FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2022/07/19/15:13:22

日経平均株価指数:2万7000円が戻りの壁として意識

前日の米国株市場は反落したが、米FRBの金融引き締めに対する過度な懸念が後退したことが安心感を誘い、幅広い業種に買いが入った。ただ、上値を買い上がるだけの材料が見当たらず、買い一巡後は伸び悩み指数は一進一退の展開となった。米国企業の決算発表が注目されるほか、国内企業も決算発表シーズンを迎えるため模様眺めムードにもなりやすい。取引時間中として約1週間ぶりに2万7000円の節目を超える場面があったが、長続きしなかった。結局、前営業日比173円高の2万6961円と4営業日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:利益確定や持ち高調整がドルの上値の重しに

ドル/円は、連休明けで仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、138.20円台から138.39円付近まで上昇した。しかし、前日の海外市場でつけた高値138.44円に接近すると上げは一服した。その後は、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、小幅に値を下げて138.20円前後で取引された。午後のドル/円は、米FRBによる1.0%の大幅利上げ観測がやや後退していることで、海外勢などがドル売り・円買いを持ち込み、138円を割り込んで137.90円付近へじり安となった。ただ、下値では値ごろ感からドルの押し目買いが入り、138.00円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、今週予定されているECB理事会を控えた持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.01ドル台前半から1.01ドル台半ばへ水準を切り上げた。

 

ドル買い比率は小幅に低下:前週のFX概況

QUICKが19日に算出した15日時点の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、円に対するドルの買い比率は59.7%と前の週末から0.1ポイント低下した。前週の円相場は週後半にかけて1ドル=139円台前半とおよそ24年ぶりの安値を更新した。目先の利益確定を目的とした円買い・ドル売りが増えた。前週の円相場は対ドルで139.38円と24年ぶりの安値を更新する場面があった。13日に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回る伸び率となり、米FRBが利上げペースを加速するとの思惑が浮上した。円は対ドルで売りが加速し、140円台を前に個人投資家はいち早く利益確定に動いた。『ユーロ/円』取引のユーロ買い比率は7.2ポイント低下の33.6%だった。米CPIを受けて円は対ユーロでも売られ、相場の流れに逆らう『逆張り』とされる個人投資家は円買い・ユーロ売りの持ち高を増やした。『豪ドル/円』取引での豪ドル買い比率は前の週末から4.9ポイント低下の57.3%と3月末以来の低水準だった。

 

顧客が米株を3週連続で買い越すもHFは2週ぶり売り越し=BofAセキュリティーズ

19日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は11~15日の1週間に米株を22億7700万ドル買い越した。3週連続の買い越しとなる。この週は15日に発表されたミシガン大学調査で消費者の期待インフレ率が前月から低下したことで週末に主要指数が大幅高となったものの、弱い米決算シーズンの序盤でS&P500指数が週間で0.92%安となって2週ぶりに小幅安で終えた時だった。主体べう動向では、ヘッジファンド(HF)が2億5700万ドルの売り越しで、2週ぶりの売り越しとなった。機関投資家は4億2500万ドルの小幅買い越しで、3週連続の買い越しとなった。個人投資家は13億8700万ドルの買い越しで、3週連続の買い越しとなった。企業の自社株買いは7億2200万ドルで4週移動平均線(9億2100万ドル)を下回って低調だった。全体としては、3週連続の買い越しだったが、前週に8週ぶりに買い越しに転じたHFが再び売り越しとなったほか、企業の自社株買いが低調だった。個別株買い/上昇投資信託(ETF)売りの流れで、債券ETFへの資金流入も見られた。

 

トルコ・ロシア・イランの3者首脳会談:トルコの立場に注目

今週は21日にトルコ中銀金融政策委員会(MPC)が開かれるものの、政策金利は14.00%で据え置きが確実視されている。ただ、『物価の番人』という役割を捨てた中銀が発行する通貨は買いづらいままである。本日はエルドアン・トルコ大統領がイランを訪問し、プーチン露大統領とライシ・イラン大統領と会談する予定である。3者会談はシリア情勢に関する協議が中心と言われている。ただしロシア、イランとも西側諸国、特に米国との対立を強めている国であり、米国との関係も話題に挙がることが予想される。そこで、エルドアン大統領が両大統領になびくのか、それとも仲介役としての立場を取るのかが注目される。

 

南アではストライキ継続で国境検問所の人員がひっ迫

市場はあまり取り上げていないが、南ア国内でもネガティブなニュースが多いことも懸念材料である。公務員協会(PSA)と全国教育保健連合(Nehawu)は7%の賃上げを要求していたが、週末に却下されたことによりストライキは継続する。この影響で南アフリカ歳入庁(SARS)は40の支店を閉鎖することを余儀なくされた。日本人から見ると7%の賃上げという要求に驚くかもしれないが、今週発表される南アのインフレ指標は7%を上回る上昇が予想され、組合の要求もある程度は理にかなっていると言える。なおストライキでの人員不足を補うため、組合の対象外となっている上級スタッフが国境検問所に急遽配属されているほど人員がひっ迫している。

 

南アでは先行き暗号通貨の売買を承認する予定

先週南アフリカ準備銀行(SARB)が『暗号通貨(暗号資産、仮想通貨)を金融商品と認め、国内取引所で売買を承認する予定』と発表した。あくまでも予定だが、取引が可能になるのは12カ月から18カ月後としている。取引を可能とした理由としては、積極的に暗号通貨取引を推奨するのではなく、逆に金融資産とすることで、規制をかけやすくすることが狙いと報じられている。これまで南アでは暗号通貨へ規制しておらず、そのため暗号通貨取引が急拡大した。取引で多くの損失が出ていることなどが問題とされていた。SARBは暗号通貨を使用してのマネーロンダリング、脱税、テロ組織の資金活動を監視しやすくすることに舵を切ったと報じられている。現時点ではどのような規制の枠組みを導入するかは決定していない。SARBは国境を越えた暗号通貨の取引を否定しているわけではないが、外貨取引と同様に規制が必要との考えを示している。

 

米7月NAHB住宅市場指数がパンデミック来で最低

全米住宅産業協会(NAHB)が発表した7月NAHB住宅市場指数は55と、予想を大幅に下回り、パンデミックによる経済封鎖直後の20年5月来で最低を記録した。6カ月連続の低下。6月からは12ポイントの低下となった。低下幅は統計開始以降37年間で、20年4月の42ポイントに続き2番目に大きな幅を記録。50は活動の縮小と拡大の境目となるが購買見込み客足指数は37と、6月に続き2カ月連続でマイナス圏。1戸建販売見通しは50と、マイナス圏をかろうじてまぬかれた。30年物の固定住宅ローン金利が1月以降ほぼ倍の6%近くまで上昇した。住宅ローン金利の急伸で需要が急激に減少しており、住宅建設業者の景況観に大きく影響した。 

 

米国市場では6月住宅着工件数が公表:予想は158.0万戸

5月実績は154.9万戸で市場予想を下回った。住宅ローン金利は一段と上昇しており、一般顧客の負担が増していることが要因となっている。集合旧宅の着工件数の減少が目立っていることから、6月の着工件数が大幅に増加する可能性は低いとみられる。

 

7月FOMCでは今夏以降の利上げに関するガイダンスを提供:モルガン

モルガン・スタンレーは18日付リポートでパウエル議長の記者会見について『我々は議長が、インフレを現在の高いレベルから引き下げるという理事会のコミットメントを引き続き強調することを予想する。さらに、労働市場が引き続き堅調であり、より高い金利に耐えることができることを再確認することを期待する』と指摘。フォワードガイダンスについては、『議長今夏以降に予想されることについて、何らかの追加的なガイダンスを提供することが見込まれる。それはおそらく、月次インフレが同じペースで推移し続ける場合には、金利上昇を同じ規模で継続することが適切である可能性があること、月次インフレが一連の指標で説得力をもって減速し始める場合には、金利上昇ペースを遅らせることが適切である可能性があること、インフレ上昇リスクが顕在化した場合には、金利上昇ペースを速めることが適切であることを示す条件付きガイダンスだ』とも指摘。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の利上げ幅は7月に0.75%、9月に0.5%と見込んだ。

 

欧米市場イベント

○15:00   6月英雇用統計(失業保険申請件数推移/失業率)
○15:00   3-5月英失業率(ILO方式、予想:3.9%)
○18:00   6月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比8.6%)
○18:00   6月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比3.7%)
○18:00   5月ユーロ圏建設支出
○21:30   6月米住宅着工件数(予想:158.0万件、前月比 2.0%)
        建設許可件数(予想:165.0万件、前月比▲2.7%)
○23:00   マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○24:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/07/08/15:17:24

日経平均株価:安倍元首相の銃撃事件報道を受けると上げ幅縮小

米長期金利にピークアウト感が生じているとの見方から、グロース株も戻りが活発化し、株価を押し上げる要因になった。さらに、中国の経済対策が観測されていることも注目された。市場では『本日はETFの分配金ねん出に伴う大量の売りで下げるとの思惑があったものの、反対の動きになって売り方は完全に裏目に出たことで、買い戻す動きも活発化しているようだ』との声も聞かれた。安倍元首相が撃たれ心肺停止との報道を受けて昼休み中に先物が売られ、それに沿う形で後場が開いた後、現物指数も上値が重くなった。結局、前営業日比26円高の2万6517円と小幅に続伸した。

 

東京外国為替市場:持ち高調整のドル売りで135円半ばでもみ合い

ドル/円は、本邦輸出勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、135円台後半から136.15円付近まで上昇した。ただ、前日の欧州市場でつけた高値136.22円に接近すると上げは一服した。その後は、週末を控えて利益確定などのドル売り・円買いも見られ、やや値を下げて135.90円台を中心とする狭いレンジでもみ合いとなった。昼前に、国内メディアが『奈良市内の路上で街頭演説をしていた安倍元首相が、男に背後から散弾銃で撃たれた』と報じると、リスク回避の円買いが強まり、135円台半ばへ急落した。午後に入っても、この流れは続いて一時135.34円付近まで下落する場面があった。しかし、今晩発表される6月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、下値を追う動きは限られた。その後、日米金融政策スタンスの違いを意識したドルの押し目買いが見られ、135.80円付近まで値を切り返した。ただ、日経平均株価が安倍元首相の銃撃に関する報道を嫌気して上げ幅を縮小すると、持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、135.60円前後で取引された。ユーロ/ドルは、エネルギー価格の高騰による、欧州景気の減速を警戒したユーロ売り・ドル買い基調が続き、1.01ドル台後半から一時1.014ドル付近まで下落しておよそ19年半ぶりの安値をつけた。

 

安倍元首相の銃撃事件で一時的な円高・消費自粛ムードは株安リスク:野村証券

10日の参議院選挙の投開票日を控える中、安倍元首相が8日午前、奈良市で演説中に撃たれたとNHKなどが報じた。心肺停止の状態との報道もあり、安倍首相の安否、選挙戦への影響が気になる。報道によれば逮捕された職業不詳、山上徹也容疑者は2005年頃まで3年間、海上自衛隊で勤務していたという。政治的な背景や動機などは不明で続報が待たれる。野村証券は銃撃事件を受けて8日付のリポートで『仮に日本株への影響が及ぶとすれば、第一、日銀の緩和修正期待の高まりによる、円高・金利上昇を通じた株安圧力があり得る』との見解を示した。その場合、一時的に、為替敏感な輸出株および金利敏感な不動産株が調整することには注意したいとしながら、『第二に、国民の間に治安への不安や自粛ムードが高まり、外出を控えるなど消費への悪影響が及ぶ可能性にも注意したい』と指摘した。その一方、株価の反応が限定的になる要素としては、①安倍元首相の政治的な影響力の強さを前提とした日本株運用は大きいとは見られない。②ニュースフローに敏感な海外投資家の日本株ポジションは元より大幅なアンダーウエイトであり、日経平均先物ポジションも直近でショートに傾いている、③23年4月までの黒田総裁の在任中の金融政策大台修正は想定しにくいといった点が挙げられるともみていた。

 

トルコの外貨準備高は低水準:3週連続で80億ドル割れ

トルコ銀行規制当局による外貨保有企業へのけん制(銀行からの融資禁止)も効果がかなり薄まった状態である。資本規制強化への警戒感から、外国人投資家もトルコに資金を留めておくことを躊躇しているようにも見える。昨日トルコ中銀が発表した1日時点でのネット外貨準備高は、75.1億ドルと3週連続で80億ドル割れの低水準である。4月末からは半分以下になり、昨年12月初めからだと3分の1まで落ち込んでいる。光明とされたサウジアラビア中銀との通貨スワップ締結についても、相手サイドから良い返事をもらえていないようである。

 

南アの出力負荷制限は緩和

国営電力会社エスコムによる電力負荷制限は、本日はステージ4に引き下げられる予定である。また週末から週明けにかけてはステージ2-3への引き下げも検討されている。エスコムは過去に同社で働いていた社員を、高齢者を含め再雇用し、電力対策を行っている。

 

メキシコを巡る経済情勢は強弱入り混じる状況

メキシコを巡る経済情勢は強弱が入り混じる状況である。プラス材料としては、昨日に米格付け会社S&Pグローバル・レーティングがメキシコの格付け『BBB』の見通しを従来の『ネガティブ』から『ステーブル』に引き上げたことが挙げられる。S&Pによると、ロペスオブラドール政権のエネルギー政策の不確実性が低下したことを見通し引き上げの理由としている。一方、足もとで原油先物価格の下落が続いていることは産油国通貨であるメキシコペソにとってマイナス材料となる。また、欧米の景気減速懸念が高まるなか、投資家のリスク志向が低下傾向にあることもペソを買いづらくさせる要因となっている。

 

米住宅ローン金利が1ヵ月ぶりに低水準

米国の住宅ローン金利が週間ベースで2008年以来の大幅低下を記録した。フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の7日発表によると、30年物固定金利は平均5.3%。前週の同5.7%から下がり、1ヵ月ぶりの低水準となった。今年の大幅な住宅ローン金利上昇は買い手の購買意欲を減退させ、それが在庫の拡大を招き、一部地域では物件の売り出し価格を引き下げる動きも出ていた。フレディマックのチーフエコノミスト、サム・カーター氏は『住宅ローン金利の低下は買い手に小さな救いを与えるものだ。住宅取得能力の低さと予想される景気減速の組み合わせで住宅価格の伸びが大幅に鈍化すれば、住宅市場の正常化は続くとみられる』と述べた。

 

米労働市場の減速の兆しでもFRBによる金融引き締めは継続か

最新の先週分新規失業保険申請件数は予想外に前回から増加し、6カ月ぶり高水準で推移した。NY連銀製造業景況指数の週平均就業時間は現況で6カ月平均を大きく下回り、6カ月先の指数はマイナスに落ち込んだ。全米製造業活動を示すISM製造業景況指数雇用は47.31と予想外に2カ月連続で50を割り込み活動の縮小を示した。米国経済の7割を消費が占めるため注目のISM非製造業景況指数の雇用も47.4と再び50を割り込んだ。このため、雇用統計で雇用の伸びも抑制される可能性がある。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は6月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の中で、雇用は依然強いとの見方を再確認した。失業率が上昇したとしても、歴史的には依然低い水準にとどまると見ている。同時に、FRBの引き締めが成長を弱め、成長見通しも下方に傾斜したことも認識しているうえで、高インフレの抑制が最優先課題であることを再確認した。このため、FRBが計画している引き締めの軌道が大きく変更される可能性は少ないと思われる。

 

欧米市場イベント

○15:45   5月仏貿易収支(予想:128.00億ユーロの赤字)
○15:45   5月仏経常収支
○16:00   5月トルコ経常収支(予想:67.0億ドルの赤字)
○17:00   ビスコ伊中銀総裁、講演
○19:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○20:55   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○21:00   6月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比11.90%)
○21:30   6月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.35万人/失業率5.1%)
○21:30   6月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化26.8万人/失業率3.6%/平均時給、前月比0.3%/前年比5.0%)
○23:00   5月米卸売売上高(予想:前月比0.9%)
○24:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○9日01:00   6月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.2%)
○9日01:45   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○9日04:00   5月米消費者信用残高(予想:319.0億ドル)
○20カ国・地域(G20)外相会合(インドネシア・バリ島、最終日)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/07/07/15:12:22

日経平均株価:引けにかけて短期筋の先物買いが押し上げた

前日の米国株の流れを引き継ぎ170円台でスタートし、その後もしっかりした値動きが続いた。米国株先物の軟調な推移が重しとなり、一時上げを縮めたものの、再び騰勢を強めた。業種別では、世界景気の後退懸念が意識される中、食料品や医薬品といったディフェンシブ銘柄が買われた一方、国内での新型コロナの感染者増加が嫌気され、空運業や陸運業などは軟調だった。市場では、日銀の金融政策を巡る報道を受けて、『買い戻しが入ったことは間違いない』との声が聞かれたが、『ドル/円相場は小動きにとどまっており、下支えする程度ではないか』との声も聞かれた。日経先物に短期筋に買いが入り、指数を押し上げ、上げ幅は一時400円を超える場面もあった。結局、前営業日比382円高の2万6490円で終了した。6月第5週(27日~1日)の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家(外国人)は3673億円の売り越しとなり、売り越しは3週連続となった。個人投資家は1517億円の買い越しとなり、買い越しは2週ぶりとなった。信託銀行は3522億円の買い越しとなり、買い越しは3週連続となった。

 

東京外国為替市場:様子見ムードから135円台後半でもみ合い

ドル/円は、米景気後退を警戒したドル売り・円買いが持ち込まれ、135.55円付近まで下落した。米長期金利が小幅に低下したことも、ドルの押し下げにつながった。ただ、今晩の米国株動向や米系愛指標を見極めたいとの雰囲気もあり、下値を追う動きは限られた。その後は、日米金融政策スタンスを意識したドル買いも見られ、135.80円付近へ値を切り返した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、135円台後半で取引された。明日発表される6月米雇用統計を前に、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、前日の海外時間におよそ19年ぶりの安値1.0162ドルをつけた反動から、利益確定や持ち高調整のユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.022ドル付近まで上昇した。

 

国内勢の海外株式買い越しは過去2番目の高水準

財務省が発表した対外及び対内証券売買契約などの状況(週間・指定報告機関ベース)によると、国内投資家による海外株式への投資は3週連続の買い越しとなった。買越額は1兆1917億円と、2021年12月第1週(11月28日~12月4日)以来の高水準だった。現行基準で比較可能な2014年1月以降で2番目の大きさとなる。米株式相場の調整が長引く中、四半期末を控えた持ち高調整などの買いが入った。海外投資家による日本株への投資は3週連続の売り越しだった。売越額は4904億円。海外株安につれた日本株の先安観から、引き続き売りが優勢だった。国内投資家は海外の中長期債を6週連増で売り越した。売越額は1兆4154億円。海外金利の先行観が根強い中、金利が低下した場面で売りが出た。海外投資家による国内の中長期債への投資は2週連続の買い越しとなった。買越額は3305億円。6月中旬まで大幅な売り越しとなっていたため、持ち高調整などを目的とした買いが続いた。

 

世界的な景気減速懸念:LME銅の下げ続く

6日のロンドン金属取引所(LME)の銅相場は下落。世界的な景気減速懸念が工業用金属を圧迫し、わずか数カ月前に記録した過去最高値からの下落が続いている。欧州の天然ガス危機や米国の景気減速、中国の新型コロナウイルス感染再拡大など、さまざまな需要への脅威を巡る懸念が広がっている。銅は一時5%近く値下がりした後、下げ幅を縮小した。前日は4.2%下落し、1年7カ月ぶりの安値で終了していた。アルミニウムが上昇した一方で、ニッケルとスズは下落した。LMEの銅相場は前日比2%安の1トン=7520.50ドルで終了した。ニッケルは3.5%、スズは5%それぞれ下落。アルミは0.7%、鉛は1.6%上昇した。

 

欧米諸国の成長鈍化でトルコの輸出鈍化を危惧

2020年のトルコの主要輸出相手国は、1位ドイツ、2位英国、3位米国、4位イラク、その次に伊・仏・スペイン・蘭などが続く。隣国イラク以外は欧米諸国であり、それらの成長鈍化を危惧する見方が広まりつつある。トルコ政府は輸出主導での景気回復を狙っていたが、このままでは政府の目論見は崩れてしまう。くわえて、トルコ銀行規制当局が先月発表した『外貨の大量保有企業へのリラ建て融資禁止措置』が、企業活動を制限するとの批判が強まっている。資本規制が今後も強化されるのではないかとの警戒感も、トルコ投資をためらわせる要因である。ただ、明るい材料を探すとすれば、トルコとの外交関係が改善したイスラエルが、8月1日からイスタンブールに経済事務所を再開させる。今後は二国間の経済協力が期待される。

 

南ア国内外ともにランドを買う材料が乏しい

米国の長短金利は逆転したままなこと、欧州のエネルギー供給不安や景気低迷など、中長期的にポジティブな材料を探すのが難しい状況である。このような状況下では、ランドをはじめとした新興国通貨は上値が重い展開が続くことが予想される。また、南ア情勢も決して良くない。国営電力会社エスコムによる電力の負荷制限は、昨日と本日はステージ6からステージ5に緩和される見込みであるが、エスコムの労働組合がストライキを行った水準まで電力供給を戻すのは、まだ数週間はかかるとされている。ここ連日のランドの下げ幅が大きいことで、ある程度の調整による戻しもあるかもしれないが、上述のように南ア国内外ともにランドを買う材料がほぼない。当面はランドは対円、対ドルともに上値が重い動きが続く。

 

国外労働者によるメキシコへの送金額は過去最高:6月製造業PMIも改善方向

メキシコ銀行(中央銀行)が1日に発表した5月の国外労働者によるメキシコへの送金額は51億7250万ドルとなった。前年同月比14.3%となり、25カ月連続で前年同月の水準を上回った。また、単月の数字としても過去最高を記録した。背景にあるのが米国の労働状況の改善である。5月米雇用統計は良好な米雇用環境が続いていることを示す結果となっており、国外労働者の大半が米国に居住しているメキシコ出身の移民も恩恵を受けた格好である。また、同日に発表された6月メキシコ製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.2となり、前月の50.6から改善した。景況改善・悪化の分水嶺となる50を2カ月連続で上回った。インフレ高進と中央銀行による大幅な金融引き締めという状況は他国と変わらないが、前週末の指標からはメキシコ経済の相対的な底堅さがうかがえる結果となった。

 

メキシコ格付け見通しを引き上げ:S&P

S&Pグローバル・レーティングは、メキシコの長期格付け見通しを『ネガティブ』から『ステーブル』に引き上げた。慎重な財政・金融政策への期待のほか、エネルギー政策への不安の軽減が背景にあるとしている。

 

6月分FOMC議事要旨ではインフレ対処を再優勢していく方針を再表明

連邦準備制度理事会(FRB)は公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月14-15日会合分)で、消費や労働市場に引き続き楽観的な見解を示し、7月会合での0.5%、0.75%の利上げが適切となる可能性に言及した。インフレが高過ぎ、高インフレが長引いた場合、一段と金融を引き締める方針を表明した。メンバーは引き締め政策が当面成長を弱める可能性を認識しており、ほとんどのメンバーは成長リスクが下方に傾斜すると想定しているとしたものの、リセッションには言及せず。インフレリスクをかなり注意していくと、インフレ対処を最優先していく方針を再表明した。
しかし、ISM非製造業景況指数の重要項目である新規受注は49.2と活動の縮小を示す50を25カ月ぶりに割り込んだ。雇用も5月に続き2カ月連続で50を割り込み5月から一段と悪化した。労働市場では、今後解雇が増える可能性もある。原油価格の上昇が一段落しており、もし、FRBが注視しているインフレ期待が低下した場合、大幅利上げの必要性もなくなる。

 

米国債市場では逆―ルドが再び発生で経済の先行きに警戒信号:米WSJ

米国債市場が、経済の先行きに再び警戒信号を発している。米市場では5日午後の取引で、2年債と10年債の利回りが一時逆転した。10年債利回りが2年債利回りを下回る逆イールドが発生した。この現象は景気後退の前兆となるケースが多いため、市場参加者は重要なシグナルとして注目している。逆イールドが起きるのは今年2回目で、4月初めにも2年債と10年債の利回りが逆転したが、ごく短期間で解消した。今回の逆イールドがいつまで続き、どこまでマイナス幅が拡大するかは未知数である。足元では景気の先行きを巡る懸念が強まっている。インフレ高進を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が極めて積極的な行動を取らざるを得なくなったほか、新型コロナウイルス流行やウクライナ情勢に起因する供給ショックが続いており、市場関係者の間では景気が悪化しつつあるとの認識が高まっている。一方、アトランタ地区連銀の国内総生産(GDP)予測モデル『GDPナウ』は、4-6月期に成長率がマイナス2.1%になると予想する。1-3月期の実績はマイナス1.6%だった。原油価格も下げに転じており、需要が縮小するとの見方を織り込んでいる可能性がある。

 

低失業率は過去のリセッションとの異なる様相:米WSJ

米国経済は第2次世界大戦以降12回のリセッション(景気後退)を経験したが、いずれも二つの特徴があった。国内総生産(GDP)の縮小と失業率の上昇である。しかし今、極めて異例な事態が起こっている。GDPは1-3月期(第1四半期)にマイナスとなり、4-6月期(第2四半期)も再びマイナスになる兆候を示している。しかし、上半期の雇用市場には、失速の兆しはほとんど見られなかった。失業率は昨年12月の4%から5月には3.6%に低下した。これは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に絡む経済の異常な軌跡における奇妙なねじれの最新例であり、リセッションについて熟考している人たちにとっては謎である。米国がリセッションに陥っているか、あるいは近い状態にあるとすれば、過去のどのリセッションとも異なる様相を呈している。

 

米国市場では5月貿易収支が公表:予想は849億ドルの赤字

4月実績は-871億ドルの赤字だった。工業用品・材料や石油の輸出が増加した。5月については、石油の輸出が増加する可能性が高いこと、資本財、食品、サービスの輸出もまず順調であることから、赤字幅は4月実績を下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○14:45   6月スイス失業率(季節調整前、予想:2.0%)
○15:00   5月独鉱工業生産(予想:前月比0.4%/前年同月比▲1.8%)
○18:45   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○20:00   6月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比7.95%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:6.75%に引き上げ)
○20:30   ECB理事会議事要旨(6月9日分)
○20:30   6月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30   5月カナダ貿易収支(予想:24.0億カナダドルの黒字)
○21:30   5月米貿易収支(予想:849億ドルの赤字)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/132.7万人)
○22:00   マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23:00   6月カナダIvey購買部協会景気指数
○23:10   ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○24:00   EIA週間在庫統計
○8日01:05   ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○8日02:00   ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、インタビュー
○8日02:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○20カ国・地域(G20)外相会合(インドネシア・バリ島、8日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/07/06/15:18:21

日経平均株価:世界景気後退への警戒感が相場の重し

日本を除く主要国の中銀による金融引き締めと、世界景気後退への警戒感が引き続き相場の重しになった。需給悪化への警戒感もあり、前日までの戻り歩調が巻き戻された。世界景気後退への懸念は根強く、ディフェンシブ株が底堅い動きとなった一方、景気敏感株が売られた。新型コロナウイルスの感染再拡大が警戒される中国株が軟調となったことも、投資家心理の重しになった。市場では、『FOMC議事要旨などのイベントを控える中、需給悪化要因も意識されており、前日までの戻り歩調の反動が出やすかった』との声が聞かれた。また、上昇投資信託(ETF)の決算が週末に集中することから、分配金の捻出売りへの警戒感が出ている。結局、前営業日比315円安の2万6107円と3営業日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:持ち高調整とリスク回避から135円台前半でもみ合い

ドル/円は、前日の海外市場で景気後退の予兆とされる米長短金利の逆転(逆イールド)が発生したことから、持ち高調整などのドル売り・円買いが入り135.15円付近へ軟化した。日経平均株価の下げ幅拡大で、リスク回避姿勢が強まったことも円買いを誘った。午後のドル/円は、日米金融政策スタンスの違いを意識したドルの押し目買いが入り、135.50円付近まで値を切り返す場面があった。しかし、NY時間に予定されている6月米ISM非製造業景況感指数や米FOMC議事要旨を見極めたいとの雰囲気もあり、上値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、やや値を下げて135.20円前後でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、この後に参入してくる欧州勢待ちの様相を呈しており、1.02台半ばで方向感に欠ける値動きとなった。

 

独が貿易赤字転落で域内のリセッション懸念:ユーロ売り強まる

ドイツの5月貿易収支は‐10億ユーロと1991年ぶりの赤字で、赤字幅は過去最高となった。輸出が前年比+11.7%、輸入は前年比+27.8%。長期にわたりドイツ経済は輸出がけん引してきたが、ここにきて、ウクライナ戦争などでエネルギー、食品価格の高騰で輸入が膨らんだ。ウクライナ戦争により、欧州が対ロ制裁を強化。ロシアは報復措置として、欧州への天然ガスの供給を減らしているため、欧州はコストがかかる代替措置を余儀なくされている。また、ウクライナは欧州にとり重要な輸出国であったが、戦争により輸出がままならない。欧州最大ドイツの貿易収支が赤字に転落、経済を脅かすためで、欧州経済が12カ月内に景気後退入りするとの懸念が一段と強まった。欧州中央銀行(ECB)も高インフレ対処で想定されているペースでの利上げ実施が困難との見方にユーロ売りに拍車がかかった。欧米の金利差拡大で、ユーロ・ドル相場が1.000ドルまで下落するとの見方も強まりつつある。

 

リセッション直撃なら原油は年末までに65ドルに下落:シティグループ

需要に打撃を与えるリセッション(景気後退)が直撃した場合、原油相場は今年末までに1バレル=65ドルに下落し、2023年末までに45ドルに値下がりする可能性がある。シティグループがこうした見方を示した。この見通しは、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する『OPECプラス」の産油国による介入がないことと、原油投資の減少という前提に基づいていると、フランチェスコ・マルトチャ、エド・モース両氏を含むアナリストがリポートで指摘した。国際的な指標である北海ブレント原油は直近では1バレル=113ドル近辺で推移している。シティのアナリストらは5日のリポートで、『原油については、最悪の世界的リセッション時のみに原油需要がマイナスになることを歴史的証拠が示唆している』とした上で 『ただ、原油価格は全てのリセッション時にほぼ限界費用まで下落している』と指摘した。

 

NATOは北欧2国加盟に年内にも署名の予定

北大西洋条約機構(NATO)加盟の全30カ国は5日、ブリュッセルの本部で、北欧のフィンランドとスウェーデンの加盟議定書に署名した。ロシアのウクライナ侵攻を受け、冷戦中も維持してきた中立政策と決別した北欧2カ国の加盟を正式に承認した。加盟各国での批准手続きが順調に進めば、年内にも31、32カ国目として加盟が実現する。北欧勢の新規加盟で欧州の安全保障体制は大きな転換点を迎える。ただトルコは、北欧2カ国が約束したテロ対策などを履行しなければ批准しないと警告しており、手続きが難航する可能性もある。

 

トルコのリラ建て融資規制による為替相場の影響も剥落しつつある

先月下旬にトルコの銀行規制当局が発表した『外貨を大量保有する企業へのリラ建て融資禁止』は、為替相場への影響(対象企業による外貨売りリラ買い戻し)は既に剥落しつつある。公式発表による足もとのインフレ率が80%に迫ろうとするなか、政府は公務員の給与引き上げなど小手先の手段でしか対応できていない。国内のインフレ対策は完全に手詰まり感が出ており、できることは『金融引き締めのみ』という状況ではないだろうか。しかしながらそれも、頑ななまでに金利を嫌うエルドアン大統領によって阻まれてしまっている。今必要なのは、英FT紙のインタビューでイマモール・イスタンブール市長が主張しているように、経済界から大統領を諫める姿勢なのである。

 

南アでは燃料料金上昇でインフレ高進する可能性が高まる

注目されていた南アのガソリン等の免税措置では、従来通り本日7日から免税額はリッター1.50ランドから0.75ランドに引き下げられる。これによりガソリン価格はリッター2.37ランドから2.57ランド、ディーゼル価格は2.31ランド前後、本日から上昇する。この措置によりインフレはさらに高進する可能性が高まった。南アの金利高によるランド買いという面はあるが、景気減速懸念の方が上回るのではないかと思われ、ランド売り圧力が懸念される。

 

米タイガーのファンド損益:WSJ

米有力ヘッジファンドであるタイガー・グローバル・マネジメントの旗艦ファンドの6月の運用成績は3.4%のプラスだった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版が日本時間6日、関係者の話しとして報じた。同ファンドの運用損益がプラスになるのは昨年もなるのは昨年10月以来となる。一方、1~6月期の運用リターンはマイナス50.1%で、米主要株価指数よりも下落率が大きかった。

 

米短期金融市場では23年半ばの利下げを予想

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、入手するデータを精査しつつ金融当局として『機敏』に対応していくと表明している。ただ金融市場の動きに遅れずついていくためには極めて機敏になる必要がある。1カ月足らず前には、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標が4%を超える水準に上昇する利上げサイクルが織り込まれていた。だがそうした利上げ予想は急速に弱まっており、現在では23年1-3月(第1四半期)に約3.3%でピークを付けると見込まれている。このところの米経済指標では、5月のインフレ調整後の個人消費支出(PCE)の減少したほか、6月の製造業活動も鈍化が示された。そうした状況を背景に、JPモルガン・チェースやモルガン・スタンレーなど金融機関のエコノミストは米経済の成長予想を引き下げている。

 

米国市場では6月ISM非製造業景況指数:予想は55.5

5月実績は55.9で4月実績を下回った。中国の新型コロナウイルス対策やロシアによるウクライナ侵攻で悪化が続くサプライチェーンの制約が影響したとみられる。6月については、サプライチェーンの制約が対象改善される可能性があるが、新規受注や雇用指数の改善は期待できないとの見方が多く、5月実績を多少下回り可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   5月独製造業新規受注(予想:前月比▲0.6%/前年同月比▲5.0%)
○16:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○17:10   ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○17:30   6月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:55.0)
○18:00   5月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.4%/前年比▲0.4%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:00   カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○22:45   6月米サービス部門PMI改定値(予想:51.6)
○22:45   6月米総合PMI改定値(予想:51.2)
○23:00   6月米ISM非製造業指数(予想:54.3)
○7日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月14-15日分)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/07/05/15:14:50

日経平均株価:米金利の低下と円安を好感した買い優勢

欧州の主要な株価の上昇を好感する形で高く寄り付いた後も上値を伸ばした。米金利の低下基調を見込んだグロース(成長)株の物色や、米WTI原油先物の上昇を受けた鉱業や石油・石炭製品の買いがみられた。米国株先物が小じっかりと推移したほか、為替のドル/円が136円台と円安方向い振れ、投資家心理を支えた。市場では、『米経済指標が弱含み、インフレ懸念が収まる兆しが見えてきた一方、リセッションへの警戒が浮上し、綱引きになっている。そのため、投資家のセンチメントは切り替わりやすく、ボラティリティーは高まりやすい』との見方が出ている。結局、前営業日比269円高の2万6423円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売りと利益確定のドル売りが交錯

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや米長期金利上昇に支えられ、136.35円付近へ上昇した。日経平均株価の上げ幅が一時350円を超え、リスク選好が高まったことも円売りを誘った。ただ、休場明けとなる米国市場の株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、利益確定などのドル売り・円買いも見られ、136.10円台へ小緩んだ。午後は、日経平均株や米長期金利を睨みながら、やや値を切り返して136.20円台を中心とする狭いレンジで取引された。本邦実需筋の売り買いが午前で一巡したこともあり、商いは薄かった。ユーロ/ドルは、このところ低調な米経済指標が相次いでいることで、持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.04ドル台前半から1.04ドル台半ばへ水準を切り上げた。

 

トルコではインフレの加速度は増すばかり

欧州序盤に発表された6月トルコ消費者物価指数(CPI)は前年比+78.62%まで上昇し、同コア指数も+57%台まで伸び率を加速させた。同月生産者物価指数(PPI)に至っては前年比+138%台を記録した。トルコCPI(前年比)が前回値を上回ったのは13カ月連続となり、インフレの加速度は増すばかりである。『インフレを抑制するためには金融引き締め』とやるべきことが明らかにもかかわらず、トルコ中銀はまったく動く気配がない。最高権力者エルドアン大統領が金利を引き上げることを認めず、それどころか利下げにまで言及しており、中銀はそれにただ従っているだけという状態が続いている。中央銀行が独立性を完全に失い、物価高騰に無策である国の通貨を投資家が手放す動きは続いてしまう。さらに問題は、市民がトルコ統計局の数値を信じていないということでしょう。一部報道によると6月CPIについてイスタンブール商工会議所は+94%と割り出し、民間の調査機関ENAGはなんと+175%との調査結果を発表した。世論調査でも、民間データに近い物価上昇率をトルコ国民は感じている。

 

南アではガソリン等の免税措置変更でインフレ高進に拍車

今週は南アから主だった経済指標の発表がないことで、明日6日のガソリン等の免税措置の変更がないかを見定めることが重要になる。現時点での計算によるとガソリンはリッター2.37ランドから2.57ランド、ディーゼルは2.31ランド前後の上昇が予想され、1年前の54%高となる。現時点では免税額減額を延長するとの発表がないことで、このまま期限が切れた場合はエネルギー高で南アのインフレ高進に拍車がかかる。なお、国営電力会社エスコムはステージ6の電力負荷制限を昨日の午後から再開している。ここ最近はステージ6という数値に慣れてきているが、2008年から2019年までは3000MWまでの負荷制限のステージ3までしかない。しかし、2019年末に6000MWまでの負荷制限のステージ6を導入した。今年はこのステージ6が再び始まっている。なお、負荷制限はステージは8まであるが、その場合は1日6回または12時間までしか電力が供給されなくなる。

 

米大統領が対中関税一部撤廃との報道:野村証券

米WSJ電子版は4日、『バイデン大統領が間もなく対中関税の一部撤廃を発表すると見込まれている』と報じた。米国内のインフレ対策のほか、中国に対する経済的圧力を維持するという拮抗した問題で制約された決定を週内に行うとみられるという。野村証券は5日付のリポートで『通称協議、外交、安全保障などとの政策上の兼ね合いから大幅撤回は見込み難い』との見解を示した。リポ―トでは、バイデン政権が判断を下すと報じたのは、5日に通商法301条に基づく制裁関税制裁第1弾(リスト1)の品目別見直しの期限を迎えることを受けたものと考えられるとしながら、『品目見直しの期限はリスト2が8月22日、リスト3が9月23日、リスト4Aが来年8月31日となっているが、バイデン政権が同時に見直しを発表するかが、『対中制裁完全を無条件に撤回すれば、中国を抑止する効果が弱まることになりかねない』などと指摘し、対中制裁関税を広範に撤回するために大統領令を出す可能性は低く、概ね通商法に定めた米企業の要請に基づいて制裁を見直すことにとどまるとみていた。

 

6日のFOMCの議事録に注目:利上げスタンスを確認

米国市場では、6日にFRBによるFOMCの議事録が公表される(6月14-15日開催分)。FRBの金融政策に関しては前週6月29日、パウエル議長が行き過ぎた利上げがリセッション(景気後退)を招く可能性よりも、高インフレの抑制に失敗するリスクへの懸念のほうが大きいとの考えを示した。景気後退のリスクを高める結果になったとしてもFRBは利上げを急ぐ必要があるとし、インフレ高進が定着することのほうがより大きな危険になる、と強調している。今週の議事録でもこうした利上げ前傾(タカ派)スタンスが再確認されると、前週からの地合いに沿えば、米景気の先行き悪化懸念と米債金利の低下、ドル安と円高に作用する可能性がある。一方で米債金利の低下や資源下落は、米国株の支援材料となる。今週に米国株に上昇局面があると、クロス円ではリスク選好の円安・外貨高を支援する。ドル/円でも円高・ドル安が抑制される可能性がある。

 

インフレリスクよりもリセッションリスクに関心移る:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスは4日付のリポートで『株式市場とコモディティ相場の相関性は最近の3ヵ月間で再び負の領域に達し、約20年ぶりの低水準に達した。これは市場がインフレリスクよりも成長やリセッションのリスクに関心を持ち始めていることを示唆している』との見解を示した。リポートでは、最近の工業用金属などの下落に着目。銅価格は最近まで、サプライチェーンの問題から中国の成長鈍化リスクの影響を受けていなかったが、中国リスクの影響が出てきているという。その一方、アセットアロケーションに関して今後3ヵ月は現金とコモディティをオーバーウエイト、株式と債券をニュートラル、クレジットをアンダーウエイトとする従来の見解を維持したものの、今後12ヵ月に関してはリスク資産を増やす機会を模索していると指摘。コモディティ相場がリセッションリスクで圧迫されているものの、今後3ヵ月、12ヵ月についてはコモディティのオーバーウエイトを維持した。

 

欧米市場イベント

○15:45   5月仏鉱工業生産(予想:前月比0.2%)
○16:50   6月仏サービス部門PMI改定値(予想:54.4)
○16:55   6月独サービス部門PMI改定値(予想:52.4)
○17:00   6月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:52.8)
○17:30   6月英サービス部門PMI改定値(予想:53.4)
○18:30   英中銀(BOE)、金融安定報告書を公表
○21:30   5月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比2.4%)
○23:00   5月米製造業新規受注(予想:前月比0.5%)
○6日01:30   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演

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