FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで4月15日の米国株市場を先取り!

2020/04/15/09:18:40

 

NY株式市場では、三指数は全て上昇する展開となったものの、米長期金利が低下したが、イールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割高)した。三指数ともにイールドスプレッドは縮小傾向にあり、過度は割安感は払しょくしてきている。新型コロナ感染拡大ペースの鈍化期待から買いが優勢となった。米国での経済活動が早期再開されるとの見方が強まったことも買いを後押しした。今週から始まる13月期の米企業決算発表もあり内容次第では乱高下しやすいので注意が必要となる

 

今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになりやすい。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、景気後退は避けられないほか、どの程度速やかに救済資金が消費者や企業に供給されるかなどに不透明感もあるため、一方的な戻りにもなり難い。VIX指数は41.17から37.76へ低下した。VIX指数が落ち着いてきており、一時の過度なリスク回避の動きは後退してきている。ただ、まだVIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。今後の米経済指標は悪化の一途となることから、経済指標発表時の動きには注意が必要となる

 

NYダウは、上向きの5SMA23,429ドルがサポートとなり戻り基調が継続している。5SMA10SMA25SMA21,828ドルを上抜けするゴールデンクロスする展開となっている。下向きだった25日SMAは上向きとなってきており、中期的にも戻り基調となってきた。2月12日高値29,569ドルと3月23日安値18,2ドルの半値戻し23,891ドルを上抜けてきた。半値戻しは前値戻しとなりやすいとされている。半値戻し越えで期待が膨らむ。現在は、リスク回避の動きが強くネガティブな材料に強く反応しやすい地合いとなっている。一方、好材料が出てくると、割安感が強いだけに一気に上昇基調となり上下に大きく振れやすい地合いが継続している。5SMA10SMAがサポートラインとなり戻り基調の継続が期待される。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P5003.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P5003.8%~4.0%台、NASDAQ2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.694%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048

                20/01/17‐▲3.018

NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%20/3/23-6.017%

NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

413日:▲4.233414日:予想▲4.133

 

4月14日のNYダウが反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.694%から▲0.561%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.093%から下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を+0.031%上回っている。20年2月28日の大底▲4.541%から▲0.408%下回った。20年3月23日の6.017%から▲1.884%下回った。NYダウが反発したことで株式益利回りは低下した。一方、米長期金利は低下したがイールドスプレッドは前日比で縮小した。新型コロナウイルスの感染者数が米国内で最も多いNY州のクオモ知事が前日の記者会見で『最悪期は脱したと確信している』と表明した。新型コロナ感染拡大ペースの鈍化期待から買いが優勢となった。米国での経済活動が早期再開されるとの見方が強まったことも買いを後押しした。また、トランプ大統領が経済再開に向けて新たな委員会を発足させ協議が開始されたことも好感され、終日堅調推移となった。VIX指数は41.17から37.76へ低下した。 

 

10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.097%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%19/8/5-▲4.002%

                19/8/15-▲4.179%20/2/28-4.499

               20/3/23-▲6.222%

413日:▲4.327414日予想▲4.194

 

S&P500は反落した一方で、米長期金利は上昇したがイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.097%から+0.097%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+0.325%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+0.192%上回った。19年8月15日の▲4.179%を+0.015%上回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲0.305%下回った。20年3月23日の6.222%から▲2.028%下回った。

 

10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.669%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%19/8/15-▲2.383%

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094

413日:▲2.898414日予想▲2.777

 

NASDAQは上昇したものの、米長期金利は低下したがイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.669%から+0.108%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.598%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.394%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.279%上回った。20年2月28日の大底2.803%から▲0.026%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲1.317%下回った。

 

NASDAQは、上昇した一方で、米長期金利は低下したがイールドスプレッドは縮小した。過去のイールドスプレッドを接近していることで、割安感は残っているが過度な割安感は払しょくしてきている。しかし、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き急速な戻り基調となりやすい。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数は全て上昇したものの、米長期金利は低下したが三指数ともに前日比で縮小した。 今後も新型コロナウイルスによる景気後退懸念が根強いことから、先行き経済指標に株価や米長期債金利が上下に振れる展開が予想される。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続いている。米国企業の1-3月期決算結果への警戒感も強いため、決算内容次第で上下に振れやすいので注意が必要となる。

 

PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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東京金60分足では引けにかけて上値の重い展開!

2020/04/15/07:53:55

 

★4月8日以降の東京金60分足では、引けにかけて24時間SMA(緑線)を下抜け上値を切り下げる展開となった。高値圏に位置していることから、上値が重くなると利益確定売りが入りやすい。また、心理的な節目となる6,000円を目前に上値が重くなってきた。各SMAは緩やかに上向きを維持していることから、上昇基調は継続している。

 

NY金先物市場は1747.10-1788.80ドルのレンジ相場となった。新型コロナの感染拡大を背景に世界経済の大幅な鈍化が懸念される中、安全資産とされる金の買いが継続した。国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しを発表し、2020年の成長率は-3.0%に落ち込むと予想した。為替市場でドル安が進んだことも、ドルの代替資産とされる金の買いを後押しした。米長期金利の低下を意識した買いが入ったことや、ユーロ高・米ドル安の相場展開となったことから、一時1788.80ドルまで一段高となった。ただ、その後は伸び悩みとなった。米国株高を受けて利益確定を狙った売りが観測されており、一時1747.10ドルまで反落した。

 

価格帯別出来高では、高値圏でもみ合いながらも出来高は膨らんできている。下値での出来高が多いことから、上値が重くなると利益確定売りが入りやすい。そのため、新規の買いが継続して入ってくるかが焦点となる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの上方からシグナルとデッドクロスして下落基調となっていることから下押しバイアスが強くなっている。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることから、下落調整局面となっている。短期的には下落基調となっていることから、雲の上限などで下げ止まるか注目される。

 

東京金の日足では、上向きの5日SMAがサポートラインとなり、上昇基調が継続している。現在5日SMAは5,871円に位置しており、下落調整局面で下げ止まるかが注目される。10日SMAの5,757円も上向きとなっており、サポートラインとして意識される。上値では、心理的な節目となる6,000円を上抜け出来るかがポイントとなる。NY金は米FRBのドル資金供給からドルの余剰感が強くなっており、ドル安による金買いが下支えとなる。1,700ドル台で値固めしてきている。為替市場では、ドルの余剰感が強まってきていることから、徐々に上値の重い展開となっており、じわりと円高が進行してきた。そのため、東京金の上値を抑える。

本日の注目点は、短期的な下落調整的な動きとなっており、5日SMAで下げ止まるかが焦点となる。また、上値追いとなった場合は、心理的な節目となる6,000円を上抜け出来るかにある。

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向 米長期金利低下で全般ドル売り!

2020/04/15/06:50:15

 

★欧州市場序盤の取引では、ドル全面安の流れが持続した。しかし、ドルの値幅は限定されており107.60円付近で推移した。なお、欧州株は高安まちまちで取引を開始した。欧州市場では、クロス円の下げにうつれてドル売りが進み107.50円を下抜けした。米長期金利や株価が伸び悩んだことを背景に日中安値を更新した後、ユーロ/円などが下げ渋る中ドル売り・円買いも一巡した。特段リスクオフになるニュースもなく、欧州株式市場も高安まちまちの取引が続いたが、ドル/円はじり安が継続した。

 

米長期金利の低下などを眺め全般ドル売りが進んだ流れに沿って、日通し安値を更新した。なお、G7財務相・中央銀行総裁はテレビ会議を開き、新型コロナウイルス感染拡大への対応策を議論した。米FRBのドル資金調達のひっ迫緩和するための措置を受けて米長期金利が0.77%から0.73%まで低下したことから、ドル売りが継続した。ドル売りが強まる中、一時106.93円まで下押したが、1日安値106.92円が目先サポートとして意識されると107.20円近辺まで持ち直した。

 

★欧米主要経済指標

・米・3月輸入物価指数:前月比-2.3%(予想:-3.2%、2月:-0.7 %←-0.5%)
・米・3月輸入物価指数:前年比-4.1%(予想:-5.0%、2月:-1.3%←-1.2%)
・米・3月輸出物価指数:前月比-1.6%(予想:-1.9%、2月:-1,1 %)
・米・3月輸出物価指数:前年比-3.6%(2月:-1.3%)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は106.93-107.11円のレンジ

・南ア中銀は政策金利を5.25%から4.25%へ引き下げ

・IMFが世界の成長予測をマイナス3.0%に引き下げ

・米FRBによる資金供給受けドルひっ迫感後退

・VIX指数は41.17から37.76へ低下

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NYダウは半値戻しで足踏みか?

2020/04/14/15:55:29

 

★NYダウの日足では、2月12日高値29,568.57ドルと3月23日安値18,213.65ドルを結んだフィボナッチリトレースメントと白銀比率では、半値戻しで足踏みとなっている。

38.2%戻しの22,551.23ドルや3月23日安値を起点として4月2日安値20,735.02ドルを結んだトレンドライン(S1)を下抜けすると再び下値模索の動きになりやすい。

 

過去100年間で『弱気相場』の目安となる直近高値からの下落率20%以上を記録したケースは13回(下落率平均38%)あるが、平均して2年4カ月で元の水準を回復しており、今回の14回目の弱気相場も『半値戻し』の攻防となっていることで、相場の節目となっている。

NYダウ平均は、誕生以来、世界最高の経済規模と軍事力を誇る米国の優良銘柄として、史上最高値を更新し続けてきた株式市場である。

 

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WTIとOVXからNYダウの動向を探る!

2020/04/14/13:04:28

 

★まずOVX(Cboe Crude Oil ETF Volatilitiy Index)は、シカゴ・オプション取引所が算出・公表する原油価格のボラティリティーを予測する指数で原油の恐怖指数のことを指す。

OVXが上昇すると価格は下落しやすくなるなど、VIX指数と米国株との関係と同様となっている。

原油価格とNYダウの動向を比較すると、原油安・株安になりやすく、原油高・株高になりやすい。

原油安・株高になっても上値も限定的となり徐々に上値が重くなりやすい。

OVXは3月20日に190.08まで上昇後は徐々に低下傾向となっており、4月13日時点では114.44まで低下してきた。しかし、原油価格は低下基調が続いている。そのため、株式市場の売りが再び起こる可能性も警戒される。

原油価格が持ち直さないと、米国株も上値が限定的となりその後は原油価格とともに下落基調になりやすい。

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