FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/06/03/15:10:59

日経平均株価:米国発の貿易摩擦の激化懸念で売り優勢

米国発の貿易摩擦が激化したことで世界景気の減速懸念が強まり、リスク回避の売りが先行した。外国為替市場で1ドル=108円台前半まで円高が進行し、輸出企業の採算悪化も懸念された。短期筋の先物売りで一時300円近い下げとなったが、長期資金の打診買いなどが入って下げ渋った。また、中国経済指標が底堅かったことも支えになった。結局、前週末比190円安の2万0410円と4日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:FRBの年内の利下げの思惑からドル軟調地合い

ドル/円は、トランプ米政権による保護主義的な通商政策の影響で、FRBが年内に利下げを実施するとの思惑から調整色が強まり、108.10円前後まで下落した。日経平均株価の続落も、リスク回避の円買いを誘った。午後もこの流れは続き、一意108.04円まで値を下げ、約4ヵ月半ぶりのドル安・円高をつけた。ただ、今晩発表される米5月ISM製造業景況感指数を見極めたいとの雰囲気から下げ渋り、108.20円近辺へ値を戻した。ユーロ/ドルは、1.11ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

4日の豪中銀定例理事会で利下げ確立は100%

オーストラリア準備銀行は4日に定例理事会を開き、政策金利を決定する。オーストラリア証券取引所の金利先物から算出される利下げ確立は前週末時点で100%と、利下げが確実視されている。豪中銀のロウ総裁は5月21日の講演で、『2週間後の利下げが必要か検討する』と述べている。現在の豪中銀の政策金利は過去最低の1.50%で、2016年8月以降、変わっていない。米中摩擦の激化を背景とした世界的な金利低下で、足もとの豪10年債利回りは1.4%台後半に下落し、政策金利を下回る水準となっている。

 

中国の包商銀行の公的管理に対して平静を呼びかけ

内モンゴル自治区の包商銀行が先月、当局の管理下に置かれたことを巡って、中国人民銀行は2日、ほかの銀行を管理下に置く計画は現時点ではないと強調し、投資家の懸念払拭に努めた。人民銀行は、金融市場を安定させ銀行システムの流動性を高めるため、さまざまな金融政策ツールを活用するとの姿勢を示したが、より幅広い緩和については言及しなかった。さらに、人民銀行は声明の中で『6月の流動性に影響するさまざまな要因を完全に把握、準備を整えている。市場の現金需給の状況に応じて、リバースレポや中期貸し出しファシリティーを柔軟に活用する』と表明した。

 

米国の対メキシコ5%関税引き上げで日系自動車メーカー営業利益下押し

米国政府がメキシコからの全ての輸入品に対する関税を5%へ引き上げると発表した。ゴールドマン・サックスは31日付けリポートで、5%の関税引き上げで、日系自動車メーカー4社の2020年3月期の営業利益にはいずれも下押し要因となると指摘した。『トヨタが1%減、ホンダが2%減、日産が15%減、マツダが10%減』と推定した。①日系メーカーでメキシコに生産拠点を構える企業は、トヨタ、ホンダ、日産、マツダの4社。メキシコから米国への完成車輸出台数は、2018年時点でトヨタ14万台、ホンダ13万台、日産25万台、ホンダ13万台。②米国に輸入されるメキシコ製完成車の平均単価を250万円と仮定すると、5%の関税引き上げは1台当たり10万円強のコスト負担になる。③メキシコでの調達部品のコストアップも加味すると、1台当たりのコスト負担はさらに大きくなる。

 

2年物国債利回りが1.95%まで低下すると利下げの可能性も

米国債市場は短期債と長期債の利回り差で逆転が生じるなど、米FRBに利下げを求める『催促相場』の様相を呈している。しかし、他の金融市場が織り込む景気の見通しは国債市場ほど悲観的ではなく、状況が一段と悪化しない限りFRBが国債市場の要求に屈することはない。ただ、物価が一段と低下したり、通商紛争の激化など他の要因で米景気が鈍化すれば、米国債市場の利回りは正しいシグナルを発していたことになるかもしれない。

米国債は2年債の利回りが足もとで2.08%と、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を30ベーシスポイント(bp)下回っている。シティグループによると、過去平均では2年物国債利回りがFF金利の78%に下がるとFRBが利下げに動いた。現在は87%程度の水準で、FRBが利下げに動くのは2年債の利回りが1.95%まで下がった場合ということになる。

 

米国株市場では5月ISM製造業景況指数が公表

4月実績は52.8と市場予想を下回った。新規受注、雇用、生産が低下した。5月については、米中貿易摩擦によって輸出入の受注は伸び悩んでいることや、在庫は増加傾向にあることから、全体の指数は4月に近い水準にとどまる可能性がある。4月耐久受注などは低調となったが、先行指標とされる5月NY連銀死蔵業指数は改善されており、製造業の回復を見極める材料となる。

 

欧米イベント

○15:30   5月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%)
○16:00   5月トルコ製造業PMI
○16:00   5月トルコCPI(予想:前月比1.30%/前年比19.10%)
○16:30   5月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:48.8)
○16:50   5月仏製造業PMI改定値(予想:50.6)
○16:55   5月独製造業PMI改定値(予想:44.3)
○17:00   5月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:47.7)
○17:30   5月英製造業PMI(予想:52.0)
○22:10   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○22:45   5月米製造業PMI改定値(予想:50.6)
○23:00   5月米ISM製造業景気指数(予想:53.0)
○23:00   4月米建設支出(予想:前月比0.3%)
○4日01:40   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○4日02:25   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○4日03:00   5月ブラジル貿易収支
○トランプ米大統領、欧州訪問(6日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/05/31/15:11:48

日経平均株価:米国のメキシコへの輸入品に関税を嫌気

トランプ大統領がメキシコからの全ての輸入品に関税を課す考えを示したことを受け、リスク回避姿勢が強まった。また、中国の製造業PMIが予想を下回ったことも投資家心理を冷やし、下げ幅を拡大した。その後、上海株が底堅く推移したことで下げ渋る展開となった。しかし、香港英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』が中国人民銀行元総裁の談話を引用、『6月大阪G20での米中首脳会談での通商協議の事態打開に至る可能性を楽観していない』と報じて米中対立長期化が懸念され再び下落幅を広げた。結局、前日比341円安の2万0601円と大幅3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:日経平均株価下落でリスク回避の円買い

ドル/円は、トランプ大統領がメキシコの全輸入品に課税を課す方針を表明したことや日経平均株価の続落を背景に109.15円前後まで下落した。一部メディアが『中国当局は必要であれば米国への報復措置として、レアアースの輸出規制を検討している』と報じたことも、リスク回避の円買いを誘った。午後もこの流れは続き、日経平均株価の下げ幅拡大や米長期金利の低下をながめて下値を模索する展開となり、節目の1090.00円を割り込んで一時108.86円まで値を下げ、2月1日以来のドル安・円高を付けた。ユーロ/ドルは、1.11ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコリラ売り材料は多いものの米・トルコ首脳会談で買い戻し

今春のトルコ・リラの軟調は『トルコ中銀の外貨準備水増し疑惑、エルドアン大統領によるイスタンブール地方選介入で民主主義の弱体化、財政赤字にもかかわらずバラマキ政策、それに伴う構造改革の遅れ、個人や企業の景況感の悪さ、キプロス沖における掘削作業に対してEU諸国の反発、経済的結びつきが強いドイツの景気低迷』などトルコを巡る多くのリスクを嫌気したものだった。そして、最大の懸念だったのが、ロシア製ミサイル導入を強く反対する米国による経済制裁の可能性だった。
 このトルコ経済一番のリスクへの警戒感が後退したことで、リラの買い戻しが急速に進んだ。トランプ米大統領は29日、エルドアン・トルコ大統領と電話会談し『両国の経済発展をさらに進める大きな可能性がある』と述べたことを明らかにした。また、6月28-29日に大坂で開催されるG20サミットに合わせて、米トルコ首脳会談が開催されることも決定された。両国トップの歩み寄り姿勢に目先のトルコリスクは減少したとみられ、通貨リラの買戻しが急速に強まった。

 

ポルトガルがユーロ圏で初の人民元建て国債発行

ポルトガル政府は30日、ユーロ圏で初めて、中国本土で人民元建ての国債(パンダ債)を発行すると発表した。発行額は20億元(約320億円)で、中国の機関投資家の購入意欲が旺盛だった。ポルトガルは中国が主導する広域経済圏構想『一帯一路』にも参加している。中国マネーを取り込んで資金調達を安定させる。ポルトガルの債務管理庁(IGCP)によると国債の年限は3年で利率は年4.09%となった。募集に対して3倍強の需要があった。主に中国の機関投資家とみられ、IGCPは「投資家層の多様化につながる」としている。ポルトガルは4月に北京で開かれた『一帯一路』の首脳会議に首脳を送るなど、中国との関係を深めようとしている。

 

イタリアからの返答次第しではEUとの関係悪化も

イタリアのトリア経財相は、2019年の財政赤字の対GDP比率は政府目標の2.4%を下回るとし、是正措置は必要ないとの考えを示した。一方、EUの執行機関である欧州委員会は、イタリアに財政情勢の悪化について説明を求める書簡を送付した。イタリアの返答期限は31日となっており、書簡送付で是正措置の発動に道が開かれた可能性がある。ただ、イタリア政府が是正措置しない場合はEUとの関係悪化が懸念さ、ユーロ売りにつながる可能性もある。

 

米国は不法移民問題でメキシコの輸入品に関税導入

トランプ大統領は、6月以降メキシコからの輸入品全てに5%の関税を課すとし、同国からの不法移民の注入が止まるまで実施する考えを示した。さらに、関税は7月1日に10%、8月1日に15%、9月1日に20%、10月1日に25%に引き上げられると説明した。

また、『メキシコの受け身の協力で多数の(移民の)流入が容認されている状況は緊急事態であり、米国の安全保障と経済に対する緊急の脅威に相当する』と主張した。その上で、『メキシコには非常に協力な移民法があり、本国送還などの方法で不法移民の流れを容易に止めることが出来る』との見方を示した。

 

市場は米FRBの利下げを織り込み

米商務省が発表した1-3月期国内総生産(GDP)改定値は+3.1%と、速報値の+3.2%から下方修正されたものの3%成長を維持した。また、個人消費改定値も予想外に速報値から上方修正された。しかし、コア個人消費支出(PCE)改訂値は前期比+1.0%と、予想外の下方修正で2015年10-12期以降3年ぶりの低水準となった。引き続きインフレの低迷が際立っている。米国経済の成長や雇用は引き続き強い伸びを維持する一方で、インフレが低迷し、連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策で困難な舵取りに直面している。 米連邦公開市場委員会(FOMC)はインフレの低迷が『一時的な要因が影響している』と見ており、本年いっぱい金融政策を据え置く見通しを示している。一方、米国の長短金利差が大きく逆転しており、市場はインフレ低迷と同時に、米国経済が景気後退に陥るとの警戒感を一層強め、米金利先物市場では早くて9月の利下げを織り込みつつある。

 

米国市場では4月PCEコア指数が公表

3月実績は前年比+1.6%で目標の2%を下回る状態が続いている。輸入関税引き上げの影響が表面化するまで時間がかかるものの、インフレ鈍化を促す経済情勢ではないとみられていること、複数の項目で上昇が予想されていることから、インフレ率は3月実績と同水準になると見られる。

 

欧米イベント

○15:00   4月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比7.00%)
○15:00   4月独小売売上高指数(予想:前月比0.1%/前年比1.1%)
○15:00   5月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○15:30   4月スイス小売売上高(予想:前年同月比▲0.8%)
○16:00   1-3月期トルコ国内総生産(GDP、予想:前年比▲2.5%)
○16:00   4月トルコ貿易収支(予想:28.3億ドルの赤字)
○17:00   5月ノルウェー失業率(予想:2.1%)
○17:30   4月英消費者信用残高(予想:10億ポンド)
○17:30   4月英マネーサプライM4
○21:00   5月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比1.6%)
○21:00   4月南アフリカ貿易収支(予想:12.5億ランドの黒字)
○21:00   1-3月期インドGDP(予想:前年同期比6.3%)
○21:30   3月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比0.3%/前年比1.2%)
       1-3月期カナダGDP(予想:前期比0.7%)
○21:30   4月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.7%)
○21:30   4月カナダ原料価格指数
○21:30   4月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.2%)
       4月米個人所得(予想:前月比0.3%)
       4月米PCEデフレーター(予想:前年比1.6%)
       4月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
○22:15   ボスティック米アトランタ連銀総裁、討論会に参加
○22:45   5月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:53.7)
○23:00   5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:101.5)
○1日01:00   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/05/30/15:12:20

日経平均株価:前日米国株の下げが圧迫要因

前日の欧米株安が投資家心理を圧迫し、朝方から幅広い業種に売りが先行した。ドル/円が109円半ばで落ち着いた動きとなり、日経平均株価も一旦下げ渋る場面もあったが、その後に始まった上海総合株価指数が軟調に推移したことで、上値が重くなった。NYダウ先物が小じっかりとなったことや、日銀による株式ETF買いの思惑が支えにとなり、下げ幅を縮小した。結局、前営業日比60円安の2万0942円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は米長期金利持ち直しでじり高で推移

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りが先行し、109.65円へ小幅上昇した。しかし、日経平均株価がさえない動きとなったことから伸び悩み、109.50円台を中心とした狭いレンジで値動きとなった。午後は、日経平均株価の下げ幅縮小で過度なリスク回避姿勢が和らぐと、持高調整などのドル買い・円売りが入り、109.72円前後までじり高となった。米長期金利が小幅ながら上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ユーロ/ドルは、1.1135ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日本の消費税が為替相殺関税となる可能性も

米財務省は、毎年4月中旬と10月中旬に『為替政策報告書』を公表しているが、今年2019年4月版は、米中通商協議が難航し、5月初旬には米中貿易戦争の休戦状態が破られたことで、5月28日に公表された。トランプ米大統領は、5月27日に『中国とディールする用意はない』と述べ、6月28-29日の大阪サミットでの米中首脳会談に向けて合意が期待されていた米中通商協議がデッドロックに陥っていることを示唆した。

米商務省は、自国通貨を割安にする国から輸入品に相殺関税をかけるルール改正案を発表した。米国は自国通貨を割安にすることを輸出国側の補助金と見なして関税で対抗するが、割安か否かの判断は米財務省に委ねられる。トランプ大統領は、日本の消費税を『消費税輸出戻し税』による輸出企業への補助金と見なしており、10%への消費増税が10%の為替相殺関税となる可能性にも警戒が必要となる。

 

米中貿易摩擦長期化で米国も景気後退懸念

米国政府は知的財産侵害を問題視し中国の通信機器メーカー、ファーウェイを米国市場から排除した。また、中国経済の5月見通しは悪化している。米国との交渉でレバレッジを高めるべく中国はレアアースを対抗手段にする準備を進めるという賭けに出る可能性がある。レアアースはiPhone,液晶テレビ、コンピューター、ハイブリッド車などになくてはならない原材料と言われており、米国政府も追加関税の対象から外している。中国は米国の政権交代の可能性なども視野に入れ、交渉を2020年の選挙以降まで持ち越す可能性も考えられる。この場合、問題は長期化する。さらに、トランプ政権は全中国製品に追加関税を課す可能性も強まる。米中貿易問題が長期化すると米国経済にさらに悪影響を与えるとの見通しも強まりつつある。米国の長短金利も再び逆転し、3カ月物と10年物の利回り格差は-14べーシスポイントと、その逆差は2007年9月以降で最大を記録した。一般的に、長短金利の逆転は景気後退を示唆すると考えられている。

 

イランは米国との対話に応じる意向:トランプ大統領の発言待ち

米国とイランとの間で緊張が高まる中、イラン政府が近隣国に、『原油制裁が緩和されれば対話に応じる用意がある』と伝えていたことが、イラン政府関係者への取材でわかった。ロハニ大統領も29日、『不当な制裁を解除すれば、(交渉への)ドアは開かれている』と述べるなど、イランが経済の屋台骨とする原油への制裁次第では、米国との対話に応じると判断した可能性がある。イラン政府関係者によると、同国のザリフ外相やアラグチ外務次官は25~28日、オマーンやイラク、クウェートなどを相次いで訪問した。この際の外務当局との会談で今月2日に本格的に始まったイラン産原油の全面禁輸が緩和されるなら、イランは米国との対話に応じることがイラン側から伝えられた。オマーンは、2015年にイランと米英仏独ロ中が結んだ核合意につながるイランと米国との対話の仲介役を担ったとされ、イランと米国の窓口の一つとみられてきた。

 

米国市場では1-3月期国内総生産改定値が公表

速報値では個人消費と企業設備投資は減速、在庫と純輸出が全体を押し上げた。改定値では、企業設備投資が上方修正される可能性は低いことや個人消費も速報値から改定さえる可能性は高くないと予想されており、GDP改定値は速報値と同じ伸びとなるか、わずかに下回る結果になると見られている。

 

欧米イベント

○15:00   4月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比7.00%)
16:30   ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○18:30   4月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.8%/前年比5.9%)
○21:00   1-3月期ブラジルGDP(予想:前年同期比0.5%)
○21:30   1-3月期カナダ経常収支(予想:180億カナダドルの赤字)
○21:30   1-3月期米GDP改定値(予想:前期比年率3.1%)
      個人消費(改定値、予想:前期比1.2%)
      コアPCE(改定値、予想:前期比1.3%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/166.2万人)
○23:00   4月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.9%/前年比0.1%)
○24:00   EIA週間在庫統計
○31日01:00   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○スイス、ノルウェー、スウェーデン(キリスト昇天祭)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/05/29/15:16:40

日経平均株価:米中貿易摩擦の長期化に対する懸念

トランプ大統領が27日に日米首脳会談を受けた共同会見で、中国とディールする用意はないと発言し、米中貿易摩擦の長期化に対する懸念が浮上した。そのため、前日の米国株市場が下落した流れを引き継ぎ、朝方から幅広い業種で売りが先行した。一時2万1000円を割り込み、下げ幅を350円超に拡大したが、為替市場で1ドル=109円割れを回避したことで下げ幅を縮小させた。結局、前日比256円安の2万1003円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:109.00円の心理的節目が視界に入り下げ止まる

ドル/円は、日経平均株価の大幅安でリスク回避姿勢が強まり、109.12円まで下落した。米長期金利が低下したことも、ドルの押し下げにつながった。しかし、心理的節目の109.00円が視界に入ると、下げは一服した。その後は、月末に絡む国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ109.40円前後まで持ち直した。午後に入ると、日経平均株価のさえない動きをながめ、109.25円前後までじり安となった。米中貿易摩擦が長期化するとの懸念がくすぶっていることも、円買いにつながった。ユーロ/ドルは、1.1165ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドル/円の109円の壁も米金利次第

本日も世界的な株安を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが出たが、『109円の壁』に跳ね返された。本日は市場取引が実質月末だったため、輸入企業など実需の円売り・ドル買いであっさり小幅安に転じる場面もあった。米中貿易摩擦や欧州問題など外部環境の先行き不透明感に加え、米国の低インフレに伴うFRBの利下げ観測の米金利には低下圧力として働く。この先、利下げ観測を払拭する強力な材料が出てこなければドルの買いづらさが本格的に意識され始め、本邦実需の円売りが出ても吸収しきれなくなる可能性がある。市場では、このまま米金利の低下が続くようだと夏場にかけて『107円後半くらいの円高はあり得る』との声も浮上している。

 

中国政府は以前レアアースの禁輸措置に失敗

中国共産党系メディア、環球時報の胡錫進編集長は28日、中国がレアアース(希土類)の対米輸出規制を『真剣に検討』していると明らかにした。 同氏はツイッターで『私が知る限り、中国はレアアースの対米輸出規制を真剣に検討している。中国は今後、他の報復措置を講じる可能性もある』と述べた。 こうした中、中国国家発展改革委員会(NDRC、発改委)の高官は、レアアースは国内需要を優先するものの、国外に対しても相応の需要を満たす用意があるとの考えを示した。 レアアースは電気自動車や液晶などハイテク製品に欠かせない資源。米地質調査所(USGS)の調べによると、中国には世界の埋蔵レアアースの3割程度があり、2017年時点で中国産が産出量の8割を占める。米国は、中国製品の関税対象からレアアースなどの重要な原料を除外している。習中国国家主席は、世界最大のレアアース産出国として、2010年に禁輸措置を打ち出したが、失敗に終わったトラウマを抱いている。

 

トルコがロシア製兵器配備の先延ばし報道でリラ買い戻し

トルコの一部メディアによると、アカル国防相が『ロシア製ミサイルシステムの配備は(早まる可能性もあった)6月ではなく、数ヵ月先になるだろう』と述べたと報じられた。米国やNATO同盟国が強く反発していたロシアからの兵器購入が先延ばしとなったことで、米国によるトルコ経済制裁への懸念が後退し、通貨リラの買い戻しにつながった。ただ、28日に発表された5月経済信頼感指数では、77.5と昨年10月以来の低水準となり、景気見通し楽観・悲観の基準100を14ヵ月連続で下回った。

 

ベネズエラは4年ぶりに経済統計を公表

ベネズエラ中央銀行は28日、昨年第3四半期の国内総生産(GDP)が前年同期比22.5%のマイナス成長だったと発表した。同国が経済統計を公表するのは約4年ぶりとなる。昨年の石油輸出収入は298億ドルと、前年の315億ドルから減少した。今年4月のインフレ率は33.8%で、昨年1年間では13万0060%だった。ただ、野党が支配する議会が先に発表した独自データでは、4月のインフレ率は44.7%、昨年1年間は170万%で、政府統計を上回っている。マドゥロ政権は、国際石油価格の下落によって体制が混乱し始めた2015年以降、経済統計の好評を中止した。議会は17年から独自データを発表している。

 

米5月の消費者信頼感指数は予想以上に強い

コンファレンスボードが発表した米国5月消費者信頼感指数は134.1と、4月129.2から予想以上に上昇し、昨年11月来の高水準となった。現況は175.2で、4月の169.0から上昇。期待指数は106.6と102.7から上昇した。 最近の株安、米中貿易協議の行き詰まり、米朝関係の緊張存続で地政学的リスクも高止まりする中、強い労働市場が消費者の自信につながった。昨年12月から今年初めにかけて、小売売上高が予想外に落ち込み消費の鈍化が米国経済の成長をさらに抑制すると不安視されていた。しかし、消費者信頼感指数の改善で4-6月期国内総生産(GDP)の成長を消費が支える可能性が出てきた。米商務省は1-3月期の国内総生産(GDP)改定値が30日に発表される。市場予想では+3.0%と、速報値の+3.2%から下方修正されると予想している。アトランタ連銀の第2四半期成長見通しは1.3%となっており、1-3月期の3%成長からは鈍化が予想されている。

 

欧米イベント

○15:45   4月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   4月仏消費支出(予想:前月比0.4%)
○15:45   5月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比1.1%)
○15:45   1-3月期仏国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.3%)
○16:00   5月スイスKOF景気先行指数(予想:96.0)
○16:30   1-3月期スウェーデンGDP(予想:前期比0.2%)
○16:30   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:55   5月独雇用統計(予想:失業率4.9%/失業者数変化▲8000人)
○17:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)
○23:00   5月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:7)
○30日02:00   米財務省、7年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/05/28/15:14:43

日経平均株価:材料のある個別銘柄が買われ下支え

前日の米国株市場は休場だったが、欧州株が上昇したことが安心材料となり、自動車、ハイテク株などに買いが先行した。円相場の弱含みを背景に一時100円超高となったが、円安が一服すると上値が重くなった。海外勢の売り圧力が低下する中、材料のある個別銘柄が買われて相場の下支えとなった。結局、前日比77円高の2万1260円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:概ね109円台半ば近辺での値動き

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の上げ幅が一時100円超を超えたことに支えられ、109.63円まで上昇した。しかし、24日に付けた109.74円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。その後は、米長期金利の低下をながめ、利食い売りなどに押されて109.40円近辺へ下落した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら109.50円近辺でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、イタリアでEU懐疑派の勢力が増しているため、同国の財政悪化を警戒したユーロ売り・ドル買いが優勢となり、1.11ドル台後半の安値圏で推移した。

 

31日の中国の5月製造業PMIに市場は注目

グローバルに注目度が最も高いのは中国の製造業PMIとなっている。3、4月は判断基準の分かれ目となる50を超えたものの、再び50割れとなったり、横ばい程度にとどまったりするようであれば、政府の景気対策効果が不十分であるとの烙印を押される。
 米国向け輸出関税がさらに引き上げられたことで、中国景気へのマイナスの影響は今後さらに強まると考えられることから、追加の景気対策に対する期待は高まっている。見方を変えれば、政府の対応が遅れると、催促相場的な市場の荒れた動きを誘発しかねない可能性が高まる。

 

中国の人民元安誘導の限界は1ドル=7元か

中国の通貨政策からすると、①中国は景気悪化と輸出制約による経常黒字の減少に直面しており、現状からの通貨安容認は元安と資本流出をオーバーシュートさせる、②中国は官民で巨額なドル建て債務を抱えており、一段の元安・ドル高はドル債務負担を重くさせる、③中国では豚肉などの食品価格が上昇しており、一段の元安は悪い物価上昇と消費者打撃を招く、といった問題を抱えている。中国の食品価格については、4月のCPI(消費者物価指数)の中で前年比+6.1%の上昇となった。2月の+0.7%や4月の+4.1%から切り上がり、2016年4月以来の高水準となっている。通貨安は物価の押し上げ要因となるもので、元安誘導を続けられる物価環境ではない。

 

欧州議会選挙後の議会運営に不透明感

欧州議会選挙でEUに懐疑的な勢力が躍進したが、ポピュリストの団結は難しく、欧州議会の決定は多数決が原則、法案提出権も持たないことから、EUの政策運営への影響力は限定的だろう。ただ、今後の議会運営は二大会派に加えて、他の親EU会派の協力が必要となる。意見調整が今以上に困難になり、EU改革の推進力は低下せざるを得ない。選挙結果を受けて、各国政治への波紋にも注意が必要だ。
 英国では強硬離脱派の首相誕生が決定的になり、イタリアやドイツでは前倒し選挙の引き金となる可能性、フランスはマクロン大統領の求心力低下が懸念される。

 

米国市場ではCB消費者進退間指数が公表

参考となる5月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は102.4に上昇した。企業景況感はやや弱含みとなっているが、雇用情勢は悪化していないことから、個人レベルの景況感はまずまず良好な状態を維持しているものとみられる。5月の数値は4月実績の129.2と同水準か上回る可能性がある。

 

欧米イベント

○14:45   1-3月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.4%/前年比1.0%)
○15:00   4月独輸入物価指数(予想:前月比0.5%/前年比1.6%)
○15:00   6月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:10.4)
○15:45   5月仏消費者信頼感指数(予想:97)
○16:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○17:00   4月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比4.4%)
○18:00   5月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲6.5)
○18:00   5月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:104.0)
○22:00   3月米住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
       1-3月期米住宅価格指数
○22:00   3月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比2.8%)
○23:00   5月米消費者信頼感指数(予想:130.0)
○29日00:30   米財務省、2年債入札
○29日02:00   米財務省、5年債入札
○臨時の欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ