★ドル/円の一目均衡表週足では、雲の上限111.365円や75週指数平滑指数線(紫線)の111.292円の攻防となっている。3月10日をピークとして徐々に上値・下値を切り下げていることから、下落基調が継続している。現在は前週の高値112.19、安値の110.07円に対して『はらみ線』となっているが、今週末までに上抜け・下抜けするかが焦点となる。
下値では基準線(青線)の109.905円や先行スパン2(灰線)の108.820円が下値支持ラインとなりやすい。
ただ、チャート的にはダブルトップのネックラインとなる111.57円を下抜けしていることから、上値の重い展開が予想される。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%K:12.70、%D:16.20と売られ過ぎの過熱感は出ている。
新年度入りしたことから新規投資に対する円売りが入りやすいが、今週は米中首脳会談を控えてドル高けん制発言が出やすく、また米3月雇用統計の発表もあり、様子見ムードが広がるなかでの新年度入りとなっている。
★中3月財新メディア製造業PMI:市場予想下回る
4月1日に発表された中国の3月財新メディア製造業PMIは51.2となり、市場予想の51.7を下回った。
本日3日は中国市場は『清明節』で休場
★日3月企業短期経済観測調査(短観):予想下回る
日銀が3日発表した企業短期経済観測調査(短観、3月調査)で、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス12と12月のプラス10から上昇。市場予想平均のプラス14より弱かった。6月の先行き見通しはプラス11と予想のプラス13を下回った。
DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と回答した企業の比率を引いた値。
大企業全産業の設備投資計画は前年度比0.6%増となり、市場予想平均(0.3%減)に反して増加した。
事業計画の前提となっている2017年度想定為替レート(大企業・製造業) は1ドル=108.43円だった。
★日経平均株価:新年度入りでも上値の重い展開
米国株の下落、週末の米中首脳会談を控えて米国の通商面での政治圧力やドル安カードへの警戒感、ダドリーNY連銀総裁による『金融引き締めを急ぐ必要はない』といった発言によるドル安・円高の圧力が重しとなりやすい。今週末には米雇用統計の発表などもあり、様子見ムードが広がりそうだ。さらに北朝鮮情勢や日米欧の政治リスクなども悪材料となりやすい。ただ、新年度入りしたことから日本株処分が一段落となっており、新規資金配分が注目される。日経平均株価は前週末比78円高の1万8988円で寄り付いた。その後は、時間外取引のNYダウ先物が軟調推移していることや、クロス円でリスク回避の円高圧力が優勢となっていることで上値の重い展開となっている。日銀短観が予想より改善しなかったことも、リスク回避のを後押ししている。
★東京外国為替市場:朝方から総じてドルが弱い展開
ドル/円は新年度相場入りしているが、もみ合い相場が予想されるなか、トランプ米大統領は公正な貿易に関する大統領令に署名し、貿易赤字の国に対して各国ごとの原因調査を命じる旨を強調している。再び、市場ではドル高けん制の動きに振り回される可能性があり、ドルの上値を重くしている。ユーロ/ドルは、ポンドの調整買いの影響もあり、上値の重い展開が予想される。ただ、ポンド自体はEU離脱を背景に戻りは限定的となっており、下値も底堅く推移しそうである。
本邦輸出勢は静観スタンス。米系短期勢は112.00円からドル売りが継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は111.00円からドル買いが観測されているものの、様子を見ながらの対応となっている。米系短期筋も110円台ではドル買いスタンス。
★米政権は北朝鮮への圧力を高める方向:東アジアリスク高まる
フィナンシャル・タイムズは、トランプ大統領へのインタビューとして、『もし中国が北朝鮮問題を解決しようとしなければ、我々が行う』と述べ、核開発を続ける北朝鮮への圧力を中国が強化しなければ、米国が単独で核の脅威を取り除くと警告したと報じている。
6-7日にフロリダ州で行う米中首脳会談を前に中国をけん制したとみられる。
米財務省は、北朝鮮に違法送金などをしていたとして、中国やロシアなどで金融取引に携わる北朝鮮の11人を制裁対象にしたことを発表した。核・ミサイル開発や金政権を支える活動の資金源を断つことを狙っている模様。
★3月28日付シカゴIMM投機筋の対米ドルでの差し引き持ち高
(3月21日) ⇒ (3月28日)
・円 :▲66,987 ⇒ ▲53,181
・ユーロ :▲19,662 ⇒ ▲7,923
・ポンド :▲107,844 ⇒ ▲10,407
・豪ドル : +44,955 ⇒ +53,138
短期投機筋、投資家の円ネット売り持ちポジションは前週から減少し年初来で最低水準に並んだ。またユーロの売り持ちも前回から減少し、2014年来で最低となった。
★東京白金の週足では、3月3日週がピークとなり上値・下値を切り下げる動きが継続している。また、26週線(青線)の3440円を下抜けしてきている。まずは前週3月31日週の高値3470円を上抜けするのか、安値3381円を下抜けするのが焦点となる。
今年に入ってから東京白金は3090円前後から3740円前後のレンジ相場を展開している。そのため、26週線を下抜けしたことでレンジ下限へと下落しやすい展開となっている。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%K:11.10、%D:19.09と売られ過ぎ過熱感が出ているが、%Kが横ばいとなるまでは下落基調が継続しやすい。
基本的に前ロウソク足の上値・下値を切り下げる動きをしている時は下落基調が続く。そのため、上値・下値を切り上げてくるまでは値頃感からの買いはリスクが大きくなる。また一時戻ったとしても、26週線や52週線(緑線)が上値抵抗ラインとなりやすいので注意が必要となる。ただ、レンジ下限まで下落するようなら、ストキャスティクスも相当過熱感が出ていることから、反発のタイミングとなりやすい。
★3月28日以降の東京金60分足では、4450-65円内でのレンジ相場が継続している。4460円近辺では上値が重くなる一方で、4450円近辺では押し目買いが入りやすい。ただ、120時間線(赤線:日足では5日線)の上方に位置していることから上昇基調は維持されている。
NY金はFRBによる利上げが緩やかなペースになるとの思惑が、下支えとなっている。また、ドルインデックス指数が上昇が一服したや米長期金利が低下したことから反発した。
価格帯別出来高では、4460円前後での出来高が多く現在の値位置では手仕舞い売りや利益確定売りなども入りにくい。ただ、出来高が多い価格帯を下抜けしていることから、価格は出来高の少ない方へ進みやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロライン上でMACDとシグナルが真横を向いていることから、まったくトレンドが出ていない。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%Kと%Dがデッドクロスして下向きとなっている。
引けにかけて上値・下値を切り下げていることが気になるところであるが、引けのロウソク足では下ヒゲを引いて戻り基調で終了している。今週は新年度入りで新規投資が増えることから、為替市場では円安になりやすい一方で、米中首脳会談を6-7日に控えトランプ米大統領からの為替けん制発言が出やすいこともあり、突発的な円高には注意が必要となる。4月の為替市場は感覚的には円安になりやすい感じはあるが、実は始値から終値では8勝14敗と陰線で引けることが多い月となっている。システムによって異なるが、4月始値は111.35円となっている。
★28日には本当に久しぶりとなる『鯨』が深海から水面上に現れ潮を吹く場面が見られた。110円割れと思われた場面で、何度も叩かれながらもビットが消えないという売り方にとっては恐ろしい展開となった。結局は、110円台前半から一気に111.20円前後まで踏み上がった。その後も110円台半ばでは大きな体で徘徊しているとの指摘もある。そのため、暫くは110円台では大きな口を開けてドル売りを飲み込んでしまう可能性がある。
週初では3月日銀短観が公表されるが想定為替レートの水準を確認する必要がある。
このところのFRBメンバーによる講演で、タカ派的な発言とハト派的な発言に二分されてきている。その発言に市場が反応しやすくなっているので注意が必要。
いよいよ米中首脳会談が予定されているが、第1に地域の地政学的リスクで北朝鮮や台湾、第2に経済、第3に貿易改革、と言った2国間で共有する問題を協議するという。通貨問題も議題になると見られる。
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