★12月6日(木)の米国3市場は、NYダウ:79.40ドル安、S&P500:4.11ポイント安、NASDQ総合:29.83ポイント高となり、NYダウとS&P500が下落しNASDAQは上昇するまちまちの展開となった。。一方で米長期金利が2.888%と前日2.915%から金利は低下(価格は上昇)し、5日連続の低下となった。12月4日付けイールドスプレッドは、NYダウ:▲3.335%、S&P500:▲3.008%、NASDAQ:▲1.428%とイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)となった。
6日(木)の米国株式市場は、中国の通信大手ファーウェイの幹部逮捕を受けて、米中関係が悪化するとの警戒感が高まった。キャタピラーやボーイングなど中国向け売上比率が高い銘柄に売りが集まり、指数は一時780ドル超下げた。また、OPEC総会や翌日のOPEC非加盟国を加えた閣僚級会合を見極めたいとの思惑から、原油価格が下落したことも相場の重石となった。ただ、そのあとは米利上げ休止の思惑などを背景に取引終了にかけて急速に下げ幅を縮めた。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙のFEDウォッチャーは『FRBは12月の利上げでいったん利上げ局面を休止し、様子見モードに入ることを検討』と報じた。VIX指数は 20.74から21.19へ上昇した。
12月7日(金)の米国3市場は、NYダウ:558.72ドル安、S&P500:62.87ポイント安、NASDAQ:219.00ポイント安と3指標全て下落となった。また、米長期金利は前日比低下(価格は上昇)の2.849%と6日連続の金利低下となった。6日付けPERと株価から逆算して7日PER計算すると、NYダウ:15.71倍、S&P500:16.56倍、NASDAQ:22.46倍と3指数のRER全て前日から低下した。このPERを基に7日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.516%、S&P500:▲3.188%、NASDAQ:▲1.603%となる。
参考となるのは、10月3日の株価下落直前のピークでは、NYダウ:▲2.468%、S&P500:▲2.146%、NASDAQ:▲0.601%となる。一方で10月29日に底値となったNYダウ:▲3.115%、S&P500:2.865%、NASDAQ:▲1.333%である。
7日(金)の米国株は、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非OPEC加盟国が減産で合意し、原油価格の上昇に伴い買いが先行した。しかし、米中貿易摩擦の激化懸念や、米11月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大きく下振れ、平均時給の伸びも前月比横ばいとなり、米景気の後退懸念が強まった。また、1月以降の追加利上げ観測が後退する中、改めて米景気の鈍化が意識され、大幅下落となった。3指数ともイールドスプレッドは大幅に拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。10月29日の反転した時のイールドスプレッドより大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)となった。12月7日(金)では、イールドスプレッドの割安感が増大した。ただ、先行きの米国経済への不安の方が勝り下落基調が継続している。
テクニカル的に見てみると、NYダウは、引き続き10月29日安値と11月23日安値を結んだトレンドラインがサポートとして意識され下押しを回避している。また、年初来高値の10月3日26,951ドルからの10%下落となる24,256ドルもサポートとして意識されている。そして、ロウソク足では、260日SMAがレジスタンスとなる上ヒゲとサポートラインからの短い下ヒゲ大陰線で終了したことで、戻り基調の弱いロウソク足となった。引き続き下押し圧力が強いことを示している。
S&P500は、10日SMAがレジスタンスとなり、上ヒゲを伴う下ヒゲの短い大陰線となった。NYダウ同様に戻りの弱い展開となっている。S&P500では前日安値となった2,621ポイントがサポートとして意識された。
NASDAQは、前日に上昇した分下げのきつい展開となった。10日SMAの7,175ポイントや25日SMA7,228ポイントがレジスタンスとなり、他の2指標同様に上ヒゲを伴い下ヒゲの短い大陰線で終了した。
3指数とも総じて弱い展開となった。特に下ヒゲの短い大陰線となったことで、下押し圧力が強いまま終了した。また、長期金利が連日低下している一方で、株価は大幅な下落調整となりイールドスプレッドでは直近の相場で割安感が強い。そのため、一旦買い戻しの動きとなっても不思議ではない。市場では、米FRBの利上げ打ち止めの思惑も広がっている一方で、米国の先行き景気減速懸念が上回っている。ただ、FRBメンバーやトランプ政権内からも利上げについてのハト派的な発言や、米国景気の強さについてのコメントが増えている。かなり米国株の不安定さえを意識した発言内容となっている。市場では、NYダウの年初来高値からの10%下落24,256ドルが下値目処として意識される展開となっている。市場では、中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)幹部の逮捕を受けて、米中貿易交渉への影響懸念も意識され株価の不安定の材料となっている。
※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★欧州市場朝方の取引では、NYダウ先物が続落、日経先物も120円安に反落する中、ドルは全般もみ合い商状となった。なお、欧州株は反発して取引を開始した。欧州株が上昇幅を広げ、日経先物も下げ幅を縮小したことを背景に、円売りがやや優勢となった。その後は、米11月雇用統計を前に様子見ムードが広がった。欧州株は全面高も、NYダウ先物は下落、米長期金利は前日比やや低下して推移したことで、売り買い仕掛けづらい展開となった。
米国の雇用統計や平均賃金が市場予想を下回り、初期反応としてドル売りが優勢になった。OPECプラス会合で原油減産が合意となり、原油上昇で米長期金利も上昇しドルが持ち直した。NYダウがマイナス圏に沈み込み、下げ幅を拡大する動きをながめドル売りが再開した。その後、NYダウが400ドル超下落したため、リスク回避の円買い・ドル売りが強まった。クドローNEC委員長が『FRBは12月の利上げ後、かなり長い間利上げを休止すると予想』と述べ、一方、ブレイナードFRB理事は『斬新的な利上げは短期的に適切』との発言後にドル買い戻しとなった。しかし、米長期金利や軟調な米株が重石となり押し戻される展開となった。
★欧米主要経済指標
・ユーロ圏・7-9月期GDP確定値:前年比+1.6%(予想:+1.7%、改定値:+1.7%)
・米・11月非農業部門雇用者数:+15.5万人(予想:+19.8万人、10月:+23.7万人←+25.0万人)
・米・11月平均時給:前月比+0.2%、前年比3.1%(予想:0.3%、+3.1%、10月:+0.1%←+0.2%、+3.1%)
・米・11月失業率:3.7%(予想:3.7%、10月:3.7%)
・米・11月労働参加率:62.9%(予想62.9%、10月62.9%)
・米・11月不完全雇用率:7.6%(10月7.4%)
・カナダ・11月失業率:5.6%(予想:5.8%、10月:5.8%)
・カナダ・11月雇用者数増減:9.4万人(予想:+1.0万人、10月:+1.12万人)
・米・10月卸売在庫改定値:前月比+0.8%(予想:+0.7%、速報値:+0.7%)
・米・10月卸売売上高改定値:前月比-0.2%(速報値:+0.1%←+0.2%)
・米・12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値:97.5(予想:97.0、11月:97.5)
・米・12月ミシガン大学1年期待インフレ率速報値:2.7%(11月:2.8%)
・米・12月ミシガン大学5-10年期待インフレ率速報値:2.4%(11月:2.6%)
・米・10月消費者信用残高:+253.84億ドル(予想:+150.00億ドル、9月:+115.7億ドル←+109.23億ドル)
★欧米市場のポイント
・112.52-90円のレンジ相場
・独DCUの党首選ではメルケルしの側近
・伊経済相の辞任を全面否定
・OPECプラス会合で減産合意
・米雇用指標は鈍化傾向
・米要人から利上げについてハト派発言
・VIX指数は21.19から23.23へ上昇
★トルコリラ/円の日足では、一旦戻り高値となった8月16日から高値・調整・高値のリズムで上昇してきている。このリズムでは高値から高値までの期間が、期間7、期間12、期間13の3種類の間隔しかない。
現在4期間目なので、期間7ならそろそろ反発の兆しが出てくる可能性があり、期間12や期間13なら来週以降戻りの兆しが出てきそうだ。
一旦25日SMA(青線)を下抜けたものの、8月13日の直近ボトムから、8月30日の安値を結んだS1と8月13日と9月13日の安値を結んだS2 を上回っていることから、上昇基調は継続している。
ただし、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%K:44.58が%D:53.48を下抜けており、ややかい離幅を広げながら両線とも下向きとなっていることから、下押し圧力が強いことを示している。
ストキャスティクスで%Kが横ばいとなってくるなど、下落基調の変化待ちとなる。ただ、トレンドラインのS1やS2を下回ると上昇基調の反転の兆しとなるので注意が必要となる。
★日経225の日足では、前日ロウソク足に対して上値切り下げ・下値を切り上げる『はらみ線』で終了した。上ヒゲ・下ヒゲのあるロウソク足となり、相場への迷いが出ていることになる。
週明けは、12月6日高値21,805円を上抜けできるか、それとも安値21,307円を下抜けするのかが注目される。
5日SMA(赤線)21,942円が10日SMA(黄線)22,026円と25日SMA(青線)21,973円を下抜けるデッドクロスしたことで、短期的には下落基調が継続していることになる。戻り場面ではこれらの移動平均線がレジスタンスとして意識されることから、上値の重さが意識されやすい。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は過熱感なく%Kが%Dを下抜けかい離幅を広げて両線とも下向きとなっていることから下落基調が継続している。
ただ、現状では高値・安値の基調を維持していることから、完全には下落トレンド入りとなっていない。そのため、11月21日安値21,243円を維持出来るかが重要なポイントとなる。
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