FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2024/01/04/15:10:28

日経平均株価:売り一巡後は押し目買いから下げ渋り

国内で休場だった年始の米ハイテク株安が嫌気されたほか、能登半島地震の影響を見極める動きが先行し、一時700円超安に下落した。一方、地震の影響は限定的との見方もあり、朝安後には下げ幅を縮めた。市場では、休場中の米国での金利上昇、株安をまとめて織り込んだ。地震や空港での事故が続いたことで、いったん手仕舞う海外投資家がいたかもしれないとの見方が聞かれた。売り一巡後は押し目買いも入り、下げ幅を縮小した。結局、前営業日比175円安の3万3288円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米金利高と日本株の下げ幅縮小で円売り強まる

ドル/円は、日経平均株価の大幅安がリスク回避の円買いを誘い、一時142.86円付近まで下落した。しかし、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、143.30円付近へ上昇した。仲値発表後は、日経平均株価の下げ幅縮小が円売り要因となり、143.50円付近へ値を上げた。午後は、米長期金利の上昇や日経平均株価の下げ幅縮小を眺めてさらにドル買い・円売りが進み、一時143.88円付近までじり高となった。ただ、心理節目の144.00円に接近すると上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、小幅に値を下げて143.70円台を中心に取引された。ユーロ/ドルは、1.09ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドル買い比率は上昇で1カ月ぶり高さ:前週のFX概況

QUICKが4日に算出した店頭の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、「ドル/円」取引の総建玉に占めるドル買いの比率は2023年12月29日時点で59.4%だった。前の週末から2.9ポイント上昇し、およそ1カ月ぶりの高さとなった。米長期金利の低下により円高・ドル安が進む場面で、相場の流れに逆らう「逆張り」傾向がある個人投資家は円買い・ドル売りの持ち高を減らした。前週は12月28日に1ドル=140.27円と円は5カ月ぶりの高値をつけた。米国の早期利下げ観測から米長期金利が3.8%を割り込む水準まで低下し、ドル売り圧力が高まった。年末年始を前に「手仕舞いの動きが出やすかった」との声もあり、「ドル/円」取引では買いと売りの建玉ともに減少した。対ドル以外の通貨ペアである「クロス円」取引でも円売りが目立った。「ユーロ/円」取引のユーロ買い比率は2.1ポイント上昇の40.7%、「豪ドル/円」取引での豪ドル買い比率は前の週末から7.8ポイント上昇の57.9%だった。

 

トルコでは実質金利マイナス幅広がりがリアの重し

昨日トルコ統計局が公表した12月CPIは前月比が3%に届かず、前年比も64%台後半とどちらも市場予想から下振れる結果となった。トルコ中銀が四半期インフレレポートで予測した65%も下回っている。しかしながら、水準的には約1年ぶりの高い物価上昇率であり、インフレの落ち着きには程遠い状況である。実質金利マイナス幅も広がったままというなかでは、通貨リラの買いづらさに変わりはない。なお、世界住宅都市指数によると、昨年9月時点でトルコ最大の都市イスタンブールにおける住宅価格の上昇率は前年比77.6%まで拡大している。9月時点であり、トルコ中銀がその後に進めた金融引き締めの影響を確かめる必要はあるが、中銀の期待に反して利上げの継続が求められる可能性はある。

 

南アの食品価格は今年は下がるか?

過去2年間の南アの食品インフレ率は非常に高く、低所得者層をはじめ多くの国民を苦しめていた。食品が全体の出費を占める割合が高いことで、食品インフレ率の高まりは生活苦というだけでなく、生きるか死ぬかとなるほど、一部の国では国民を苦しめた。その食品インフレでは、今年は上昇が一服するのではないかとの予想が多くある。これは世界的な商品価格が低下傾向にあること、国際的な食料品価格も下落していること、南アでも豊作となっていることが要因である。また、南アでは乾燥した天気が続いているにもかかわらず、昨夏の降雨により地中に十分な水分が残っていることで、作物に恩恵を与えているからである。一方で、懸念材料としてはエルニーニョ現象、電力(エスコム)の負荷制限、物流上(トランスネット)の問題、そしてランド安などで、この悪影響が継続すれば、食品価格が思っているように下がらないリスクもあるとされている。

 

メキシコの穀物輸入量、記録的水準まで拡大

メキシコの穀物輸入量は今年、記録的な水準まで拡大した。現地の農業コンサルタント会社によると、メキシコは1-11月までの間に過去最高となる3744万トンの穀物を輸入した。前年同時期と比較すると8.8%増となる。穀物輸入拡大の要因となったのが、今年メキシコを襲った大規模な干ばつ。9月下旬には国土の4分の3が干ばつ状態となり、国内の農業生産高が大きく減少した。メキシコは海外からの輸入を拡大する以外に選択肢がなくなった。主食のトウモロコシ輸入は1-11月間で前年比16.9%増の1820万トンを記録。今年の最終的な輸入量は1950万トンに達すると予想されているほか、国内生産量の減少によって来年には2200万トンまで膨れ上がるとみられている。なお、メキシコはそのうちの88%超を米国から輸入しており、大部分を米国に頼っている状態である。

 

12月FOMCミニッツでは24年に計5回の利下げ予想を維持:ゴールドマン

米連邦準備理事会(FRB)が3日に発表した23年12月12~13日米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(ミニッツ)で、全ての参加者が24年内の利下げシナリオを示した経済見通しを「きわめて不確実」としたうえで「経済状況によっては追加利上げもあり得る」とタカ派的な見解が示されたことでこの日は株安が進んだ。ゴールドマン・サックスは3日付のリポートで、ミニッツ内でこれまでのインフレの進捗状況やインフレ見通し、金利を高すぎる水準に維持することによる成長へのリスク、政策金利をハト派的にどの程度の期間制限的に維持する必要があるかについてのコメントが見られたことに着目した。市場ではタカ派的と受け止められたものの、「ハト派に傾く」と指摘し、今後の利下げ見通しに関して3月に1回目の利下げが実施され、24年計5回の利下げを実施するとの予想を維持した。

 

11月米求人件数は3ヵ月連続で減少:US Dashboard

3日に発表された2023年11月の米雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人件数(季節調整済み、速報値)は前月比6万2000件減少の879万件と市場予想の876万件を上回ったものの、3ヵ月連続の減少で21年3月以来の低水準となった。米雇用を先導してきた「レジャー・接客業」の求人は前月比9万7000件減の114万3000件と2カ月連続で減少した。自発的離職者の割合である「離職率」は3ヵ月連続で2.3%と下げ渋っていたが、11月は2.2%へ低下した。「レジャー・接客業」の離職率も前月比0.2ポイント低下の4.1%と2カ月連続で低下した。現在の仕事を辞めて、他の仕事を探すことや、より高い給料・待遇を得ることに対する労働者の自信が薄らいでいることが示された。求人面からみて米労働市場の軟化傾向が改めて確認され、賃金上昇圧力の鈍化によりインフレ沈静化がより確かなもにとなったと受け止めることができそうである。

 

欧米市場イベント

○16:45   12月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.2%/前年比3.7%)
○17:50   12月仏サービス部門PMI改定値(予想:44.3)
○17:55   12月独サービス部門PMI改定値(予想:48.4)
○18:00   12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:48.1)
○18:30   12月英サービス部門PMI改定値(予想:52.7)
○18:30   11月英消費者信用残高(予想:14億ポンド)
○18:30   11月英マネーサプライM4
○21:30   12月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:00   12月独CPI速報値(予想:前月比0.1%/前年比3.7%)
○22:15   12月ADP全米雇用報告(予想:11.5万人)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.6万件/188.3万人)
○23:45   12月米サービス部門PMI改定値(予想:51.3)
○23:45   12月米総合PMI改定値
○5日01:00   EIA週間在庫統計
○ロシア(新年休暇)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2023/12/29/15:10:09

日経平均株価:全体的に方向感に乏しい展開

年末最後の取引日で薄商いとなり、全体的に方向感に乏しい展開となった。ドル/円は、ニューヨーク時間に140.20円台まで円高が進行、前場の東京株式市場でも円高を警戒する動きがみられた。今年最後の取引で、年末年始の休場前に買いの持ち高を縮小する動きが優勢だった。結局、前営業日比75円安の3万3464円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下と日本株安がドルの重しに

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが多く持ち込まれ、一時141.67円付近まで上昇した。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測が強まっていることから、上値を追う動きは限られた。その後、米長期金利低下や日経平均株価のさえない動きがドル売り・円買い要因となり、141.40円付近へ押し戻された。午後は、米長期金利や日経平均株価を睨みながら、141.30円台を中心とする狭いレンジで取引された。1月3日から重要な米経済指標の発表を控えているため、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.1065ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となった。

 

外貨準備からの旺盛な需要が円相場を下支え=ブルームバーグ・コラム

外貨準備からの旺盛な買い需要は円を下支えする一方、円弱気派に対する警告にもなるだろう。国際通貨基金(IMF)の最新データによると、IMFが追跡している8通貨中、第3四半期(7-9月)は日本の通貨に最大の資金が流入した。米国と中国の覇権争いや中国経済の成長鈍化に対する懸念が根強い中、ドルや人民元から大幅に資金が流出し、円がその受け皿になった格好だ。流出入は為替レートの変動と年限の短い国債のリターンを調整して計算した。また、為替スワップ市場でドルを貸し出す外貨準備も利回りを上乗せできるため、円に対する人気が高い。海外の中央銀行からの預金を含む日本銀行の「その他」預金は2022年に36%急増した後、今年も16%増えている。海外投資家は9月末時点で日本の国庫短期証券の3分の2を保有する。円相場は今年、主要10カ国(G10)の中で最悪のパフォーマンスとなる見通しだ。日本の貿易赤字と金融政策の引き締めに慎重な日銀の姿勢が円の重しとなる半面、世界の外貨準備通貨としての地位は引き続き一定の下支え要因となるに違いない。

 

日銀の引き締め予想が前倒しされることは十分に予想される:ジェフリーズ

ジェフリーズは28日付の週刊ニュースレター「グリード&フェア」(強欲と恐怖)で、今週は日本で興味深い動きがあったとの見解を示した。27日に日銀が発表した12月の金融政策決定会合の主な意見で、インフレ率が過度に上昇するリスクは「ゼロではない」とのタカ派的なものがあり、金融引き締めの時期について議論が高まっているとしながら、日銀の植田総裁が4月に就任して以来、初めてNHKのインタビューに出演して「マイナス金利の終了は当初の予想よりも早くなる可能性がある」と述べたことに着目した。議論の本質は、日銀が次の春闘の結果を待ってから動くべきかどうかということのようだとしながらも、ドル/円が140円台へと円高ドル安に振れた現状を受け、「引き締め予想が前倒しされることは十分に予想される」と見込んだ。ただ、執筆者のクリストファー・ウッド氏は、「日銀の慎重な引き締め姿勢は我々を驚かせないだろう」とし、日本株のロングオンリー・ポートフォリオ内に金融株の大きなウエイトを維持。その一方、同ポートフォリオでナブテスコ(6268)を除外して東エレク(8035)を加えた。

 

トルコの外貨準備高が改善したことは評価するもリラ買いにつながらず

トルコ中銀が発表した週間データをもとに一部通信社が算出したところによれば、22日時点で中銀のネット外貨準備高は400.9億ドルに達した。前週から29億ドルの増加であり、2020年1月以来の水準まで拡大している。約半年前にはマイナスまで落ち込んでいたことを考えると、準備高をここまで回復させたことは評価に値する。ただし残念ながら、今のところリラの価値上昇には繋がっていない。ところでトルコ労働相は先日、月額の最低賃金の引き上げを発表し、7月に決定された水準から49%増となる最低1万7002リラとした。当局は「労働者がインフレで押しつぶされないための対策」と述べているが、足もとのインフレ率が60%超えのなかでは不十分と言える。また一方、賃金上昇はインフ率の押し上げに寄与する可能性が懸念もされている。完全な悪循環であり、これを脱するには更なる思い切った利上げが必要なのかもしれない。

 

テキサス州国境の鉄道運行が再開したが今後も懸念は残る

米国税関・境警備当局(CBP)がテキサス州イーグルパスとエルパソのメキシコ国境鉄道橋の運行を一時停止したことを先週伝えたが、その後に鉄道の運行は再開された。運行停止は4日間にとどまったため、貨物流通などの経済への影響も限られる。
もっとも、根本的な問題が解決したとは言えず、今後も懸念が残る点には注意が必要である。そもそも今回CBPが鉄道橋の閉鎖を決めた理由は「米国国境警備隊による移民の拘束を支援するための人員を振り向けるため」。また、CBPは閉鎖時の声明で「貨物列車を利用して移民を移送する密航組織が最近復活している」「人員を増強し、メキシコ当局との連携も含めて問題に対処するための追加措置を講じている」などとも言及しており、移民問題が解決しない限りは再び今回のような措置が起こり得ることも予想される。

 

米失業保険申請件数は市場予想を上回るが4週平均は減少

28日に発表された米新規失業保険申請件数は21万8000件と前週の20万6000件から1万2000件増え、市場予想の21万1500件を上回った。4週間移動平均は前週から250件減少し、21万2000件となった。総受給者数は187万5000人と前週から1万4000人増えた。米労働市場は一時ほどの強さはないが、依然として底堅い。来週は12月の米雇用統計など米金融政策を占ううえで重要な経済指標の発表が相次ぐ。市場は来年3月にも利下げを開始し、年6回というハイペースの利下げを織り込んでいる。経済指標が上振れした場合、その反動が生じる可能性がある。

 

米ISM製造業景況感指数は改善見込も先行指標の悪化には懸念:US Dashboard

1月3日に、米サプライマネジメント協会(ISM)が12月の米製造業景況指数を発表する。市場予想は47.0と11月の46.7からの改善が見込まれている。しかし、好不況の境目である50を14カ月連続で下回ったままと予想される。11月のISM景況感指数は米自動車メーカーのストライキの影響が抜けきらず、前月から横ばいの結果となった。内訳をみると「新規受注」が2カ月ぶりに改善したが、「生産」や「雇用」は2カ月連続で低下した。市場では在庫の取り崩しにより受注が消化されているとの見方があり、12月はストライキの影響が剥落し生産活動の再開で在庫調整が進むかが焦点となる。もっとも、ISM景況感指数の先行指標とされるニューヨーク連邦準備銀行、フィラデルフィア連邦準備銀行の12月の製造業景況指数は、それぞれマイナス14.5、マイナス10.5だった。ともに市場予想よりもマイナス幅を拡大した。製造業の先行きの景況感次第では受注が冷え込む可能性があり、注意が必要である。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○16:00   11月トルコ貿易収支(予想:59.0億ドルの赤字)
○17:00   12月スイスKOF景気先行指数(予想:97.0)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00   11月南アフリカ貿易収支(予想:58億ランドの黒字)
○23:45   12月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:51.0)
○30日01:00   7-9月期ロシア国内総生産(GDP)確報値(予想:前年比5.5%)
○30日01:00   12月ロシア消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.9%)
○米債券市場は短縮取引

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欧米タイム直前市場コメント!

2023/12/28/15:16:25

日経平均株価:明確な方向感を欠く展開

外国為替のドル安・円高進行が重しとなり、自動車関連などの輸出株を中心にさえない値動きとなった。日本株は明確な方向感を欠く展開となり、日経平均はもみ合う展開に終始した。今日は12月末の配当権利落ち日にあたり、配当落ちで日経平均が50円ほど押し下げられた。結局、前営業日比141円安と3万3539円と5営業日ぶりに反落した。東証が28日に発表した12月第3週(18日~23日)の投資部門別株式売買動向(東証・名証の合計)によると、海外投資家(外国人)は565億円の買い越しとなり買い越しは2週連続。個人投資家は2013億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続。信託銀行は2035億円の売り越しとなり、売り越しは3週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:FRBの早期利下げ観測を背景としたドル売り優勢

ドル/円は、米連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ来年3月にも利下げを実施するとの見方からドル売り・円買いが先行、141円台半ばから141.15円近くへ下落した。経済産業省が朝方に発表した11月鉱工業生産・速報値が、前月比-0.9%と予想の-1.6%を上回ったことも円買いにつながった。しかし、仲値にかけて国内輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、141.65円付近へ上昇した。仲値発表後は、FRBの早期利下げ観測を背景としたドル売りが根強く、やや値を下げて141.40円台を中心に取引された。午後のドル/円は、年末の薄商いのなかで仕掛け的なドル売り・円買いが持ち込まれ、141.10円付近まで下落した。ただ、14日につけた安値140.96円が下値の目途として意識されると下げは一服した。ユーロ/ドルは、1.1115ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコの信用度は高まっている

トルコ金融・財政の正常化は通貨リラの支えに全くなっていないが、外国人投資家のトルコに対する信用度は高まっている。信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS、債務不履行に備える保証率)市場では、ドル建てトルコ5年債CDSは280ベーシスポイント(bp)を割り込んでいる。これは2020年第1四半期以来の低い水準であり、900bpに迫った22年夏の3分の1以下です。今年5月の総選挙後に上昇した水準からも半分以下まで低下している。なお、エルドアン・トルコ大統領は昨日、パレスチナ自治区ガザで攻撃を強めるイスラエルのネタニヤフ首相について、「ヒトラーと同じ」という趣旨の発言をした。両国の首脳が代わるまでは、関係回復は難しくなったと言える。

 

今後のアフリカのエネルギー政策の行方に注目

ナイジェリアに本拠を置く リバーサイドLNGは、 南アへのガス供給について交渉中であると発表している。ナイジェリアにはアフリカ最大のガス埋蔵量があることで、今後のアフリカのエネルギー政策の行方が注目される。

 

米リッチモンド連銀の製造業景況指数は一段と悪化:US Dashboard

27日に米リッチモンド連邦準備銀行が発表した12月の製造業景況指数はマイナス11と市場予想のマイナス4を下回った。3ヵ月連続で低下し、2カ月連続でのマイナス圏となった。3つの主要構成指数のうち、『出荷』がマイナス17と11月のマイナス8から低下し、『新規受注』もマイナス14と11月のマイナス5から低下した。『雇用』も11月のゼロからマイナス1へと悪化した。各連銀の製造業景況指数がでそろい、1月3日の米サプライマネジメント協会(ISM)の12月の製造業景況感指数の発表待ちとなった。ISMの指数ベースに換算したリッチモンド連銀の指数は48.4へと低下幅を拡大した。

 

米金融市場はFRBの来年3月の利下げ開始織り込む

米連邦準備制度理事会(FRB)が早くて3月にも利下げを開始することを織り込み始めドル売りにつながった。インフレが引き続き鈍化基調にあるほか、労働市場のひっ迫も一段落した兆しが見られ本年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)でパウエル議長も含めFRBは政策金利がほぼピーク金利に達し、来年の利下げも否定せず急激にハト派姿勢を強めたことが背景となる。金融機関のエコノミストもFRBの利下げ開始を前倒し。ゴールドマンサックスのチーフエコノミストは先週発表したレポートの中で、24年5回の利下げを予想していることを明らかにした。上半期に3回。3月、5月、6月FOMCで各0.25%利下げ。下半期に2回の利下げを想定している。バンク・オブ・アメリカも、FRBが3月に利下げを開始し、24年計1%の利下げを予想。従来は計0.75%だった。短期金融市場は現時点でFRBの3月の利下げ開始を織り込んだ。政策金利据え置きから利下げまで平均で9カ月を要するとの分析とも一致する。ただ、露ウクライナ戦争の影響を受け経済の景気後退入りが懸念されていた欧州の中央銀行よりも先にFRBが利下げ開始するとの市場の見込みは過剰とも見える。ペースは減速も米国経済の7割を占める消費は依然底堅い。

 

欧米市場イベント

○21:00   11月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.65%)
○22:30   11月米卸売在庫(予想:前月比▲0.2%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.0万件/187.5万人)
○24:00   11月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比1.0%/前年比なし)
○29日01:00   EIA週間在庫統計
○29日03:00   米財務省、7年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2023/12/27/15:15:05

日経平均株価:円安基調好感や権利を確定する買いが優勢に

前日の米株高や、日銀の早期政策修正への思惑後退で為替が円安に振れたことが支援した。買い一巡後も高値圏でのもみ合いが続き、市場では株価が年末にかけて上昇する『掉尾(とうび)の一振』への期待も聞かれた。為替が朝方から円安に振れたことで輸出関連株を中心に買い安心感につながり上昇に弾みがついた。12月期の権利付き最終日で、権利を確定する買いも支えになったとみられている。米通信大手TモバイルUS株を無償取得すると発表したソフトバンクグループ(SBG)が大幅高となり、指数を押し上げた。結局、前営業日比375円高の3万3681円と4日続伸した。QUICKが評価損益率を計算した、信用評価損益率は22日申し込み時点でマイナス9.68%と、前の週のマイナス10.61%からマイナス幅が0.93ポイント縮小となり、改善は4週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:142円台半ばで狭いレンジ相場

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、一時142.84円付近まで上昇した。朝方に公表された日銀金融政策決定会合の主な意見(12月18~19日開催分)がややハト派的な内容と受け止められ、日銀が早期に金融政策を修正するとの見方が後退したことも円売りにつながった。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ来年3月にも利下げを実施するとの観測が強まっていることもあり、積極的な上値追いは手控えられた。その後、米長期金利が低下すると、利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いで142円台半ばへと押し戻された。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、142.50円台を中心とする狭いレンジで推移した。月末・年末に絡む本邦実需筋の売り買いが午前で一巡したこともあり、商いは薄くなっている。ユーロ/ドルは、クリスマス休暇明けとなる欧州勢の動向を見極めたいとの雰囲気から、1.1040ドル前後で小動きに終始した。

 

日銀意見「金融正常化のタイミングは近づいている」:12月金融政策会合

日銀は27日、12月18~19日に開いた金融政策会合での政策委員の『主な意見』を公表した。マイナス金利の解除など金融の正常化を巡り、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現の確度はさらに高まってきていることから「金融正常化のタイミングは近づいている」との声があった。出口を見据えて「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)やマイナス金利政策について、効果と副作用を見極めたうえでその在り方を議論する必要がある」との声や、出口のタイミングやその後の適切な利上げのペースについて「引き続き議論を深めていることが重要」との声もあがった。政策変更の時期について「少なくとも来春の賃金交渉の動向を見てから判断しても遅くない」との意見があった。

 

トルコ中銀の利上げ終了見通しがリラの重しに

リラ売りの材料とされた1つが、米大手投資銀行ゴールドマン・サックスのトルコ金融政策見通しである。先週のトルコ中銀金融政策委員会(MPC)を経て、欧米の主要金融機関の多くは「次回で利上げ終了」としているが、追加引き締めは見込んでいる。しかしながらゴールドマン・サックスは、今回会合で金利引き上げ打ち止め予想を発表した。前述したゴールドマン・サックスの予想が外れたとしても、トルコ中銀による利上げサイクルは次の会合で終了というのが大方の見通しである。一方で、トルコのインフレは来年5月ぐらいまでは上昇するとの予測が公的機関からも出されている。実質金利マイナス幅が縮まるのはまだ先の話であり、そうなると「トルコへの資金流入が流出を上回る」という状況になるには、かなり時間がかかりそうである。原油相場が急騰したことも、石油を輸出に頼るトルコの経済にとってはダメージとなる。ただ、原油価格上昇の原因の1つが、イスラム組織ハマスを支援するイエメンの武装組織フーシ派による紅海周辺で商船攻撃である。エルドアン・トルコ大統領はハマス擁護とも受け取れる姿勢を見せており、ある意味では自業自得とも言える。なお、トルコ議会の外交委員会は昨日、スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟批准に必要な法案を承認した。同法案は本会議で数週間以内に採決され、可決される見通しである。

 

南アランドは年末に向け値動きが激しくなる可能性もあり注意

昨日は南アだけでなく欧州不在の中でランド売りが進んだが、ランド安を促すようなニュース等は見当たらない。おそらく、流動性が枯渇している市場の中で、捌ききることが出来ないランド売りのフローがでたとしか考えられない。むしろ、昨日は南アが最大の生産量となるプラチナ価格は9月初旬以来の高値を更新するなど、ランド買いとなってもおかしくないような状況だった。本日も上述のように。ファンダメンタルズではなく、市場参加者が少ないことでフローに左右される相場展開となりそうである。昨年末もプラチナ価格の上昇にけん引されて、ランドが強含むステージもあったが、その後は年末の特殊玉に左右される相場になった。想定以上に値動きが激しくなることが予想されることで、ポジションのマネージメントはしっかりとしたいところですある。

 

年内最終日のナスダック総合指数に弱い経験則:アノマリー分析

26日の米株市場でナスダック総合指数が0.54%高で主要指数をアウトパフォームし、クリスマス明けのナスダック総合指数が強い経験則通りの展開だった。22日からいわゆるサンタクロース・ラリー(SCR)の期間入りとなっていることもあり、年末年始に強い展開が期待されるところだが、相場のアノマリー分析に詳しいトレーダーズ・アルマナックによれば年内最終日のナスダックには弱い経験則があるという。ナスダックは過去23年のうち、17回下落したという。NYダウとS&P500指数も年内最終日は弱いといい、SCRで強い経験則があるものの、年内最終日だけ弱い点には注意したいところ。

 

全米活動指数はプラスに転じる:US Dashboard

米シカゴ連邦準備銀行が26日公表した。11月の全米活動指数は+0.03と、10月の-0.66からプラスに転じた。同指数は生産の消費など85種類の指標を集め、平均値がゼロ、標準偏差が1になるように作成されている。ゼロは米経済成長が過去平均並みで推移していることを示す。データは「個人消費・住宅」、「販売・受注・在庫」、「生産」、「雇用」の4分野で見ることができる。11月は4分野すべてが改善した。米景気の底堅さを示す結果となった。

 

欧米市場イベント

○24:00   12月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲3)
○28日01:00   11月ロシア失業率(予想:2.9%)
○28日03:00   米財務省、5年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2023/12/25/15:12:22

日経平均株価:クリスマス休暇で閑散相場で方向感に欠ける展開

前週末の米市場でナスダック総合、S&P500指数が上昇した流れを受けて日本株も底堅い値動きとなった。ただ、クリスマス休暇に入る海外勢も多く積極的な買い手不在の中、全般的には方向感に欠ける展開が続いた。市場では、全体的に商いが薄い中、売りが出ているというよりは買いが入っていない状況と指摘。下値は堅いものの、買い手不在の中で年内は高値を追うのは難しいとの声が聞かれた。25日は主要市場が休場となるため、様子見姿勢も強まりやすく、買い一巡後は利益確定や戻り待ちの売りが出てい伸び悩んだ。結局、前週末比84円高の3万3254円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:クリスマスで参加者少なく142円台前半で小動き

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸出勢などのドル売り・円買いが通常より多く持ち込まれ、142円台半ばから142.10円台まで軟化した。仲値発表後は、海外市場の多くがクリスマス休暇入りしていることから積極的な売り買いは見送られ、142円台前半で小動きに終始した。午後は、植田日銀総裁が経団連の講演で、「日本銀行が目指している2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していく確度は、少しずつ高まっている」と発言すると、瞬間的にドル売り・円買いが持ち込まれ、一時142.10円付近まで値を下げる場面があった。ただ、日銀金融政策決定会合声明文や記者会見での内容とほぼ変わらなかったことから、下値を追う動きは限定的だった。その後は、持ち高調整などのドル売り・円買いも見られ、142.30円台まで値を持ち直した。ユーロ/ドルは、アジア・欧州勢の多くがクリスマス休暇中とあって、市場参加者も極端に少なく、1.1000ドル台を中心に動意に欠ける値動きとなった。

 

ドル買い比率は低下:前週のFX概況

QUICKが25日に算出した店頭の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、「ドル/円」取引の総建玉に占めるドル買いの比率は22日時点で56.5%だった。前の週末から2.4ポイント低下した。11月24日以来、ほぼ1カ月ぶりの低水準となった。前週の前半に1ドル=144円台後半まで円安・ドル高が進んだ局面で、相場の流れに逆らう「逆張り」戦略をとる傾向の強い個人投資家は、円買い・ドル売りを増やした。前週の外国為替市場では19日に円相場が一時144.95円まで下落した。日銀が同日まで開いた金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の維持を決め、声明文のフォワードガイダンス(先行き指針)も据え置いた。早期の政策修正に向けた示唆があるとの警戒も一部で出ていたなかで、現状維持の発表を受けて円安・ドル高が進み、FX勢は円買い・ドル売りの持ち高形成に動いた。「豪ドル/円」取引での豪ドル買い比率は前の週末から9.4ポイント低下し50.1%だった。「ユーロ/円」取引のユーロ買い比率も低下し、2.0ポイント低い38.6%だった。

 

中国の12月新エネ乗用車小売台数は前年同月比47%増の見通し=CPCA

中国の乗用車メーカー団体である乗用車市場信息聯席会(CPCA)は21日、2023年12月の狭義での乗用車(セダン、多目的車=MPV、スポーツ多目的車=SUV)の小売台数は約227万台に上る見通しを示した。前月比で9.3%増、前年同月比4.8%増。23年通年の小売台数は前年比5.2%増の約2162万台になるとみている。うち新エネルギー(NEV)乗用車の12月の小売台数は前月比11.8%増、前年同月比46.6%増の約94万台となる見通しで、全体に占める割合は41.4%。23年通年の小売台数は前年比36.5%増の約775万台で、全体に占める割合は前年を8ポイント上回る35.8%を見込んでいる。CPCAは、年末が近づくなか、各主要メーカーが期間限定の値引きプランを打ち出したほか、地方政府の補助金政策も相次いで発表されており、年末の需要喚起につながる可能性があるとした。

 

トルコ中銀による利上げサイクル終了表明がリラの重し

先週21日、トルコ中銀は今年最後の金融政策委員会(MPC)を開催し、主要政策金利を市場予想通りに40%から42.5%に引き上げた。エルカン総裁のもとで始まった利上げは7会合連続、合計の上げ幅は34%にも達した。ただし、声明で早期の利上げサイクル終了を表明したため、政策発表後もリラの上値は重いままだった。利上げ打ち止めが間近な理由として中銀が挙げたのは、現状の金利水準はインフレ抑制に十分であると考えられること。中銀の見通しが正しいのか、今後はインフレ指標がより注目されることになる。なお12月MPCを終え、市場では次の来年1月会合で2.5%の利上げが実施され、その後暫くは金利水準が維持されるとの見方が広がっている。

 

南アランドは年末にかけて大きな値動きには注意

経済指標では南アからは、29日に11月貿易収支、11月次財政収支が発表される。7-9月期の経常赤字が大幅に減少したことで、11月の財政赤字が市場予想よりも減少していればランドの支えになると思われる。もっとも、29日は月末、年末ということもあり、ロンドンフィキシングなどを中心に大きなフローが出る可能性がある。市場が想定している以上に大きな値動きとなることには注意が必要となる。

 

クリスマス明けのナスダック総合に強いジンクス:アノマリー分析

相場のアノマリー分析に詳しいトレーダーズ・アルマナックによれば、クリスマス明けのナスダックは1988年以降、上昇したのが71.4%で、騰落率はプラス0.37%となっていた。ただ、クリスマス明けの2日後には上昇率45.7%、3日後には同57.1%となっており、上昇確率はじわり鈍化する傾向にあるという。

 

鈍化傾向続く米インフレ率は3月利下げ確率は9割超:US Dashboard

22日に発表された11月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で2.6%上昇した。10月の2.9%から伸びが鈍化し市場予想の2.8%を下回った。エネルギーと食品を除くコア指数の上昇率も3.2%と10月の3.4%から鈍り、市場予想の3.4%を下回った。米連邦準備理事会(FRB)は物価情勢を判断する上で同指標を重視している。インフレ率の鈍化傾向を受け、市場では早期利下げ観測が広がった。米金利先物の動きから米政策金利を予想する『Fedウオッチ」では2024年3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決める確率が9割を超えた。

 

欧米市場イベント

○スイス、ドイツ、フランス、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド、英国、南アフリカ、カナダ、米国、ブラジル、メキシコ(以上、クリスマス)、休場

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