★欧州市場朝方の取引では、株価が堅調に推移する一方、クロス円が戻り売りに押されて前日マイナス圏に反落した。なお、アジア市場の株高を好感して欧州株は堅調に取引を開始した。欧州市場では貿易摩擦激化への根強い懸念から、米長期金利低下とともに円買いが再燃した。しかし、韓国と北朝鮮が4月の首脳会談開催で合意し、『北朝鮮は協議が続く限り、ミサイル・核実験をしないと表明』などと伝わったことを受けて、リスク回避姿勢が後退した。NYダウ先物や日経先物が上昇する中ドル買いが強まった。日経先物が360円高やNYダウ先物が180ドル超高となると106.40円台まで上げた。アジア時間に付けた高値106.46円を上抜け出来ず上値の重さが嫌気された。米株高や米長期金利上昇も一服したことで円買いが優勢になった。NYダウが120ドル超高から下げに転じたことで106円台割れまで下落した。米長期金利低下やNYダウが一時160ドル超下落したことでドル売りが優勢となった。パーデュー共和党上院議員が『トランプ米大統領は関税の見直しにオープン』との見解を示すと、米国株が持ち直したためドル円にも買い戻しが入った。NY午後に入ってからは新規材料難から106.10-20円近辺でもみ合い商状となった。
欧米市場では106.40円台での上値の重さが意識される展開となったことから、本日アジア時間でも同様に上値の重さが意識されそうだ。ただ、上抜けるようなら、売り方からの買戻しが入り次の段階まで上昇しやすい。下値では、105円台後半では3回下げ止まるなど、押し目買いが入っている。引けにかけては横ばいとなっていることから、アジア時間での新規材料待ちの様相となる。NYダウは高値と安値で280ドル超の値幅があり、ボラティリティがなお高いので注意が必要となる。
★日経225の日足では、200日線(紫線)21,192円は窓を空けて回復した。しがし、短期的な上昇トレンドの節目となる5日線(赤線)21,486円を上抜け出来ずに終了した。5日線は下向きとなっており、上値抵抗ラインとなると再び下値模索の動きになりやすい。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%Kの下落の勢いは鈍化し始めているが、それでも下向きとなっている。
今週末9日にはメジャーSQ算出日を控え、明日もSQに向けての先物主導の値動きとなりやすい。相場のボラティリティの高止まりが続くことへの警戒感も根強くある。相場の予想変動率を示す日経平均ボラティリティ・インデックスは6日下落したものの、不安心理が高まった状態とされる20を超える水準となっている。様子見ムードが広がる中、相場全体の方向感がないだけに、日替わりで米国発のニュースや株価・為替動向に振らされ、相場材料にやや過剰に反応する相場展開が続く可能性が高い。東証空売り比率が前日46.9から43.1に低下しているが高水準で推移している。米国株が今晩大幅に上昇すると、明日の朝は売り方からの買い戻しが入りやすい。
★ドル/円の月足で、2011年10月安値75.54円と2015年6月高値125.85円をフィボナッチリトレースメントと白銀比率で分析する。
現在38.2%押しとなる106.63円を一旦下抜けたものの、下ヒゲとなり戻り基調となっている。ただ、戻りきれていないことから、上値が重くなると再び下落基調となりやすい。
2017年9月安値107.29円のダブルトップネックライン107.29円も上値抵抗ラインとして意識されやすい。今月も107.20円まで上昇したが、ネックラインが意識され押し戻された。
38.2%押しを下抜けると50.0%押しとなる100.69円が下値節目として意識される。
また、ロウソク足でも、2017年11月が高値となり、その後は一度も上値を超えることなく下値を切り下げながらの下落基調となっている。
長期トレンドでは、今年に入ってから2ヵ月連続大陰線を伴った下落となっている。そのため、押し目買いは入りやすいものの、現在のところでは反発の兆しが出ていないことから、戻り売り目線となる。
★日経225の日足では、前日200線(紫線)21,198円を下抜けしたものの、昨日のNYダウの大幅上昇を受け、窓を空けて200日線を上抜したことで市場には安心感が広がっている。
ただ、上値では5日線(赤線)21,498円、10日線(黄線)21,763円が上値抵抗ラインとして位置している。問題は2月27日に上値抵抗ラインとなった25日(青線)21,986円が下向きで上値を切り下げてきていることである。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%K:19.03、%D:29.48とかい離幅を広げながら下落基調となっている。ただ、%Kがわずかに横向きとなってきていることで、下落の勢いは鈍化している。
今日の朝方の上昇は、前日の東証空売り比率が46.9%と高水準であったことから、売り方からの買戻しが上昇を加速させた。そのため、買戻し一巡後からの値動きが重要となる。
本日は5日線を上抜けできるかが重要ポイントとなる。テクニカル的には5日線を上回ることで短期的な上昇基調となりやすい。ただ、5日線が上値抵抗ラインとなると、上値の重さが嫌気されやすく、再び下値模索の動きになりやすい。
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