★NY株式市場では、三指数とも大幅に上昇した。さらに、米長期金利も大幅に上昇したことでイールドスプレッドは三指数とも大幅縮小した。そのため、割安感は払しょくされてきている。
NYダウは、5日SAM26,952ドルをわずかに回復したものの、10日SMAの27,050ドルがレジスタンスとして意識されている。まだ、5日SMAが下向きとなり10日SMAと明確にデッドクロスしていることで、短期的には下落基調が継続している。米中貿易摩擦が先行き不透明感が和らいだことや、米大統領の弾劾リスクが後退、日米貿易協定の最終合意を確認し共同声明に署名されたことで、リスク回避の動きが後退した。下落基調場面では、75日SMAの26,618ドル、25日SMAの26,637ドル、100日SMAの26,370ドルがサポートラインとして意識される。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.512%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、
19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・9月24日:▲3.869%⇒9月25日予想▲3.750%
9月25日はNYダウは上昇したうえ、米長期金利も上昇したことから、イールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.512%から▲0.762%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.476%とかい離した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.288%、19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.352%とかい離した。
NYダウが上昇したことで株式益利回りは下落した。米長期金利も大きく上昇したことで、イールドスプレッドは前日比で大幅拡大した。米国債に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。昨日は米国株高と米長期金利上昇からイールドスプレッドの割安感が急速に払しょくされた。米長期金利がさらに上昇するようなら、割安感はなくなる。イールドスプレッドが再び4%を超えてくるまでは、割安感は出難い。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.842%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、
19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%
・9月24日:▲3.817%⇒9月25日予想▲3.700%
S&P500が上昇したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.842%から▲0.142%と平均値を下回った。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.169%と下回った。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.181%とイールドスプレッドとかい離した。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%とは▲0.302%と19年8月15日の▲4.179%も▲0.479%とかい離した。イールドスプレッドは縮小気味となっている。そのため、S&P500の割安感は払しょくされてきている。米長期金利の動向が重要なポイントとなっている。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.382%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、
19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%
・9月24日:▲2.325%⇒9月24日予想▲2.199%
NASDAQが大幅に上昇したうえ、米長期金利も大幅上昇したことで、イールドスプレッドが前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.382%から▲0.183%下回った。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.020%上回った。さらに、19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.129%下回った。さらに、19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.184%と19年8月15日の大底となった▲2.498%から再び▲0.299%かい離した。
NASDAQのイールドスプレッドは以前よりは縮小しているものの、割安感は残っている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。
三指数のイールドスプレッドは、株価指数が大幅上昇したうえ、米長期金利も大幅上昇したこで、大幅縮小する結果となり割安感を払しょくする動きとなった。米長期金利が戻り基調となっているこからイールドスプレッドも全般割安感が薄れてきている。そのため、株価の上値が重くなる可能性も出てきている。今後も米長期金利の動向にも注意が必要となる。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★9月18日以降の東京金60分足では、急落して24時間SMA(緑線)と雲の上下限を一気に下抜けした。しかし、240時間SMA(茶線)近辺で下げ止まる展開となった。そのため、本日は240時間SMAを維持出来るかが焦点となる。下抜けした際は、レンジ下限の5,160円前後が視界に入る。
NY金先物市場は1507.40-1542.80ドルのレンジ相場となった。利益確定の売りが上値を抑えていたところに、為替相場でドル高が進行したことを受けてドル建ての金先物は下げ足を速めた。トランプ米大統領の弾劾リスクが後退したこと、同大統領が中国との通商合意が早期に実現される可能性を示唆したことなども安全資産の金にとっては重しとなった。 また、米長期金利の反発も売り材料になった。
価格帯別出来高では、5,200円前後で急速に出来高が増えており、5,200円が下値目処として意識されている。失速したことで、5,250円前後で出来高が多いことから、戻り基調では『やれやれ売り』が出やすく上値の重石となる。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを下抜け下落基調となっている。一方、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、売られ過ぎ域で%DとSlow%Dが横ばいとなっており、下げの勢いが鈍化してきている。
東京金の日足では、10日SMAの5,205円や25日SMAの5,196円がサポートラインとして意識されており、下げ止まる展開となっている。25日SMAを維持出来るかが注目される。NY金先物市場も利食い売りを交えて大きく下落したものの、節目となる1,500ドルは維持して推移した。為替市場では、欧州通貨が弱いことで消去法からドル買いが強まりやすい地合いとなっている。そのため、ドル/円も107円台後半で推移していることで、東京金の下支えとなりやすい。
本日は10日SMAと25日SMAを維持出来るかが焦点となる。また、5日SAMの5,221円を回復出来るかも注目される。大きな下落の後だけに、買いそびれていた買い方からの押し目買いが入りやすい。
★欧州市場朝方の取引では、欧州株が全面安で推移となる中、ドルは強含みとなった。一方、ドル/円は、リスク回避の円高圧力にドルの上値が圧迫され、ドルが伸び悩んだ。米長期金利が前日終値水準で下げ渋るに連れ、ドルが底堅く推移した。欧州市場中盤の取引では、欧州株やNYダウ先物が軟調に推移するものの、ドルの反応は限定的に留まり、107.30円近辺で小動きを継続した。トランプ大統領の弾劾に対する会見に注目が集まっており、模様眺めムード強く、107.30円前後でこう着した。欧州株安、NYダウ安でも欧州通貨売りをきっかけにドル買いが優勢となった。
再開した英議会でジョンソン英首相への辞任要求などを嫌気してポンド売りが強まり、対ポンド主導でドル高が優勢になった流れに沿って強含みとなった。米長期金利やNYダウ先物が上昇に転じたことも下支えとなった。月末・期末を控えたロンドン・フィキシングに絡んだドル買いフローが入っているとの指摘があった。トランプ大統領が『対中通商交渉はあなた方が考えているよりも早く合意する可能性がある』『ウクライナ大統領には何も圧力をかけていない』などと伝わる中、株高・長期金利上昇を背景にドル全面高となった。NYダウの上げを眺めドル高が進んだものの、107.90円から上にはドル売りがあり上値を抑えた。日米貿易協定の最終合意を確認し、共同声明に署名したことが好感され、ドルは底堅く推移した。
★欧米主要経済指標
・英・8月公的部門純借入額(銀行部門除く):+64億ポンド(予想:+70億ポンド、7月:-8億ポンド←-13億ポンド)
・米・8月新築住宅販売件数:71.3万戸(予想:65.9万戸、7月:66.6万戸←63.5万戸)
★欧米市場のポイント
・107.24-88円のレンジ相場
・再開した英議会でジョンソン英首相の辞任要求
・英国のEU離脱期日延長の要請など進展せず
・トランプ大統領が中国との貿易協議の早期決着を示唆
・ロンドンフィキシングでドル買いフローとの指摘
・通話記録を公開したことで大統領の弾劾の確率低下
・日米貿易協定の最終合意を確認し共同声明に著名
・VIX指数は17.05から15.96へ低下
★日経225の日足では、5日SMA(赤線)がサポートラインとして意識され上昇基調を続けてきた。しかし、5日SMAを下抜けしたものの、10日SMA(黄線)がサポートラインとなり、下げ止まる展開となった。近日中に再び5日SMAの22,040円を回復できるようなら、再び上昇基調が継続する。一方で、10日SMAの21,894円を明確に下抜けすると、260日SMA(茶線)の21,551円が視界に入る。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%D:89,86、Slow%D:91.87と過熱感はあるものの、上昇基調が継続するようなら上方かい離もしくは高水準での動きが継続する。
まとめると、今までは5日SMAを上回る上昇基調が継続していたが、本日の5日SMA下抜けで今までのような上昇基調は後退した。しかし、10日SMAがサポートラインとなり下げ止まる展開となったことで、明日再び5日SMAを上抜け出来るかが注目点となる。一方で、10日SMAを下抜けするようなら、過熱感もあることからしばらく下落調整入りとなる可能性もある。
明日は中間決算の配当権利落ち最終日となることから、配当狙いの売買が膨らむ可能性もある。
★トルコリラ/円の一目均衡表日足では、雲の上下限が抵抗帯となり雲の中でもみ合い相場となっている。しかし、週末には雲のネジレ発生と共に雲の位置が一気に低下する。その後10月7日前後に再び雲のネジレが発生しており、反転や加速など相場の節目となりやすい。今週末から来週にかけてトルコリラ/円の変動が大きくなる可能性がある。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることから、下落基調を示している。
転換線5日(茶線)、転換線9日(赤線)、基準線(青線)、先行スパン2当日線(灰線)もほぼ横向きとなっており、方向性を失っている状態。
明確な荒れ相場になるかは分からないが、今週末から来週に掛けては警戒した方が良さそうなチャートになっている。
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