FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2022/02/08/15:13:14

日経平均株価:様子見ムード強い中自立反発狙いの買い

米金融引き締めへの警戒感はくすぶっており、今週後半の米消費者物価指数(CPI)の発表を前に『基本は様子見』との声が聞かれたが、日本株は割安感が意識され、自律反発を期待した買いが相場を支援した。また、決算などを手掛かりとする個別物色も活発だった。前日に下げた銘柄などに自立反発狙いの買いも入り、指数を支えた。結局、前営業日比35円高の2万7284円で終了した。

 

東京外国為替市場:115円台半ば近辺でもみ合い相場続く

ドル/円は、本邦輸入企業勢のドル買い・円売りや米長期金利上昇に支えられ、115.41円まで上昇した。日経平均株価の反発でリスク選好が高まったことも円売りにつながった。午後に入っても堅調地合いは続き、米長期金利が一段と上昇すると、さらにドル買い・円売りが進んで115.47円付近まで上昇した。ただ、10日に発表される1月米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとのムードもあり、上げは一服した。その後、115.45円を挟んでもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、米長期金利上昇を眺めたユーロ売り・ドル買いが入り、1.1415ドル付近へ軟化した。前日にラガルドECB総裁が市場で高まっている早期利上げ観測をけん制したことも、ユーロの重石となった。

 

本邦上場企業の純利益は前年同期で8割増加:SMBC日興証券

東証1部上場3月期決算企業の2021年4~12月期決算は、純利益が前年同期に比べ8割増加したことが7日、SMBC日興証券のまとめで分かった。新型コロナウイルス禍からの世界経済回復に伴う資源価格の上昇や自動車などの需要増を背景に、商社、海運業、電気機器、鉄鋼がけん引。製造業、非製造業ともに大きく伸びた。4日までに決算発表した774社(1部上場3月期決算企業の約5割)が対象。製造業は純利益が73.9%増。旺盛なデジタル化需要を取り込んだ電気機器や、10~12月期に生産回復が進んだ自動車関連が好調だった。非製造業の純利益は約2.3倍。コロナ禍で運賃が高騰した海運業が押し上げたのに加え、10~12月期に感染状況が落ち着き、人の移動が活発化したことに伴う鉄道や航空の業績改善も寄与した。

 

米株を1週間に46億ドル買い越し:自社株買いは2~3月にピークか

BofAセキュリティーズの8日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は1月31日~2月4日の1週間に米株を46億6100万どる買い越した。2週連続の大幅買い越しなる。この週は4日に発表された1月の米雇用統計で非農業部門の新規雇用者数が市場予想を上回ったものの、金利が上昇する中で主力ハイテク株が弱い流れがやや一服し、S&P500指数が週間で1.54%高となって2週連続で上昇した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が10億4700万ドルの買い越しで、4週ぶりの買い越し。機関投資家は3億900万ドルの小幅買い越しで、2週連続の買い越しだった。個人投資家は18億1000万ドルの買い越しで、5週連続の買い越し。企業の自社株買いは14億9400万ドルで4週移動平均線(26億3100万ドル)を下回って低調だった。傾向としては週間の買い越し規模としては56億ドル超えて同社が2008年から集計を初めて以降で過去最大を記録した前週に続き、不安定な相場展開の中で全主体が買い越しとなって過去9番目の買い越し額を記録。昨年末に節税対の売りを終え、1月は個人投資家が買い越しに転じるアノマリー通りの展開だった。企業の自社株買いは年明けに鈍化したが、『季節的には決算期を通じて上昇し、2月末から3月初めにピークを迎える』という。

為替市場ではウクライナ情勢と原油価格の動向睨み

ロシアによるウクライナ侵攻を含めた情勢緊迫化が警戒される。米政権のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は6日、『ロシアは数日もしくは数週間以内にウクライナに侵攻する可能性があるが、外交の道を選択する可能性も残されている』という認識を示した。緊張激化はリスク回避の円高要因となるほか、安全逃避によるドル高、地理的に近いユーロの下落、欧州での天然ガスなど資源供給の打撃に伴う資源高、資源高による資源国通貨高と円安(日本の輸入増と貿易収支悪化、海外での金利上昇など)などが注視される。同時に今週は、再上昇してきた原油など資源相場も焦点になる。前週は石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国の『OPECプラス』が会合で追加増産を見送ったほか、ウクライナ懸念や米国での寒波襲来、米雇用統計の改善を受けた資源需要の増加思惑などが原油高を後押しさせた。原油高は基本的に円安要因となるほか、カナダ・ドル、メキシコ・ペソ、南アフリカ・ランドといった資源国通貨の下支え要因になりやすい。

 

米利上げやエネルギー供給の不安定さがトルコリラの重石

米大手格付け会社ムーディーズは昨日、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが迫っていることでドル化が促され、それが新興国の銀行への打撃になるとの見解を示した。トルコ当局は昨年末から為替リンクのリラ建て定期預金の普及に努めているが、期待したほど外貨からリラへの交換は進んでいない。米国で引き締めサイクルが実際に始まれば、リラ保護策の効果が薄れてしまう可能性は高い。なお、イランからトルコへの天然ガスパイプラインの障害により、トルコ国内の工場のガス使用が一時的に制限されていたが、本日から制限が解除される。これにより、ひとまずはエネルギー不足によるトルコ経済の停滞懸念は後退した。ただし、エネルギー供給を外国に頼る不安定な状況に何ら変わりはない。

 

メキシコの景気は力強さの乏しい展開

メキシコ経済を巡っては、輸出の大宗を占める米国経済の堅調さが追い風になると期待される一方、政権による『反ビジネス色』の強い施策や財政規律を重視する財政運営に加え、物価高と金利高の共存が景気の足かせとなっている。結果、10-12月の実質GDP成長率は前期比年率▲0.33%と2四半期連続のマイナス成長となるなどリセッションに陥った。昨年通年の経済成長率は+5.0%と2年ぶりのプラス成長となるも、ゲタは+3.5pt程度と試算され『実力』は+1.5%程度に留まるなど、力強さに乏しい状況にあると判断出来る。年明け以降は同国でもオミクロン株の感染が急拡大して過去の『波』を大きく上回るなど、感染動向は急激に悪化している。足下では早くもピークアウトの兆しはみられるが、企業マインドは急激に悪化するなど景気の足かせとなることは避けられない。さらに、先行きも財政及び金融政策両面での引き締めが景気の下押し圧力となる展開が見込まれるなど、景気は引き続き力強さの乏しい展開が続くと予想される。

 

米国市場では12月貿易収支を公表:予想は‐831億ドルの赤字

12月の前渡商品貿易支出は‐1010億ドルと赤字は拡大している。そのため、12月の貿易赤字幅は11月実績を多少上回る可能性が高いとみられる。

 

欧米市場イベント

○16:45   12月仏貿易収支
○16:45   12月仏経常収支
○17:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:2.75%に引き上げ)
○22:30   12月カナダ貿易収支(予想:25.0億カナダドルの黒字)
○22:30   12月米貿易収支(予想:830億ドルの赤字)
○9日02:00   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○9日03:00   米財務省、3年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/02/07/15:15:46

日経平均株価:米国金融引き締めや原油高などを嫌気

米国の金融引き締めや原油高などへの警戒感が重石となり、値がさハイテク株中心に売られた。一方、決算を手掛かりとする物色は引き続い旺盛だった。市場では『米雇用時計の内容が事前予想よりも堅調で、米長期金利が上昇。相場はますますバリュー優位に傾斜するとみている』との声が聞かれた。結局、前営業日比191円安の2万7248円で終了した。

 

東京外国為替市場:115円台前半で売買交錯でもみ合う展開

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅を眺めたリスク回避の円買いが先行し、115.14円付近まで下落した。しかし、4日に発表された1月米雇用統計の予想外に強い数字で、米FRBが金融引き締めへ積極的に向かうとの観測が高まっているため、下値を追う動きは限られた。その後は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、115.30円付近へ下落した。午後は、日米金融政策スタンスの違いを意識したドル買い・円売りが入り、一時115.37円付近までじり高となった。日経平均株価の下げ幅縮小やNYダウ先物の持ち直しで、リスク回避姿勢が和らいだことも円売りを誘った。ユーロ/ドルは、高値警戒感から利益確定や持ち高調整のユーロ売り・ドル買いに押され、1.1425ドル付近へ下落する場面があった。しかし、欧州中銀(ECB)の年内利上げ観測が高まっていることで、下値ではユーロを買い戻す動きも見られ、1.1430ドル台へ値を切り返した。

 

前週のFX概況ではドル買い比率が上昇

QUICKが4日時点の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、円に対するドル買い比率は57.3%と前の週末から0.5ポイント上昇した。前週は週半ばに米連邦準備理事会(FRB)が急速に急速に金融引き締めに動くとの見方が後退し、円相場強含む場面があった。相場の流れに逆らう『逆張り』の戦略が多い個人投資家は、円が上昇した場面で円売り・ドル買いに持ち高を傾けたとみられる。円に対するユーロ買い比率は18.6ポイント低下の19.5%と2021年5月末以来、約8ヵ月ぶりの低水準だった。欧州中央銀行ECBが金融政策の正常化を急ぐとの見方が広がりユーロ買いが増えた場面で、ユーロ買いの持ち高を減らす個人投資家が多かった。『ポンド/円』取引のポンド買い比率は5.4ポイント低下の43.1%だった。

 

ECBは年内利上げに近づく:3月理事会に注目

物価の上振れが続くなか、欧州中央銀行(ECB)の利上げ観測が高まっている。昨年12月に段階的な買い入れ縮小方針を発表した直後だけに、2月の理事会での政策変更は見送られたが、ラガルド総裁は記者会見で、今後の政策見直しの可能性を排除しなかった。スタッフ見通しが発表される次回3月の理事会で、従来の資産買い入れプログラム(APP)の新規買い入れ終了の前倒しを決め、利上げ開始の地均しを始める公算が大きい。9月に買い入れ終了後、12月の利上げ開始とみる。

 

ウクライナ問題がトルコ経済への打撃になる可能性も

ウクライナを巡る西側とロシアの確執も、成り行き次第ではトルコ経済への打撃となるため注意が必要である。ウクライナはトルコ製軍用ドローンの優良顧客であり、今後も両者は防衛関係を深めことを確認し合っている。一方でロシアは、トルコ観光業や農産物の輸出先として重要な相手であり、また、トルコにとって主要な天然ガス供給国でもある。トルコがウクライナに片寄り過ぎると、ロシアがトルコの必要とする部分で距離を置き始めることは十分にあり得る。

 

南アの製造業の足かせとなる国営電力会社エスコム

『お金もない、技術もない、メンテナンスもない』というタイトルで南アで批判をされているのは、国営電力会社エスコムのことである。先月28日の金曜早朝にエスコムの発電ユニットが故障を起こすと、1時間も立たないうちに次のユニットにも不具合がでた。なんとか最初のユニットが回復すると、その17分後にはまた別のユニットに障害が発生した。電力の専門ではない人が聞いても呆れてしまう不備の繰り返しで、1000メガワット以上の電力を失った。資金不足にも悩まされているエスコムは、新しい発電所のメンテナンスも不十分であり、負の連鎖を繰り返している。数年前はエスコムの負荷制限で、ランドが売られることが多々あった。しかしながら、ここ最近はあまりにも頻繁に問題が起きているため、為替相場が反応することはない。しかしながら、南アの製造業にも大きな影響を与えていることは確かなため、抜本的な解決がない限りは南ア経済の足かせとなり続ける。

 

メキシコ大統領の独裁制を疑問視する声が高まる

電力市場や資源開発で民間企業の活動を制限する法案を巡ってロペスオブラドール・メキシコ大統領の独裁性を疑問視する声が高まるなか、2日の定例記者会見で大統領は国営のリチウム企業を立ち上げる方針を明らかにした。電気自動車(EV)の需要が急速に高まり、電池に使われるリチウムは資源として重要性が増しているが、メキシコでは粘土質の土壌に抱負なリチウムが埋蔵されている可能性があるとのことでリチウム産業を政府が独占する姿勢を示している。この強硬的な態度に対して国内外からは批判の声がさらに高まっている状況である。リチウムの独占によってその他工業産業への投資意欲も低下する懸念を指摘する専門家もおり、現在、180億ドル超と工業総生産の8%を担っている鉱業輸出に打撃を与える可能性も浮上している。

 

ドル/円の上値を抑える米国内外要因

ドル円の売り材料としては、マンチン米上院議員が『気候変動・社会保障関連歳出法案』の協議を『最初からやり直す必要がある』と指摘していることに加え、コロナ禍の財政支援が途切れる『財政の崖』問題やオミクロン株蔓延による景気減速懸念が挙げられる。米2-10年債利回り格差が縮小しており、市場では米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げが景気減速・後退をもたらすリスクを警告している。また、ウクライナ情勢や台湾海峡を巡る米国とロシア・中国との対立激化への警戒感が高いままであることも地政学リスク回避の円買い要因となる。さらに、15日の米国債償還・利払いに伴う円転や神田財務官による悪い円安への牽制発言、『まん延防止等重点措置』の適用による日本の景気減速懸念も、ドル/円の上値を抑える要因となる。

 

欧米市場イベント

○15:45   1月スイス失業率(季節調整前、予想:2.7%)
○16:00   12月独鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年同月比▲3.6%)
○8日00:45   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○8日05:00   12月米消費者信用残高(予想:250.0億ドル)
○ニュージーランド(ワイタンギ・デーの振替休日)、メキシコ(憲法記念日の振替休日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/02/04/15:15:13

日経平均株価:NYダウ先物が堅調推移したことで買い優勢に

前日の米国株式市場では主要3指数がそろって反落したが、引け後では米アマゾン・ドット・コムが市場予想を上回る決算を発表し、NYダウ先物が上昇した。米国株に対する過度な警戒感が和らいだため、日本株は小幅安の水準でとどまった。NYダウ先物が堅調に推移し、投資家心理を支援した。本日は1月米雇用統計の発表を控えており、市場では、『インフレ動向を見極める上で、労働参加率や賃金の動向に、より集まりそうだ』との声が聞こえた。結局、前営業日比198円高の2万7439円と反発した。

 

東京外国為替市場:仲値発表後は114.90円を挟んでもみ合う展開

ドル/円は、日経平均株価がマイナス圏から一時プラス圏へ転じたことに支えられ、115.05円付近まで上昇する場面があった。しかし、本日は実質的な五・十日にあたり、仲値に向けて国内輸出企業がドル売り・円買いを持ち込み、115.00円を挟んでもみ合いとなった。仲値発表後は、週末を控えた利益確定や持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、114.80円付近へじり安となった。ただ、下値では日米金融政策スタンスの違いを意識したドル買いも見られ、114.90円台へ値を戻した。午後に入ると、今晩発表される1月雇用統計を見極めたいとの雰囲気から、114.90円を挟んで動きとなった。NY時間にバイデン米大統領が米雇用統計について会見を行うと報道されていることも、様子見ムードに拍車をかけた。ユーロ/ドルは、1.1465ドル前後で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ECBは年内の利上げも選択肢に

欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で市場の予想通り政策金利の据え置きを決定した。域内の1月インフレは5.1%と過去最高の伸びを記録した。ラガルド総裁は会合後の会見で、状況は変わったとし、今まで繰り返していた年内の利上げを除外する言及を避けた。政策委員会全体がインフレを懸念していると指摘。インフレ見通しリスクは上向きに傾斜しており、ECBの物価安定目標達成に一段と近づいたと利上げの可能性を示唆。データに基づいて政策を決定していくとした。3月にパンデミック緊急資産購入プログラム(PEPP)を終了、資産購入策(APP)を7-9月に終了し、その後、利上げを見直す軌道になると見られる。

 

トルコの1月消費者物価指数は約20年ぶりの高水準

欧州序盤に発表されたトルコの1月消費者物価指数(CPI、前年比)は48%を上回り、約20年ぶりの高水準を記録した。コアCPIも前回31%台から39%台まで加速し、インフレの深刻さが再確認された。1月トルコCPIを確認し、トルコ中銀や民間の金融機関は、インフレ率が5月55%台でピークアウトするとの予測で一致している。ただ欧米の主要銀行は、年末にかけての低下でも30%を割り込まないとしているにもかかわらず、中銀インフレレポートでは年末予想の中心値が23%台と楽観的である。いずれにせよ、金融政策を引き締めに転じることができないトルコ中銀とタカ派に傾く他中央銀行との差はより顕著となり、リラの保有しづらさは続く。なおエルドアン大統領はウクライナを訪問し、同国のゼレンスキー大統領と会談した。ウクライナとロシアの緊張緩和に向けて仲介役にトルコは手を挙げており、今後はその役割が機能するかが注目される。ただ今のところ、プーチン露大統領はエルドアン大統領との会談に乗り気ではないとの報道が目立つ。

 

南アではウイルス感染の影響が弱まる

昨日発表された1月のスタンダード銀行南アPMIは前回の48.4から改善し、景況の強弱を判断する節目50を超えて、50.9まで上昇した。南アではオミクロン株の隔離も3日間に短縮するなど、徐々にウイルス感染の影響が弱まっていることがポジティブに転じた要因である。ただし、急激な燃料価格の上昇で輸送に大きな影響が出ていることで、サプライチェーンは大きな問題を抱えたままとなっていることが懸念材料として残っている。

 

米労働コスト速報値が大幅鈍化でインフレ懸念が後退

労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(1/29)は前週比2.3万件減の+23.8万件と、前回26.1万件から予想以上に減少した。失業保険継続受給者数(1/22)は162.8万人と前回167.2万人から減少した。10-12月期非農業部門労働生産性速報値は前期比年率+6.6%となった。7-9月期-5.0%からプラスに回復した。パンデミックの経済封鎖から脱出した2020年4-6月期以降で最大の伸びを記録した。同期単位労働コスト速報値は前期比年率+0.3%と、7-9月期+9.3%から伸びが予想以上に大幅鈍化した。インフレ懸念が後退した。

 

割高な米ハイテク株は重圧を受ける

これまで目がくらむほどの急上昇を演じてきたハイテク株が重圧にさらされている。
この2日間で、米メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)、米電子決済サービス会社ペイパル・ホールディングス、スウェーデンの音楽配信サービス大手スポティファイ・テクノロジーは、合わせて2700億ドル(約31兆円)の時価総額を失った。いずれも決算と業績見通しに失望感が広がったためである。2018年以来となる米利上げが間近に迫り、米主要株価指数が今も最高値圏にある中でこうした企業が売り込まれている背景には、投資家の目が一段と厳しくなっていることがある。金利の上昇は、割高な株価に対する投資家の許容度を引き下げる傾向があるため、バリュエーションが高水準にある銘柄にとって足かせとなりやすい。

 

米国市場では1月雇用統計を公表:予想は前月比+17.8万人、失業率3.9%

12月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比+19.9万人にとどまったが、失業率は3.9%まで低下した。労働力の供給は制限されており、1月も雇用者数の大幅な増加は期待できない。ただし、失業率は労働力不足によって低水準を維持する見込み。平均時給の上昇率は12月実績を上回り、前年比5%超となる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月独製造業新規受注(予想:前月比0.3%/前年同月比3.0%)
○16:45   12月仏鉱工業生産(予想:前月比0.5%)
○16:45   10-12月期仏非農業部門雇用者数・速報値
○17:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○18:30   1月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:54.3)
○19:00   12月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲0.5%/前年比5.1%)
○21:15   ブロードベントBOE副総裁、ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:30   1月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化▲11.75万人/失業率6.2%)
○22:30   1月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化15.0万人/失業率3.9%/平均時給、前月比0.5%/前年比5.2%)
○24:00   1月カナダIvey購買部協会景気指数
○5日01:00   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○冬季オリンピック北京大会(北京、20日まで)
○中国(旧正月)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/02/03/15:26:57

日経平均株価:グロース(グロース)株の下落が目立った

前日の米国株式市場では主要3指数がそろった上昇したが、引け後に決算を発表した米IT大手メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が時間外取引で大幅安となって、米主要株価3指数の先物は時間外でさえない動きが続いた。とりわけ、ハイテク株比率の高いナスダック先物は2%超安となって投資家心理の重さとなり、日本株株もグロース(成長)株の弱い動きが目立った。新興株市場では、マザーズ総合は4%超安となった。前日までの4営業日で日経平均株価が1300円あまり上昇した後とあって、幅広い銘柄に戻り待ちの売りが出た。結局、前営業日比292円安の2万241円と5営業日ぶりに反落した。1月第4週(24日~28日)の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家(外国人)は2009億円売り越し、売り越しは3週連続となった。

 

東京外国為替市場:輸入勢のドル買いで114円台半ばでもみ合う展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、114.50円付近へ上昇した。しかし、前日に発表された1月ADP全米雇用リポートが予想外に低調な数字だったこともあり、上値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価のさえない動きを眺めたドル売り・円買いも見られ、114.40円を挟んでもみ合いとなった。午後は、明日発表される1月米雇用統計を控えた持ち高調整などのドル買い・円売りが入り、114.53円付近までじり高となった。低下していた米長期金利が小幅に持ち直したことも、ドル買い戻しにつながった。ユーロ/ドルは、今晩のECB理事会後に行われるラガルド総裁の会見内容を見極めたいとのムードが広がり、1.1300ドルを挟んで方向感に欠ける値動きとなった。

 

1月トルコ消費者物価指数に注目集まる

本日は欧州序盤に発表される1月トルコ消費者物価指数(CPI)が注目される。前回は前年比で約36%まで伸び率が上昇していたが、今回は46-48%台まで上振れすると予想されている。トルコ最大の都市イスタンブールの物価指標が足もとで悪化したことから、市場では想定以上のインフレ加速もあり得ると身構えている。一方でエルドアン大統領は、以前よりは口調は和らげているが、金利を低下させるという従来の考えに固執している。トルコ中銀も『独立性を放棄した』とみられるような緩和的な金融政策を実施しており、インフレ高騰による通貨価値の下落圧力は強まったままである。なお本日は、英国や欧州の中央銀行が金融政策を発表する。もしインフレ抑制のためにタカ派姿勢が顕著となるようであれば、ポンドやユーロ買いが対リラでも進むと見込まれ、リラ/円も影響を受ける。

 

1月ユーロ圏CPIは1997年以降で過去最高

欧州連合(EU)統計局が2日発表した1月CPI(消費者物価指数)は前年比+5.1%と事前予想の4%台半ばを大幅に上回り1997年以降で過去最高を更新した。物価を押し上げてきたドイツ付加価値減税の反動の剝落要因もあり1月以降は物価上昇の勢いが鈍るとの見方が強かっただけに前月の5.0%を上回るサプライズとなった。インフレの強さを示し3日に理事会を開く欧州中銀(ECB)に緩和縮小を促す圧力となる。なお、物価を押し上げたのは前年比+28.6%の大幅上昇となったエネルギーであり、エネルギー以外は小幅な上昇にとどまった。

 

欧州では英中央銀行金融政策を発表:予想は0.25%の利上げ

英中央銀行は12月16日、物価圧力が一段と持続的となっている兆候が見られるとの見方を表明している。新型コロナウイルスの感染再拡大は短期的な経済活動を圧迫する可能性はあるものの、インフレ率は今年前半にかけてさらに上昇する可能性があることから、小幅な追加利上げで対応するとみられる。

 

欧州中央銀行理事会で金融政策を発表:予想は現状維持

欧州中央銀行(ECB)は前回開催の理事会『パンデミック緊急購入プログラム(DEPP)』を通じた資産購入を2022年3月末に終了することを決めている。ただし、保有する債券・国債の償還後に再投資期間は2024年末まで延長される。また、ECBのラガルド総裁は金利引き上げを急がない姿勢を表明しており、今回の理事会でも一定レベルの金融緩和を維持するとの認識が共有されるとみられる。

 

南アの個別要因はないため英・欧州の金融政策に影響

本日も南アからは市場を動意づけるような経済指標等の発表予定はない。よって、引き続き株式市場の動きや、本日予定されている欧州中央銀行(ECB)理事会、イングランド銀行(BOE)金融政策委員会(MPC)の結果や総裁発言などにより上下すると予想される。なお、国営電力会社エスコムの負荷制限は、来週月曜までステージ2の水準で行われることが決定した。

 

4日に米国労働省は1月雇用統計を発表:予想は大きくかい離

先行指標の中で雇用統計と相関関係が最も強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の1月分は前月比-30.1万人と、予想外に2020年12月来のマイナスとなった。パンデミックが発生した直後の20年4月来で最低。オミクロン流行拡大で、自身や家族の感染により労働が困難になったり、店舗の営業時間短縮などが雇用の減少につながった可能性が指摘されている。雇用統計の雇用者数の平均予想は依然15万人増とプラスが予想されている。しかし、パンデミックを巡る調整が困難で、エコノミスト予想は大きく乖離している。25万人増から40万人減のレンジ。ゴールドマンは25万人の減少を予想している。インフレ高進の中、FRBが金融緩和正常化に向けた手を大きく緩める可能性は少ないと見る。ただ、短期的に雇用停滞懸念に過剰な利上げ観測の思惑は緩和し、ドルの上昇ペースも鈍る可能性がある。

 

■市場エコノミスト予想失業率:3.9%(12月3.9%)非農業部門雇用者数:前月比+15万人(12月+19.9 万人)民間部門雇用者数:前月比+10万人(+21.1万人)平均時給:予想:前月比+0.5%、前年比+5.2%(+0.6%、+4.7%)

 

欧米市場イベント

○16:00   1月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月9.80%/前年比46.68%)
○17:50   1月仏サービス部門PMI改定値(予想:53.1)
○17:55   1月独サービス部門PMI改定値(予想:52.2)
○18:00   1月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.2)
○18:30   1月英サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○19:00   12月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比2.8%/前年比26.1%)
○21:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.50%に引き上げ、資産買取プログラムは8950億ポンドで据え置き)
○21:00   英中銀MPC議事要旨
○21:30   ベイリー英中銀(BOE)総裁、会見
○21:30   1月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:30   10-12月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比3.2%)
○22:30   10-12月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比1.5%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:24.5万件/162.0万人)
○23:45   1月米サービス部門PMI改定値(予想:50.9)
○23:45   1月米総合PMI改定値(予想:50.8)
○24:00   1月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:59.5)
○24:00   12月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.2%)
○香港、中国(旧正月)、休場
○トルコ・ウクライナ首脳会談(キエフ)
〇中露外相会談(北京)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/02/02/15:17:31

日経平均株価:好決算銘柄物色が活発化

前日の米国株式市場で主要3指数が続伸した流れを引き継いだほか、米ナスダック先物の底堅い値動きも支援した。個別では、引き続き好決算銘柄の物色が活発化した。前営業日比455円高の2万7533円と4日続伸した。信用評価損益率は1月28日申し込み時点でマイナス15.75%と、前の週のマイナス12.93%からマイナス幅が2.82ポイント悪化した。悪化は2週連続となる。

 

東京外国為替市場:上値を追う動きは限定的で114.70円前後でのレンジ相場

ドル/円は、日経平均株価の大幅高を眺めたリスク選好の円売りが先行し114.80円付近へ値を上げた。しかし、このところ米FRB当局者から0.50%の大幅利上げに否定的な発言が相次いでいることもあり、上値を追う動きは限られた。その後は、利益確定などのドル売り・円買いに押され、114.65円付近まで下落する場面があった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、114.70円台を中心とする狭いレンジで取引された。4日に発表される1月米雇用統計を前に、ポジションを積極的に傾けにくくなっている。ユーロ/ドルは、1.12ドル台後半で小動きに終始した。

 

ユーロ圏1月インフレ率速報値には注意:金融政策変更の可能性も

ドイツの1月のインフレ率は前年比+5.1%、フランスのインフレ率は前年比+2.9%だった。1月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比+4.4%、HICPコア速報値は前年比+1.9%と予想され、12月のHICP+5.0%、HICPコア+2.6%からの低下が見込まれている。予想通りに低下していた場合、ECBが予想している年内のインフレ率低下の可能性がやや高まることになる。予想を上回る上昇幅だった場合は、短期金融市場が織り込んでいる10月までに10ベーシスポイントの利上げの可能性が高まることで、明日のECB理事会でタカ派の勢いが強まることになる。ハト派のレーンECB専務理事兼主任エコノミストは、『インフレ率は今年幾分低下に転じると予想している』と述べつつも、インフレ率が目標2%を上回る水準にとどまれば、ECBは金融引き締めに踏み切ると述べていた。

 

明日発表の1月トルコCPIへの警戒感が強まる

明日発表される1月トルコ消費者物価指数(CPI)への警戒感が強まっている。前回は前年比で約36%だったCPIは、1月には46-48%台まで上昇すると見られている。しかしながら、更なるインフレ悪化を予想する向きも出てきた。というのも、昨日発表されたトルコ最大の都市イスタンブールの物価指標が大きく上振れしたからである。1月小売物価指数は前年比50%を超え、前回の34%台から加速した。トルコ中銀は1月インフレ率の50%接近を既に予想しているが、同水準を今年早々に上回るようだと、5月の55%前後でピークアウトという予測も怪しくなる。エルドアン・トルコ大統領に睨まれて金融引き締めができないため、インフレ高騰は通貨価値下落への懸念をより強める。

 

トルコの野党はまだ23年の総選挙に向けては厳しい状況

トルコではエルドアン大統領率いる公正発展党(AKP)政権が20年近く続き、政治の硬直化、民主主義の停滞などが懸念されている。また、高インフレを放置したことでリラ暴落に陥り、国内の経済格差も広がった。人々の政権に対する不信感は高まり、エルドアン大統領の支持率低下は顕著である。それにもかかわらず、現在の野党は国を率いる準備はできていないと見ている人々がまだ多い。世論調査会社メトロポールの調査によれば、調査対象の47%が現在の野党には政権を任せられないと答えた。これは野党に希望を持つという46%の人々を1%だけ上回った。僅差とも言えるが、エルドアン大統領に対する悪材料が多いように見えるなか、野党が国民の信頼を得ていないのは、2023年の総選挙に向けて厳しい状況とも言える。

 

南アでの電力の頻繁な負荷制限はネガティブ要因

国営電力会社エスコムは『週末に多数の発電ユニットが故障したことで、発電能力がさらに失われた場合は、急な通知で負荷制限を実施する必要がある』と昨日発表した、余りに頻繁に負荷制限が行われていることで、市場はかつてのように反応をすることはないが、南ア経済にはネガティブなことは確かである。

 

米国の積極的な金融引き締め観測後退:利上げ慎重論も

昨日は複数の米連邦準備理事会(FRB)高官から、積極的な金融引き締めが確実という風潮に『待った』をかけるような発言が相次いだ。一部通信社によれば、タカ派とされるジョージ米カンザスティ連銀総裁は『緩和策の解除開始の判断において慎重に行動する必要がある』と述べた。週末の英FT紙とのインタビューで『3月0.5%利上げも受け入れる』としたボスティック米アトランタ連銀総裁も、週明けには『0.5%は好む設定ではない』とあっさりと軌道を修正した。『2022年は全7会合での利上げも排除しない』とした前回のパウエルFRB議長の定例記者会見を受け、米債券市場では売りポジションが溜まっている。急ピッチな利上げに対する慎重論がこのまま広まるようであれば、債券買い戻し(金利は低下)が進む場面もある。そうなると、ドルも上がりづらくなる。

 

欧米市場イベント

○19:00   1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比4.4%)
○19:00   1月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.9%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:15   1月ADP全米雇用報告(予想:20.7万人)
○22:30   12月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.5%)
○24:00   グラベル・カナダ銀行(BOC、中央銀行)副総裁、講演
○3日00:30   EIA週間在庫統計
○3日05:00   マックレムBOC総裁、議会証言
○3日06:30   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:10.75%に引き上げ)
○石油輸出国機構(OPEC)プラス閣僚級会合(オンライン)
○英中銀金融政策委員会(MPC、3日まで)
○韓国、香港、シンガポール、中国(旧正月)、休場

 

 

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