★欧州市場朝方の取引では、NYダウ先物が下げ渋り米長期金利も低下幅を縮小する中、ドル売りは一巡した。なお、欧州株は軟調に取引を開始した。その後、欧州株が下げ渋り、日経先物も反発となるにつれ、ドルは底堅く推移した。米長期金利が先週末終値水準を回復したことにつれ、ドルの買い戻しが優勢となった。ただ、ポンド絡みの取引が中心となったため、高値圏で方向感を欠いた動きとなった。
対ポンド中心にドル高が進んだ流れに沿って円売り・ドル買いが先行し、6日以来となる113円台を一時回復した。ただ、米国経済の先行きに対する警戒感や米中貿易摩擦に対する懸念から、NYダウが下げ幅を拡大したことで、ドルの上値を抑えた。欧州通貨に対してドルが強含んだものの、NYダウが一時500ドルを超える下げ幅を見せただけでなく、欧州株も軒並み大幅下落したことで円買いも散見され112.90円を中心に小動きとなった。その後、米国株が急速に下値を切り上げるとドル/円も買い戻しが入った。
★欧米主要経済指標
・英・10月鉱工業生産:前月比-0.6%(予想:+0.1%、9月:0.0%)
・英・10月製造業生産:前月比-0.9%(予想:0.0%、9月:+0.2%)
・英・10月貿易収支:-118.73億ポンド(予想:-105.00億ポンド、9月:-106.81億ポンド←-97.31億ポンド)
・米・10月JOLT求人件数:707.9万件(予想:710万件、9月:696万件←700.9万件)
★欧米市場のポイント
・112.54-113.29円のレンジ相場
・英政府がEU離脱を取り消さずとの見解を示す
・メイ英首相がEU離脱協定案の採決延期を表明
・イタリア財政懸念とフランス抗議デモの悪影響
・NYダウは一時500ドル超下落/VIX指数は22.64
・米長期金利が上昇(価格は下落)
★日経225の日足では、11月21日安値21,243円を下抜けて終了したことで、下値きり下げる展開となってきた。次の下値目処は10月26日安値20,971円が意識されやすい。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%K:30.09、%D:45.82とかい離幅を広げながら、過熱感なく下向きとなっていることから、下押し圧力が強いことを示している。
そのため、10月26日安値を下抜ける可能性が高い。
一方で、7日の株価とPERを基に本日の予想PERを算出すると、PER11.89倍と12倍割れとなった。そのため、かなり割安感が出始めていることは確かである。今晩の欧米市場動向次第となるが、日経225は買われやすい地合いとなっている。
★英国ではメイ政権と欧州連合(EU)が合意した離脱案の英議会採決が注目点となる。英下院では離脱案の承認をめぐる採決は11日午後7時(日本時間12日午前4時)から開始される。最終日の11日にはまず離脱案に対する最大6つの修正動議を認めるかどうか採決され、その後離脱案自体の是非を投票で決める。ただ、離脱案は否決されるとの見方が強い。与党・保守党議員の100人近くが離脱案に反対することを既に公言しており、普段強力関係を維持している北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)は離脱案に反対している。
そのため、メイ英首相は11日に予定される下院採決を延期する可能性があると伝わっている。採決延期の可否は10日に判断するとしている。打開策が必要だと判断すれば、採決を延期するとみられる。
保守党内でメイ首相降ろしの流れの加速や合意なき離脱懸念が高まるようなら、ポンド売りが強まる可能性が高まる。
中長期的なトレンドとしては、26週SMA(青線)の145.42円がレジスタンスとして意識されている。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%K:17.45、%D:30.07とかい離幅を広げて下向きとなっていることから、下押し圧力が強いことを示している。
下値の目でとすれば、年初来安値8月17日週の139.87円が一旦の下値目処として意識される。しかし、下抜けしてしまうと、2017年4月21日安値135.57円が次の目処となりやすいが、現状から約7.5円近くの円高となる。さらに下押しした際は、2016年7月8日週の安値128.74円と130円割れの可能性もあるので注意が必要となる。
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