★日経平均株価:リスク回避の動き後退で下げ幅縮小
米利上げペースの加速観測が後退したことやドル安地合いなどにより、上値の重さが意識されている。17-18日にドイツでG20財務相・中央銀行総裁会議が予定されているほか、その後の週明け20日は日本市場が休場となるため、利益確定売りと新規投資の手控えが予想される。さらに、3月決算対策売りや日本の政治的リスクの浮上なども重しとなりやすい。日経平均株価は前日比79円安の1万9510円で寄り付いた。その後は、ドル/円や原油価格が安定しているほか、前日の米国経済指標の改善などにより、過度なリスク回避が抑制されていることから、下げ幅を縮小している。
★東京外国為替市場:本日もドル/円はレンジ相場か
ドル/円は、米長期金利が再び上昇基調にあることから、113円割れでは実需や利益確定買いに支えられ、下値は限定的となっている。ただ、114円台では同様に調整的なドル売りも散見されるなど上値も重い。本邦の3連休を前にして、もみ合い相場が予想される。ユーロ/ドルは、オランダの下院選挙選の結果を受けて、ユーロは底堅い展開を見せている。ただ、1.08ドル台では引き続き戻り売りが根強く上値が重い展開となっている。
本邦輸出勢は引き続き114円台半ばから115円台でドル売りスタンス。米系短期筋は113.55円からドル売りが継続的に観測されている。一方、本邦輸入勢は113.00円からドル買いスタンス。米系短期筋も113円割れからドル買いが継続的に観測されている。
★G20財務相・中銀総裁会議が終了するまでは油断禁物
ビックイベントの一部だった米FOMCは、利上げがあったものの加速的な利上げは後退したこと、オランダの先行で右派が勝利出来なかったことで、市場は一定の落ち着きを維持している。ただ、今晩のメルケル首相とトランプ米大統領の首脳会談が予定されており、週末にヤマ場を迎えることから油断はできない。また、需給面では、本邦企業の決算期末を睨んで、株や為替の決算対策のフローが焦点となっている。このようなポジションはほぼ今週末でピークを迎えるものの、3連休を睨んで、最終的な売りが出る可能性には警戒も必要となる。
★徐々に米労働市場のスラック解消:米利上げを後押し
米労働省が発表した1月のJOLT求人件数は562.6万件と12月553.9万件から増加した。労働市場が順調に拡大している新たな証拠となった。イエレン米FRB議長は労働市場のスラックを判断する上で同指数を重要視している。中でも労働者の雇用市場への自信を表明するとして最も重要視している退職率は2.2%と、12月の2.1%から上昇した。退職者数は322万人と、308.5万人から増加した。2月の雇用統計でも長期失業率が37.8%と、依然危機前の水準19.1%を下回ったままだが1月の40.0%から低下した。徐々にではあるが、労働市場のスラックが順調に解消している証拠となった。年内2回の利上げを後押しする結果となった。
★米トランプ米政権の予算方針:国防費が大幅増
トランプ米政権は16日、2018年会計年度(17年10月~18年9月)の予算方針を発表した。国防費を大幅い増やすため、地球温暖化対策を担当する環境保護局の予算を前年度比31%削減し、外交を担う国務省と開発援助を手掛ける国際開発局の予算を合計で28%減らす。予算方針は政権の意向を反映しやすい裁量的経費の使い道を示した。年間支出額の概ね3分の2を閉める公的年金や医療費関係などの義務的経費の配分や、税制改革案を含む歳入見通しは、5月に議会に提出する正式な予算教書に盛り込まれる。
★欧州市場序盤では、米長期金利の低下が一服となるなか、ドル売り圧力も緩和され、113円台前半まで回復した。ドル/円は113.00円台を割り込み、一時112.90円付近にドルが続落となったが、3月1日安値112.75円水準に下値をサポートされた。欧州株が堅調に上昇幅を広げたことで、リスク回避の円買いの動きは失速した。米長期金利が上昇したこともドル買い戻しにつながった。アジア市場に付けた日通し高値113.54円が目先戻りの目処として意識されると上値が重く、米経済指標が強弱まちまちだったことから、ドル買いにはつながらなかった。米長期金利の上昇に伴う買いが入った半面、日経先物が弱含んだことが重しとなった。株式市場の下げ幅拡大に連れてリスク回避の動きが強まり113円台割れとなったが、112円台では押し目買いなどが入ったため下値も限定的だった。米長期金利の上昇に伴う買いが入ったほか、ムニューシン米財務長官が『長期的なドル高は良いこと』と述べたことが相場の支え要因となった。
米長期金利は上昇したものの、米ドルインデックス指数が前日比マイナス圏で推移したため戻りも限定的となった。結局、欧米市場では113.00-50円のレンジ相場で方向感の乏しい展開となった。
★ユダヤの法則である『78対22=100』を移動平均線に置き換えてドル/円を日足で見てみると、結構分かりやすい法則が出てくる。
まずは、22日線(赤線)を上抜けしたら、基本的に買い目線となり、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)買われ過ぎで反転するか、上値に78日線(青線)や100日線(緑線)が上値にある時は、ストキャスの過熱感を見ながらの戦略となる。ストキャスティクスに過熱感があり、78日線や100日線が上値抵抗ラインとなったら、ドッテン売り目線となる。
22日線を下抜けしたら、基本的には売り目線となり、ストキャスティクス・スローが売られ過ぎ反転するまではポジションキープとなる。また、22日線を下抜けしても、下方に78日線や100日線がある場合は、両線が下値支持ラインとなることもあるので、ストキャスティクスの過熱感を見ながらの戦略となる。
現在22日線の113.890円を下抜けしているが、100日線の113.120円が下値支持ラインとなっている。しかし、ストキャスティクスが買われ過ぎ域から下向きとなっていることから、100日線を確り下抜けしたら売り目線となる。
どちらかと言うと、この戦略はドル売り/円買いの仕掛けの方が分かりやすい。
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