入された都市封鎖の影響をより強く受けていることから、着工件数は大幅に減少する見込み。着工件数は5月以降もさえない状態は続くと予想されている。

 

欧米イベント

○15:00   4月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移67.65万件/失業率なし)
○15:00   1-3月英失業率(ILO方式、予想:4.4%)
○18:00   3月ユーロ圏建設支出
○18:00   5月独ZEW景況感指数(予想:32.0)
○18:00   5月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:30   4月米住宅着工件数(予想:90.0万件、前月比▲26.0%)
        建設許可件数(予想:100.0万件、前月比▲25.9%)
○22:00   1-3月期ロシア国内総生産(GDP)速報値(予想:前年比1.9%)
○23:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○23:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長とムニューシン米財務長官が米上院銀行委員会で証言
○20日03:00   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、討議に参加
○欧州連合(EU)財務相理事会
○トルコ(青年とスポーツの日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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