FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2021/10/04/03:01:25

米国株式市場は上昇:新たなコロナウイルスの治療薬などへの期待買い

NYダウは482.54ドル高の34326.46ドル、ナスダックは118.12ポイント高の14566.70ポイントで取引を終了した。9月ISM製造業景況指数や消費者信頼感指数が予想外に改善を示したため、寄り付き後は上昇した。その後、格付け会社フィッチが債務上限問題の解決が遅れた場合格付けを圧迫すると警告したため、一時下落に転じる局面もあった。しかし、 新型コロナ感染の沈静化や新たな治療薬などへの期待に景気循環株に買いが向かい再び上昇した。NYダウは一時640ドル超上昇した。長期金利の低下を受けてハイテク株が下げ止まったことも手伝い、引けにかけNYダウは上げ幅を拡大した。VIX指数は23.14から21.15へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が低下でドルの上値の重い展開

ドル/円は、NYダウが一時640ドル超上昇するなど、米国株が底堅く推移すると、リスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨などを中心にドル売りが先行した。節目の111円を割り込んで、一時110.87円と日通し安値を付けた。この日発表の9月米ISM製造業景気指数や9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値が予想を上回ったことが分かると111.14円付近まで持ち直す場面もあったが、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.45%台まで低下したこともあり、戻りは鈍かった。米連邦政府の債務上限問題など懸念材料もくすぶる。格付け会社フィッチ・レーティングスは「米債務上限が引き上げ、もしくは停止されなければ米国債は現在の最上位信用格付け『AAA』を失う可能性がある」と警告している。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の9月ユーロ圏HICP速報値が前年比で予想を上回ったことからユーロ買い・ドル売りが進行した。NYダウ先物の持ち直しに伴うリスク選好のドル売りも出て、一時1.1607ドルと日通し高値を付けた。ただ、ユーロクロスの下落につれた売りが出ると1.15ドル台後半まで押し戻された。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは急伸。対ドルでは一時4万8183ドル台まで上昇したほか、対円では534万円台まで値を上げた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は前日の米下院金融サービス委員会での証言で『仮想通貨を全面的に禁止するつもりはない』などと発言した。米国の規制緩和を示唆するものと受け止められ、買いが広がった。

 

NY原油先物市場は続伸:米国株高を意識した買い戻し

NY原油先物市場は74.23ドル-75.99ドルのレンジ相場となった。時間外ではリスク回避地合いの強まりを受け、リスク資産でもある原油は上値重く推移した。ただ米国株が高く始まると買い戻しが優勢になった。米国内では供給逼迫への懸念は根強く残ったままであり、くわえて、中国からのエネルギー需要増も予想される中で買いの勢いは止まらなかった。一時は前日高値に迫る76ドル手前まで上値を伸ばした。アジア市場の序盤に75.57ドルまで買われた後、ロンドン市場の序盤にかけて74.23ドルまで下げたが、まもなく反転。ニューヨーク市場の後半にかけて75.99ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では75ドル台後半で推移した。米国の石油掘削装置稼働数(リグ)は前週末比7基増加の428基となった。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利低下とドル安から買い優勢に

NY金先物市場は1749.90-1765.20ドルのレンジ相場となった。前日の大幅高の反動から売り戻しが先行するも、為替相場でドルが弱含み、割安感が生じたドル建て金の下値は堅かった。ただNYダウが大きく反発したことを受け、引けにかけては安全資産とされる金の上値は重かった。ニューヨーク市場の序盤にかけて1749.90ドルまで下げたが、米長期金利がやや低下したことなどから、1765.20ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では、1760ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場は続伸:米債務上限問題への警戒感から買い優勢

米国債券市場の中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.26%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い1.46%で終了した。米債務上限問題などへの警戒は根強く、安全資産とされる米国債に買いが入った。市場では『債券売りに傾いていた一部の投資家が買い直した』との指摘があった。なお、この日発表の9月米ISM製造業景気指数は予想を上回ったものの、反応は一時的だった。

 

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2021/10/01/07:57:30

米国株式市場は下落:月末・四半期要因で一段安

NYダウは546.80ドル安の33843.92ドル、ナスダックは63.86ポイント安の14448.58ポイントで取引を終了した。週次失業保険申件数が予想外に増加したほか、与野党が債務上限の引き上げで合意できず、政府機関閉鎖に陥る可能性が警戒され寄り付き後は下落した。下院公聴会においてイエレン財務長官やパウエルFRB議長が債務上限が引き上げられなければ深刻な事態をもたらすと再度警告したため投資家心理がさらに悪化し、下げ幅を大きく拡大した。引けにかけ、上下院が暫定予算案を可決し府機関閉鎖が回避されたが月末・四半期要因で一段安となり一時550ドル超下げた。VIX指数は22.56から23.14へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ドルは一転売りが優勢

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)による早期利上げ観測を背景にドル先高観が強まる中、一時112.08円と昨年2月21日以来約1年7カ月ぶりの高値を付けたものの、その後失速した。112円台では利食いなどが出たほか、昨年2月20日の高値112.23円が重要なレジスタンスとして意識されたため一転売りが優勢となった。前週分の米新規失業保険申請件数や9月米シカゴ購買部協会景気指数が予想より弱い内容だったことが分かると円買い・ドル売りが活発化した。月末・期末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りも観測された。米国株相場の失速も相場の重しとなり、一時111.21円と日通し安値を付けた。市場では『ここ数日の急激なドル高への過熱感もあり、ドルを売り戻す動きが強まった』との声が聞かれた。米連邦政府の債務上限問題を巡る与野党交渉の難航も警戒された。米上下両院はこの日、12月3日までの連邦政府の資金を手当てするつなぎ予算案を賛成多数で可決。バイデン大統領の署名を経て成立する。ただ、つなぎ予算が成立しても、債務上限問題で合意しなければ米国債が初の債務不履行に陥りかねない。市場では『与野党の対立で、インフラ投資法案の成立も難しくなる』との懸念がある。

 

ユーロ/ドルは、低調な米経済指標などを受けてユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.1598ドル付近まで値を上げたものの、ロンドン・フィキシングにかけてユーロ売りが強まると、1.1563ドルと昨年7月23日以来約1年2カ月ぶりの安値を更新した。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:中国当局が石油などの輸入拡大方針を好感

NY原油先物市場は73.14ドル-76.07ドルのレンジ相場となった。NY序盤は73ドル前半まで売りが先行した。石油輸出国機構(OPEC)の9月産油量が2020年4月以来で最大と報じられたことが重しとなった。ただ、その後に一部通信社が、『中国当局が、エネルギー需要の増加に対応するために石油などの輸入を拡大させる方針を表明』と報じると一転して買い戻しが優勢になった。一時76ドル台まで反発した。もっとも、来週のOPECプラス会合で供給拡大が議題にあがるとの関係筋の話しが伝わると、74ドル台後半まで上値を切り下げる場面もあった。ニューヨーク市場の序盤にかけて73.14ドルまで下げたが、まもなく反転し、76.07ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では75ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反発:米長期金利上昇一服で買い戻し

NY金先物市場は1721.80-1765.00ドルのレンジ相場となった。1720ドル手前の堅さを確認し、投機筋によるショートカバーが強まった。米債務上限の問題で与野党の溝が埋まらず、米債のデフォルト(債務不履行)懸念がくすぶっていることも安全資産とされる金に資金を向かわせた。一時1765ドル付近まで値を上げた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1721.80ドルまで下げたが、米長期金利の上昇が一服したことなどから、1765.00ドルまで反発。ただ、政府機関の閉鎖が回避される見通しとなったことから、1750ドル台で推移した。

 

米国債券市場は続伸:ポジション調整による買い優勢

米国債券市場の中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.27%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い1.48%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の早期金融引き締め観測などを背景に売りが先行したものの、月末・四半期末を控えて機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入ると持ち直した。 

 

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2021/09/30/07:43:27

米国株式市場はまちまち:急落の反動で短期的な戻りを期待した買い

NYダウは90.73ドル高の34390.72ドル、ナスダックは34.24ポイント安の14512.44ポイントで取引を終了した。金利上昇が一段落したため、寄り付き後は上昇した。前日に急落した反動で短期的な戻りを期待した買いが先行すると、一時280ドル超上げた。また、8月中古住宅販売成約指数が予想以上に伸びたため、回復期待にNYダウは堅調に推移した。ただ、債務上限問題への懸念がくすぶり、引けにかけて上げ幅を縮小した。金利先高感が根強く、ハイテク株の売りが続き、ナスダック総合指数は下落した。VIX指数は23.25から22.56へ低下した。

 

NY外国為替市場:米早期金融引き締め観測を背景にドル全面高

ドル/円は、米長期金利は低下したものの、月末・期末に向けてのドル需要が高まる中で、一時112.04円と昨年2月21日以来約1年7カ月ぶりの高値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)によるテーパリングの年内着手や2022年中の利上げ開始の可能性が意識される中、ドル先高観は根強く、ドルが買われやすい面もあった。買い一巡後も112.00円近辺での値動きが続き、底堅く推移した。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は欧州中央銀行(ECB)フォーラムのパネルディスカッションで『テーパリング開始の条件である一段と顕著な進展の実現に近づいている』と述べた一方、『FRBの利上げまでには非常に遠い』『FRBは慎重に正常化過程に取り組んでいる』などと発言した。 

 

ユーロ/ドルは、FRBの早期金融引き締め観測などを背景にドル全面高となった流れに沿って、一時1.1589ドルと昨年7月24日以来約1年2カ月ぶりの安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時94.43と昨年9月28日以来およそ1年ぶりの高値を付けた。ラガルドECB総裁はECBフォーラムで『インフレ率上昇が経済全体に広がっている兆候はない』『一時的な供給ショックに対し過剰な反応を決してしないようにするべき』と述べたほか、ユーロ圏経済見通しについては『供給のボトルネックやエネルギー価格高騰、新型コロナ再拡大といった不確定要因をはらんでいる』との見解を示した。 

 

NY原油先物市場は続落:天然ガス安に連れた売り優勢

NY原油先物市場は73.74ドル-75.79ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)週間在庫統計で原油は8週ぶりの積み増しとなったが、下押し幅は限定されて一巡後は75ドル後半まで反発した。供給拡大が求められながらも、石油輸出国機構(OPEC)プラスは来週の会合で減産の縮小幅を維持する可能性が高いことが報じられ、相場の支えとなった。もっとも週前半に大きく買われた天然ガスが本日は大幅安となり、NY午後に入ると原油もつられる形で上値を切り下げた。アジア市場で73.74ドルまで下落した後、ニューヨーク市場の中盤にかけて75.79ドルまで戻す場面があったが、主要通貨に対するドル高や原油需要増大の思惑はやや後退していることから戻り売りが優勢となった。通常取引終了後の時間外取引で74ドル台半ばまで反落する場面があった。 

 

NY金先物市場は続落:米長期金利が再上昇したことを嫌気した売り

NY金先物市場は1721.10-1746.00ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが全面高となり、割高感がでたドル建て金に対する売り圧力が強まった。また、NY午後に入り米長期金利が再び上昇したことも金利が生じない金の上値を抑えた。ロンドン市場で1746.00ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の終盤にかけて1721.10ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1725ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:米債務上限問題を巡る協議の難航から買い優勢

米国債券市場は中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.29%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い1.51%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに押し目買いなどが入った。米連邦債務の上限問題を巡る与野党協議が難航していることも相場を下支えした。 

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2021/09/29/07:51:51

米国株式市場は大幅下落:米債務上限引き上げ問題の懸念を嫌気

NYダウは569.38ドル安の34299.99ドル、ナスダックは423.29ポイント安の14546.69ポイントで取引を終了した。財務長官が連邦債務が10月18日に上限に達する公算大だと指摘したため、政府機関閉鎖などのリスクが警戒され、寄り付き後は下落した。9月消費者信頼感指数が予想外に悪化し、回復低迷懸念が浮上したほか、イエレン長官が上院銀行委員会証言で、債務上限が引き上げられなければ金融危機やリセッションに直面する可能性を警告したため、売りが加速し一時610ドル超下げた。金利の上昇で、ハイテク株も売られた。VIX指数は18.76から23.25へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米早期利上げ観測から全般ドル買い優勢

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)による早期利上げ観測が強まる中、米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.5652%前後と6月17日以来の高水準を付けると全般ドル買いが先行し、一時111.64円と7月2日以来の高値を付けた。ただ、年初来高値でもある同日高値111.66円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。9月米消費者信頼感指数が109.3と予想の114.5を下回り、同月米リッチモンド連銀製造業景気指数が▲3と予想の10より弱い内容となったことも相場の重しとなり、一時111.24円付近まで下押しした。もっとも、下値は限定的だった。米7年債入札が低調となったことを受けて、米長期金利が再び上昇すると111.62円付近まで強含んでいる。なお、パウエルFRB議長は米上院銀行委員会で『雇用の完全回復は長い道のりになる』『テーパリングを開始しても来年半ばまでは資金供給を継続』と述べたほか、利上げを開始する基準については『テーパリング着手よりも大幅に高い』との見解を示した。また、金融商品への投資を巡り批判が高まっていたカプラン米ダラス連銀総裁とローゼングレン米ボストン連銀総裁に関し、FRBの内部規定や金融規制に関する議員らの厳しい質問にさらされた。

 

ユーロ/ドルは、米消費者信頼感指数など低調な米経済指標を材料にユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.1701ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1703ドル手前で失速した。前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリングの年内着手や2022年中の利上げ開始の可能性が示され、米長期金利の上昇に圧力がかかる中、24時過ぎには一時1.1668ドルと8月20日以来の安値を付けた。もっとも、年初来安値でもある同日安値の1.1664ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。ユーロ/ポンドやユーロ/豪ドルなどユーロクロスの上昇につれた買いも相場を下支えした。

 

NY原油先物市場は6日ぶりに反落:米長期金利上昇やドル高を警戒した売り

NY原油先物市場は74.16ドル-75.75ドルのレンジ相場となった。時間外では76ドル台で強含むも、米国株売りが強まるとリスク資産でもある原油にも手仕舞い売りが持ち込まれて74ドル台まで反落した。ただし米メキシコ湾岸の石油関連施設の復旧の遅れから、供給逼迫への市場の懸念は根強いままだった。29日・米エネルギー省(EIA)週間在庫統計では原油が8週連続の取り崩しとの予想も下値を支え、75ドル台を回復してた。アジア市場で76.67ドルまで一段高となったが、米長期金利上昇やドル高を警戒した売りが増えたことで原油先物は反落。ニューヨーク市場の中盤にかけて74.37ドルまで売られた。その後は、下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引で75.35ドルまで戻す場面があった。

 

NY金先物市場は下落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1727.80-1754.30ドルのレンジ相場となった。米長期金利の上昇を受け、金利が生じない金の相対的な価値が低下し金相場は圧迫された。一時1727ドル台まで売られ、約1カ月半ぶりの安値を記録した。アジア市場で1754.30ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて1727.80ドルまで下落した。欧米株安を意識して安全逃避的な買いが多少入ったが、金先物の戻りは1741ドル近辺で一服し、通常取引終了後の時間外取引では主に1730ドル台で推移した。

 

米国債券市場は下落:米早期利上げ観測から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.30%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い1.53%で終了した。前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に広がった早期の緩和縮小観測が、引き続き債券売りを促した。原油など資源価格の高騰も金利を押し上げ、利回りは一時1.5652%前後と6月17日以来の高水準を付けた。

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2021/09/28/07:42:20

米国株式市場はまちまち:経済活動再開への期待強まり買い優勢

NYダウは71.37ドル高の34869.37ドル、ナスダックは77.73ポイント安の14969.97ポイントで取引を終了した。世界のパンデミックの状況改善で、経済活動再開への期待が強まり、寄り付き後は上昇した。8月耐久財受注速報値が予想を上回ったほか、金利の上昇や原油高を受け、景気循環株の買いが目立ち、NYダウは終日堅調に推移した。一方、金利の上昇でハイテク株は売られ、ナスダック総合指数は下落した。VIX指数は17.75から18.76へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利で全般ドル買い優勢

ドル/円は、22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリングの年内着手や2022年中の利上げ開始の可能性が示され、米長期金利の上昇に圧力がかかる中、この日もドル買いが継続し、一時111.06円と7月5日以来の高値を付けた。その後の下押しも110.78円付近にとどまった。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時1.5131%前後と6月28日以来約3カ月ぶりの高水準を付けた。なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は『テーパリングは近く正当化されるだろう』と述べた一方、『利上げの基準はまだ満たしていない』と発言し、早期の利上げについては慎重な姿勢を示した。また、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事は『テーパリングのアナウンスを利上げのシグナルと捉えるべきではない』などと述べた。 

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば1.1700ドルを挟んだ狭いレンジ取引に終始した。NY時間の安値は1.1689ドル、高値は1.1711ドルで値幅は0.0022ドル程度だった。なお、FOMCメンバー内でタカ派として知られるローゼングレン米ボストン連銀総裁は今月末に、カプラン米ダラス連銀総裁は10月8日に退任すると伝わった。両総裁については、FRBがコロナ禍対応で異例の金融緩和や資金供給策に踏み切った昨年にアクティブ運用の株式取引などをしていたことが報じられ、倫理的な懸念が浮上していた。

 

NY原油先物市場は5日続伸:供給逼迫への懸念継続で買い優勢

NY原油先物市場は74.16ドル‐75.75ドルのレンジ相場となった。米国内では、ハリケーン『アイダ』の被害を受けたメキシコ湾岸で石油関連施設の完全復旧が遅れ、供給逼迫への懸念は高まったままである。加えて石油輸出国機構(OPEC)プラス内からは、コロナ禍で設備投資やメンテナンス作業が滞り、生産量が目標に達しない可能性が伝わった。一方、新型コロナに絡んだ行動規制が世界的に緩和されつつあり、エネルギー需要は拡大傾向である。買い材料が目立つなか、原油先物は75ドル台に乗せて更に上値を伸ばした。アジア市場の序盤に74.16ドルまで下げたが、将来的な需要増加の思惑は残されており、まもなく反転し、75ドル台に上昇した。その後は、やや上げ渋ったが、通常取引終了後の時間外取引で75.75ドルまで一段高となる場面があった。

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:米長期金利の上昇を意識した売り

NY金先物市場は1744.70-1760.90ドルのレンジ相場となった。NY前半は、米長期金利の上昇に伴い金利が生じない金を売る動きが見られた。ただし、先週下げ渋った1740ドル台では押し目買い意欲も強く、売り一巡後は1750ドル台まで下値を切り上げた。アジア市場で1760.90ドルまで買われたが、ロンドン市場の中盤にかけて1744.70ドルまで反落した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1758.30ドルまで戻したが、米長期金利の上昇を意識して伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引では主に1750ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:ストップロスを巻き込み売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.27%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.48%で終了した。8月米耐久財受注額が予想を上回ったことで債券売りが先行した。利回りは一時1.5131%前後と6月28日以来約3カ月ぶりの高水準を付けた。市場では『利回りが1.50%の節目に達したことでストップロスの売りが出た』との声が聞かれた。

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