FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/05/27/15:14:02

日3月景気動向指数は悪化に変更

内閣府が発表した3月景気動向指数(改定値)が景気現状を示す一致指数が前月比1.1pt低下の99.4となり内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を『悪化を示している』に変更した。なお、13日発表の3月景気動向指数(速報値)は前月比0.9pt低下の99.6、数ヶ月後の景気を示す先行指数は1.2pt低下の95.9だった。

 

日経平均株価:出来高は4年5ヵ月ぶりの低水準で様子見

前週末の米国株高に加え、日本株は直近の下落で値ごろ感もあり買いが先行した。トランプ大刀慮が26日、日本との通商合意について7月の参院選後まで待つとの姿勢をツイッターで示したことも材料視された。上げ幅は一時100円を超えたが、日米首脳会談を控えた様子見姿勢や円高懸念などで伸び悩んだ。トランプ大統領は27日、日米首脳会談を前に都内で記者団に対し、『われわれは通商に関しておそらく8月に何らかの発表をする見通し』などと発言したが、市場の反応は限定的だった。市場では『自動車や為替など日本が警戒する分野に関する交渉の着地点がみえたわけではなく、引き続き上値を抑える要因になりそうだ』との指摘もあった。結局、前週末比65円高の2万1182円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:様子見ムード強く109円台半ばでこう着相場

ドル/円は、本邦実需筋のドル買い・円売りや日経平均株価の上げ幅が一時100円を超えたことに支えられ、109.51円まで上昇した。しかし、24日に発表される米経済指標の低調な数字が意識され、上値を追う動きは限られた。その後は、短期筋などの利食い売りも見られ、109.45円前後でもみ合う展開となった。午後に入っても、109円台半ばで方向感の乏しい展開が続いた。本日は英米市場が休場となるため、全般様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、手掛かり材料に乏しく1.1210ドル前後で小幅な値動きに終始した。

 

中国の4月工業部門企業利益減少:需要や製造業の活動低迷

中国国家統計局が発表した4月の工業部門企業利益は前年同月比3.7%減の5154億元(748億ドル)だった。需要や製造業の活動が低迷した。3月は13.9%増と8ヵ月ぶりの大幅な増益を記録していたが、一時的だった可能性がある。政策当局に景気対策の強化が強まる可能性がある。1-4月工業部門企業利益は前年同期比3.4%減の1兆8100億元。1-3月は3.3%減だった。

 

中国は米中貿易戦争に徹底抗戦の表現増える

中国国営新華社は25日の社説で、中国の国有企業の発展を妨げる米国の要求は、中国の経済的主権の『侵害』だと指摘した。新華社は『米政府は交渉の場で、国有企業の発展を妨げるような複数の傲慢な要求を提示した』とし、『こうした要求は明らかに貿易交渉の範囲を超えるものであり、中国の根本的な経済システムに関わるものだ』と批判した。 また『これは米国が対中貿易戦争の背後で中国の経済的主権を侵害し、中国に自国の基本的な利益を損なわせようとしていることの表れだ』との見方を示した。

 

欧州議会選ではEU懐疑派は伸び悩む

欧州連合(EU)欧州議会選改選で、EUの強化を訴える勢力が3分の2の議席を堅持したことが公式推計で明らかになった。ただ、現在大連立を組む二大会派は過半数割れとなった一方で、反EUの極右およびナショナルリズム勢力が議席を大きく伸ばした。議会第1会派の中道右派・欧州自民党(EPP)は179議席、大連立を組む中道左派の欧州社会・進歩連盟(S&D)は152議席をそれぞれ確保したが、合計で過半数には届かなかった。一方、親EU勢力のなかでもリベラル会派は36議席増の105議席、緑の党は17議席増の69議席となった。また、極右の2会派は111議席と、前回2014年の議会選から40%増えた。

 

欧米イベント

○英国(スプリング・バンク・ホリデー)、米国(メモリアルデー)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/05/24/15:15:02

いよいよトランプ大統領が来日

トランプ大統領が、新天皇即位後初の国賓として25日から28日まで日本を訪れる。安倍首相は、大統領とゴルフをプレーし、大相撲を観戦するなど日米の『蜜月』をアピールする。夏の参院選を前に『外交力』を印象付ける狙いもある。ただ、日米首脳会談では、自動車・農産物などの通商交渉も議論するとみられ、友好ムードの裏でのかけ引きからも目が離せない。

 

日経平均株価:押し目買いや先物への買い戻しで下げ幅縮小

朝方に心理的節目の2万1000円を割り込んだ後、下げの勢いが強まらなかったことで個人投資家の押し目買いや株価指数先物への買い戻しが入り下げ幅を縮小した。ただ、米中対立への懸念が残る中、戻りに勢いは出なかった。後場に日銀が株式ETF買入れに動いたとの観測が支えとなり下げ幅を縮めた。市場では『ファーウェイに対する輸出規制は、中国だけでなく米国内企業にも悪影響を与える。そのため、ZTEの時と同じように罰金を科し、制裁を撤回するのが現実的なおとしどころと見る向きもある。結局、34円安の2万1117絵と小幅続落で終了した。

 

東京外国為替市場:109円台半ばから後半での値動き

ドル/円は、本邦実需筋のドル買い・円売りや日経平均株価の下げ幅縮小に支えられ、109.74円付近まで上昇した。米長期金利が小幅ながら上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。しかし、前日に発表された低調な米経済指標が意識され、上値を追う展開にはつながらなかった。その後は、トランプ米大統領が対中強硬姿勢を崩していないため、米中貿易摩擦は長期化するとの警戒感から、持ち高調整などのドル売り・円買いに109.60円台へ押しも出された。午後は日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら109.60円台でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、欧州議会選挙において、EU懐疑派の躍進が警戒されているため、1.1180ドル台でユーロの上値が重かった。

 

メイ英首相は与党・保守党の重鎮議員と会談:辞任次期を表明する可能性も

イギリスのメイ首相がEU=ヨーロッパ連合からの離脱をめぐる2度目の国民投票の是非を議会に問う考えを示したことで辞任の圧力がかつてなく強まる中、メイ首相は24日与党・保守党の重鎮と会談する。メイ首相が辞任の時期を表明する可能性もあるという現地の報道もあり、その去就が注目されている。イギリスのメイ首相は24日午前、日本時間の24日午後、与党・保守党の重鎮議員と会談することにしている。
イギリスの有力紙ガーディアンはメイ首相が辞任時期を表明する可能性について伝える一方で、政府関係筋の話として状況は依然極めて流動的だと伝えていて、メイ首相の去就が注目されている。

 

欧州議会選でオランダでは労働党が予想外の勝利の可能性

欧州議会選の投票が23日にオランダで実施された。出口調査によると、欧州委員会のティメルマンス第1副委員長の労働党が欧州連合(EU)懐疑派を下し、予想外の勝利を収める見通しだ。
出口調査によると、親EUの労働党は得票率18%で首位となった。世論調査でルッテ首相率いる中道右派と首位を争っていた極右の新興政党『民主主義フォーラム』は投票率11%で3位となる見通しだ。
世論調査では、労働党は善戦しても3位に終わるとみられていた。
次期欧州委員長のポストを巡り欧州議会の中道左派系の有力候補でもあるティメルマンス氏は出口調査の結果について、『欧州の他の中道左派に追い風となることを望む』と述べた。

 

1-3月期の全米家計債務残高が過去最高更新

NY連銀の調査によれば、1-3月期の全米家計債務残高が13兆6680億ドルと前期比+1240億ドル、9期連続でリーマンショック前(08年7-9月期)の12兆6800億ドルを超え、過去最高を更新した。住宅ローンが前期から改善したが学生ローンが過去最高を更新、家計債務の増大を後押した。ただ、2018年末の金融波乱が記憶に残り、貯蓄率は前期の6.4%から7.7%へ上昇、逆資産効果による個人消費の鈍化が貯蓄に回ったことは朗報である。

 

米国市場では4月耐久財受注が公表

3月実績は前月比+2.6%で市場予想を大幅に上回った。民間航空機・同部品が前月比+31.2%の大幅増となったことが要因となった。4月については、民間航空機・同部品の受注額が大幅に減少するため、全体の数字は減少する見込みとなっている。なお、企業の設備投資の先行指標となる『航空機を除く非国防資本財』(コア資本財)の受注は3月に前月比+1.3%の高い伸びを記録したが、4月は反動減となる可能性が高い。

 

欧米市場イベント

○17:30   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○17:30   4月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.3%/前年比4.6%)
      英小売売上高指数(自動車燃料除く、予想:前月比▲0.5%/前年比4.2%)
○21:30   4月米耐久財受注額(予想:前月比▲2.0%/輸送用機器を除く前月比0.2%)
○22:00   4月ロシア失業率(予想:4.7%)
○22:00   1-3月期メキシコ国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比横ばい/前年同期比1.4%)
○米債券市場は短縮取引(メモリアルデーの前営業日)
○欧州議会選挙(26日まで)
○25日 トランプ米大統領が国賓として来日(28日まで)
○26日 スペイン地方選
○26日 ベルギー下院選
○26日 独ブレーメン州議会選

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/05/23/15:15:10

日経平均株価:米中貿易摩擦の拡大が意識され売り優勢

トランプ米政権が中国の監視カメラ大手に対する禁輸措置を検討していると報じられ、米中貿易摩擦の拡大が意識された。朝方から半導体製造装置や電子部品などの主力銘柄で売りが先行し、下げ幅を一時200円超に拡大した。市場では『米政府による中国企業への締め付けがファーウェイ以外にも広がる可能性が出てきた。米中対立の先行きが不透明な状況の中、懸念が先行しやすい』との指摘があった。結局、前営業日比132円安の2万1151円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:心理的な節目110.00円近辺ではドル買いも

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅が一時200円を超えたことや上海総合株価指数のさえない動きをながめて110.09円まで下落した。米長期金利が低下したこともドル売りにつながった。しかし、心理的な節目となる110.00円が視野に入ると、下げは一服した。その後は、国内の輸入企業や機関投資家などがドル買い・円売りに動き、110.25円前後まで値を戻した。午後に、日経平均株価の下げ幅縮小で過度なリスク回避姿勢が和らぐと、ショートカバーが入って110.36円付近まで値を上げた。しかし、トランプ米政権が対中強硬姿勢を崩していないため、ドル買いも続かず110.30円近辺でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、1.11ドル台半ばでこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中通商協議は新たなステージ突入の可能性も

通商問題などを巡る米中の対立は長期化の様相を呈している。市場参加者の間では『米国側は二国間の貿易不均衡を是正することよりも、中国の経済的、軍事的膨張を阻止することを優先しているように思える』との声が聞かれている。貿易・通商問題を巡る米中の対立は両国による覇権争いとの見方も少なからず存在する。 米国は5月10日午前0時1分から、中国から2000億ドル相当の輸入品に対する関税率を現行の10%から25%に引き上げており、課税対象外となっている3250億ドルの中国製品についても25%の関税を課す可能性があると伝えた。米国はさらなる動きを見せており、商務省は政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁止する『エンティティーリスト』に中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と同社の関連68社を正式に追加した。市場関係者の間からは、『米国はファーウェイ排除の方針を変えていないが、中国側の対応を探っており、強硬姿勢で協議に臨むことは避けるのではないか』との声が聞かれている。また、『中国はレアアース(希土類)の輸出停止を視野に入れている』との思惑も浮上しており、通商問題などを巡る米中対立は新たなステージに突入し、対立の長期化は避けられないとの懸念が広がっている。

 

欧米市場では5月マークイット製造業PMIが公表

4月実績は47.9となった。5月については製造業の生産ペースが上がっていないことや、国際貿易環境の改善が遅れていることなどから、大幅な改善は期待できない。好不調の節目となる50を大幅に下回る状態が続く見込みとなっている。

 

26日にかけ欧州議会選を実施:EU懐疑派がの得票率に注目

5月23日から26日かけて欧州議会選が実施され、751人の欧州議会議員が選出される。5年に1度改選される同議会は今回で9回目の選挙となるが、これまでは欧州の人々にとってそれほど身近なものではなかった。全体得票率をみると、1979年に9カ国で始まった第1回直接選挙では62%弱だった数値が、そこからは毎回低下しており、前回2014年では約42%まで下げた。 ただし、今回は今までと様相が変ってきた。これまで2大政治会派を形成していた、中道右派・キリスト教民主党系の『欧州人民党(EPP)』と中道左派・社会民主党系の『社会民主進歩同盟(S&D)』が、2つの政治会派を合わせても過半数に届かない可能性がでてきた。一方で、イタリアの『同盟』やフランスの『国民連合』(旧「国民戦線」)を始めとしたEU懐疑派の支持率が予想以上に上がってきている。懐疑派が実際にどの程度まで得票率を伸ばしてくるか、親EU派がどの程度まで議席を維持できるか、人口約5億1000万人を擁するEUの決断待ちとなる。また、予定通りであればEUを離脱していた英国が参加することになり、大苦戦が予想される与党・保守党がいったいどの程度まで得票率を減らすのかもポイントとなる。

EU28カ国で行われる欧州議会選だが、投票日は国によって若干異なる。以下がその予定。
5月23日 英国、オランダ
5月24日 アイルランド
5月25日 ラトビア、マルタ、スロバキア
5月24-25日 チェコ
5月26日 他21カ国

 

米国市場では5月マークイット製造業PMIが公表

4月実績は52.6となった。5月については複数の地区連銀の景況指数が市場予想を上回っていることや、雇用情勢が良好であることから、4月実績をやや上回る可能性がある。

 

欧米イベント

○15:00   1-3月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比0.4%/前年同期比0.7%)
○15:00   1-3月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比0.6%)
○15:30   1-3月期スイス鉱工業生産指数(予想:前年同期比▲0.3%)
○15:45   5月仏企業景況感指数(予想:105)
○16:15   5月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.0)
○16:15   5月仏サービス部門PMI速報値(予想:50.8)
○16:30   5月独製造業PMI速報値(予想:44.8)
○16:30   5月独サービス部門PMI速報値(予想:55.5)
○16:30   4月スウェーデン失業率(予想:6.8%)
○17:00   5月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:48.1)
○17:00   5月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:53.0)
○17:00   5月独Ifo企業景況感指数(予想:99.1)
○17:30   4月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.2%)
○17:40   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○20:30   ECB理事会議事要旨(4月10日分)
○21:30   3月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.9%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/167.0万人)
○22:45   5月米製造業PMI速報値(予想:52.5)
○22:45   5月米サービス部門PMI速報値(予想:53.2)
○22:45   5月米総合PMI速報値
○23:00   4月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲2.8%/67.5万件)
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:6.75%で据え置き)
○24日01:00   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○24日02:00   カプラン米ダラス連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁、バーキン米リッチモンド連銀総裁、討論会に参加
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○インド総選挙の開票
○欧州議会選挙(26日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/05/22/15:25:21

日経平均株価:利益確定売りで上値の重い展開

寄付き後は上げ幅を広げ一時132円まで上昇したが、利益確定売りなどに押し戻された。市場では、『前日の米国株上昇はファーウェイに対する規制措置を米政府が一部緩和したことが好感されたものだが、このニュースはすでに織り込まれており、改めて買い上げていく材料とはならない』との指摘があった。日経平均は75日SMAに接近すると機関投資家などによる戻り待ちの売りが出やすい状況だった。結局、前日比10円高の2万1283円と小幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドルが底堅い展開で推移

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均株価の上昇に支えられ、110.62円近辺まで上昇した。売り先行で始まった上海総合株価指数が持ち直したことも、円売りを支えた。しかし、前日NY市場で付けた約2週間ぶりの高値110.67円が意識されると上げは一服し、110.55円近辺に小緩んだ。午後は、日経平均株価の伸び悩みをながめて持高調整などのドル売り・円買いに押され、110.36円近辺まで下落した。一部海外メディアが『トランプ米政権は大手監視カメラメーカーなど、5つの中国企業のブラックリスト掲載を検討している』と報じたことも、円買いにつながった。ユーロ/ドルは、明日から始まる欧州議会選において、ポピュリズム勢力が議席を増やすとの警戒感からユーロ売り・ドル買いが優勢となり1.1150ドル近辺まで下落した。

 

日本4月貿易収支は輸入増で予想下回る

財務省が発表した部尾駅統計速報によると、4月の貿易収支は604億円の黒字となった。中国向けの半導体製造装置や電子部品の輸出が減少する一方、イランからの原粗油輸入が増加した。貿易黒字は3ヵ月連続となり、4月の黒字額としては赤字だった2011年から14年を除くと08年4月の490億円以来の水準となった。前年同月との比較では90.3%の減少だった。貿易収支のうち、輸出は前年比2.4%減の6兆6588億円で、5ヵ月連続で前年同月を下回った。対中輸出の減少に加えマルタ向けの船舶がマイナスに寄与した。4月の対中輸出波動6.3%減の1兆2329億円だった。米国向け輸出は1兆4102億円と前年より9.6%増加した。一方、同月の輸入は前年比6.4%増の6兆5983億円と、2ヶ月連続で増加した。

 

OECDが2019年の世界経済成長率見通しを下方修正

経済協力開発機構(OECD)が21日発表した2019年の世界経済成長率見通しによると、成長率は3月時点と比べて0.1ポイント低下し、前年比+3.2%となった。OECDは今回、米国による対中関税引き上げの影響について試算している。試算によると、最悪のケースで世界の経済成長率は0.6ポイント下押しされるもようだ。日本の成長率見通については、輸出・生産の減少を背景に下方修正している。 昨年11月に2019年の世界経済の成長率見通しを公表した時点では、3.5%だったが、5月時点で0.3ポイント下方修正されている。OECDは先行きのリスクとして、貿易制限のさらなる拡大による投資・雇用・消費への弊害、中国経済の急減速の世界中の経済活動への影響、民間部門の債務を挙げている。
 なお、米中貿易摩擦の影響について、直近(5月)発動された米国による中国からの輸入2000億ドル相当に対する25%の関税導入と中国による600億ドル相当の米国製品に対する関税により、OECDは2021年から2022年にかけて中国の成長率を0.2ポイント程度、米国の成長率を0.2ポイント、世界の成長率を0.1ポイント押し下げると試算している。市場関係者の間では、「OECDが2019年の成長率見通しを下方修正したのは予想通りで欧州各国の株式市場の反応を見る限り、悲観的な予測ではなく市場に与える影響は大きくない」との見方が出ている。

 

為替市場では公表が遅れている米為替報告書に注目

市場では米国の半期為替報告書への警戒感が高まっている。例年4、10月の公表だが、5月下旬にはいってもまだ発表されない。対中貿易交渉で政治利用するために遅らせているのではないかなど様々な憶測が浮上している。注目が集まるのは報告書での中国の扱いである。中国はすでに為替操作の可能性を検証する『監視対象リスト』に入っている。前回報告書では『為替操作国認定』は見送られたが、足もとでは再び米中貿易交渉を巡る緊張感が高まっており、人民元安も進んでいる。交渉を有利に進めるために中国の通貨安誘導を批判する可能性もある。今回の報告書では監視対象国を現在の12カ国から20カ国に広げるため、判断基準を見直すとの報道もある。対処となる国の経常黒字の国内総生産(GDP)比を3%から2%に引き下げており、基準変更の措置に時間がかかって公表が遅れているとの見方もある。

 

23日から欧州議会選挙の投票開始

欧州連合(EU)で23日から4日間、欧州議会選挙の投票が加盟国ごとに行われる。ナショナリズムやポピュリズム(大衆迎合主義)を背景に各国で台頭する反EU勢力と親EUの主流派が対決する構図。英国のEU離脱を見据えた欧州統合の将来を左右する重要な選挙となる。
世論調査では、メルケル氏も所属する欧州議会の中道右派『欧州人民党(EPP)』と、中道左派『欧州社会・進歩連盟(S&D)』の主流派が初めて合計で過半数割れする見通しとなっている。他方、反EU勢力は計3分の1に達する勢い。ただ、オーストリアでは、連立与党の極右・自由党党首の副首相による汚職疑惑が発覚している。EPPメンバーのクルツ首相が連立解消と総選挙実施を決断するなど、欧州議会選を前に極右勢力には逆風も吹く可能性もある。 

 

欧米イベント

○16:30   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○17:00   4月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.8%/前年比4.5%)
○17:30   4月英CPI(予想:前月比0.7%/前年比2.2%)
      CPIコア指数(予想:前年比1.9%)
       小売物価指数(RPI、予想:前月比0.8%/前年比2.8%)
○17:30   4月英PPI(食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.2%)
○17:30   ビスコ・イタリア中銀総裁、講演
○18:30   プラートECB専務理事、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   3月カナダ小売売上高(予想:前月比1.0%/自動車を除く前月比0.9%)
○23:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:10   ボスティック米アトランタ連銀総裁、あいさつ
○23:30   EIA週間在庫統計
○23日03:00  米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月30日-5月1日分)
○22-23日   4月ロシア鉱工業生産(予想:前年比1.5%)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/05/21/15:12:19

日経平均株価:ファーウェイ問題でハイテク株中心に売り先行

中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)との取引を減速禁じる米政府の制裁措置が重石となり、前日の米国株の流れを引き継いだ。朝方からハイテク株中心に売りが先行した。また、上海総合指数が安寄り後プラス圏に浮上したことで、日経平均も下げ幅を縮めたものの、戻りは鈍かった。また、日銀の株式ETF買いへの思惑も支えになった。上値では2万1500円や200日SMAの2万1836円近辺が上値目処として意識された。結局、29円安の2万1272円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:110円台前半でもみ合い相場

ドル/円は、国内輸入勢のドル買い・円売りや米長期金利が小幅ながら上昇したことに支えられ110.20円付近へ値を上げた。上海総合指数の反発も、リスク回避の動きを和らげて円売りを誘った。午後もこの流れは続き、日経平均株価の持ち直しをながめてさらにドル買い・円売りが進み、110.26円まで上昇した。しかし、前日につけた110.32円が上値の目処として意識され、上げは一服した。その後は利食い売りも見られ、110.10円台を中心とした狭いレンジ内での動きとなった。ユーロ/ドルは、23~26日の欧州議会選において、EU懐疑派が勢力を拡大するとの警戒感からユーロ売り・ドル買いが優勢となり、1.1152ドル付近まで下落した。

 

消費増税延期なら日経平均は22,000~23,000円へ上昇:JPモルガンリポート

JPモルガン証券が21日付リポートで、消費増税延期のシナリオが実現する場合『市場が織り込む動きは向こう数週間以内に顕在化する公算が大きい』と指摘した。小売株など消費関連株への資金流入に加え、日本株の出遅れ感に着目した海外投資家の買いが入り『日本株全般の上昇要因になる可能性が高い』と分析した。これまで大幅に売り越してきた海外勢の買いによって、日経平均株価は22,00円~23,000円弱までの上昇余地があると試算した。過去2回の消費増税延期のケースでは、正式な発表がある1ヵ月前に、市場が先取りする形で株高・円安となった経緯がある。

 

欧州市場では今週、23-26日に欧州議会選挙が開催

各国ごとの代表選びで、反EU勢力が台頭するようなことや、イタリアのようにEU財政規律への反抗的な勢力が躍進すると、ユーロ安やリスク回避の円高材料となりやすい。ただし、ユーロに関しては、投機的なショート・ポジション(売り持ち)は5月14日分で▼95,301枚と積み残されたままとなっている。その意味で選挙前後にユーロ安波乱があっても、選挙後には『一旦の悪材料出尽くし』や『警戒イベント消化』などにより、短期的にユーロが買い戻される余地も残されている。

 

米国企業の設備投資減速傾向へ

米大手上場企業による工場や設備、その他の資本財への支出の伸びは、第1四半期に多くの産業分野で減速した。経済成長の重要な原動力が弱まりつつあるとの投資家の懸念が高まっている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が金融情報サービスのカルクベンチのデータを基に分析したところ、S&P500種株価指数の構成銘柄のうち、5月8日までに四半期決算報告を提出した356社の第1四半期の設備投資額は前年同期比3%増となり、同じ会社の昨年同期の伸び率20%を下回った。

 

CTAによる米国株のロングポジション解消に注意

米中貿易問題の激化を受けて昨日の米国株は反落した。特にハイテク株や半導体関連株に集中的な売りが浴びせられた。NASDAQ100指数先物でのCTA(商品投資顧問)の買い越しコストはNASDAQ総合指数に換算して7,695で機械的なロスカットを巻き込んだ可能性がある。S&P500種株価指数先物は機械的なロスカットを誘発するレベルである2,820ポイントを割り込んでいないが、引き続きロングの解消目線で臨んでいる。S&P500で2,910ポイント以上、NASDAQで8,000以上など早期に急騰しない限り、CTAがロング清算の機会を伺う展開が続く。

 

欧米イベント

○18:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○19:30   ビスコ・イタリア中銀総裁、講演
○23:00   5月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲7.7)
○23:00   4月米中古住宅販売件数(予想:前月比2.7%/年率換算535万件)
○23:45   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○22日01:00   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演

 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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