★欧州市場序盤では、新規財慮難のなか為替は全般もみ合い商状となった。欧米株は全面高だったが、米長期金利がやや低下するなか、ドルは全般的に伸び悩んだ。欧州株が上昇幅を縮小、日経先物も伸び悩むなか、ドル/円は戻り売りに押されて110.90円台でもみ合い推移。米長期金利の低下が一服となり下押しも限定的だった。ダドリー米NY連銀総裁が『インフレはFRBが望む水準を下回っている』と述べると110.91円まで下げたが、その後に『我々は金融状況をそれほど引き締めていない』と発言すると米長期金利上昇とともにドルは反発した。米長期金利が上昇幅を拡大したほか、NYダウが120ドル超や日経先物が上昇したことで111.39円まで上げた。ただ、先週末高値の111.41円に上値が抑えられた。米長期金利が上昇幅を拡大したことを背景に円売り・ドル買いが進行し、111.41円を上抜けした。米長期金利がさらに上昇幅を広げたことを手掛かりに111.60円まで上げたが、NY午後に入り値動きが細った。
ダドリーNY連銀は、どちらかというと金融引き締めについてはハト派と見られているだけに、タカ派的な発言に反応したと。本日は『ゴトー日』ということもあり、仲値までは強含みで推移する可能性が高い。仲値決定後からの市場に注目。
★欧州時間に入って米格付け会社ムーディーズが、豪主要4銀行の格付けを『AA2』から『AA3』に引き下げたことで、豪ドル/円は失速した。
フィボナッチトレースメントと白銀比率で見てみると、半値戻しの84.47円近辺が上値抵抗ラインとなるかが焦点となる。戻りきらない場合は、再び下落基調となりやすいが、半値戻しを上抜けるようならば上昇基調は維持される。
現在は38.2%戻しの84.42円近辺でのもみ合い相場となっている。
★ポンド/円は、週明けオセアニア時間をボトム141.30円として、アジア時間午前に付けた高値141.98円がその後の相場の変動に影響したことが分かる。一旦高値を付けた後、半値戻しまで下落したが、サポートラインとして意識され再び反転した。その後も、半値戻しが意識されていたことが分かる。半値戻しを下回らなかったことから、再び上値追いの動きとなった。そして欧州時間帯では全値戻りでもみ合った後、上抜けるとストップを巻き込んだような窓を開けての上値追いとなった。
為替市場では、大きく動いた後はその相場を引きずることが多いので、上下に大きく動いた後はフィボナッチトレースなどを引いて見ていくのが良い。特に今回のように半値押しや半値戻りなどが重要ポイントとなりやすい。
★日5月貿易収支:市場予想より弱い結果
財務省が発表した5月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた輸入超過額は▲2034億円の赤字となり、市場予想の+433億円の黒字に反して赤字になった。
★日経平均株価:リスク選好の動きで上げ幅拡大
米国の経済指標悪化と米長期金利の低下、ドル安・円高の地合いなどが重しとなりやすい。安倍政権の支持率急落による政治不安定化も、日本株の高値警戒売りやヘッジ売りなどを後押しさせる。ただ、米FRBによる利上げ継続や資産縮小の準備は、過度なドル安・円高を抑制させる。日本株は株主総会が本格化するなか、自社株会や配当増加、新たな買収や事業再編といった成長戦略への期待感も残されている。日経平均株価は、前週末比31円高の1万9974円で寄り付いた。その後は、為替市場でドル/円が111円台を回復するなど、リスク選好の動きが強まり、上げ幅を拡大して推移している。
★東京外国為替市場:ドル/円は111円台を回復
ドル/円は、一時111円台を回復したものの、米長期金利の伸び悩みや日経平均株価の2万円台維持定着が出来ないこともあり、当面は実需や利益確定売りにおされ上値の重い展開が予想される。ただ、日米金利差を背景にしたドル買いニーズは根強く、ドル/円110円トライを目指すには新たな材料が必要となる。ユーロ/ドルは、ポンド安が一服するなか、1.12ドル前後で試行錯誤を繰り返すなか、相変わらずドル主導の展開を余儀なくされている。このところのパターンでは、米長期金利が2.1%に接近するとユーロ買い、そして2.2%に迫る展開ではユーロ売り傾向となりやすい。
本邦輸出勢は引き続き期日決済以外は111円台後半から様子を見ながらのドル売りスタンス。米系短期筋のドル売りは111.50円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は110.50円からドル買いが観測されている。米系短期筋も110円台ではドル買いスタンス。
本日は特段の材料もないことから、株価や米長期金利の動向に左右されやすい展開となりそうだ。
★今週はFRB要人の講演が相次ぐ:発言内容で為替変動材料に
今週はFRB要人の講演が相次ぐ週となっており、今後の利上げや資産縮小のスケジュール、景気と物価の現状判断などが焦点となる。
朝方ロイターは、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁への電話インタビューとして、『最近のインフレ鈍化や一時的であるとの確証が持てるまでFRBは利上げをも来るべき、と考えるのは私一人ではない』との見方を示した、と報じた。為替市場では、瞬間ドル安に動いたが反応は限定的だった。
★6月13日付シカゴIMM投機筋の対米ドルでの差し引き持ち高
(6月6日) ⇒ (6月13日)
・円 :▲55,027 ⇒ ▲50,053
・ユーロ :+74,009 ⇒ +79,053
・ポンド :▲36,716 ⇒ ▲39,441
・豪ドル : ▲114 ⇒ ▲1,511
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