FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2020/03/16/03:01:10

米国株式市場は大幅上昇:米景気に対する投資家の不安心理が後退

NYダウは1985.00ドル高の23185.62ドル、ナスダックは673.07ポイント高の7874.88で取引を終了した。前日に2352ドル下落し過去最大の下げを記録したうえ、約2年9カ月ぶりの安値を更新したあとだけに自律反発狙いの買いが先行した。世界の中央銀行による金融緩和策が相次いだことも相場の支援材料となり、一時1300ドル超上げた。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が続き世界経済が景気後退入りするとの懸念は根強く、買い一巡後は84ドル高まで急失速した。もっとも、トランプ米大統領が『非常事態』を宣言し、連邦政府の予算を地方政府に振り向けられるようにしたほか、政策を総動員する姿勢を打ち出すと米景気に対する投資家の不安心理が後退し、買いが加速した。上げ幅は過去最大となり、上昇率は9.4%高と11年半ぶりの大きさとなった。VIX指数は 75.47から大幅57.83へ低下した。

 

NY外国為替市場:有事のドル買い強まる

ドル/円は、前日に2352ドル下落し過去最大の下げ幅を記録したNYダウがこの日は1985ドル上昇し過去最大の上げ幅を記録すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円を売る動きが広がった。半面、新型コロナウイルスの感染が『パンデミック(世界的な大流行)』となる中、世界的リセッション(景気後退)への懸念は根強く、市場では「通常は安全資産とされる円が買われる場面だが、今は状況が違う。リスク資産の急落で流動性が枯渇し始めており、『有事のドル買い』が進んだ」との声が聞かれた。ドル/円は円安とドル高の両方の様相が強まったことで一時108.50円と3日以来の高値まで急伸した。アジア時間に付けた日通し安値104.51円からほぼ4円の上昇となる。
 なおトランプ米大統領はこの日、ホワイトハウスで記者会見し、新型コロナ対応で非常事態を宣言した。最大500億ドルの連邦政府予算を活用し、検査や治療の態勢を強化する。さらに『全ての連邦学生ローンの金利支払い免除』と『石油大規模購入で戦略備蓄を拡大する』との方針を示した。米10年債利回りが一時1%台を回復したこともドルの支援材料となった。

ユーロ/ドルは、米連邦準備理事会(FRB)や中国人民銀行、ノルウェー中銀など各国中銀による金融緩和で欧州株相場は大幅に反発して始まったものの、終盤失速した。株式市場は依然として不安定な値動きが続き、債券や金などのリスク資産が売られる中、『金融市場では最も流動性の高い基軸通貨ドルに買いが入った』との指摘があった。『トランプ米大統領は国家非常事態を宣言するようだ』との報道が伝わると全般ドル買いが活発化し、一時1.1055ドルまで値を下げた。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いも観測された。ただ、ユーロ/円やユーロ/ポンドなどユーロクロスが上昇した影響で、引けにかけては1.1118ドル付近まで下げ渋っている。

 

NY原油先物市場は小幅反発:引き続きサウジの増産が上値の重石

週末を控えて持ち高調整の買い戻しが先行し、大幅反発で始まった株式市場の動きもリスク資産である原油の買いを促した。NY勢の入り際には一時33ドル後半まで値を上げている。もっとも、サウジアラビアの増産が確実視されているなか供給過剰への警戒感は根強く、NY午後にかけては上げ幅を大きく削り安値引けとなった。米国内の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比1基増加の683基となった。

 

NY金先物市場は大幅下落:トランプ米大統領が国家非常事態宣言で売り優勢

NY金先物市場は1504.00-1597.90ドルのレンジ相場となった。通常取引開始前の時間外取引で1600ドルに接近する場面があったが、トランプ米大統領が国家非常事態を宣言するとの報道を受けて金先物の下げ幅は大幅に拡大し、一時1504.00ドルまで売られた。スタフォード法に基づき、連邦政府は州・地方自治体への支援を一段と強化する。通常取引終了後の時間外取引で1536.90ドルまで戻したが、株高やドル高を意識して金先物の戻りは鈍かった。欧米の株式相場は反発したものの、このところの急落で投資家の資産現金化の流れは止まらず、金への売り圧力は強まったままだった。

 

米国債券市場では反落:リスク回避が後退し安全資産の債券売り

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.14%高い(価格は下落)0.96%で終了した。各国中銀による金融緩和策を受けて投資家の不安心理が和らぎ、相対的に安全資産とされる米国債に売りが先行した。トランプ米大統領の会見後に米国株が上げ幅を広げると、債券相場は一段安となった。10年債利回りは一時1.0152%まで上昇した。

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2020/03/13/07:45:44

米国株式市場は大幅続落:経済活動が世界で収縮する懸念から売り

NYダウは2352.6ドル安の21200.62ドル、ナスダックは750.25ポイント安の7201.80ポイントで取引を終了した。米国が新型コロナウイルスの拡大阻止のため、英国を除く欧州からの外国人の入国禁止を発表すると、経済活動が世界で収縮する懸念が強まり売りが膨らんだ。今週2度目となる「サーキットブレーカー」が発動され、取引が一時停止される事態となった。下げ幅は過去最大となり、下落率は87年10月19日のブラックマンデー以来の大きさだった。米連邦準備理事会(FRB)が追加レポオペで1兆5000億ドルを供給すると伝わると715ドル安まで下げ幅を縮小する場面もあったが、戻りは鈍かった。VIX指数は 53.90から75.47と大幅上昇した。過去最大は2008年の89.53。

 

NY外国為替市場:世界的株安でも過度な円買いにつながらず

ドル/円は、米国が英国を除く欧州からの30日間の渡航禁止措置を発表すると、世界的な景気後退への警戒感から欧州株相場や時間外のNYダウ先物が下落した。ECBが利下げを見送ったことも嫌気されて、欧州株相場が過去最大の下落率を記録、米国株相場も史上最大の下げ幅となった。日経平均先物も大証終値比1500円安の1万6640円まで売り込まれるなど、あらゆる資産のキャッシュ化が進む中でドル全面高の展開となった。FRBが大規模資金供給を実施すると伝わると、米国株の下げ渋りとともに一時106.09円と日通し高値を付けた。ただ、NYダウ平均は715ドル安まで下げ幅を縮めたものの、引けにかけて再び下げ幅を広げ2352ドル安と過去最大の下げに。ドル円も104.61円付近まで押し戻されている。 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による域内経済への悪影響に対応するため、量的緩和政策を年末まで1200億ユーロ拡大すると発表した一方、政策金利は現行の0.00%に据え置いた。ECBが利下げに踏み切らなかったことで市場では失望感が広がり、イタリアなどの周辺国国債が急落(金利は上昇)した。イタリア株式相場は17%安、独仏は12%安となりユーロ圏全体の値動きを示す指数は12%超下落と過去最大の下落率を記録した。米国株相場も寄り付き後まもなく7%超急落し、今週2回目となる『サーキット・ブレーカー(取引を一時停止)』措置を発動した。新型コロナによる景気不安の高まりでドル資金のひっ迫感が強まる中、世界の株式相場が急落したことを受けてリスク回避のドル買いが進み、一時1.1056ドルと2日以来の安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり1.1227ドル付近まで下げ渋った。

 

NY原油先物市場は下落:供給過剰への懸念が再浮上で売り優勢

NY原油先物市場は30.02ドル‐33.63ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)プラスによる協調減産が3月末終了にともない、4月以降の増産方針を示していたサウジアラビアが、国営石油会社に日量1300万バレルまでの生産能力拡大を指示したとの一部報道が伝わった。これまでは、最大でも日量1200万バレル程度の生産量だと見積もられていた。供給過剰への懸念が再び強まり、原油先物は売り優勢となった。 

 

NY金先物市場は大幅続落:現金化への動き強まり売り優勢

NY金先物市場は1560.40‐1651.00ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルスの影響を懸念した世界株安が加速し、資産の現金化が進むなかで金への売り圧力は強まった。また、ドルが対ユーロで1.10ドル台までドル高に振れたこともドル建ての金先物の重しとなり、一時約1カ月ぶりの安値となる1560.4ドルまで下値を広げた。現金以外の資産を換金する動きが広がっており、米国株安を意識した安全逃避の金買いは観測されなかった。

 

米国債券市場は反発:リスク回避の動きが強まり買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)0.82%で終了した。トランプ米政権が打ち出した欧州からの入国禁止措置による経済的影響への懸念が広がり、世界の株価が急落した。相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。ただ、足もとで相場上昇が続いている米国債には『利益確定を含め資産に占める現金比率を高めるための売りが出た』との声も聞かれ、下げに転じる場面(金利は上昇)があった。

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2020/03/12/07:51:11

米国株式市場は下落:WHOの『パンデミック』宣言で売り優勢に

NYダウは1464.94ドル安の23553.22ドル、ナスダックは392.20ポイント安の7952.05ポイントで終了した。米政府は10日に新型コロナウイルス対応の経済対策を議会に要請したが、市場では『実現時期や効果には不透明感がある』との見方が多く、売りが優勢となった。世界保健機関(WHO)が新型コロナについて『パンデミック(世界的流行)』と表明したことも投資家心理の悪化につながり、一時1689ドルの大幅下落となった。NYダウは高値から20%下落した水準を割り込み、弱気相場入りした。VIX指数は47.30から53.90へ上昇した。

 

NY外国為替市場は米国株急落でリスク回避の円買い

ドル/円は、米政権は10日に新型コロナウイルス対応の経済対策を議会に要請したものの、市場では『実現時期や効果には不透明感がある』との見方が多く、米国株が大幅に下落した。ドル/円にも売りが出た。世界保健機関(WHO)が新型コロナについて『パンデミック(世界的流行)』と表明したことも投資家心理の悪化につながり、一時104.23円付近まで値を下げた。なお、NYダウは一時1689ドル下落したほか、日経平均先物は大証終値比440円安の1万8930円まで売られる場面があった。ただ、アジア時間に付けた日通し安値104.10円を下抜けることは出来なかった。ユーロやポンドに対してドル高が進んだ影響を受けたほか、米10年債利回りが0.88%台まで上昇したことが相場の下支え要因となった。 

ユーロ/ドルは、明日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に利下げ観測が強まると、全般ユーロ売りが優勢となった。前日の安値1.1275ドルを下抜けると一時1.1258ドルまで下げ足を速めた。なお、イングランド銀行(BOE、英中銀)による緊急利下げを受けてECBも追従するとの観測が広がり、短期金融市場ではECBによる0.10%の利下げを完全に織り込んだ。

 

NY原油先物市場は反落:需給の緩みが意識され売り優勢に

NY原油先物市場は32.56ドル-36.35ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)が20年の原油需要見込みを下方修正するなか、アブダビ国営石油会社のADNOCは11日、4月から日量の原油生産量を増加する方針を示した。需給の緩みが強く意識されて原油相場は売り優勢になった。米エネルギー省(EIA)が発表した週間在庫統計で、原油が+766.4万バレルと大幅な積み増しとなったことも重石となった。また、米国株安を意識して原油先物の上値は重くなった。 

 

NY金先物市場は下落:株安でポジション調整売り

NY金先物市場は1632.40-1671.80ドルのレンジ相場となった。下げが止まらない株式市場で受けた損失をカバーするため、現物の金塊は投資家の換金売りに押され、先物市場も上値を抑えられた。ドルが対ユーロで堅調となったことも材料に、ドル建ての金先物は終日弱含みに推移した。1671.80ドルまで買われたが、株安の局面でポジション調整的な売りが観測された。

 

米国債券市場は続落:前日の3年債入札不調が引き続き売り誘う

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)0.87%で終了した。米経済対策の行方を見極めたいとのムードが強く、米国株が急落する中でも債券買いの動きは限られた。米10年債入札は『無難な結果』だったが、前日の3年債入札が『低調』だったため債券売りが続いた面もある。

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2020/03/11/07:48:42

米国株式市場は反発:米政府の大規模経済対策への期待から買い優勢

NYダウは1167.14ドル高の25018.16、ナスダックは393.58ポイント高の8344.25ポイントで取引が終了した。米政府による大規模経済対策への期待から買いが先行し、取引開始直後に一時940ドル超上げた。ただ、共和党内の意見が分かれ、速やかな実施に懐疑的見方が広がたことや、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を背景に戻りを売りたい向きも多く、指数は下げに転じる場面があった。トランプ米大統領は与党・共和党議員との協議で『大統領選挙まで給与税を免除することが望ましい』と打診したことが分かると買いが加速し、ほぼ高値引けとなった。VIX指数は 54.46から47.30へ低下した。

 

NY外国為替市場:米景気対策への期待からドル買い戻し優勢

ドル/円は、トランプ米大統領による給与税減税など『大規模な』景気対策への期待が高まる中、NYダウ先物が1100ドル超上昇するとそれまで過度に傾いていたリスク・オフの巻き戻しが進行した。『日銀は金融緩和で設けている指数連動型上場投資信託受益権(ETF)の購入枠拡大を検討』との報道も円売り・ドル買いを促し、一時105.21円まで値を上げた。その後『米政権は劇的な経済対策案を用意できていない』との観測報道が伝わると、一時は940ドル超上昇した現物のNYダウがマイナス圏に沈んだため、ドル円にも売りが出て一時103.21円付近まで下押しした。ただ、トランプ米大統領は与党・共和党議員との協議で『大統領選挙まで給与税を免除することが望ましい』と打診したと明らかになると米景気対策への期待が再び高まった。NYダウが引けにかけて1100ドル超上昇し、日経平均先物も急速に持ち直したため、ドル円にも買い戻しが入り一時105.92円と日通し高値を更新した。

ユーロ/ドルは、足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りが先行した。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢となり一時1.1275ドルと日通し安値を付けた。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いも観測された。なお、12日の欧州中央銀行(ECB)理事会では利下げが見込まれているが、市場の一部では『利下げに加えて社債買い入れを通した資産買い入れプログラムの拡大を決定するのでは』との見方が出ている。イタリアのコンテ首相はこの日、新型コロナウイルス対策でECBに可能な手段の総動員を要請。同国では死者が前日の463人から631人に急増している。 

 

NY原油先物市場は反発:露・サウジの協調減産の協議再開の可能性

NY原油先物市場は30.20ドル-35.02ドルのレンジ相場となった。直近2日間で3割以上下落していたこともあり、自律反発の買いが先行した。ノバク露エネルギー相は『原油市場の沈静化のため、ロシアは石油輸出国機構(OPEC)との協調行動を排除しない』と発言し、露大統領報道官も露サウジの協調減産を巡る協議再開の可能性について言及した。ひとまずは過度な警戒感が後退したことで原油相場は買い戻しが優勢となった。米国株式の大幅反発も好感された。

 

NY金先物市場は反落:リスク回避地合い後退で売り優勢

NY金先の市場は1641.10‐1681.30ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルス感染拡大による経済への悪影響が懸念されるなか、トランプ米政権による大規模な景気対策への期待が高まった。金融市場ではリスク回避地合いが後退し、安全資産の金は売り戻しが強まった。為替相場でドルが対ユーロで強含んだことも、ドル建ての金先物の重しとなった。また、米国株式の大幅反発や原油先物の下げ止りを受けて伸び悩んだ。

 

米国債券市場は大幅反落:トランプ大統領の景気対策への期待から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに大幅反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.27%高い(価格は下落)0.81%で終了した。トランプ米大統領は新型コロナウイルス対策として『給与税減税を年末までの時限措置か恒久化の2案を検討』と伝わると、米国株が大幅反発。安全資産とされる米国債に売りが集まった。

 

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2020/03/10/07:44:46

米国株式市場は下落:新型肺炎の感染拡大と原油価格の急落を嫌気

NYダウは2013.76ドル安の23851.02、ナスダックは624.94ポイント安の7950.68ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で景気や企業業績の減速懸念が一段と高まるなか、原油価格の急落が売りに拍車をかけた。S&P500種株価指数は寄り付き後まもなく7%超急落し、売買を一時中断する措置(サーキット・ブレーカー)が発動され15分間取引停止となった。なお、サーキット・ブレーカーが実施されるのは今の制度が2013年に導入されて以来初めてとなる。VIX指数は41.94から54.46へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株市場でサーキットブレーカー発動でドル急落

ドル/円は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大や原油先物価格の急落を受けて、投資家がリスク回避姿勢を強めると円買い・ドル売りが先行した。現物の米国株相場が寄り付き後まもなく7%超急落し、『サーキット・ブレーカー(取引を一時停止)』措置が発動されると、リスク・オフの動きがさらに加速し一時101.19円と2016年10月以来約3年5カ月ぶりの安値を付けた。ただ、米国株の取引再開に向けてはショートカバーが優勢となり一時102.68円付近まで急速に値を戻した。市場では『日銀によるレートチェックの噂』もあった。そのあとは米国株の動きに合わせる格好で102円台前半から半ばでの不安定な値動きとなった。

ユーロ/ドルは、ドル/円の下落や米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入り一時1.1485ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1495ドルを上抜けることは出来なかった。なお、ユーロ圏短期金融市場では12日の欧州中央銀行(ECB)理事会で0.10%の利下げが織り込まれているが、市場の一部では『利下げに加えて社債買い入れを通した資産買い入れプログラムの拡大を決定するのでは』との見方が出ている。 

 

NY原油先物市場は続落:サウジアラビアの増産姿勢を嫌気

NY原油先物市場は27.34ドル-34.88ドルのレンジ相場となった。先週の石油輸出国機構(OPEC)プラス会合で追加減産協議が決裂し、週末にはサウジアラビアが増産姿勢を示した。他の産油国も追随するのは確実とみられ、供給過剰への警戒感が大きく高まり、原油先物は週明けの時間外取引から暴落。一時27ドル前半まで売り込まれて4年以上ぶりの安値を記録した。NY勢の参入後には買い戻しの動きもあったが、引けにかけて再び売り押された。

 

NY金先物市場は小幅高:リスクオフ地合いから安全資産の金買い優勢

NY金先物市場は1658.00-1704.30ドルのレンジ相場となった。週明けオセアニア市場からリスクオフ地合いが強まり、時間外取引の金先物も買いが先行し、7年以上ぶりとなる1700ドル台まで上値を伸ばした。しかしながら、上昇一巡後は利益確定の売りに押し戻され、NY勢の本格参入後は前週末の引け水準を挟み方向感無く上下した。株安を意識した買いが入ったが、まとまった規模ではなかった

 

米国債券市場は続伸:引く続きリスク回避の債券買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年債利回りは前営業日比0.22%低い(価格は上昇)0.54%で終了した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大や原油先物価格の急落を受けて、投資家がリスク回避姿勢を強めると相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。米10年債利回りは一時0.3137%と過去最低を更新した。 

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