FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2020/03/16/15:28:36

日経平均株価:金融政策決定皆具尾に失望感広がり売り優勢

米FRBが緊急利下げを実施したほか、日銀が午後から企業金融の円滑化と市場の安定確保に向けた緊急会合を行うことになり、これらの材料に対して消火難とも言える状況になった。日経平均は上下に大きく振れながらも、前場中盤から前週末比変わらず近辺で一進一退の展開となった。日銀は本日前倒しで開催した金融政策決定会合で上場投資信託(ETF)の買い入れ額を当面12兆円と倍増を決めた。これを受けて一時300円を超えたが、基本的な買い入れペースは従来通り6兆円ともしたため、徐々に取り組み姿勢に対する失望感が広がり、大引けにかけて売りがかさんだ。結局、前営業日比429円安の1万7002円と4日続落となり終了した。

 

東京外国為替市場:為替市場も乱高下

ドル/円は、FRBが緊急の大幅追加利下げを決定し、事実上のゼロ金利政策を復活させたことを背景にドル売り・円買いが先行し、一時105.69円近辺まで下落した。しかし、複数のメディアが『日銀が正午から前倒しで金融政策決定会合を開催する』と報じると、追加緩和に対する思惑からショートカバーが入り、106円台後半へ切り返した。東京市場に入ると、本邦実需筋などのドル買い・円売りに支えられ107.57円近辺まで上昇した。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界景気の減速懸念が高まっているため、有事のドル買いも観測された。ただ、このところ乱高下している米国株価動向を見極めたいとの雰囲気から上げ幅は一服、107円台前半は緩んだ。正午から始まった日銀金融政策決定会合の結果、予想通り追加の金融緩和を決定した。市場の想定した範囲の内容を受け取られたが、ドル/円は日経平均株価の下げ幅拡大を眺めて持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、106.40円付近へ軟化した。ユーロ/ドルは、夕方から参入するしてくる欧州勢待ちの様相となっており、1.11ドル台前半で方向感に欠ける動きとなった。

 

中国の1-2月経済指標は大幅減少:新型コロナウイルスの影響鮮明

中国国家統計局が発表した1-2月の鉱工業生産は前年同期比13.5%減少し、30年ぶりの大幅なマイナスを記録した。新型コロナウイルスの影響が鮮明に表れた。昨年の12月は6.9%の増加となっていた。1-2月の固定資産投資は前年比24.5%減少となり、予想の2.8%増加を下回った。固定資産投資が減少したのは統計開始以来初めてとなる。1-2月の小売売上高は20.5%減少し、予想の0.8%増を下回った。昨年12月は8%増だった。新型ウイルス感染を懸念した消費者が商業施設や飲食店、映画館など混雑した場所を敬遠した。国家統計局は声明を発表し、新型ウイルス感染拡大の影響は制御可能であり、短期的なものにとどまるとした上で、新型コロナウイルスの影響を相殺し、経済・社会の正常な秩序を回復するためマクロ政策措置を強化すると明言した。

 

日本の成長率見通しを下方修正:ゴールドマン・サックス証券

ゴールドマン・サックス証券は16日付レポートで実質GDP(国内総生産)成長率予測を下方修正した。2020年1~3月期は従来の前期比年率マイナス2.2%から同マイナス4.5%、4~6月期は従来の同プラス0.8%から同マイナス1.1%に引き下げた。

 

GPIFに日本株に5兆円の買い必要

SMBC日興証券は13日付のレポートで『年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の日本株比率が急低下』と指摘した。株価の急落を受けてGPIFの日本株比率が21.3%まで急低下する一方、外債は価格上昇を受けて許容かい離幅が拡大している。その結果、『日本株は5兆円超の買いが必要となる。日銀による年間のETF買入目標額に近く、非常に大規模なものであると考えられる』と指摘している。

 

日米金融政策:一旦の材料出尽くし

米連邦準備理事会(FRB)は日本時間午前6時に臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.00-0.25%の範囲に引き下げることを決めたと発表した。さらに、量的緩和再開として財務省証券保有を最低5000億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)2000億ドルの購入を発表した。米FRBは、ECB、BOE、BOC、SNB、そしてBOJと、6大中銀とのドルスワップレートの0.25%引き下げを締結した。

一方、日銀金融政策決定会合では、CPの残高を2.2兆から3.2兆、社債の残高を3.2兆円から4.2兆円にそれぞれ引き上げた。また、ETFの保有残高を年間6兆円から12兆円、J-REITを年間900億円から1800億円に引き上げた。

 

 

米国株式市場はバフェットの買い待ち状態

新型コロナ感染症という『ブラックスワン』(予想ができず、起きた時の衝撃が大きい事象)に直撃され、そこにサウジとロシアの米シェール潰しの協調減産崩壊『オイルショック』が圧し掛かり、さらに大統領の欧州封鎖政策『トランプショック』の種々『外因性ショック』が折り重なり、米国株は高値から20%超下落の『弱気相場』に入った。しかも、FRBの追加利下げが感染拡大を止める訳でも、寸断されたサプライチェーンを復旧できる訳ではない。国際金融協会によれば、世界が抱える累積債務が19年7-9月期に世界GDPの3.2倍という過去最高を記録、コロナ感染拡大が続き実体経済の悪化から企業倒産が増えればリーマンショック級の金融システム崩壊が懸念される。さらに、リーマンショックと異なり、今回は疫病パンデミックでありワクチン開発や感染拡大『収束』まで待つしかない。何より、米国株はNYSEとナスダックの時価総額を米名目GDPで割った『バフェット指数』が150%で歴史的なダブルトップの様相を呈す。米GDPあるいは企業利益が増えていない中で株価だけ上がり続けるのは不健全であり、バフェット指数は100%を超えると過熱とされる。当のバフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイの2019年度末時点の手元資金は1280億ドル(約14.2兆円)であり、この膨大なキャッシュを今回の急落相場に投下し始めるバフェット買い出動が、コロナショック底入れの合図となりそうだ。

 

バクダッド近郊米軍駐留基地への攻撃を再び観測:中東リスクがじわりと高まる

イラク軍によると、米軍主導の有志連合部隊が駐留する首都バグダッド近郊のタジ基地に、ロケット弾30発以上が撃ち込まれた。有志連合報道官は、同連合メンバー3人とイラク軍関係者2人の計5人が負傷したと指摘していた。同基地は11日にもロケット弾攻撃を受け、米国人2人と英国人1人が死亡、約12人が負傷している。

 

欧米イベント

○15:30   2月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比2.65%)
○16:30   2月スイス生産者輸入価格
○17:00   1-3月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数(予想:▲10)
○21:30   3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:5.0)
○17日05:00   1月対米証券投資動向
○ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
○G7首脳、緊急ビデオ会談(23時~)
○メキシコ(ベニート・フアレス生誕日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/03/13/15:15:05

日経平均株価は大幅下落:米国市場の暴落に連れて大幅3日続落

新型コロナウイルスがバンデミック(世界的な大流行)となり、金融市場を大きく揺らしている。前日の米国株市場が暴落し、東京市場も朝方から全面安商状となった。下げ幅は一時1800円を超え、取引時間中として約3年4ヵ月ぶりの安値を付けた。短期的に下げ過ぎとみた投資家が新型コロナウイルスの感染拡大による業績への悪影響が比較的小さいと市場で期待さている銘柄を中心に打診的な買いが入った。また、日銀が午後に通知した国債の買い入れオペや資金供給オペも『ひとまず市場に一定の安心感を与えた』との声も出ていた。午後に、株式市場の買い戻しと、為替市場の買い戻しはカナダの医薬品会社が新型コロナウィルスの治療薬をみつけ、週末に人体テストを行うという噂が流れている。ただし、ワクチンができるのは早くても11月になるとの話も出ている。 結局、前営業日比1128円安の1万7431円と大幅3日続落した。

 

東京外国為替市場:アジア市場でもドル/円は荒い値動き

ドル/円は、本邦輸入企業のドル買い・円売りや低下していた米長期金利が持ち直したことに支えられ、105.20円付近へじり高となった。午後もこの流れは続き、日経平均株価の下げ幅縮小やNYダウ先物の上昇を眺めてさらにドル買い・円売りが進み、一時106.01円付近まで急伸した。日銀が予想以外の買い入れオペ2000億円を通知したことも、リスク回避姿勢を和らげて円売りに拍車をかけた。ただ、前日の海外市場でつけた106.10円が上値の目処として意識されると上げは一服、利食い売りなどに105円台半ばへ押し戻される荒い値動きとなった。ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇がドル買いを誘い、1.1200ドル付近まで下落した。

 

株式市場弱気相場入りで景気後退のシグナルに

新型コロナウイルス感染拡大がアジアから欧米に広がり世界経済悪化への懸念が強まり世界32ヶ国の株式相場が高値から下落率が2割を超え『弱気相場』入りの様相を呈している。財政など政策が株価を支えるとの期待も揺らぎ過去には株価『弱気相場』入りの後に景気後退(リセッション)に陥るケースが多く、株安を加速させている。

 

NY金の持高が高水準にあり手仕舞い売りに注意

3月7日に一時1704.3ドルと2012年12月以来約7年3カ月ぶりの高値を付けたものの、その後失速した。新型コロナウイルスによる肺炎が世界的にまん延し、景気を冷やすとの警戒感が根強いため、金相場は目先『強気』な予想が多く聞かれるものの、あらゆる資産のキャッシュ化が加速すれば今後は金にも売りが広がりやすい。『危機時は手元にドル・キャッシュを厚めに確保する動きが出る。キャッシュを確保していれば、決済困難に陥る事態を回避できる』との見方もある。商品先物取引委員会(CFTC)が6日発表した3日時点の建玉報告によると、COMEXで投機筋(非商業部門)による金先物の買い持ち高は2週続けて縮小した。前週比1万6132枚減少の31万9733枚だった。とはいえ、過去最高の35万3649枚(2月18日時点)には及ばないものの、金の買い持ち高は高水準にある。持ち高が偏ると反動のエネルギーはたまる。想定外のポジションの巻き戻しには注意が必要となる。

 

米国債ETF(GOVT)から大量の資金流出

12日の米国市場で1~30年物の米国債を投資対象とするiシェアーズ米国債ETFから大規模な資金が流出した。7億4641万ドルの資金流出となり、2019年6月20日に記録した同ETFとして過去最大の流出額(4億3556万ドル)を上回り、過去最大の流出額を更新した。この日の米国市場でGOVTは0.10%安で小幅に3日続落した。米株安が続く中で債券ETFは買われる展開だったが、9日に設定来高値(28.54ドル)まで上昇して以降は利食いが優勢となっている。リスク回避のムードが強い中、この日の米国市場ではNY金先物も下げてキャッシュ化とみられる動きが出ている。

 

ECBの金融政策手段も底が見えてきた感が

欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で市場の予想通り政策金利据え置きを決定した。また、『インフレ見通しが目標に強く収束するまで、金利は現行またはそれ以下となる』『資産購入は必要である限り継続、利上げ直前まで続く』とのフォワードガイダンスも据え置いた。ECBはすでにマイナス金利を導入しており、利下げによる効力はほとんどないと見られている。同時に、緩和措置として2020年末まで、資産購入総額で1200憶ユーロ増額するとしたほか、貸出条件付き長期資金供給オペ(レーション(TLTROの第3弾を供給すると発表した。これからもQEプログラムのあらゆる柔軟性を活用していく方針を示した。ECBは同時に2020年度の成長見通しを引き下げた。ラガルド総裁は新型肺炎が欧州経済の主要ショックだと警告した。ECBの緩和策拡大や成長見通しの引き下げ、加えて、米国のトランプ政権が欧州からの入国停止を発表したことがユーロ売り圧力となった。

 

米国市場では3月ミシガン大学消費者信頼感速報

2月実績は101.0だった。3月については、雇用情勢は特に悪化していないものの、新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感が高まっていることから、信頼感指数は100を大幅に下回る可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   2月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   2月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.4%/前年比1.7%)
○16:00   1月トルコ鉱工業生産(予想:前月比0.5%)
○16:45   2月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比横ばい/前年比1.4%)
○17:30   2月スウェーデン失業率(予想:7.6%)
○21:00   1月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.4%)
○21:30   2月米輸入物価指数(予想:前月比▲1.0%)
○23:00   3月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:95.0)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/03/12/15:24:55

日経平均株価:トランプ米大統領の演説後に失速

新型コロナウイルスの感染がパンデミック(世界的な大流行)の段階に進んだことが投資家心理を圧迫した。また、日本時間午前中に行われたトランプ米大統領の演説で欧州からの米国への入国を向こう30日間全面的に停止すると発表した。しかし、景気対策で具体策が示されなかったことが嫌気された。NYダウ先物が1000ドル以上の下落する中、為替市場では円高進行したことで日経も下げ幅を広げた。結局、前営業日比856円安の1万8559円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:トランプ大統領演説後に下値模索の展開

ドル/円は、トランプ大統領が演説で新型コロナウイルスの対策として『英国を除いた欧州からの渡航を30日間制限し、13日から適用する』と発表、世界景気の先行き懸念が一段と高まった。そして、市場が期待していた財政政策などへの具体的な言及なく、失望感が広がった。ドル/円は、トランプ大統領の演説後に下値を模索する展開となり、一時103.05円近辺まで急落した。日経平均株価の下げ幅が1000円を超えたことやNYダウ先物も大幅安も、ドル売り・円買いに拍車をかけた。ただ、心理的節目の103.00円が視野入りすると、値ごろからドルの押し目買いが入り、103円台半ばへ切り返した。午後は、日経平均株価の下げ幅縮小や低下していた米長期金利の持ち直しに支えられ、104.25円近辺へ急反発した。黒田日銀総裁が安倍首相との会談後に『市場の状況を注視して、適切に躊躇なく対応する』と発言、日銀が来週の金融政策決定会合で追加緩和に踏み切るとの思惑が広がったことも円売りを誘った。一巡後は、103.85円台へ下落する荒い値動きとなった。ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇をながめた持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り、1.13ドル台前半から1.12ドル台後半へ水準を切り下げた。

 

トランプ大統領の演説に失望感でリスク回避の動き

トランプ米大統領の国民向け演説を前にして、市場には『根拠なき期待感』なるものが漂っていたことは確かである。そして、実際の演説を聞くにつれ、その期待感は『やっぱりだめか』との失望感に変わった。市場が注目していたのは、減税を本当にやるのかやらないのかの、トランプ米大統領としての決意を聞きたかったが、結局のところ『議会に提案している』にとどまってしまうと、NYダウ先物の売り仕掛けとなった。ナスダック先物などは一時サーキットブレーカーが発動するなどの騒動となった。

 

ドル/円オプションからみた次の円高ポイント

ドル円は、オプション(OP)設定が観測された104.00円の下支えが期待されたものの下抜け、次の心理的節目103円に近づくように下落が進んだ。103円の買いはさほど規模が大きくなく、オーダー面で支えとなりそうなのは102.75円に置かれたOPとなる。しかし、OPがあった104円を割り込んで下落を強めた現状を鑑みれば、同OP付近がサポートされるかどうかは、市場のセンチメント次第の面が大きい。

 

欧州市場では1月ユーロ圏鉱工業生産が公表

12月実績は前月比▲2.1%になった。資本財の大幅な落ち込みが影響した。1月いついては、ドイツの鉱工業生産がある程度持ち直すと予想されており、フランやイタリアも多少回復する見込みであることから、前月比ではプラスとなる可能性が高い。

 

欧州市場ではECB定例理事会が開催

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、新型コロナウイルス感染拡大に対して首脳らが緊急に行動しなければ、欧州は金融危機時と同様の重大な経済的ショックに直面するリスクがあると警告した。ECBが今週にも行動することを示唆した。ラガルド総裁は10日遅くに欧州連合(EU)加盟国首脳らとの電話会議で、協調した行動がとられなければ欧州は『2008年の金融危機をほうふつとさせるような展開を目にすることになるだろう』と語った。発言内容を知る関係者が明らかにした。正しい対応をすれば、ショックは一時的なものとなる公算が大きいとも述べたという。
発言は金融政策による景気刺激策で速やかに行動することを総裁が政策委員会に働きかける意向を示唆する。多くのエコノミストは12日の利下げ発表を予想しているほか、量的緩和(QE)拡大や銀行への低コスト資金供給措置の調整が想定されている。

 

逆オイルショックでシェールオイル潰し

プーチン露大統領は、原油価格が上昇した場合、米国のシェールオイル開発や生産活動が活発化して米国の原油生産が大幅に増加するため、採算原油価格が50ドル程度のシェールオイル産業に打撃を与える目論見があるとされている。 投機的格付けを付与されたジャンク債が米国のシェールオイル業界の設備投資を金融面で支援しており、原油価格が低迷し続けた場合、ジャンク債の大量デフォルト(債務不履行)が起こる可能性が警戒されている。さらに、原油価格の下落は、原油資源国での政情不安やデフォルト懸念などに繋がり、産油国のソブリン・ウェルス・ファンドによる主要国株式・債券市場からの資金逆流懸念も高まることで、国際金融市場にリスク回避地合いを生じさせることで、『逆オイルショック』の様相を呈すことになる。
 米国のシェールオイル産業が弱体化した場合、エネルギー業界を重要な支持層としているトランプ米大統領の再選が危うくなる。

 

欧米イベント

○17:30   2月スウェーデンCPI(予想:前月比0.6%/前年比1.3%)
        コア指数(予想:前月比0.4%/前年比1.1%)
○19:00   1月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比1.4%/前年比▲3.1%)
○21:00   1月インド鉱工業生産(予想:前年同月比0.7%)
○21:30   2月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%/前年比1.8%)
        食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.1%/前年比1.7%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.8万件/173.3万人)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○13日02:00   米財務省、30年債入札

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欧米タイム直前市場コメント!

2020/03/11/15:20:41

日経平均株価は下落:NYダウ先物の下げ幅拡大に連れた売り優勢

前日の米国株式市場が急激に切り返したほか、為替相場も円安に振れるなど好材料がそろった。しかし、米国の景気刺激策に関する会見にトランプ大統領が出席せず具体案の膠着感に市場の期待が後退しNYダウ先物が軟化したことから、売り優勢の展開となった。市場では、13日のメジャーSQを控えて今日をピークにデルタヘッジに絡んだ先物取引が行われいる可能性が高いとの声も聞こえた。結局、前日比451円安の1万9416円と大幅反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米国の経済対策の実現に懐疑的な見方でドル売り

ドル/円は、トランプ米政権が検討している大規模な経済対策の実現に懐疑的な見方が浮上したため、ドル売りが強まり105.20円前後から104.65円付近まで下落した。米長期金利が大幅に低下したことや日経平均株価の下げ幅拡大も、ドル売り・円買いを誘った。午後もこの流れは続き、米国内で新型コロナウイルスの感染者が1000人を超えたことも嫌気されて、さらにドル売り・円買いが進み、104.07円付近まで下落した。しかし、心理的な節目の104.00円が視界入りすると、下げは一服した。その後は値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、104.20円前後で取引された。ユーロ/ドルは、明日のECB理事会を控えた持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.1315-20ドル水準から1.1350ドル付近へじり高となった。

 

日本銀行株価は史上安値を更新

日本銀行(コード:8301)の株価は、2007年後半17万円台だった日銀株は、多くの金融株が売り込まれたリーマンショック時に同じく軟調に転じ、2012年後半には3万円台と5年間で8割超も価値を失った。その後、13年前半には9万円台まで大きく反発するも、10万円には届かず再び下落基調となった。何度か買い戻された場面もあっが、18年半ばの4万7千円台を頭に今年2月には初めて3万円を割り込んでいる。日経平均が反発した3月10日も、その株は2万9千円で取引され史上最安値を更新した。

 

次回日銀金融政策決定会合ではETFの購入枠の拡大を検討

 新型コロナウイルス感染の拡大で経済への打撃が懸念されるなか、一部報道では、日銀は18-19日の金融政策決定会合において、指数連動型上場投資信託受益(ETF)の購入枠を現行の年間約6兆円から増やす手段を検討と報じられた。 日銀のETF買い入れは、量的緩和の一環として実施されており、13年に年間1兆円を初めて超え、その後15年には3兆円超え、18年には6.2兆円まで拡大した。19年は4兆円台まで抑えられたが、今年2月末までの残高は29兆円に迫る勢いであり、東証一部の時価総額の約5%を占めるまでに至っている。さて、今年2月までの日銀ETF購入は700億程度がほとんどだったが、今月に入り実施された4回とも全て1002億円であり、今後の購入枠拡大への布石ともいえる。 ここまでの購入の平均単価は日経平均株価で19,100~19,200円、TOPIXでは1,350ポイント前後となっている。

 

米金融大手の幹部をホワイトハウスに招待

ホワイトハウスは、ゴールドマンサックスなど金融大手の幹部を招待し、11日に新たな経済のリスクとなった新型肺炎を巡る対応策を協議する計画だ。銀行幹部らはさらなる株式相場の急落や景気後退を回避する効果を出すためには2,3日中に、具体策を発表する必要があると要請すると見られている。市場関係者は新型肺炎が新たな成長リスクとなり、米国経済が景気後退入りすると警戒している。米連邦準備制度理事会(FRB)も先週、0.5%という大幅な緊急利下げを決定したばかりだが、17日、18日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)ではさらに0.75%ポイントの利下げが織り込まれつつあり、いずれゼロ金利政策が必要だとの見方が台頭し始めた。

 

米追加利下げと経済対策を検討するも時期尚早との見方も

新型肺炎の米国内での感染拡大を受けて、経済が停滞するとの懸念が広がっている。市場エコノミストは経済が景気後退入りする可能性も指摘されている。米連邦準備制度理事会(FRB)は0.5%の緊急利下げに踏み切ったが、3月17日-18日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)でもさらに0.75%ポイントの追加利下げが予想されている。また、トランプ政権は新型肺炎感染拡大による経済への損害を最小限に食い止めるために経済対策を検討している。給与税減税、時給労働者への休業手当支給、特に影響を受ける産業への税優遇策などが協議されている模様である。ただ、決定には時期尚早との見方もあり、タイムフレームは未定となっている。

 

米国市場では2月消費者物価コア指数が公表

1月実績は前年比+2.3%になった。賃貸や衣料などが値上がりしたが、物価上昇圧力は高まっていないとみられている。2月については、複数の項目で物価上昇が確認されているものの、一部項目の物価上昇圧力は弱くなっていることから、全般的なインフレ率は1月実績と同水準にとどまる見込み。

 

欧米イベント

○16:00   1月トルコ経常収支(予想:25億ドルの赤字)
○18:30   1月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○18:30   1月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%/前年比▲2.6%)
          製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○18:30   1月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:70.00億ポンドの赤字/3.56億ポンドの赤字)
○19:00   1-3月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数(予想:24)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   2月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.15%)
○21:30   2月米CPI(予想:前月比横ばい/前年比2.2%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.3%)
○21:30   10-12月期カナダ設備稼働率(予想:80.7%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○12日02:00   米財務省、10年債入札
○12日03:00   2月米月次財政収支(予想:2363億ドルの赤字)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2020/03/10/15:29:22

日経平均株価:米国の景気下支え措置への期待から買い戻し

前日の米国株式市場は急落し、NYダウは2000ドル超安と過去最大の下げ幅を記録した。日経平均株価も朝方は売りが先行し、一時800円超安まで下げ幅を広げた。しかし、米国の景気下支え措置は『大規模』なものになるとのトランプ大統領の発言も徐々に好感されNYダウ先物も上昇したことに連れ下げ幅を縮小する展開となった。後場では、NYダウ先物が上げ幅を広げたことで、日経平均株価もプラス圏まで戻した。結局、前日比168円高の1万9867円と3日ぶり反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドルの買い戻しが優勢に

ドル/円は、オセアニア市場でトランプ米政権が打ち出す景気対策への期待からジョーとカバーが持ち込まれ、102円台前半から103円台を回復した。東京市場でもこの流れは続き、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の持ち直しに支えられ、103.70円付近へじり高となった。米長期金利が上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。しかし、買一巡後は103円台前半へ小緩んだ。午後に入ると、日経平均株価の上げ幅拡大やNYダウ先物の大幅高を眺めて上値を試す展開となり、一時105.02円付近まで急伸した。一部メディアが『中国の習近平国家主席が武漢を訪問した』と報じたことで、新型コロナウイルスの感染が収束に向かっているとの思惑が浮上したことも、リスク選好の円売りに拍車をかけた。ただ、朝方から一本調子の上昇が続いているため、利食い売りなどに104.60円台へ押し戻された。ユーロ/ドルは、イタリアで新型コロナウイルスの感染者が急増し、北部に適用されていた移動制限を全土に拡大したことがユーロの重石となり、1.14ドル台前半から1.13ドル台半ばへ水準を切り下げた。

 

円高が継続すると本邦企業業績の先行き不透明に

ドルやユーロに対する円高が企業収益の逆風になりつつある。足元の1ドル=102円、1ユーロ=117円の水準が2020年度も続くと、為替影響が大きい主力輸出業20社の営業利益は19年度に比べて約7500億円の減益要因になる。19年度の営業利益見通しの1割に当たる規模だ。ただでさえ新型コロナウイルスの感染拡大で製品需要は低下しており、円高が定着すると企業業績の先行きは一段と不透明になる。

 

VIX指数はリーマンショック時以来の高水準

9日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は急騰した。一時62.12と2008年12月以来、いわゆるリーマンショック時以来の高水準を付けた。リーマンショック時のVIX最高値は2008年10月の89台。同時期の本邦GDPは、2008年10-12月期が▲9.4%、翌1-3月期は▲17.8%と、確かにまだリーマン級には届いてはいない。ただし、新型ウイルスによるグローバル経済へのダメージは(短期的と言われながらも)計り知れず、今後の日本が本当にリーマンショック級のマイナス成長を記録する可能性は捨てきれない。

 

原油急落の具体的な影響

WTI原油先物が急落したが、具体的な影響としては、1)米国を始めとした世界の資源エネルギー会社のうち、低格付け企業が発行してきた高利回り社債(ハイ・イールド債)の信用不安拡大、2)資源国の経済・財政悪化拡大、3)日本でのデフレ・円高激化(原油急落で日本の物価は再下落。デフレは通貨高、インフレは通貨安の要因)、4)原油安による日本の輸入急減と貿易収支の悪化歯止め、といった要因がある。
一方でサウジアラビアについては、シェア拡大狙いの原油安売りが行き過ぎると、経済・財政の返り血打撃や自国株の下落が深刻化するリスクをはらむ。サウジ国内での政権不満や権力闘争に移行する可能性も無視できない。その前段階で、サウジが改めて原油安歯止めの減産協調に回帰する余地も残されている。同時にサウジ国内で政治混乱が高まったり、中東地域が不安定化すると、域内での武力衝突へと伝播。中東発の地政学リスクが、一転して原油供給の打撃懸念となり、原油高騰につながる波乱余地を秘めている。

 

今晩米国の景気刺激策の詳細を発表

トランプ米大統領は9日、給与税減税と、新型コロナウイルスで打撃を受けた産業への『非常に大規模な救済措置』を目指すと述べた。金融危機以来の大幅株安を受け、景気刺激策実施へとかじを切った。ホワイトハウスで記者会見したトランプ大統領は、経済を下支えする『極めて劇的』な措置を発表する計画だと発言した。『あす(10日)午後に経済対策の一部をここで発表するつもりだ。大きな措置になる』と語った。また、在宅を余儀なくされることで収入を失う恐れがある時間給労働者も支援する意向を示した。

 

欧米イベント

○16:00   2月ノルウェーCPI(予想:前月比0.3%/前年比1.6%)
○16:00   12月トルコ失業率(予想:13.5%)
○16:45   1月仏鉱工業生産指数(予想:前月比1.8%)
○19:00   10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.1%/前年比0.9%)
○11日02:00  米財務省、3年債入札
○インド(水掛け祭)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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