FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/09/04/15:11:05

日経平均株価:円安進行で買い戻しの動きも

朝方は前日の米国株の下落した流れを受けて売りが先行した。しかし、米長期金利が持ち直したことで為替がやや円安方向に振れたことを眺めてプラス転換した。ただ、米中貿易摩擦の先行きに対する不透明感は残されたままで、基本的に見送りムードが続いている。結局、前日比23円高の2万0649円と小幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇でドルの買い戻し

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の持ち直しに支えられ、106.07円近辺までじり高となった。米長期金利が上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。しかし、前日に発表された8月米ISM製造業景況感指数が景気判断の分岐点となる50を下回り、米景気先行き不透明感が強まっていることから伸び悩み105.90円台へ小緩んだ。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら、106.00円台を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.0975ドルを挟んだ小幅な値動きに終始した。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

中国の低格付け企業の財務にボディーブロー

米ドル高が中国企業の財務にボディーブローのように効いてきた。信用力の低い企業が海外で発行したドル建ての高利回りは(低格付け)債から資金が流出し、格付けが同じ水準の米社債との利回り差拡大に歯止めがかからない。進み続ける対ドルでの人民元安に投資家の警戒感が高まっている。『ICE・バンクオブアメリカ・メリルリンチ・アジア・ドル建てハイイールド・コーポレート・中国発行体』は3日、満期まで保有した場合の最終利回りが9.01%に上昇した。今年3月1日以来の約半年ぶりに9%を突破した。世界中で金利低下が進む中、運用に四苦八苦する債券投資家にとって7月までは中国のドル建て債は魅力的な存在だった。そのため、借り換えや運転資金のためにドルを調達したい中国企業にとっても、旺盛な投資家の需要は『渡りに船』となった。しかし、米中関係が劇的に悪化した8月に市場の楽観ムードは一変した。米中摩擦がもたらした市場のリスク回避ムードは新興国から米国への資金還流を促し、ドル高を助長する。そして。投資家に中国企業のドル返済負担の高まりを意識させた。

 

英議会は離脱延期法案の審議入りへ

英下院は3日に欧州連合(EU)から離脱延期を要請する法案の審議入り動議を可決した。野党および与党保守党内で合意なき離脱に反対する議員らが議会の議事進行の主導権を握るための動議を提出した。328対301で可決された。ジョンソン首相は動議の成立後、法案が下院で可決された場合、前倒し総選挙の実施を目指す意向を示した。動議の可決で、離脱日を1月31日に延期する要請をEUに行うよう政府に義務付ける法案が4日にも可決される可能性が出てきた。なお、動議に賛成票を投じたフィリップ・ハモンド前財務相など21人の保守党議員は、党除籍となる。

ジョンソン首相は動議可決後に議会で『選挙は望んでいないが、議会があす交渉を停止し、数年に及ぶ可能性のある無意味な離脱延期を強制するための法案を可決すれば、選挙が唯一の解決策となる』と強調した。

 

米8月ISMは予想外の3年ぶり50割れでリセッション懸念

米供給管理協会(ISM)が発表した8月ISM製造業景況指数は49.1と上昇予想に反して7月51.2から低下し、2016年8月以降3年ぶりの50割れで活動の縮小を示した。50は活動の拡大と縮小の境目を示す。製造業活動は35カ月連続で拡大したのち縮小に転じた。ユーロ圏や中国に続く。今後、製造業関連の雇用などにも一段と影響を与えると見られる。 回答者は米中貿易摩擦に対して、より懸念を表明。サプライチェーンが製造拠点を中国から移しているとの指摘もあった。指数10項目のうち9項目が50を割り込み活動の縮小を示した。内訳の中でも最も重要な項目となる新規受注は50.6から47.2に落ち込んだ。43カ月連続で活動拡大したのち、顧客の需要は2015年12月以来初めての縮小に転じた。輸出は43.3と、2009年4月以降、リセッション以来の低水準に落ち込んだ。雇用も51.7から47.4と、2016年9月来の50割れ。34カ月連続で活動拡大後、縮小に転じた。仕入れ価格は3カ月連続の50割れとなった。

 

米国市場では7月貿易収支が公表

6月実績は▲552億ドルだった。対中物品貿易赤字は縮小したものの、対世界の物品貿易赤字は694億ドルに拡大しており、全体の貿易収支はわずかな改善にとどまった。7月については、対中輸出・輸入額はいずれも減少する可能性があるが、全世界向けの輸出額は減少する可能性があることから、貿易収支の顕著な改善は期待できない。

 

欧米イベント

○16:50   8月仏サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○16:55   8月独サービス部門PMI改定値(予想:54.4)
○17:00   8月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:53.4)
○17:30   8月英サービス部門PMI(予想:51.0)
○18:00   7月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲0.6%/前年比2.0%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○21:30   4-6月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比0.1%)
○21:30   7月カナダ貿易収支(予想:4.0億カナダドルの赤字)
○21:30   7月米貿易収支(予想:535億ドルの赤字)
○22:15   カーニー英中銀(BOE)総裁、ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、ハスケルMPC委員、ブリハMPC委員、議会で発言
○22:25   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)
○23:00   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、議会で発言
○23:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○5日01:30   ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、ブラード米セントルイス連銀総裁、イベントに参加
○5日01:30   デギンドスECB副総裁、講演
○5日02:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○5日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○5日04:15   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○東方経済フォーラム(安倍晋三首相が出席、滞在中に日ロ首脳会談、ロシア・ウラジオストク、6日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/09/03/15:15:13

日経平均株価:模様眺めムード強く引けにかけ上げ幅縮小

朝方は、中国が米国の対中関税第4弾発動について世界貿易機関(WTO)に提訴したことや、米中が9月の通商協議の日程調整に難航しているというブルームバーク報道などが、米中対立の長期化に対する懸念から安く始まった。しかし、ドル/円がやや円安に振れたことやアジア株が下げ渋ったことなどが支援材料となり、プラス圏に浮上した。市場からは、日本株の割安感に着目した買いが入っているとの声も出ていた。今週に発表が相次ぐ米経済指標の結果を見極めたいとして模様眺めのムード強く引けにかけて上げ幅を縮小した。結局、前日比5円高の2万0625円とわずかに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利が上昇したことでドル底堅い展開

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の持ち直しに支えられて、106.38円近辺までじり高となった。米長期金利が上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ただ、前日の欧州市場でつけた戻り高値106.40円が意識されると、上げは一服した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、106.20円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、一本調子の下落に対する警戒感から、利益確定や持ち高調整のユーロ買い・ドル売りが入り、1.09ドル台前半から1.09ドル台半ばへ水準を切り上げた。

 

中国政府は二者択一の難しい選択に迫られている

米中貿易摩擦の激化で、中国は外需鈍化に加え、内需を取り巻く環境も厳しさを増している。中国は大規模な減税・インフラ積み増しなどの積極財政で景気策を強化したが、その効果も鈍化が見込まれる。市場では金融政策面でも一段の緩和を期待する声も聞かれているが、中国人民銀行は難しい選択に直面している。金融リスク防止を最優先し、景気が鈍化するなかで、中国人民銀行は2019年の中国の金融政策を『積極的な財政政策と穏健な金融政策』を原則にしてきた。雇用を守るために低迷する投資のてこ入れや、外需のさらなる鈍化が見込まれるなか内需拡大の必要性に迫られているが、金利の引き下げは債務のさらなる膨張につながり、金融リスクを高めることになる。また、インフレが高止まりしていることや、過度な人民元安による資本流出も懸念されるなか、『景気を取るか』、『金融リスクを取るか』の難しい選択肢に迫られている。

 

トルコ政府は資金調達の多様化:日本・中国・ロシアで債券発行準備

トルコ財務省は2日、日本、中国、ロシアのそれぞれの通貨建ての債券を発行するために準備を進めていると明らかにした。トルコ国債は現在、9割以上がドルかユーロ建てとなっているが、資金調達手段の多様化を図る。同省は『市場と財源を多様化させるために異なる市場での借り入れ手段の活用に向けて取り組んでいる』と表明した。第1・四半期末時点で、トルコ国債の9割以上がドルかユーロ建てとなっており、6%近くがトルコリラ建て、2%近くが日本建てだった。

 

英ジョンソン首相は総選挙を辞さぬ構え:混迷深める英議会

英メディアは2日、欧州連合(EU)からの『合意なき離脱』も辞さないジョンソン首相が3日の下院採決で『合意なし』反対派に敗北した場合、10月14日投票の前倒し総選挙を提案する見通しだと報じた。選挙の実現には下院の3分の2以上の賛成が必要となる。与党・保守党を率いる首相は辛うじて過半数を維持する状況で、最大野党・労働党の動向がカギを握る。英国の離脱期限は10月31日。EUは同月17-18両日に首脳会議を開き、ジョンソン政権が要求する離脱合意案の見直しの可否を判断する。離脱案はメイ前首相が昨年11月にEUとまとめたが、その後の議会で三度否決された。

 

米国市場では8月ISM製造業景況指数が公表

7月実績は51.2で約3年ぶりの低水準に落ち込んだ。生産拡大ペースの鈍化や海外市場の不安定さが影響した。8月については、7月に低下した生産とと雇用、仕入価格は横ばいとなる可能性があることから、7月実績に近い水準となる可能性がある。

 

欧米イベント

○15:30   8月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%)
○16:00   8月トルコCPI(予想:前月比1.30%/前年比15.51%)
○17:30   8月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:45.9)
○18:00   7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比0.2%)
○18:30   4-6月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比年率2.4%/前年同期比0.8%)
○22:45   8月米製造業PMI改定値(予想:50.0)
○23:00   8月米ISM製造業景気指数(予想:51.1)
○23:00   7月米建設支出(予想:前月比0.3%)
○4日06:00   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/09/02/15:15:26

日経平均株価:下値では押し目買いも入るが上値も重い展開

朝方は、米中の追加関税発動を受け、売り優勢で始まったものの、その後は今晩の米国市場がレーバー・デーで休場となることから様子見ムードが広がり、前週末に比べて小幅安の水準で推移した。方向感に乏しい動きとなり、前場の日経平均は上下に狭いレンジの振れにとどまった。市場では、米中の追加関税発動に対して織り込み済みとみる関係者が多かった。ヘッジファンドなど海外短期筋の売りに一時下げ幅を90円に広げたものの、下値では押し目買いに支えられた。結局、前週末比84円安の2万0620円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米国市場休場で様子見ムードの強い相場

ドル/円は、本邦実需筋のドル買い・円売りや上海総合株価指数の反発に支えられて、106.24円近辺までじり高となった。財新・マークイットが発表した中国8月製造業購買担当者景気指数PMIが、50.4と景気判断の分岐点となる50を3ヵ月ぶりに上回ったことも、円売りを誘った。しかし、トランプ米大統領の不規則発言が警戒されていることから上値を追う動きは限られ、106.10円台へ小緩んだ。午後は、日経平均株価をにらみながら、106.20円前後でもみ合う展開となった。本日は米国市場がレイバー・デーで休場となるため、様子見気分も強かった。ユーロ/ドルは、夕方から参入して来る欧州勢待ちの様相を呈しており、1.0990ドル前後で方向感に欠く値動きとなった。

 

消去法で投資マネーは金に向かう

世界的に金利は低下しており、いまや世界の国際の25%はマイナス金利となっている。欧州の銀行では大口の預金者に対して手数料という名目で金利を徴収することを予定している。大口の預金を持つ投資家は預金を引き出して、何かに投資せざるを得ないが、これという投資対象が金以外にはあまり見当たらない状況となっている。金にお金が向かわざるを得ない。金ETF(上場投資信託)への資金流入が活発になっているのも、理解しやすい。金ETFの代表銘柄であるSPDRは8月だけで90トンを超える資金流入があり、残高は880トンを超えた。過去最高の水準だったのは、英国の国民投票でEU(欧州連合)離脱が予想に反して可決した2016年7月の982トンで、まだ少し差はあるが、8月のような調子で資金流入が続けば、1月ちょっとで直近最高に並ぶことになる。民間の投資家だけでなく、国や中央銀行などの公的機関も金の購入を増やしている。今年1~6月の公的機関の金購入量は約374トンとなり、1971年以来最高となった。ロシアや中国、ポーランドなどがドルの代替資産として金の保有を増やしている。ロシアは7月に9トン余りの金を購入した。

 

8月韓国輸出は9カ月連続のマイナス

韓国政府が発表した8月の輸出は前年比13.6%減少し、9カ月連続でマイナスとなった。最大の輸出相手国である中国からの需要の鈍化や、世界的なコンピューターチップ価格の下落が背景にある。2桁台のマイナスとなるのは3ヵ月連続となる。これは韓国の成長見通しをさらに悪化させ、中銀が追加的な金融緩和を実施すべきとの主張を強めることになる。輸出は全体の5分の1を占める半導体は30.7%減少した。半導体を除いた輸出は8.7%減にとどまった。輸入は前年比4.2%減少した。8月の貿易収支は17億2000万ドルの黒字となった。7月は24億ドルの黒字だった。

 

アルゼンチンペソ急落防止を狙って外貨取引規制を再導入

アルゼンチン政府は1日、外貨取引規制の再導入を承認した。官報の告示によると、企業はドルの購入を制限され、外為市場で外貨を購入して海外に送金するには、中央銀行の承認が必要となる。中銀によると、個人による自分の口座からのドル引き出しは制限の対象外だが、月当たり1万ドルを超える引き出しや送金は制限される。また、輸出業者は外貨収入を期限内に現地市場でペソに交換するよう義務付けられる。企業がドルを溜め込むことは禁止。アルゼンチンは8月11日の大統領予備選で野党のフェルナンデス元首相が現職のマクリ大統領を抑えて首位に立った。改革派のマクリ大統領の再選が危ぶまれる状況となったことから、通貨ペソや株式、債券が急落した。中銀は8月28日以来、ペソ防衛のために10億ドル近い外貨準備をつぎ込んだ。しかし、ペソは下落に歯止めがかからず、年初来の下落率は36%に達している。大統領選は10月27日に実施される。

 

欧米イベント

○15:30   7月スイス小売売上高
○16:00   8月トルコ製造業PMI
○16:00   4-6月期トルコ国内総生産(GDP、予想:前年比▲2.0%)
○16:30   8月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:45.4)
○16:50   8月仏製造業PMI改定値(予想:51.0)
○16:55   8月独製造業PMI改定値(予想:43.6)
○17:00   8月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:47.0)
○17:30   8月英製造業PMI(予想:48.4)
○3日03:00   8月ブラジル貿易収支(予想:33億ドルの黒字)
○米国、カナダ(レーバーデー)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/08/30/15:15:34

日経平均株価:米国株につれ高でも見送りムード強い展開

朝方は、前日の米国株式市場が上昇したことを受けて、先物主導でほぼ全面高症状でスタートした。外国為替市場でドル/円が106円台で推移したことや、米中対立の緩和期待から安心感を誘った。ただ、買いが一巡した後は、週末である事情も加わり見送りムードが支配し、値動きが鈍った。結局、前日比243円高の2万0704円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米国市場の3連休を控えた持ち高調整

ドル/円は、短期筋などの利食い売りに押されて、106.35円近くへ軟化した。さらに、月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。しかし、米中通商交渉の再開が期待されているため下値を追う動きは限られ、106.50円付近へ根を切り返した。中国人民銀行が発表した人民元の基準値は、前日よりも元安に設定されたが、市場の反応は限定的だった。午後は、米国市場の3連休を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、106.39円程度までじり安となった。ユーロ/ドルは、次期ECB総裁に任命されたラガルドIMF専務理事が、利下げや金融緩和に前向きな姿勢を示していることから、1.10ドル台半ばでユーロの上値が重い展開となった。

 

英ジョンソン首相はEUとの合意なき離脱へ突き進む

ジョンソン英首相は前日、議会開会を正式に宣言する女王演説を10月14日に設定し、エリザベス女王はこれを容認。これによって、議会は9月中旬から10月14日まで閉会され、10月17─18日に開催のEU首脳会議までに残された時間はわずか数日、EU離脱までは2週間強となる。離脱期限までの議会の審議時間を大幅に短縮し、合意なき離脱阻止に向けた議会の動きを封じ込める考えとみられる。 労働党のコービン党首は記者団に対し、夏休みで休会入りしている議会が9月3日に再開次第、合意なき離脱阻止に向けたプロセスに着手すると述べた。
コービン氏は『英国が10月31日に合意なしにEUを離脱するリスクにさらされており、これを止める必要がある』と言明した。『われわれが目指しているのは9月3日にジョンソン首相を政治的にストップすることだ』とし、『合意なきEU離脱を阻止する法案を可決し、この重要な時期に議会を閉会することを阻止するための議会のプロセスに乗り出す』と述べた。

 

ハリケーンでフロリダ州に非常事態宣言

アメリカの気象当局によると、ハリケーン『ドリアン』は、現地時間29日午後5時の時点で大西洋の海上を北西に進んでいて、来週前半には5段階のうち上から2番目に強い「カテゴリー4」に発達して、南部フロリダ州に上陸する見通し。
大型のハリケーンがアメリカに上陸するとの見通しを受けて、トランプ大統領は『われわれの最優先事項はハリケーンの進路に住んでいる人たちの安全だ』と述べ、対応にあたるため予定していたポーランドへの訪問を延期すると発表した。

 

米中貿易摩擦後退もリスクは存続

米中貿易摩擦深刻化への懸念が緩和し、リスク回避の動きが一段落した。9月1日の関税発動を前に、中国が米国との貿易摩擦問題を冷静に解決する意向を示した。中国の商務省が29日、貿易緊張の激化に反対。米国との貿易戦争を冷静に解決、現状では報復しない意向であることが報じられた。ただ、状況は依然流動的で行方を睨む展開となる。関税の行方に加えて、香港の状況も依然緊迫化しており、リスクは存続している。また、長短金利逆転動向など、米国債券動向にも引き続き注目が集まる。米国30年債利回りは下げ止まり、過去最低水準から上昇。ムニューシン米財務長官は超長期債の発行を真剣に検討しているとしており、相場の上値を抑制する要因になる可能性もある。

 

欧州市場では8月ユーロ圏消費者物価コア指数が公表

7月実績は前年比+0.9%だった。全体の物価上昇は抑制されていた。8月については、エネルギー価格に大きな変動は生じないことや、域内の需要はやや弱含みだったことから、全体の物価上昇率は7月並みの水準となる可能性が高い。

 

欧米イベント

○未定   8月月例経済報告
○15:00   8月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○15:00   7月独小売売上高指数(予想:前月比▲1.0%/前年比3.3%)
○15:00   7月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比9.00%)
○15:45   7月仏財政収支
○15:45   7月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   8月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.4%/前年比1.0%)
○16:00   8月スイスKOF景気先行指数(予想:94.5)
○17:00   8月ノルウェー失業率(予想:2.3%)
○17:30   7月英消費者信用残高(予想:10億ポンド)
○17:30   7月英マネーサプライM4
○18:00   7月ユーロ圏失業率(予想:7.5%)
○18:00   8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.0%)
○18:00   8月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.0%)
○18:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00   7月南アフリカ貿易収支(予想:20億ランドの黒字)
○21:00   4-6月期インドGDP(予想:前年同期比5.7%)
○21:30   6月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%/前年比1.4%)
       4-6月期カナダGDP(予想:前期比3.0%)
○21:30   7月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.3%)
○21:30   7月カナダ原料価格指数(予想:前月比1.5%)
○21:30   7月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.5%)
       7月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       7月米PCEデフレーター(予想:前年比1.4%)
       7月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
○22:45   8月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:47.5)
○23:00   8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:92.1)
○トルコ(戦勝記念日)、休場
○9月1日 米政権、対中関税第4弾発動

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/08/29/15:10:54

日経平均株価:買い材料乏しく小動き

朝方は米国株が反発した流れを引き継いで上昇したが、その後は追加の買い材料が見当たらず、マイナス圏へ転換した。米中貿易摩擦による世界景気の鈍化懸念も残る中、NYダウ先物の軟調推移やドル/円のじり安などをにらんで下げ幅を拡大し、一時100円超に拡大した。しかし、後場に買い戻され下げ幅を縮小した。結局、前日比181円安の2万0460円と小反落で終了した。

 

東京外国為替市場:105円台後半で底堅い展開

ドル/円は、米中貿易摩擦が長期化するとの懸念から調整色が強まり、105.77円近辺まで下落した。日経平均株価の下げ幅拡大や米長期金利の低下も、ドル売り・円買いにつながった。しかし、今晩の米経済指標を見極めたいとの雰囲気から下げは一服し、105.90円近辺まで値を戻した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら、105.90円を挟んでもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.10ドル台後半で小幅な値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国議会停会なら合意なき離脱の可能性高まる

英政府は欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)計画を議会に妨げられるのを回避するため、10月14日まで約1カ月にわたり議会を停会することを模索する。BBCが報じた。ガーディアン紙もこうした動きを伝えた。議会停会は、ジョンソン首相の合意なきEU離脱を阻止しようともくろむ議員の議会活動時間を制限することになる。英野党は27日、EUからの合意なき離脱を回避するため、ジョンソン首相に離脱延期申請を義務付ける法案の可決を目指すと表明した。ガーディアンの政治エディター、ヘザー・スチュワート氏がツイッターで明らかにしたところによると、議会の開会期間を制限する政府の動きを巡る会合は、28日にスコットランド・バルモラルにあるエリザベス女王の別荘で開かれる予定。バッキンガム宮殿はコメントを避けた。

 

トルコリラは足もとでは下落圧力強まる

今月に入って以降の国際金融市場では、米中摩擦の再燃や世界経済の減速懸念に伴い、新興国を取り巻く環境悪化が懸念される。ただし、昨年の政治要因を契機に下落したトルコ・リラは比較的落ち着いた動きが続いたが、足下では一転下落圧力が強まっている。インフレの高止まりにも拘らず中銀が事実上の金融緩和に動いたほか、南東部の3市長に対する職務停止を受け、イスタンブール市長が解任に追い込まれるとの観測も影響した。なお、27日から訪露中のエルドアン大統領はロシアとの防衛協力などで合意するなど、米国の対トルコ制裁に繋がる懸念も高まっている。経済制裁による直接的な影響は限定的とみられるが、EUなどが同調すれば資金流入が細るほか、リラ相場が急変するリスクもあり、当面リラ相場から目が離せないと言える。

 

トランプ再選シナリオに黄信号:制裁関税で減税効果も帳消し

8月23日に互いに制裁関税の報復合戦を演じたばかりの米中だが、頓挫していた9月の閣僚級協議を開き再交渉が決まった。双方共に2018年の輸入額上限に達した追加関税を引き上げていけば特に中国経済への打撃が甚大となり、米国も世界経済減速による企業の業績悪化や設備投資の鈍化、家計の関税負担の増大など無傷ではいられない。
30年ぶり税制改革で1世帯約800ドル底上げされた個人所得ヘの減税効果も帳消しとなり、トランプ再選シナリオに黄信号が灯る。むろん、米中貿易戦争の長期化に米FRBはゼロ金利への大幅利下げで対応せざるを得ないが、FRB内部の利下げ反対のタカ派攻略でパウエル議長の手腕が問われる。

 

米国市場では4-6月期国内総生産(GDP)改定値が公表

参考となる速報値は前期比年率+2.1%で予想を上回った。輸出や在庫投資は減少したものの、個人消費は予想以上に堅調だった。改定値については、設備投資や住宅建設投資が減少していること、個人消費の上方修正は期待できないことから、速報値の伸びや率をやや下回る可能性がある。

 

欧米イベント

○15:00   4-6月期ノルウェー国内総生産(GDP、予想:前期比0.5%)
○15:45   7月仏消費支出(予想:前月比0.3%)
○15:45   4-6月期仏国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.2%)
○16:00   7月トルコ貿易収支(予想:32億ドルの赤字)
○16:55   8月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化4000人)
○18:00   8月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲7.1)
○18:00   8月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:102.3)
○18:30   7月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比5.4%)
○21:00   8月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.1%/前年比1.5%)
○21:00   4-6月期ブラジルGDP(予想:前年同期比0.8%)
○21:30   4-6月期カナダ経常収支(予想:98億カナダドルの赤字)
○21:30   4-6月期米GDP改定値(予想:前期比年率2.0%)
           個人消費(改定値、予想:前期比4.3%)
           コアPCE(改定値、予想:前期比1.8%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/168万人)
○23:00   7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比横ばい/前年比1.8%)
○30日02:00   米財務省、7年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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