★9月10-16日分の対外及び対内証券売買契約等の状況
国内投資家は対外債券を3818億円買い越しとなり、買い越しは2週連続となった。対外株式は1419億円の買い越しとなり、買い越しは17週連続となった。また、海外投資家は対内株式は9186億円の売り越しとなり、売り越しは8週連続となった。また、対内中長期債は550億円の売り越しとなり、4週間ぶりの売り越しとなった。短期債は2251億円の買い越しとなり、買い越しは2週連続となった。
国内投資家の海外投資意欲は強いことから、為替市場での円高・ドル安時のドル買いの下支えとなっている。また、海外投資家の売り越しも8週連続となり、売り越し金額も徐々に増加していることから、今後の日本株に影響しそうな状況となっている。
★北朝鮮がトランプ米大統領に対して反発声明
朝鮮中央通信は、トランプ米大統領が国連の演説で北朝鮮を『完全に破壊する』と警告したことに対し、『北朝鮮の金朝鮮労働党委員長が史上最高の強硬対抗措置を検討する』との声明を発表した。
その後、韓国聯合ニュースによると、北朝鮮の制裁強化などに対する対抗措置は太平洋での水爆実験を意味する可能性がある。韓国聯合が朝鮮労働党の副委員長を引用して伝えた。
北朝鮮からの挑発行動を匂わせる声明であったが、市場での影響は限定的となっていた。しかし、韓国からのニュースが流れると地政学リスクが高まり、円買い地合いが強まっている。北朝鮮の挑発は週末や週初早朝に実施されることが多いことから、今週末も警戒が必要となる。ただ、北朝鮮の挑発については、市場は押し目買いの良い機会ととらえており、よっぽどの挑発行動以外は市場への影響も短期的なものとなる可能性が高い。
★オセアニア通貨がさえず:NZドル・豪ドルに売り
NZドルについては、明日のNZ総選挙が警戒されており、それを嫌気した売りが散発的に観測されている。
★日経平均株価:北朝鮮の制裁措置報道で下落基調に
FRBの12月利上げ観測とドル高・円安の地合い持続、前日のフィラデルフィア連銀製造業景況指数の大幅改善などが下支え要因となりやすい。前日の日銀金融政策会合では緩和不足を主張する片岡委員の存在が明らかになるなど、日銀の金融緩和長期化の見通しも支援材料となりやすい。しかし、日本株は前週から大幅上昇しており、高値過熱感も警戒されている。また、北朝鮮情勢の緊張リスクも残っているほか、日本では10月22日の衆院総選挙に向けて『万一の政治リスク』も無視できない。日経平均株価は前日比66円高の2万0413円で寄り付いた。その後は、底堅い展開で推移していたが、北朝鮮の制裁強化などに対する対抗措置は太平洋での水爆実験を意味する可能性があるとの報道で円高・株安が進みマイナス圏に下落している。
★東京外国為替市場:地政学リスクの高まりで円買い
ドル/円は、黒田日銀総裁が量的緩和継続姿勢を強調、そして、日米金利差を背景に底堅い展開が望めるが、北朝鮮情勢に対するリス回避の動きも根強くある。200日移動平均線の位置する112.16円が下値節目となるかが注目される。ユーロ/ドルは、1.19ドル台半ば前後でこう着度を強めているが、本日はドラギECB総裁の講演やメイ英首相の円前が予定されているなか、ECBの出口戦略、そして、ポンドの乱高下に付随する英国のEU離脱に関する発言に注目が集まる。波乱含みの展開が予想されるので注意が必要となる。
本邦輸出勢は期末・月末週を来週に控えて期日決済以外のドル売りは静観スタンス。米系短期筋のドル売りは112.75円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は111.85円からドル買いスタンス。米系短期筋は112円台前半からドル買いスタンス。
北朝鮮の対抗措置報道で地政学リスクが高まり円買い基調となったが、200日線近辺で下げ止まるかが焦点となる。
★欧州市場序盤では、ドル買いが強まったが、米長期金利が伸び悩むなか、全般的なドル高の流れは一服した。日銀総裁会見を受け一時112.72円付近にドルが続伸となったが、戻り売りに押されて、112.20円台にドルが失速した。欧州株の全面高が続く一方、米長期金利が前日比ほぼ横ばいとなり、ドル/円は利益確定以外では売り込みにくい状況で反発した。米長期金利が小幅に低下したことで、円買い・ドル売りがじわりと強まった。なお、前週分の米新規失業保険申請件数や米9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想より強い内容となったものの、相場への反応は限定的だった。その後は、昨日NY時間高値から下押しした水準である112.09円が目先のサポートとして意識されると、米長期金の低下も一服したことで112.40円台まで反発した。ロンドンフィキシングに絡んだポンド買いフローが入ったことで、ポンド絡みの取引が中心となったため、ドル/円相場は方向感が出なかった。米長期金利が上昇に転じたことで、円売り・ドル買いが出たほか、日経先物の上昇も相場の支援材料となった。
北朝鮮情勢の地政学リスクが後退したことから、現在では円売り材料ばかりが目につくようになっている。また、テクニカル的にも200日線を上抜けしたことで、112.16円近辺がサポートとして意識されやすい。ただ、トランプ米大統領は新たに北朝鮮への制裁について言及しており、週末にかけて北朝鮮の挑発行動があると、地政学リスクが再浮上する可能性も出てくる。そのため、週末による短期筋からの円ショートポジションの巻き戻しにも考慮が必要となる。
★豪ドル/円の週足では、7月21-28日週で200週線(紫線)の上抜けに失敗し、下落基調となった経緯があったが、いよいよ上抜けしてきた。この間13週線(赤線)が下値支持ラインとして下値を切り上げる展開となっていた。一旦上値抵抗ラインがなくなったことから、2015年12月4日週高値90.72円が次の節目となる。この節目を上抜けると2015年8月14日週高値92.69円が視界に入る。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%Kと%Dが上向きとなっており、上昇基調は継続している。
トレンド的にも2016年6月24日週をボトムとして、高値・安値を切り上げながら上昇してきていることから、上昇トレンドは継続している。
今週中に再び200週線の位置する88.47円を下抜けすると、今回の上抜けはダマシだったということになる。
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